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クリティカルシンキングとデータドリブンの意思決定について知る

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • クリティカルシンキングを定義し、意思決定プロセスでどのように実践するか説明する。
  • データドリブンの意思決定とは何か説明する。
  • クリティカルシンキング、データ分析、人工知能をまとめて活用した場合の威力について説明する。
メモ

このモジュールは OneNine AI との提携のもとに作成されています。OneNine AI は、誰もが AI を利用できるように取り組んでいます。Trailhead のパートナーコンテンツについてはこちらを参照してください (ログインが必要です)。

クリティカルシンキングとデータドリブンの意思決定は、人工知能 (AI) を倫理的かつ効果的に活用するための基本的なスキルです。このモジュールでは、こうした基本的なスキルを検討して、意思決定と AI モデルについて学習し、さまざまな業界の組織で AI がどのような形でデータドリブンの意思決定を促進しているか見ていきます。では始めましょう。

そもそもクリティカルシンキングとは?

クリティカルシンキングとは、情報、証拠、議論を分析して評価したうえで統合し、十分な情報に基づく合理的な意思決定を行うプロセスです。このためには、独自に明瞭かつ客観的に考える能力や、多様な視点と潜在的な結果を検討する能力が求められます。クリティカルシンキングが、賢明な判断や効果的な問題解決につながります。

点灯していない電球の中で 1 つだけ点灯している電球

以下のタブをクリックすると、クリティカルシンキングの実践者の主な特徴が表示されます。

意思決定におけるクリティカルシンキングの役割

クリティカルシンキングを実践するということは、意思決定ジャーニーを信頼のおけるガイドと一緒に進んでいくようなものです。進む道を選択する前に、証拠を収集し、論理的に考え、選択肢を天秤にかけるよう導いてくれます。分析的で、好奇心が強く、研究熱心で、心が広く、論理的であるという資質がクリティカルシンキングを実践する基盤になります。

意思決定にクリティカルシンキングを適用するときは、通常次のことを行います。

  • 情報を収集する: クリティカルシンキングの第一歩は情報を収集することです。判断を要する場面に直面したら、関連性の高いデータ、事実、証拠を探し出し、目の前の問題や機会の把握に努めます。
  • 情報を評価する: 収集した情報を精査します。信頼できる情報源とそうでない情報源を識別し、事実を意見と区別して、データの品質を評価します。この分析により、確固たる根拠に基づく意思決定が可能になります。
  • 思い込みを特定する: 根底にある思い込みや信念で、自分の意思決定に影響を及ぼす可能性があるものを特定します。自らの先入観やバイアスについて自問し、こうした要因が選択にどのような影響を及ぼす可能性があるか検討します。
  • 長所と短所を評価する: 各オプションのメリットとデメリットを比較検討するプロセスに取り組みます。潜在的なメリット、リスク、帰結を検討し、自分の目標につながる判断を下します。
  • 問題を解決する: 意思決定では、問題の解決や課題への対処を伴うことが少なくありません。分析力と創造力を結集するクリティカルシンキングは、複雑な問題を対処可能な要素に分解するために必要な問題解決ツールになります。どの要素に着目すべきか判断しやすくなり、そのプロセスで創造性が触発されます。この創造的なアプローチでは、潜在的な解決策を特定して、最も適切な措置を選択できます。

この各段階で質問するという技能が求められます。実際、質問はクリティカルシンキングの要となるもので、質問によって問題が明確になり、客観的にとらえ、最も合理的かつ倫理的な選択肢を追求できるようになります。質問によって問題を掘り下げ、思い込みに挑み、隠された真実を明らかにすることができます。

巧みな質問を重ねながら、複雑な問題を分解し、事実を意見と区別して、論点の正当性を評価していきます。このプロセスによって貴重なインサイトが明らかになるだけでなく、十分な情報に基づき、目前の問題をきちんと理解したうえで判断を下せるようになります。(質問するという技能についての詳細は単元 2 を参照してください。)

データドリブンの意思決定とは?

クリティカルシンキングの実践者にとって、情報を収集して分析することが意思決定の重要な要素であることは説明しました。データがあれば、最も有力な推測ではなく、事実に基づく判断が可能になります。

データドリブンの意思決定を行うには、目標を理解する、質問をする、データを収集する、データを調べてパターンを見出す、そのパターンとトレンドに基づいて選択を行う、結果を評価するというプロセスに従います。おわかりのように、どのステップにもクリティカルシンキングが関与します。

リスト、ブリーフケース、カスタマーサービス、メールなど、自動化が可能なもののシンボルを指しているプロセス自動化ロボット

クリティカルシンキングは、情報を評価して理解し、事実に基づいて意思決定を行う能力です。クリティカルシンキングの実践者は好奇心が旺盛で、質問を投げかけ、既成概念にとらわれずに物事を考えます。さまざまな考えを受け入れ、結論を急ぎません。

たとえば、ある e コマース企業は、顧客の行動に関するデータを収集し、それを分析してショッピングのトレンドを把握し、この情報を参考にユーザーエクスペリエンスを改善しています。具体的には、この情報を利用して、商品のおすすめのパーソナライズ、チェックアウトプロセスの効率化、対象を絞ったプロモーションの実施、Web サイトのナビゲーションの強化などを行っています。

データドリブンのこのアプローチは、各顧客の好みに対応するだけでなく、Web サイト全般のパフォーマンスも最適化するため、顧客満足度やコンバージョン率の向上につながります。

クリティカルシンキング、データ、AI をまとめて活用する

クリティカルシンキングによって適切な質問ができるようになり、データから重要な事実や情報が示され、AI でデータが迅速に処理されます。

AI は、クリティカルシンキングの最強のアシスタントのようなものです。大量のデータをすぐさま分析してパターンを見つけ出し、意思決定を裏付ける予測を打ち出します。このアシスタントによって意思決定プロセスを加速できますが、倫理面への潜在的な影響に注意する必要があります。データと AI を使用するときは、プライバシー、公平性、透明性といった倫理的な問題を考慮する必要があります。クリティカルシンキングを実践すれば、倫理的な選択が促進されます。

AI が意思決定を支援可能であることを表す「AI」の文字が示されている電球を持つ人

クリティカルシンキングとデータドリブンの意思決定の基本事項を学習しました。また、データや AI を扱う際にクリティカルシンキングが重要な役割を果たすことも見てきました。次は、優れた質問をするという技能を詳しく見ていきます。

リソース

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