Contact Builder の使用開始
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- Contact Builder の概要を説明する。
- Contact Builder でどのように顧客の単一ビューが提供されるかを説明する。
はじめに
Pharr Walker は、道なき道を行くタイプで、寝るならベッドよりテントというキャンプ愛好者です。昨日、Pharr がトレイルを下っているときに、懐中電灯が傍らに落ちてきました。懐中電灯に手を伸ばすと、今度はトレイルミックスの袋が足にドサッと当たりました。なんと、バックパックが破けて入れたものが落ちていたのです。
今日、Pharr はオンラインで新しいバックパックを購入しようとしています。レビューを読み、価格を比較し、広告をクリックします。ある広告をクリックすると、お気に入りのアウトドアギアの Web サイト、Northern Trail Outfitters (NTO) が表示されました。ログインし、パックを選び、カートに追加します。ちょうどそのとき、友人から現代版「野生の呼び声」とも言うべきテキストメッセージの招待が届きました。2 つの言葉が目に入りました: 「キャンプファイヤ」と「焼きマシュマロ」。これは行くしかありません! Pharr はキャンプファイヤに出発し、カートは放棄されました。
「カートの放棄、大歓迎!」と言う小売企業はいません、絶対に。ただし、希望の兆しも見えます。Pharr は、製品を気に入ってカートに入れたのです。おそらく、あとほんの一押しで購入を完了したはずです。
Salesforce の優れたパートナーである Get Cloudy Consulting は、顧客に購入の完了を促す方法をしっかりと理解しています。NTO は、カートを放棄した顧客の再エンゲージメントに役立つソリューションの実装を Get Cloudy に依頼しました。Get Cloudy が選んだツールは Salesforce Marketing Cloud Engagement の Contact Builder アプリです。
Contact Builder とは?
Contact Builder は、連絡先に関するデータの管理に使用する Marketing Cloud Engagement アプリです。連絡先とは、その情報が企業の Marketing Cloud Engagement アカウント内に含まれている 1 人の個人です。連絡先はまた、企業が Marketing Cloud Engagement を使用して何らかのチャネル経由でメッセージを送信した個人でもあります。
データが適切に管理されていれば、連絡先と 1 対 1 リレーションシップを築くことが簡単になります。企業は収集した連絡先情報を使用して顧客との会話をパーソナライズできます。これは、顧客ロイヤルティの向上効果が実証されている方法です。
連絡先のデモグラフィックおよび行動情報の保存に使用される基盤データ構造も連絡先 (連絡先フレームワークとも呼ばれる) といいます。Contact Builder は、このフレームワークへのユーザーインターフェースポータルです。Contact Builder を使用して連絡先データを顧客の単一ビューにまとめることができます。
Contact Builder には次の利点があります。
- アプリデータ: Marketing Cloud Engagement アプリから任意の連絡先の情報を利用できます。
- データデザイナー: 連絡先に関するデモグラフィックおよび行動データを設計、マッピング、リンクできます。
- リスト、グループ、フィルター: 連絡先固有の情報を使用して連絡先をフィルタリングおよびセグメント化できます。
企業が鬼のかくれんぼ
顧客の単一ビューを作成していると、かくれんぼをしているように感じることがあります。隠れている顧客やリードを企業が見つけます。顧客は意図的に隠れているわけではありませんが、その外見が変わるので見分けるのは簡単ではありません。顧客を名前で識別する場合があります。携帯電話番号や生成された ID などの別名を使用する場合もあります。また、ブランドとのインタラクション方法もさまざまです。今日は、カスタマーサービスに電話を掛けます。明日は、外部サイトで製品の個々をクリックします。
熟練したマーケターでさえ、ストレスを感じるほどです。
顧客の単一ビューを確立するには、身元識別方法やブランドとインタラクションする場所に関係なく、個人を見分ける必要があります。Contact Builder を使用すると、企業に顧客の単一ビューを提供できます。
Contact Builder は、連絡先とブランドとのすべてのインタラクションを統合して、顧客の単一ビューを提供します。Contact Builder を使用すると、企業は次のことができます。
- Personalization Builder、カスタマーリレーション管理 (CRM) アプリ、販売時点管理 (POS) システム、Web サイト、分析など、内部および外部からデータを統合する。
- 複数のより小規模なデータアーキテクチャから一貫性のあるデータモデルを作成する。
- さまざまなソースから発生したデータ間のリレーションシップを確立する。
- すべてのデータソースで連絡先を一意に識別する。
このビューには、手間をかける価値があります。企業はこのビューを使用して、顧客の好みを把握し、注文履歴を統合し、顧客とブランドとのすべてのインタラクションを確認できます。そこで学んだことを適用してカスタマーサービス、コンバージョン率、顧客ロイヤルティを改善します。
Contact Builder があれば、マーケターがかくれんぼの勝者になります。
売上を保存
NTO のマーケティングチームは、放棄されたカートの数を減らしたいと考えています。Get Cloudy のマーケティングエキスパートである Leung Chan が、そのためのソリューションを実装します。Leung がどのように Contact Builder を使用して、Pharr のような顧客に NTO での購入を完了するように促すかを見てみましょう。
Pharr は Google を使用して複数日用のバックパックを検索し、複数の結果が返されました。その結果の 1 つが NTO サイトにリンクしています。表示されたのは Conness 70、高度なサスペンションシステムを備えた、扱いやすいトップローダーのバックパックです。これは期待できそうです。Pharr は詳細を調べようと NTO の検索結果をクリックします。
NTO のサイトで、Conness、他のパック、関連製品を参照します。Conness 70 を購入することに決め、カートに追加します。
以前に購入したことがある Pharr にはすでに顧客 ID があります。今日の活動の結果として、サイトでは次の情報を識別して保存します。
- 顧客 ID。
- URL タグに基づいて、どのキャンペーンからアクセスしたか。
- NTO サイトで閲覧した他の製品。
- ショッピングカートに入っている製品。
このタイミングで Pharr は友人のテキストメッセージを読み、カートを放棄します。NTO Web サイトは、放棄されたカートを認識し、Pharr のユーザー情報とバックパックの製品情報をデータベースの放棄されたカートテーブルに保存します。
Web サイトのデータだけでは、Pharr がカートを放棄した理由は特定できません。ただし、他のデータを使用できます。NTO の Web サイトは、Google アナリティクスと統合されています。Google は次のような行動データが収集しています。
- Pharr が訪問した Web サイトページ。
- 各ページでの滞在時間。
- クリックしたリンク。
マーケターは、分析データにアクセスして評価し、顧客エンゲージメントをよりスマート化するために使用できます。
分析データは役に立つ情報でいっぱいですが、匿名です。顧客 ID やメールアドレスなど、ユーザーが Pharr であると見分けるために NTO が使用できる情報は含まれていません。分析システムでは、Pharr は訪問者 ID 「ABC123」です。NTO では、Pharr は顧客 ID 「100123」です。Web サイトデータと分析データが意味を持つように結合するには、この間を橋渡しする必要があります。
Leung は、このシナリオで収集された情報を結合して橋渡しし、NTO のマーケティング戦略を微調整しようと計画しています。それは次のような計画です。
- NTO がコマース Web サイトから収集した情報を、インポートした分析情報で強化する。
- 結合した情報を使用して顧客が購入ジャーニーを終了した理由を判別する。
- 顧客の呼び戻しを試みる。割引特典を含むテキストメッセージで購入を促す。
これで、Leung がこのソリューションを実装する方法を説明できるようになりました。