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お客様のオンボーディングをはじめる

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • 銀行でのお客様のオンボーディングについて説明する。
  • お客様のオンボーディングの課題について説明する。
  • 事前構築されたサンプルアプリケーションを使用するメリットを挙げる。
  • このアプリケーションの機能について説明する。

銀行でのお客様のオンボーディングについて知る

銀行のお客様のオンボーディングとは、新規のお客様を銀行のシステムに導き、銀行の各種サービスを効率的に利用できるようにするプロセスです。オンボーディングは、データ収集、検証、承認、口座開設の 4 つのフェーズで構成されます。

  1. データ収集: 貴重な顧客データを収集し、情報に基づくビジネス判断を下します。お客様のニーズや期待に応えるにはオファリングや商品のどの点を改善すればよいかを見極めます。
  2. 検証: 顧客情報を確認します。検証チェックは、セキュリティの標準プロトコルです。
  3. 承認: オンボーディングの申込者のために作成されたレコードを審査して、そのレコードを承認します。
  4. 口座開設: 新規口座を開設して、リードをお客様に変換します。お客様が銀行で簡単に口座を開けるようにします。そうしなければ、お客様は競合他社に行ってしまいます。

ビジネスの観点から言うと、小売業のお客様のオンボーディングはそれぞれ微妙に異なり複雑です。銀行はさまざまな規制を遵守して厳密な文書化を維持し、複雑な商品やサービスを扱っています。お客様と長期的な関係を構築して収益を上げるためには、法規制に準拠したスムーズなオンボーディングエクスペリエンスを生み出す必要があります。ただし、銀行業界ではこの点が難題で、金融機関に多額の罰金が科されることも少なくありません。

オンボーディングの課題

オンボーディングプロセスが非効率なために、銀行とそのお客様が直面する一般的な課題として次の点が挙げられます。

銀行の課題

  • 法規制が度々変更される
  • 柔軟性と拡張性に欠けるレガシーシステムを使用している
  • お客様の全体像をとらえることができない
  • オンボーディングサイクルが複雑で時間がかかる

お客様の課題

  • 書類に何度も記入させられる
  • 紙ベースのプロセスで効率性が悪い
  • オンボーディングの結果が出るまでに時間がかかる
  • 商品やサービスが汎用的である
  • カスタマーエクスペリエンスが一貫していない

オンボーディングアプリケーションでオンボーディングを効率化する

Cumulus Bank は大手のリテールバンキングで、Financial Services Cloud を使用して業務を管理しています。Matt O’Brien は Cumulus の信頼できる Salesforce システム管理者で、Ryan Dobson はファイナンシャルアドバイザーです。2 人は Cumulus のオンボーディングエクスペリエンスを効率化するために、Financial Services Cloud (FSC) のサンプルオンボーディングアプリケーションを使ってみることにします。

このアプリケーションは、銀行業務の複雑なバックオフィスプロセスを自動化し、お客様にまったく新しいオンボーディングエクスペリエンスをもたらします。

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このアプリケーションを使用すると、次のようなメリットがあります。

  • 手作業のオンボーディングに伴う非効率性やエラーが排除される。
  • 顧客データをすべて 1 か所で取得し、デジタル化して視覚化するため、サイロ化したシステムを探し回る必要がない。
  • ビジネスルールを使用した優れたカスタマーサービスが実施されるため、お客様のケースが滞ることがない。
  • やり取りのたびにロイヤルティが高まり、オンボーディングの放棄率が低下する。
  • 手間のかかるプロセスが加速する。
  • 効率的な認証プロセスでコンプライアンスが維持される。
  • 部門間の可視性と透明性が確保される。

アプリケーションの機能

このサンプルアプリケーションは、Salesforce 組織にリリースして、オンボーディングの独自のニーズに合わせてカスタマイズできるさまざまな機能を備えています。こうした機能によってオンボーディングプロセスがいかに容易になるのかを見ていきましょう。

ディスカバリーフレームワーク

ディスカバリーフレームワークデータモデルと Omnistudio の高度な機能を使用してデジタルフォームを作成すれば、アンケート形式のデータ収集と検証が加速します。ミスが生じやすい手作業を排除して、データ収集を効率化し、規制やポリシーに対応させます。

フロー

フローとフローオーケストレーションを活用して、オンボーディングプロセスを自動化できます。

[顧客を知る] データモデル

[顧客を知る] (KYC) データモデルを使用して、お客様の ID、リスクプロファイル、財務状況の全容を把握します。こうした情報をすぐ確認できるようにして、ローン申込を承認するかどうかや、お客様に新しい商品やサービスを勧めるかどうかを判断します。

決定マトリックスと式セット

決定マトリックスと式セットは、ビジネスルールエンジン (BRE) の構成要素です。決定マトリックスは、ユーザー定義の入力列と出力列からなるルックアップテーブルです。エンジンが入力を取り込んで、適切な出力を見つけ出します。式セットが決定マトリックスをコールすると、エンジンが入力値と一致するテーブル行を見つけて、その行の出力値を返します。

ドキュメントを検証

検証機能を使用してドキュメントの顧客情報を確認します。たとえば、お客様が調査を受けた後でドキュメントをアップロードした場合、そのドキュメントのデータが、お客様の当事者プロファイルや関連レコードの情報と一致しているか検証できます。

承認プロセス

承認プロセスを使用して、エンドツーエンドのドキュメント承認ライフサイクルを効率化します。レコードの承認に必要な一連の手順を指定して自動化します。

次のステップ

このアプリケーションがお客様のオンボーディングの効率化にどのように役立つかを学習しました。次の単元では、Matt がサンプルオンボーディングアプリケーションを使用するために組織を準備するところを見ていきます。では、先に進みましょう!

リソース

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