Data Cloud インサイトについて学ぶ
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- Data 360 でインサイトがどのように使用されるかを説明する。
- 計算済みインサイトとストリーミングインサイトの相違点を説明する。
2025 年 10 月 14 日付で、Data Cloud は Data 360 に名称が変更されました。移行期間中は、アプリケーションやドキュメント内で Data Cloud という名称が引き続き使用される場合があります。名称は新しくなりましたが、機能や内容に変更はありません。
データプラットフォームインサイト
Salesforce Data 360 では、お客様の単一のビューに会社全体からのデータが集められ、パーソナライズとエンゲージメントを促進できます。さらに、インサイトを使用してこのデータを強化できます。インサイトとは、SQL (Structured Query Language) を使用して定義、計算できる複雑な評価指標です。このモジュールでは、作成できるインサイトの種別と、インサイトを使用して Data 360 内のデータを最適化する方法について説明します。
インサイトの種別
まず、インサイトには計算済みインサイトとストリーミングインサイトの 2 種類があります。
計算済みインサイトは、保存されたデータに基づいて複雑な計算を照会したり作成したりするために使用されます。
ストリーミングインサイトは、リアルタイムデータに基づくクエリです。
この 2 つの違いをさらにいくつか確認しておきましょう。
計算済みインサイト |
ストリーミングインサイト |
|
|---|---|---|
データの処理方法と収集方法 |
データは大規模バッチとしてまとめて処理されます。 |
データは Web SDK や Mobile SDK などのストリーミングデータソースから処理されます。 |
使用されるデータの種類 |
計算済みインサイトはあらゆるデータから作成できます。 |
ストリーミングインサイトはエンゲージメントデータからのみ作成でき、ストリーミングプロファイルデータからは作成できません。 |
インサイトの使用方法 |
計算済みインサイトは、評価指標、ディメンション、検索条件を使用して有効化のセグメント条件とパーソナライズ属性を定義するために使用できます。 |
ストリーミングインサイトは、ほぼリアルタイムでオーケストレーションやデータアクションの起動に使用できる時系列の集計を作成するのに役立ちます。 |
インサイトの共有方法 |
計算済みインサイトはパッケージ化可能で、Data 360 のその他のインスタンスと共有できます。 |
ストリーミングインサイトは Web SDK、Mobile SDK、および Marketing Cloud Engagement データストリームから別のオブジェクトにマッピングすることができます。 |
次に、それぞれのインサイトのユースケースを確認しましょう。
計算済みインサイトを使用する
Data 360 では直接属性と関連属性を使用してセグメントを作成します。セグメンテーションインターフェース内で、演算子を使用して簡単な集計を行い、データを絞り込むことができます。たとえば、属性 (誕生日)、演算子 ([次の日よりも前])、値 (日付) に基づいてセグメントを作成できます。
ただし、セグメンテーション演算子ではニーズを完全に満たすことができない場合もあります。たとえば、平均注文金額が $50 以上のお客様を検索したいとします。最大、最小、合計の演算子には、計算済みインサイトを使用する必要があります。インサイトが作成されると、次にそれを使用してセグメンテーションを絞り込むことができます。
その他に、計算済みインサイトを使用して次のような評価指標を作成できます。
- 四半期あたりに閲覧したメールが 5 通以上
- カートの合計金額が $500 以上
- ランクが 3 以上のお客様
- 売上金額の合計が $1000 以上
- 過去 1 年間に 2 回以上のチケットをオープン
計算インサイトを使用して、セグメント化を行う前にデータのクリーニング (丸めによってデータを書式設定するなど) を行うこともできます。次に、ストリーミングインサイトを見ていきましょう。
ストリーミングインサイトを使用する
計算インサイトではデータ全体に注目しますが、ストリーミングインサイトでは特定の時間のデータに注目します。ストリーミングインサイトにはさまざまな使用方法がありますが、そのほとんどにデータ通知に関するアクションの実行が含まれています。いくつかの業種でストリーミングインサイトが役立つユースケースを確認してみましょう。
業種 |
使用事例 |
|---|---|
小売業 |
課題: Northern Trail Outfitters (NTO) のお客様がシアトルの小売店舗に入りました。NTO のマーケターの Isabelle は、3 か月間で初めて店舗に入るお客様にクーポンが付いたプッシュ通知を送信したいと考えています。 ソリューション: NTO はリアルタイムの顧客ジオフェンスデータに基づくストリーミングインサイトを作成します。お客様が店舗のジオフェンスに入ったときに、そのお客様が 3 か月以上データに存在していなかった場合は、ワークフローが開始されます。このワークフローはお客様を Marketing Cloud Engagement の再エンゲージメントジャーニーに追加します。 |
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接客業
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課題: Gallagher Resorts の営業担当はポイント残高が特に高いお客様を知りたいと考えています。これは年末に上位のお客様に電話をかけるときに特に役立ちます。 ソリューション: Gallagher Resorts はポイント残高が上位 50 人のお客様が記載された Salesforce レポートを自動的に更新するストリーミングインサイトを作成します。営業担当のホームページには、自分のポートフォリオ内に上位のどのお客様がいるかを強調表示するダッシュボードが作成されます。これによって、そのお客様への電話を優先することができます。 |
ヘルスケア |
課題: エージェントの会話を合理化するために、Bloomington Caregivers はお客様がサポートに電話をかける前に行ったトラブルシューティング手順を知りたいと考えています。 ソリューション: Bloomington Caregivers は、上位のナレッジ記事にアクセスしたお客様を追跡するストリーミングインサイトを設定します。お客様がそのページに 5 回以上アクセスした場合や平均表示時間が 10 分を超える場合は自動的にケースが作成されます。サポートエージェントはそのようなお客様に積極的に連絡することもできますし、お客様がサポートに直接電話を掛けてきたときにはケースが作成済みになっています。 |
インサイトの明確な目標を定義する
どちらの種類のインサイトを使用する場合でも、インサイトに期待する出力と目標についてチームと認識を統一しておく必要があります。Data 360 でインサイトを作成する前に、チームと協力してユースケースを事前定義し、データがどこに保存されるかを決定します。
次のステップ: インサイトを作成する
ここでは、使用できるインサイトの種別と一般的な使用方法について学習しました。次の単元では、Data 360 で両方の種別のインサイトを作成する方法について学習します。
リソース