Skip to main content

データモデルオブジェクトについて知る

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • 標準化された Customer 360 データモデルの目的を説明する。
  • 一般的なデータモデルオブジェクトを定義、確認する。
  • 上位概念を具体的な実装に関連付ける。

Customer 360 データモデル

個人のデジタル情報は、一連の、膨大な数のシステムやデータベースに散らばっている可能性があります。同一の一般情報が、特定の活動に関連するさらに粒度の細かいデータと共に、多くの場所に存在している可能性があります。たとえば、多数の異なるソースに名前とメールアドレスが含まれていて、その中の 1 つのデータベースにのみ食料品の購買習慣に関する情報が含まれていたり、別のデータベースでその個人が所有する新型自動車のオイル交換の頻度と場所が追跡されていたりすることがあります。非常に多くのデータソースと非常に多くのデータ、そのすべてが 1 人の人物を中心に存在しています。もしその全部に顧客の総数を乗じてみたら、データを収集、整理する方法を標準化することが重要な理由がすぐにおわかりになると思います。

Data Cloud は、使用する各種のデータソースを 1 つにまとめる高度なツールです。ただし、このタスクをうまく実行するには、すべてのデータを標準化する手段がシステムに備わっている必要があります。つまり、情報を認識するだけではなく、必要な場所で適切なデータを確実に取得できるように、情報の種類、そしてデータソース間をつなげる方法についても認識できる手段が必要です。ここで役立つのが Customer 360 データモデルです。

Customer 360 データモデルは Data Cloud の標準データモデルで、データの相互運用を可能にします。簡単に言うと、異なる種別のデータと各データの相互関係を整理します。ですが、それだけではありません。Customer 360 データモデルには、データソースにマッピングできる標準オブジェクトが用意されています。この標準オブジェクトには、データモデルに存在できるデータの種別と、そのデータの説明、概要を示す属性が具体的に記述されています。一人ひとりのソースデータは異なるため、このモデルに各自のデータがきっちりと示されているわけではありません。しかしながら、Customer 360 データモデルには、データモデルでデータモデルオブジェクトが関連付けられる方法と使用可能な情報が記述されています。Customer 360 データモデルは、地図を見ようとしている人全員がその内容を正確に理解できるようにする地図上の凡例のようなものだと考えてください。

それでは、こうしたすべてのデータの出所はどこでしょうか? 次のリストではデータを探す場所の例が示されていますが、それぞれのシステムには独自の特徴やロケーションが存在することを覚えておいてください。

  • 従来のソフトウェア
  • 外部データベース
  • CRM
  • e コマース
  • データレーク
  • マーケティングデータベースとメールデータベース
  • カスタマーサービス
  • デジタルエンゲージメントデータ (Web とモバイルを含む)
  • 分析

たとえば、Marketing Cloud Engagement では購読者の識別にカスタマーキーが使用されますが、異なるプライマリキー値が使用されているシステムもあります。こうしたシステムすべてで個人の各 ID は一意ですが、このすべての情報をまとめる必要があります。Data Cloud では、システムに関連付けられているすべての微妙な違いに対応しなくても、このすべての ID をリンクし、情報を整合させることができます。自分で情報を取得する必要はありません。その作業は、Data Cloud が代わりに行ってくれます。

最終的には、このデータモデルによって異種データソースがハーモナイズされ、そのデータからインサイトを引き出せるようになります。この標準オブジェクトは Marketing Cloud Engagement、Sales Cloud などのソースからの情報を分類、整理し、すべてのデータを 1 つにまとめ、データの統合、セグメント化、有効化をサポートします。

データモデルオブジェクト

Customer 360 データモデルには、さまざまなデータモデルオブジェクト (DMO) が含まれ、データモデルで情報の種類を説明するために使用されます。このデータモデルオブジェクトを説明するために使用される情報は属性といいます (属性は Data Cloud アプリケーションの項目に含まれています)。 

このデータモデルオブジェクトは具体的なインスタンスを表すものではありません。「バス」という単語を口にしているときに、朝の通勤手段を完璧に説明しているわけではないのと同じようなことです。スクールバスと標準的な通勤バスは異なるものであり、そのどちらのバスも、次のコンサートに向かって高速道路を突っ走るロックバンドのツアーバスとは異なります。DMO はむしろバスの最適解を表すもので、バスに関して一般に認められている情報 (長さ、座席数、最高速度など) を提供します。こうした情報と共に、異なる種類のバスを比較する方法や異なるソースからの同じバスに関する情報を照合する方法について一般に認められたフレームワークがあります。

Customer 360 データモデルの場合は、もちろんもう少し抽象的なバスとなります。バスは工場の製品であったり、旅行会社の購入品であったりする場合があります。けれども Customer 360 データモデルでは、各企業がその製品または購入品を説明するために必要な情報を標準化できます。また、情報の出所に関係なく、確実に標準化し、正しいデータモデルオブジェクトと属性にマッピングすることができます。各要素を見てみましょう。

  • Customer 360 データモデルとは、一般的なデータモデルオブジェクトのセットを管理するシステム全体のことで、DMO を説明する方法と各 DMO の相互関係を決定します。
  • 主題領域には Customer 360 データモデルの要素が含まれています。この要素によって大きなデータチャンクの収集が行われ、データモデルオブジェクトを使用する一般的なフレームワークにまとめられます。この情報は、ビジネス目標の達成に役立ちます。多くのマーケターの目標は、商品やサービスをお客様にマーケティングまたは宣伝することです。データモデルの主題領域には、「関係者」と呼ばれる一意の識別子のグルーピングが含まれることがあります。もしくは、エンゲージメントデータや販売注文、商品情報などの場合もあります。
  • データモデルオブジェクト (DMO) は、Customer 360 データモデルのデータをグルーピングしたものです。モノやアクションのインスタンスを説明します。
  • 属性は、DMO に関する標準化された情報で、多くの場合、Data Cloud の項目に含まれています。
  • プライマリキーは、1 つのレコードを一意に識別するデータセット内の値です。特定のデータセットに存在できるプライマリキー値のインスタンスの数は 1 つのみです。
  • 外部キーは、データリレーションを構築するデータソース間の共通リンクです (顧客 ID 番号など)。

上記で説明した各要素の相互関係を以下の図で見てみましょう。

3 つのデータモデルオブジェクトと、関連付けられている属性が含まれている主題領域を示す図。

一般的な DMO

データモデルの詳細を計画し始めたときに目にする可能性があるデータモデルオブジェクトをいくつか見てみましょう。このリストは完全ではありませんが、一般的なデータモデルオブジェクトがわかります。

DMO 説明 セグメンテーションで使用される属性の例

連絡先メール

個人のメールアドレスとそのアドレスに関連する追加情報 (配信到達性の状況、目的、タイムゾーン、プリファレンスなど)。

jdoe@example.com

連絡先電話番号

個人の電話番号とその電話番号に関連する追加情報 (目的、タイムゾーン、SMS メッセージの受信可否など)。

15555551212

連絡先住所

個人の住所とその住所に関連する追加情報 (営業用または個人用か、国、地域、プリファレンスなど)。

123 Main St, Big City, CA 12345, USA

個人

人物を表す属性 (名と姓、誕生日、データとプライバシーに関する設定など)。

顧客の名

関係者 ID

情報を明らかにするために使用するチャネルまたは方法に応じて、関係者を識別する方法を定義します。この情報を使用して、人 (通常は顧客) を識別します。 

運転免許証、顧客 ID、ロイヤルティ番号、Salesforce CRM 取引先責任者 ID 値 (5003000000D8cuIQAA など)

製品カタログ

販売予定の商品、またはサービス上の目的で追跡する商品の一部を定義します (内部および外部 ID、最終更新日など)。

$50 を超えるレディースの靴

販売注文

収益、購入、販売注文を定義します (購入総額、ID、配送情報など)。

カートの合計金額が $500 以上

メールエンゲージメント

特定のアクションに関する詳細事項を定義します (個人が特定の日時にメッセージを開封するなど)。

2022 年 3 月 1 日にメール開封

ケース 

記録された問題またはサポートチケットを定義します (関連付けられている取引先またはユーザー、問題が発生したタイミング、説明など)。

過去 1 年間のオープンチケット >1 件

Data Cloud では、すべてのデータモデルに個人、関係者 ID、連絡先メール、連絡先電話、連絡先住所が含まれている必要があります。

このすべてのデータはさまざまなソースから発生しますが、会社のデータモデルで焦点を当てる点は、各顧客の単一ビューを作成し、そのプロファイルを顧客のアクティビティと結び付けることです。次のステップでは、関係者 ID データモデルオブジェクトを使用して、顧客を表すレコードを作成します。このデータモデルオブジェクトは、1 つの識別子を使用すると、ソースデータ全体をよりうまくまとめることができます (たとえば、メンバーシップリワード番号、さらには一意の汎用 ID 値も使用できます)。このしくみは次の単元で説明します。

リソース

無料で学習を続けましょう!
続けるにはアカウントにサインアップしてください。
サインアップすると次のような機能が利用できるようになります。
  • 各自のキャリア目標に合わせてパーソナライズされたおすすめが表示される
  • ハンズオン Challenge やテストでスキルを練習できる
  • 進捗状況を追跡して上司と共有できる
  • メンターやキャリアチャンスと繋がることができる