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Data 360 の準備をする

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • Data 360 の利点とユースケースを挙げる。
  • 実装の準備をする。

Trailcast

このモジュールの音声録音をお聞きになりたい場合は、下記のプレーヤーを使用してください。この録音を聞き終わったら、必ず各単元に戻り、リソースを確認して関連付けられている評価を完了してください。

Data 360

目の前のミッションに戻りましょう。マーケティング担当者は、コネクテッドエクスペリエンスを創出するうえで中心的存在です。そこで、マーケティング担当者のために、使いやすい Lightning インターフェースを使用する Data 360 が構築されました。ここまで聞いても、ミッションをどのように遂行できるのかと疑問に思っていますか? わかっています。それでは、Data 360 によって何が可能になるかを見てみましょう。

アクション

説明 (Explanation)

詳細情報

未加工データを取得する。

セカンドパーティデータ、サードパーティデータを含む多様なソースからデータを取得します。

ファーストパーティデータ: 自社が所有して管理する顧客データ。

セカンドパーティデータ: 別の企業やソースから購入した他社のデータ。

サードパーティデータ: 多くのソースからのデータのコレクション (多くの場合は行動データやデモグラフィックデータ)。

データのクリーンアップと変換を行う。

データが健全でない場合、使用できないデータにマーケティングコストが費やされ、会社に多大な負担がかかってしまいます。オーディエンスセグメントやコンテンツのパーソナライズでダーティデータが使用される前に、セグメンテーションのためにデータの整理と準備を行いましょう。

ダーティデータの意味がよくわからない方は、 「データ品質」モジュールを参照してください。

データのマッピングとモデル化を行う。

Data 360 では、Customer 360 データモデルに基づく標準化されたデータモデル (データバンドルと呼ばれます) を使用します。ユースケースに合うモデルを選択するか、カスタムモデルを作成できます。データ間のリレーション (メールアドレスなど) を識別するために、取得したデータをマッピングします。

推奨モデルを使用するか、独自のデータモデルを作成することができます。詳細は、Trailhead の「Data 360 の Customer 360 データモデル」モジュールを参照してください。

顧客情報を識別して統合する。

このデータには、(メール、モバイル番号を通じて) 既知である顧客と、未知である顧客 (例: 匿名のクッキー、モバイルデバイス ID) が含まれます。そこで、次にデータを絞り込み、各顧客を識別し、把握する必要があります。統合顧客プロファイルの保有がミッション成功の鍵です。

顧客 ID 解決ルールセットは、インポートされたデータに含まれている取引先責任者の重複を減らすのに役立ちます。ID 解決についての詳細は、「Data 360 のデータと ID」モジュールを参照してください。

チャネルを選択する。

セグメント化されたデータをどこに送信して使用するかを決定します。たとえば、Marketing Cloud Engagement、Google、分析プラットフォームなどを選択できます。

データ保護法を理解し、遵守することが重要です。「プライバシーおよびデータ保護に関する法律について」トレイルを参照してください。

オーディエンスのセグメント化、有効化を行う。

簡単なドラッグアンドドロップ機能を使用して、柔軟性の高いオーディエンスセグメントを作成します。セグメントに満足したら、選択したチャネルでセグメントを有効化します。

セグメントにはリアルタイムの母集団件数が含まれます。セグメンテーションと有効化についての詳細は、「Segmentation and Activation (セグメンテーションと有効化)」モジュールを参照してください。

マーケティングの魔法をかける。

セグメントを利用して、タイムリーなマーケティング環境で顧客を喜ばせます。

Data 360 のオーディエンスセグメントを Journey Builder のエントリソースとして使用します。

成功を測定する。

Data 360 に取り込んださまざまなデータソースを使用して、あらゆるチャネルとタッチポイントの顧客エンゲージメントを分析、視覚化できます。

マーケティングパフォーマンスの全体像を把握したら、Data 360 (およびマーケティングプログラム) への投資によって顧客生涯価値と利益率が向上し、最終的に成長が促進されたことをチームに示すことができます。

Data 360 の活用例

冒頭で紹介した Northern Trail Outfitters の例を覚えていますか? 各部署が、さまざまなデータソースを使用していました。いくつかのユースケースで、どのように Data 360 が NTO の役に立っているかを見てみましょう。

使用事例

説明 (Explanation)

NTO にとっての利点

データの統合

CRM、マーケティング、コマース、サービスに関係するデータを統合して、マーケティング能力を高めます。

Marketing Cloud Engagement、Sales Cloud、Service Cloud のデータは、Data 360 にインポートされます。NTO では、分析データ、e コマースデータ、CEO のスプレッドシートデータもインポートしています。

顧客 ID 解決

さまざまなシステムからの顧客情報をマージして、各顧客に 1 つの ID (1 つのレコード) を作成します。

NTO にとって、顧客の統合 ID およびレコードを作成することが、一体感かつ一貫性のあるユーザーエクスペリエンスを顧客に創出する第 1 歩となります。

NTO の役員は、重複した取引先責任者がマージプロセスによって明らかになり、重複分を排除してコストを削減できることがわかり、喜んでいます。

オーディエンスセグメンテーション

マーケティングキャンペーン用にオーディエンスセグメントを素早く作成します。

NTO のマーケティングマネージャーである Isabelle は、チームがチャネル全体で使用できる複雑なセグメントを非常に簡単に作成できることに大喜びです。チームは、オーディエンス件数をすぐに確認できることから、オーディエンスをさらに絞り込んでオーディエンスセグメントをもっとパーソナライズする必要があるかを判断できることに満足しています。

配信管理

キャンペーンを合理化してクロスチャネル支出を管理します。

Isabelle は、顧客が希望するチャネルで効率的に顧客のターゲティングを行うことで、顧客エンゲージメントに関係するコミュニケーションを合理化し、低コストを維持することができています。

オーディエンスへの連絡禁止

ビジネスユースケースに基づいて、マーケティングおよび広告キャンペーンの連絡禁止オーディエンスを作成します。

Isabelle はカスタマーサポートチームと協力して、顧客から受け取るマーケティングコミュニケーションからのオープンサポートチケットを使用して顧客を連絡禁止にしています。Jason は、結果的に顧客満足度スコアが向上していることにすぐ気付きました。

同意管理

チャネルごとに設定されている同意と顧客の好みに基づいてコミュニケーションを行います。

Isabelle が顧客のコミュニケーション設定を追跡し、その設定に従っていることで、顧客の信頼を築けるだけではなく、NTO でのプライバシーのコンプライアンスも確保できています。

メトリクスの分析

顧客エンゲージメントと長期的な維持を視覚化して理解します。

CEO は、マーケティングからセールス、e コマースデータに至るまで、NTO の各部門にまたがるメトリクスをついに企業全体で把握できると感激しています。 

Data 360 の準備

どのようなミッションも詳細なアクションプランがなければ成功しません。同様に、デジタルトランスフォーメーションもプランが整っていなければ実現しません。トップダウンのサポートと、ビジネスエコシステム全体での多数のチームからの意見が必要です。顧客とのやり取りは多様なビジネスチャネルとデバイスで発生し、特に多くの準備が必要となるチャネルもあります。ミッションの準備に役立つように、Data 360 を実装する前に対処すべきトピックと質問事項のチェックリストを紹介します。

  • プロジェクトのステークホルダーを特定する

データに関する意思決定に関与するステークホルダーは誰か? 意思決定者に加え、実装によって影響を受ける業務に携わる人を挙げます (マーケティングスペシャリスト、IT スペシャリストなど)。

  • データソースとインテグレーションを特定する

予定されているキャンペーン用にマーケティングセグメントを作成するにあたり、Data 360 に統合する必要があるシステムはどれか? そのシステムの所有者は誰か? 必ず、その情報をステークホルダーのリストに追加します。

  • ユーザーを特定する

次に、Data 360 へのアクセスが必要なユーザーについて考えます。Data 360 組織で、セグメントを作成する必要がある組織のユーザーを確認し、誰にどの権限が必要かというプランを作成します。システム管理者は、ユーザー管理とインテグレーション設定を行う責任を担います。具体的には、システム管理者ユーザープロファイルまたは Salesforce の [Setup (設定)] へのアクセス権を付与する権限が必要です。Salesforce の [Setup (設定)] へのアクセス権がある場合、Data 360 を設定したり、その他の統合された Salesforce システムにアクセスしたりすることができます。[Data Cloud Setup (Data Cloud 設定)] にアクセスする場合は、Data 360 標準権限セットは必要ありません。

Data 360 機能にアクセスするには、ユーザーに次のユーザー権限セットの標準オプションのいずれかが必要です。

Data Cloud マーケティングアーキテクト — この権限セットが付与されたユーザーは、Data 360 内のすべての機能 (データモデルへのデータのマッピングやデータストリーム、ID 解決ルールセット、計算済みインサイトの作成など) にアクセスできます。

Data Cloud Activation Manager (Data Cloud 有効化マネージャー) — 全体的なセグメンテーション戦略を管理し、対象キャンペーンを識別します。

Data Cloud Activation Specialist (Data Cloud 有効化スペシャリスト) — 識別したキャンペーンのセグメントを作成、管理、公開します。

  • すべてのビジネス要件をドキュメント化する

すべてのビジネス要件とユースケースをドキュメント化することが重要です。社内で特定のブランドのために実施する予定であるすべてのマーケティングキャンペーンについて考えましょう。準備ができたら、ステークホルダー、選んだシステム管理者と一緒に要件を見直します。承認されたビジネス要件は、実装を成功させるのに役立ちます。

  • システム要件を理解する

Data 360 は、Salesforce Lightning の UI 上に構築され、各インスタンスは Salesforce 組織にリリースされます。組織とは、Salesforce の顧客用バージョンとインスタンス内のそのデータを表す識別子です。同じように、Marketing Cloud Engagement には特徴的な Enterprise アカウント (EID と呼ばれます) という定義があり、このアカウントには複数のビジネスユニットを含めることができます (それぞれに異なる MID が設定されます)。Data 360 の各インスタンスは、Marketing Cloud Engagement の 1 つのエンタープライズインスタンスまたは 1 つの EID と、関連付けられているすべてのビジネスユニットに接続できます。

以下に、Northern Trail Outfitters のアカウント設定の例を紹介します。

  • Marketing Cloud Engagement Enterprise アカウントの場合...
    • NTO EID: 123456
    • NTO Internal MID: 234567
    • NTO Amer MID: 345678
    • NTO Europe MID: 456789
  • Northern Trail Outfitters の Salesforce Data 360 インスタンスにすべて接続する

Data 360 を実装する前に、Marketing Cloud Engagement のアカウント構造を考慮することが重要です。会社で複数のブランドを管理していて、ブランド間でのデータ共有はなく、アクセス制限がある場合には、制限されているブランドごとに複数の Data 360 インスタンスをリリースすることを検討する必要があるかもしれません。会社のデータプライバシー要件を確認して、Data 360 の本番インスタンスが複数必要かどうかを決定してください。 

Note

すべての実装手順を確認したい方は、 「Data 360 Implementation Guides (Data 360 実装ガイド)」「Data 360 Checklist (Data 360 チェックリスト)」を参照してください。

まとめ

Data 360 を使用すれば、システム間でデータの収集、統合を行えます。そのデータを利用して、さまざまなチャネルで有効化して使用できるオーディエンスセグメンテーションを作成できます。さらに、多様な分析ツールを使用してデータを表示し、マーケティング活動のパフォーマンスを確認することもできます。効果的で確かなカスタマーデータプラットフォームです。

すべては、マーケティングミッションを成功させるため、つまり、高度にパーソナライズされ、ブランドへのロイヤルティと信頼を高めるカスタマーエクスペリエンスを創出できるように設計されています。

「このミッションを受けますか?」と記載されたファイルフォルダーの図。

リソース

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