世代交代がカスタマーサービスに与える影響

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • 4 つの世代の類型的な特徴について説明する。
  • 世代交代について説明する。
  • さまざまな世代の従業員を管理する。

私たちは第 4 次産業革命が社会にもたらしたテクノロジの大きな変化を目の当たりにしています。同時に、ベビーブーマー世代の引退が始まったことで、大規模な世代交代も発生しています。ミレニアル世代と Z 世代が文化的環境に影響を及ぼすようになり、カスタマーサービスはますますデジタルチャネルに近づいています。 

こうした新世代が現れる一方で、ベビーブーマー世代と X 世代がまだ現役であるため、コンタクトセンターはしばらくの間、サービスについてさまざまな好みが混在した状態に対処する必要があります。この単元では、テクノロジの進歩がこうした 4 つの世代にどう影響し、カスタマーサービスに関する各世代の期待をどう変えるかについて説明します。 

世代交代とは

世代についてビジネスと学究ではいくつか異なる見解がある一方で、1 世代が 15 ~ 20 年間にわたることについては意見がほぼ一致しています。ある世代と次の世代の間の正確な境界線には議論の余地がありますが、世代は歴史的転換点で始まり、終わると考えられています。たとえば、一般に、ベビーブーマー世代は第二次世界大戦が終わったときに始まり、ケネディ大統領が暗殺されたときに終わったと言われます。 

世界史上の劇的な出来事が、世代ごとに共有される体験と運命感をもたらします。この共通の歴史的体験からグループのメンバーに同じような信念と特性が生まれます。各世代が人生のステージ (思春期、青年期、成人期、老年期) を進むと、そのグループが社会で果たす特定の役割の意味も変わります。コンシューマ (消費者) の行動と従業員の期待におけるトレンドも世代交代に関係することがあります。そしてコンタクトセンターでは世代交代も起きているのです。

ベビーブーマー世代 (1943 ~ 1960 年生まれ)

かつて米国で最大の人口グループであったベビーブーマー世代は社会に大きな影響を与えてきました。その数は 7,000 万人を超えるため、彼らは規模が持つ力を十分に認識して、多くの社会運動や政治運動の中心となりました。電話が最速のコミュニケーション手段である時代に育ったため、この世代のメンバーは多くの場合、サービス問題の解決に電話を使用することを好みます。

米国労働統計局によると、ベビーブーマー世代が労働人口に占める割合は 1980 年代がピークで、現在は労働人口の 1/4 ほどになり、その数は引退が増えるにつれて減少しています。経験豊富なマネージャやエージェントの多くがパートタイム勤務に移行したり、完全に引退したりしているため、適任の後継者を見つける必要性が高まっています。当面の間、リーダーはこの世代の多くが持つ確かな対人スキルを認め、この領域で若手従業員がブーマー世代の同僚から学ぶ機会を作る必要があります。

X 世代 (1961 ~ 1981 年生まれ)

当初はベビーバスター世代と呼ばれていた X 世代は、1960 年代から 70 年代にかけて米国で出生率が低下したため、人口がはるかに少ない世代です。政治や文化が激変した時代に成長したこの世代は、若年期に独立独歩で生きることを学んでいます。第 3 次産業革命の始まりを真っ先に経験しており、新旧を問わず、さまざまなチャネルを難なく使ってカスタマーサービスにアクセスします。歴史的な出来事とこの強い独立心が相まって、X 世代は米国における起業家の中心となりました。IT 企業上位 10 社の多くは、この世代のメンバーによって創業されています。 

労働力としての X 世代は、ピークだった 2008 年の 5,400 万人から減少しており、現在は人口の多いベビーブーマー世代の役割を引き継いでいます。この世代は、より柔軟に職場を求めた最初の世代で、満足できなければ積極的に転職しました。頻繁に転職するため、X 世代に仕事での刺激とモチベーションを維持させるのは難しいことがあります。この世代は、継続的なキャリア開発の機会とコンタクトセンターでの大きな自主性を求めています。

ミレニアル世代 (1982 ~ 2004 年生まれ)

米国労働統計局によると、ミレニアル世代は 2019 年にベビーブーマー世代をい追い越して最大の成人人口グループになります。史上最も豊かで技術的に進歩した社会に生まれたミレニアル世代は、初めての本当のデジタルネイティブでした。そのため、この世代のメンバーの多くは、サービス問題について苦情を言うときに電話をかけるより、Twitter を使用するほうが簡単だと感じます。ミレニアル世代にとってデジタルチャネルは非常に重要です。

ミレニアル世代はすでに米国の労働人口で最大の割合を占めています。コンタクトセンターでは、この年齢層のエージェントが最も多いことがよくあります。この世代はいずれ、マネジメントの中心となります。それを自覚しているため、エンゲージメントを維持するためにエキスパートのコーチングとキャリア開発を期待しています。また、全体としてデジタルテクノロジに精通しており、その点ではコンタクトセンターを発展させるのにぴったりの立場にあります。チームワークや意義をサポートする企業文化が、長い職責リストよりも重要になります。この世代の採用は、動画、Glassdoor や ZipRecruiter のような Web サイトでのよいレビューを含む、強力なオンラインプレゼンスがあるかどうかで左右されます。

Z 世代 (2005 年以降生まれ)

何年生まれから Z 世代なのかについては専門家の間でもいまだに議論がありますが、ミレニアル世代の後に新しい世代が登場していることは誰しも認めています。21 世紀の始め前後に生まれた Z 世代は、はるかに不安定な世界で成年に達します。ミレニアル世代と同様に、この新世代もあらゆる場所にテクノロジがある環境で育ちました。デジタルチャネルを主なコミュニケーション方法として育ち、コンタクトセンターで幅広いチャネルを利用できることにこだわります。 

従業員としては、Z 世代は若手の立場にあり、ミレニアル世代と同じように高い技術スキルがありますが、電話や対面でのやりとりについては特別なコーチングを必要とする場合があります。Z 世代は、雇用主がデジタルカスタマーサービスチャネルへの移行を進めるときに力を発揮する貴重なグループになる可能性があります。

さまざまな世代の従業員の管理

複数の世代が一緒になることでチームは強靱になります。各世代の特徴を知ることで、マネージャは、ある枠組みに沿って各世代とその類型的な強みと弱みを理解することができます。とはいっても結局、各従業員は世代に関係なく個人として業務を行い、状況に応じてさまざまな方法で行動する可能性があります。世代については指針として参考にすることが重要で、人をその世代の型にはめないようにする必要があります。

マネージャとして、コンタクトセンターのさまざまなグループに、世代ではなくスキルに基づいて異なるタスクを割り当てるようにします。ミレニアル世代が目にもとまらず速さでテキストメッセージを入力できるからといって、その内容が顧客向けとして適しているとは限りません。トレーニングは一貫性のある妥当なものにして、トレーニングプログラム全体が誰に対しても同じになるようにします。ただし、世代に基づいた想定で設計することもできます。補完するスキルを持つエージェントが互いにサポートできるようにコンタクトセンターの席を割り振るバディシステムを設計することも、異なる世代のエージェントがペアを組むようにロールプレイングを取り入れることもできます。

インセンティブに関しては、モチベーションを把握することが常に最大の課題となります。この領域でも、世代の特徴が指針として役立ちます。多様性が鍵となります。さまざまな世代のスタッフに対処できる、複数の異なるインセンティブを設計します。ゲームの手法を適宜取り入れ、金銭的なインセンティブを提示し、表彰プログラムを試します。現在、世代交代が始まっているため、さまざまなモチベーションを持つスタッフに訴えかけるものを用意することが重要です。

第 4 次産業革命と同時に起きている世代交代は、コンタクトセンターで顧客と従業員の両方の行動様式を変えています。ここでは、こうした相互に関係する変化と、それにどう対処するかについて理解を深めることができました。従業員として、また顧客として必要なことは世代ごとに異なります。複数のサービスチャネルを混合して多様な顧客のニーズに対応し、強力な人材プールを従業員として採用することが重要です。 

Trailblazers for the Future の開始

世代交代とテクノロジの両方が変化して、顧客とつながろうとする企業には課題が生じています。Salesforce は、顧客と有意義な関係を育もうとする企業を積極的にお手伝いしています。そのため、画期的な新プログラム、Trailblazers for the Future を開始し、コンタクトセンターが第 4 次産業革命とそれに伴うあらゆる変化を受け入れられるように支援します。 

この Trailhead モジュールは、コンタクトセンターのエキスパートと一緒に開発したトレーニングのほんの一部です。成功を確実にするために、他のトレイルも作成しました。ぜひチェックしてください。また、Trailblazers for the Future の ツアーも行っており、この新しい時代にコミュニティを作り、コンタクトセンターを成功させるためのワークショップを全米で開催しています。第 4 次産業革命はすで始まっています。Trailblazers for the Future は、新たな機会の世界に向けたジャーニーの第 1 歩です。

リソース

Pew Research CenterHow Millennials today compare with their grandparents 50 years ago (今日のミレニアル世代と 50 年前の祖父母との比較)

NielsenThe Nielsen Total Audience Report (ニールセン総合利用者レポート)

Pew Research CenterMillennials are the largest generation in the U.S. labor force (ミレニアル世代が米国労働人口の最大の世代に)