マーケティングデータの進化について

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • マーケティングデータの収集と保存の方法の歴史を説明する。
  • これらのレガシーシステムが現代のマーケターのニーズに対して不十分である理由を理解する。
メモ

このモジュールでは、次の用語を使用します。Salesforce のお客様を「企業」と呼びます。お客様のお客様を「消費者」と呼びます。

データ主導型のマーケティングの歴史

ほとんどのブランドや企業は何年もの間、顧客に関するデータを保存するように設計されたデータベースやシステムに投資してきました。実際、Salesforce 自体も、顧客データを簡単に保存でき、組織全体で簡単にアクセスできるようにするという考えに基づいて構築されています。最近まで、多くのマーケティング部門は、従来のデータベースとシステムを組み合わせて使用することで顧客データに関するニーズを満たすことができました。多くの場合、これらのシステムは、マーケティング以外のユーザ (IT、財務、購買) のニーズを中心に構築されたものでした。 

近年、マーケターは、顧客との関係を管理し、顧客を理解するために、メールマーケティングオートメーションやキャンペーン管理ツールなど、チャネルマーケティングに重点を置いたシステムを使用しています。これらのシステムは、構築の目的となった機能には優れています。ただし、複数チャネルにわたって顧客との関係を包括的に理解したいという現代のマーケターのニーズの変化には対応しきれていません。

パフォーマンスが高いグローバルマーケティングリーダーの 54% が、現在では企業全体でのカスタマーエクスペリエンスイニシアチブの指揮をとっています。
(Salesforce State of Marketing, Fifth Edition (Salesforce マーケティングの現状、第 5 版))

多くのマーケターが直面するこの現状を説明するために、架空の例を使用しましょう。Fred はアウトドアが趣味で、キャンプとアウトドア用品の小売業者である Northern Trail Outfitters (NTO) の顧客になって 5 年です。その間に、Northern Trails からのメールを受信してきました。Fred は、それらのメールをときどき開封してクリックします。最もよくクリックするのはアウターウェアへのリンクです。NTO のメールマーケティングチームは、このエンゲージメントデータを使用して、Fred のカスタマージャーニーを最適化しようとしました。そこで、Fred をアパレルベースのジャーニーにエントリし、アウターウェアに重点を置きました。

同じ時期に、Fred は地域の NTO 店舗で毎年秋に新しいブーツを買い、春にはアクティブサンダルを買いました。また、NTO が提供するグループアドベンチャーツアーパッケージについてのいくつかの動画を NTO の Web サイトで視聴しました。それにもかかわらず、NTO のメールチームは Fred の NTO とのカスタマーリレーションのその側面を把握していないため、メールでの Fred のジャーニーを最適化するためにそのデータを使用できません。同時に、NTO のデジタルマーケティングチームは、Fred を対象とする広告に、メールチームや NTO の店舗セールスシステムによって収集されたデータを使用できません。 

グローバルマーケティングリーダーのうち、パーソナライズされたオムニチャネルエクスペリエンスを作成する自社の能力に完全に満足していると回答したのは、わずか 28% です。
(Salesforce State of Marketing, Fifth Edition (Salesforce マーケティングの現状、第 5 版))

NTO のすべての顧客データベースとシステムのどこにも Fred に関する単一のビューはないため、NTO は Fred がどこでブランドとエンゲージしたかによって Fred を別々の人のように扱い、エクスペリエンスは断片的なものになっています。たとえば、先週 Fred は、店舗を訪れて新しい春物のプルオーバーを購入しましたが、その後も購入したばかりの商品を大きく取り上げた春物のアウターウェアに関するメールを受け取り続けています。Fred が NTO とやり取りをするときのエクスペリエンスがより一貫したものになれば、NTO のマーケティングチームと Fred の両方にとって望ましいことです。

5 つの力

Fred のような顧客に一貫性のある関連性の高いカスタマーエクスペリエンスを提供するというニーズによって、マーケターにシステムを再考させる 5 つの力が生まれました。それらは、インテグレーション、ID、AI、スピード、マーケティングの進化です。

インテグレーション: チャネルからプラットフォームへ 

マーケターは、チャネルに重点を置いたサイロ型のマーケティングからプラットフォームに重点を置いた手法へと移行し、Fred のような顧客がさまざまなタッチポイントでエンゲージしたときに 1 人の人として扱うことができるエンゲージメントシステムが必要であることを認識しつつあります。つまり、各チャネルで個別に顧客とエンゲージするだけではなく、たとえばメールマーケティングチームとデジタルマーケティングチームが連携して、タッチポイント間でつながりのあるエクスペリエンスを促進するということです。これには、営業やサービスなど、カスタマーエクスペリエンスの他の重要な側面が含まれることもあります。

ID: オーディエンスから人へ

ブランドが、真につながりのあるカスタマーエクスペリエンスを提供するには、顧客の ID をデータベースやエンゲージメントシステムの間でリンクする必要があります。それは、これらのエクスペリエンスを提供するには、NTO のマーケティングチームは Fred が店舗でブーツとサンダルを購入し、オンラインでパフォーマンスフーディとプルオーバーを購入したのと同じ顧客であることを理解する必要があるためです。また、Fred が NTO の Web サイトに次回アクセスしたときに Fred をすばやく認識して、そこでもブランドが Fred のエクスペリエンスをパーソナライズできるようにする必要もあります。つまり、ID を使用することでブランドは、人々をターゲットグループやセグメント (ミレニアル世代のアウトドア愛好家など) に分割するオーディエンスベースのマーケティングから 1 対 1 (得意顧客の Fred) に近いマーケティングへと移行できます。 

AI: 診断から予測へ 

現実の結果につながるインサイトと分析を提供する人口知能 (AI) と機械学習 (ML) の威力を認識するブランドが増えるにつれて、マーケティングにおける分析の重点が診断から瞬時の予測へと移行していることが理解されています。つまり、たとえば Fred がジャケットを購入した後のカスタマージャーニーがどのようなものであったかを知るよりも、Fred に関するデータと数百万の顧客のジャーニーに関するデータをすべて使用して、Fred の次善ジャーニーを予測することに重点が置かれるということです。これを行うには、Fred を含むすべての顧客に関するすべてのデータを統合したクリーンなデータセットが必要です。 

スピード: 非同期からコンテキストへ

今日のデータと判断は、カスタマーエクスペリエンスのスピードで動く必要があります。データが作成されてから (Fred がブーツの広告をクリックするなど)、システムがそのデータに基づいて有効化する方法を決定するまでの遅延が短いほど、カスタマージャーニーはシームレスなものになります。マーケターは、それらのリアルタイムのジャーニーを提供するために、リアルタイムのデータ処理と有効化に近づくことを目指しています。  

マーケティングの進化: 見込み調査から体験管理へ 

マーケティングは組織内でカスタマーエクスペリエンス全体の管理を支援するまでに進化しています。マーケティング部門の役割は、顧客の認知や好みを促進することのみに重点を置いたものから、パーソナライズされた顧客エンゲージメントを促進することに重点を置いたものに移行しています。それによって、マーケティング部門はこれまで以上に、パーソナライズされたエクスペリエンスを促進するために必要なテクノロジ、システム、データベースを所有し、管理する必要を認識しています。過去には、IT 部門が顧客データベースを選択、実装、管理することにマーケティング部門は満足していましたが、マーケターが直接それらを行うフレームワークへと劇的に変化し始めています。

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