クライアントの受入と検証を簡素化する
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- オンボーディング時に使用される、個人クライアント向けと B2B クライアント向けのデータモデルの違いを説明する。
- クライアント情報を収集するために使用されるツールとアプリケーションを挙げる。
- クライアントデータの検証とコンプライアンスの確保に自動化がどのように役立つかを説明する。
受入と検証を標準化する
オンボーディングは、初期のクライアントデータを収集する受入プロセスから始まります。Agentforce Financial Services は、情報やドキュメントを収集するための構造化されたフレームワークを活用し、このプロセスを標準化および自動化します。プロセスを定義し、適切な部分を自動化することで、商品や地域をまたいでコンプライアンスと一貫性を確保できます。
たとえば、クライアントが申込を確実に完了し、必要なドキュメントを提出できるようにするための自動化を作成できます。次に、含まれているツールを使用して、サポートされているすべてのデータを検証します。
このバッジでは、受入および検証プロセス向けのツールについて学びます。まず、クライアントデータがどのように保存されるのかを見てみましょう。
クライアントデータモデルについて知る
金融機関は、個人と法人という、主に 2 種類のクライアントを扱います。これら 2 種類のクライアントの受入データは、保存方法が若干異なります。
個人クライアント
個人クライアントは、個人取引先レコードとして表されます。当事者リレーショングループオブジェクトや取引先オブジェクトを含む世帯データモデルを使用して、リレーションマネージャーが顧客を世帯構造に整理し、財務状況プロファイルに関するインサイトを得られるようにします。個人、世帯、リレーションの対応付けについての詳細は、Trailhead の「Client Management in Agentforce Financial Services (Agentforce Financial Services でのクライアント管理)」バッジを参照してください。
これらの基本的なクライアント管理レコードに加えて、顧客を知る (KYC) データモデルを使用して、個人取引先やリードの ID 検証、リスク調査、スクリーニングチェックを保存します。オンボーディング中、当事者プロファイルオブジェクトと関連オブジェクトに、個人またはグループの KYC の詳細が保存されます。この詳細には、ID 検証、信用スコア、身元調査に加え、住所、雇用状況、収入などの情報が含まれます。詳細は「リソース」セクションの「顧客を知る」リンクを参照してください。
B2B クライアント
B2B クライアントは、法人取引先レコードとして表されます。この取引先で勤務する個人は、個人取引先レコードとして表されます。法人を対応付ける方法については、Trailhead の「Client Management in Agentforce Financial Services (Agentforce Financial Services でのクライアント管理)」バッジでも説明されています。
B2B クライアントをオンボーディングするために、Agentforce Financial Services には、特定のビジネスクライアントエンゲージメント機能が含まれています。この機能は、オンボーディングおよび KYB データモデルを通じて B2B クライアントを理解するのに役立ちます。また、統合オンボーディングは、Beneficial Owners and Controlling Parties (BOCP: 実質的所有者および支配者) データモデルと連携して、B2B クライアントを管理する人物の詳細を把握するのに役立ちます。こうした法人固有の詳細を保存する専用レコードを使用して、B2B クライアント向けにプロセスをカスタマイズできます。
クライアント情報を収集する
個人クライアントであれ B2B クライアントであれ、受入時の情報収集は重要なステップです。
まず、Agentforce を使用して、日常的なクライアントの問い合わせに自律的に回答するエージェントを作成します。たとえば、ローン商品支援テンプレートを使用すると、基本的なローン商品情報を提供するエージェントをすばやく設定できます。
その後、クライアントの詳細情報を収集するときに、ディスカバリーフレームワークを使用してデジタルフォームを作成し、調査の質問を管理することで、必要な情報を効率的に取得できます。ディスカバリーフレームワークは、専用のデータモデルと Omnistudio を活用し、オンボーディングフォームのあらゆる側面を管理するのに役立ちます。以下は、受入フォームの一例です。

ディスカバリーフレームワークフォームは、Salesforce や統合されたサードパーティソースからクライアント情報を事前入力できるため、クライアントが提供する情報の量を最小限に抑えることができます。さらに、これらのフォームは複数のチャネルや公開サイトにリリースできるため、クライアントと担当者が同じ受入フォーム上で共同作業することも可能です。
必要なドキュメントを収集するために、ドキュメントマトリックス機能を使用して、すべての必須の受入ドキュメントを定義し、表示できます。クライアントが提供した各ドキュメントは、ドキュメントチェックリスト項目レコードに保存されます。ドキュメント処理を自動化するには、インテリジェントフォームリーダー機能を使用して、アップロードされたドキュメントからデータを自動的に抽出し、当事者プロファイルオブジェクトや関連オブジェクトに保存できます。
これらのツールを組み合わせて使用することで、クライアントの回答やドキュメントをすべて追跡して監査することができます。
クライアントデータを検証する
クライアントデータを収集した後、チームはそのデータを検証します。これを行うためのツールがいくつかあります。
アクションプランとアクションプランテンプレートは、スタッフが手動の繰り返し可能な ToDo を管理・追跡するのに役立ちます。これにより、プロセス内で各担当者が同じ手順に従っていることが保証され、コンプライアンスが確保されます。
前述のとおり、アップロードされた各ドキュメントはドキュメントチェックリスト項目に保存されています。担当者はこの項目を使用して、ドキュメントをクライアントデータと照合し、ドキュメントの承認状況を追跡します。ドキュメントの検証機能を使用すると、ミッドオフィスの担当者は 1 つの分割画面で、アップロードされたドキュメントを当事者プロファイル、申込、申込フォーム商品、申込フォームと比較できます。

こうしたツールとプロセスにより、評価に必要なすべてのドキュメントが整っていることを確認できます。
データを外部ソースと照らし合わせて検証するには、外部サービスコールアウトを管理するためのインテグレーション定義を設定します。
最後に、評価に進む前に、検証フェーズでの複雑な意思決定プロセスを自動化するために、ビジネスルールエンジン (BRE) を設定します。たとえば、クライアントの KYC データや KYB データに基づいて対象資格を判断し、事前のリスク評価を割り当てるための条件を BRE に設定します。
次のステップ
この単元では、Agentforce Financial Services での顧客オンボーディングによって、受入および検証プロセスがどのように標準化および自動化されるかを学びました。これには、ディスカバリーフレームワークなどのツールを使用したクライアントデータの収集と、アクションプランやビジネスルールエンジンを使用したデータ検証の効率化が含まれます。こうしたツールを導入することで推測に頼る必要がなくなり、顧客と審査チームにより良いエクスペリエンスを提供できます。
次は、オンボーディングの最終フェーズである、クライアントの評価・承認と口座の設定に進みます。
リソース
- Trailhead: Client Management in Agentforce Financial Services (Agentforce Financial Services でのクライアント管理)
- Salesforce ヘルプ: 顧客を知る
- Trailhead: Agentforce Financial Services B2B Foundations (Agentforce Financial Services B2B の基礎)
- Salesforce ヘルプ: Business Client Engagement (ビジネスクライアントエンゲージメント)
- Trailhead: Agentforce for Financial Services (金融サービス向け Agentforce)
- Salesforce ヘルプ: ディスカバリーフレームワーク
- Salesforce ヘルプ: インテリジェントフォームリーダー
- Salesforce ヘルプ: ドキュメントチェックリスト項目のドキュメントを検証する
- Salesforce ヘルプ: Create Integration Definitions for Integration Orchestration (インテグレーションオーケストレーションのインテグレーション定義の作成)
- Trailhead: ビジネスルールエンジンについて知る