パフォーマンスの評価
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- My Targets ダッシュボードの [Overview (概要)] タブを分析する。
- [Accounts (取引先)] タブと [Products (商品)] タブを分析する。
全体像を把握する
Elliott は Analytics Studio から、販売目標の 1 つ目の CRM Analytics ダッシュボードである [My Targets (Targets and Forecasts) (私の目標 (目標と販売予測)] を開き、分析を開始します。このダッシュボードは、組織で取引先販売予測が有効になっているかどうかによって表示が異なります。取引先販売予測が有効になっていない場合、ダッシュボードには取引先販売予測から派生した予測収益の数値などのデータは表示されません。幸い、Rayler Parts はすでに取引先販売予測を使用しているため、ダッシュボードにはデータが豊富に表示されます。
Elliott は、ダッシュボードに [Target (目標)]、[Target Period (目標期間)]、[Fiscal Year (会計年度)] などの便利な検索条件があることに気が付きます。この検索条件を使用して、さまざまな詳細レベルでデータを表示することができます。
Elliott が今期 (会計年度) を選択すると、概要を表示する 5 つの主要な評価指標が表示されます。
- Target Revenue (目標収益): Elliott が自分自身とチームのために設定した合計収益。
- Actual Revenue (実績収益): チームが現在の日付までに記録した収益の金額。
- Current Attainment (現在の達成率): 実績収益を合計収益で除算することで得られる目標達成率。
- Projected Attainment (推定達成率): 履歴データと販売予測のトレンドに基づく推定目標達成率。
- Prorated Attainment (按分達成率): 按分達成率は、現在の達成率を当会計年度のすべての期間に配分し、チームが達成した目標の割合を示します。
Elliott はこれらの数字を書き留め、分析を続けます。次に、[Overview (概要)] タブを見ると、会計年度の各月の累積目標収益と累積実績収益の直接比較が示されています。目標達成率の折れ線グラフも表示されており、実績収益と目標収益の近さという点で、どの月が好調であるかを示しています。Elliott は、実績収益と予測収益を比較することもできます。
Elliott は [Overview (概要)] タブでさらにどのようなインサイトを得ることができるかを詳しく調べることにします。
予測と実績
Elliott は、データを分析するために切り替えができる 2 つのボタンに気が付き、[Projections (推定)] と [Previous Year Targets (前年の目標)] をオンにします。
- 時系列に基づく [Projections (推定)] を使用すると、今後の各期間の見込み実績収益を確認できます。
- [Previous Year Targets (前年の目標)] を使用すると、前年と当年の各期間の目標収益を比較できます。
Elliott は目標設定の問題に気が付きます。前年の目標の配分は今年の配分とほぼ同じです。昨年の実績収益と目標収益の差が大きかったことから、今年度の目標は低くすべきでした。下期の推定収益も、あまり励みになる数値ではありません。
Elliott にとって重要な点は、各月の予測収益が実際には実績収益よりも目標収益に近いことです。したがって、チームは来年の目標を見直すだけでなく、より正確な販売予測を生成する方法も検討する必要があります。
また、各月の目標収益、実績収益、予測収益を表示する [Month over Month (前月比)] ビューもあります。目標達成率の折れ線グラフは、達成率が目標に近かった 3 月が、目標に関するパフォーマンスではベストの月であったことを示しています。その他の月の達成率は振るいませんでした。
Elliott は [Overview (概要)] タブの他のデータポイントに焦点を移します。
その他のハイライト
Elliott は [Overview (概要)] タブの [Year-Over-Year Targets (目標の前年比)] セクションを見ます。このセクションには、今年、前年、前々年の重要なデータが表示されます。取引先数は昨年より増えています。これは良い兆候です。実績は昨年よりかなり低いですが、まだ半年ですので予想内です。予測収益は今年は減少しましたが実績に近いため、良い兆候です。最も重要なインサイトは、今年の目標収益が非常に高く、予測収益に近くないということです。
それだけではありません。ダッシュボードには有益な [Highlights (ハイライト)] も表示されています。
まず、Elliott は、今年目標が設定された新しい取引先と商品の組み合わせのリストを確認できます。つまり、取引先マネージャーは、目標を部下に配分するときに、取引先別、商品別、またはその両方で目標を配分します。取引先と商品の一部の組み合わせでは目標達成率が良好ですが、他の組み合わせでは、取引先マネージャーは今四半期の売上増加に力を入れる必要があります。
次に、パネルには、前年より目標が高く設定された取引先と商品の組み合わせが表示されており、年間目標は 30% 増となっています。たとえば、取引先である Acme の昨年の目標が 3,000 ドルだった場合、30% 増だと、今年の目標は 3,900 ドルになります。より高い達成率を実現するために、Elliott は取引先マネージャーにこれらの取引先と商品の目標を達成することに重点的に取り組ませる必要があります。2 年前には目標が設定されていなかったため、このパネルの結果は決定的でなものではありません。
取引先と商品に重点を置く
取引先と商品は Rayler Parts の収益に大きく寄与しています。Elliott は、取引先と商品が実績収益にどの程度寄与しているか、どこで目標未達になっているのか、どうしたら達成率を改善できるかを調べる必要があります。Elliott は [Accounts (取引先)] タブから見ていきます。
[Accounts (取引先)] タブには、現在の目標年度と前年の 2 つのビューがあります。昨年は目標設定をしていなかったため、Elliott は今年に注目します。
タブには 3 つのセクションがあります。最初のセクションには、テリトリー内の各取引先のパフォーマンスが表示されます。目標収益、実績収益、目標達成率、予測収益を分析して、好調な取引先を特定できます。Omega Incorporated の実績収益は 710 万ドルであり、目標収益である 600 万ドルを上回っていることがわかります。また、推定収益も 700 万ドルを超えており、ビジネスが予想以上に好調であることを示しています。ところが、一部の取引先では、実績収益と推定収益の両方が低く、目標達成率は 40% 未満です。Elliott は、該当する取引先の収益を拡大する方法について取引先マネージャーと話し合う必要があります。
2 つ目のセクションには、期間とテリトリーの両方における収益と達成率のトレンドが表示されます。Elliott は今年の累積収益か目標期間収益を表示できます。
3 つ目のセクションで、Elliott は商品に基づく取引先の収益分配の構成を確認できます。ヒートマップは、取引先の収益分配に各商品がどう寄与したかを経時的に示します。Compactor 9500 は毎月非常に好調であるため、低迷している取引先にこの商品をさらに販売することが推奨されます。
もう 1 つのヒートマップは、AMER 地域で収益分配と目標達成率が最も高い州を示しています。これで、今後数か月間でどの地域に力を入れるべきかがわかります。
Elliott は取引先を調べた後、[Products (商品)] タブに移動します。収益と数量の両方の目標、実績、達成した目標、推定値を確認して、どの商品が好調であるかを把握できます。
Elliott は、期間とテリトリーの両方における各商品の収益と達成率のトレンドも確認できます。また、商品ファミリーと商品名でデータを絞り込むこともできます。
その他の分析
Elliott は、Bill の次の質問に答えるためにデータを収集することができました。
- 全体的な目標のコンプライアンスは? 会計年度末の推定コンプライアンスは?
- 取引先販売予測に対するチームのパフォーマンスは? 実績収益と予測収益の比較は?
Elliott は、次に目標のコンプライアンスに関してチームの各メンバーの状況を把握したいと考えています。評価の日は間近に迫っています。Elliott はパフォーマンスが良好な取引先マネージャーと、手助けが必要な取引先マネージャーを特定しなければなりません。