CRM Analytics を設定する
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- 組織で CRM Analytics を設定する手順をまとめる。
- 各 CRM Analytics アプリケーションを設定して共有する方法を説明する。
- 分析データを最新の状態に保つ方法を説明する。
CRM Analytics を設定する
ここまでで、行政機関のデータが可視化されることによって、職員は生産性を測定し、より良いサービスを提供し、発生し得る問題にプロアクティブに対応できることを理解しました。作業の平均所要時間やワークロードの割り当て、データトレンドを分析することで、行政機関のリーダーは改善すべき領域を見つけて有効な対策を取り、行政機関の運営を高い水準に保つことができます。さらに、Salesforce システム管理者はこれを具体的に実現できます。
たとえば、Cosville 市のシステム管理者である Tishon は機関の職員と定期的にミーティングを行って、Cosville の公共セクターソリューション組織をどのように機能強化できるか知恵を出し合っています。
最近の議論の中で職員が指摘したのは、機関データへの可視性を高めて、機関が管理する現在の人材配置や規制コンプライアンスサービス、社会福祉プログラムの有効性を測定できるようにする必要があるということです。このデータがあれば、リソースをより適切に割り当て、効率を最大化し、資金支払の重要な調節を行うことができます。
Tishon は CRM Analytics こそがまさに求めているものだと知っているため、組織の設定を開始します。
公共セクターソリューション向け CRM Analytics を設定して稼働させるには次の手順を実行します。
- ユーザーに権限を割り当てる
- CRM Analytics を有効にする
- データ要件を確認する
- 公共セクターオブジェクトの項目レベルセキュリティを設定する
各ステップを詳しく見ていきましょう。
ユーザーに権限を割り当てる
システム管理者やユーザーが公共セクターソリューション向け CRM Analytics アプリケーションにアクセスして使用するには、特定の権限セットを割り当てる必要があります。この権限についての詳細は、Salesforce ヘルプの記事「Assign Admin Permissions for Analytics in Public Sector Solutions (公共セクターソリューションの分析用のシステム管理者権限の割り当て)」と「Assign User Permissions for Analytics in Public Sector Solutions (公共セクターソリューションの分析用のユーザー権限の割り当て)」を参照してください。
CRM Analytics を有効にする
次に、分析アプリケーションを設定できるように、組織で CRM Analytics を有効化します。心配することはありません。非常に簡単です。
データ要件を確認する
Salesforce 組織が各分析アプリケーションのデータ要件を満たしていることを確認します。これは単に、特定のオブジェクトに少なくとも 1 件のレコードが必要であるということです。組織のデータが最小要件を満たしていない場合、アプリケーションの設定時に手順を説明するメッセージが表示されます。詳細はヘルプ記事「Data Requirements for License, Permit, and Inspection Analytics (ライセンス、許可、検査の分析のデータ要件)」と「Data Requirements for Caseworker Productivity Analytics (ケースワーカーの生産性の分析のデータ要件)」を参照してください。
公共セクターオブジェクトの項目レベルセキュリティを設定する
アプリケーションで必要なすべての項目に CRM Analytics インテグレーションユーザーがアクセスできるように、ビジネスライセンス申込書などのオブジェクトの項目レベルセキュリティを設定します。
CRM Analytics アプリケーションを設定して共有する
組織の初期設定が完了しました。次は、分析アプリケーションを設定します。
Analytics for Licenses, Permits, and Inspections アプリケーションを作成する
Analytics Studio を使用して Analytics for Licenses, Permits, and Inspections アプリケーションを作成します。このアプリケーションでは行政機関のコンプライアンス業務データに関する重要なインサイトを得られます。
分析アプリケーションを作成したら、組織の Lightning ページに分析ダッシュボードを追加します。
Caseworker Productivity アプリケーションをインストールする
Caseworker Productivity アプリケーションの設定はさらに簡単です。ガイド付き設定に従ってアプリケーションをインストールすると、公共セクター: 給付管理アプリケーションに自動的にダッシュボードが追加されます。
次にケースレコードページに [Case Analytics (ケース分析)] ダッシュボードを追加します。これにより、ケースワーカーが状況別のケース所有時間やケース処理時間などの有用な情報をすばやく参照できるようになります。
各 CRM Analytics アプリケーションを設定した後に、Analytics Studio で を選択して、アプリケーションをステークホルダーと共有します。個々のユーザー、グループごと、またはロールごとに追加できます。
ユーザー、グループ、またはロールごとに、付与するアクセスレベルを [Viewer (閲覧者)]、[Editor (エディター)]、[Manager (マネージャー)] から選択します。
たとえば、Tishon から [Editor (エディター)] アクセス権を付与されたコンプライアンス担当者の Salima は、License, Permit, and Inspections のダッシュボードをチーム向けにカスタマイズできます。さらに上位の機関職員には [Manager (マネージャー)] アクセス権を付与します。
データを最新の状態に保つ
CRM Analytics アプリケーションの設定が完了した後に重要なのは、データを最新状態に保つことです。結局のところ、古くなった情報は大して役に立ちません。分析情報を最新の状態に保つには、毎日更新するか、レシピを使用して定期的なデータ同期をスケジュールします。
CRM Analytics をインストールすると、データ更新のスケジュールに使用できるレシピが作成されます。データをプレビューしながら変換することもできます。レシピでは、より高いレベルにデータを集計することもできます。
新しい CRM Analytics アプリケーションを機関職員と共有した後に、Tishon がもう一度ミーティングを開いて職員からフィードバックを求めたところ、圧倒的多数に好評でした。ダッシュボードを使用することで、職員は効率、ワークロードバランス、コミュニティに対する全体的な影響を分析できます。
CRM Analytics を使用すれば、組織内の重要なトレンドやインテリジェントなインサイトを表示して、組織データに基づいてビジネスの意思決定を的確に行い、部門の生産性や住民の満足度を高めることができます。
リソース