世帯命名の設定

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

Nonprofit Success Pack (NPSP) での自動世帯名の作成方法を説明する。
世帯名形式をカスタマイズする。
公式の挨拶と非公式の挨拶をカスタマイズする。

始める前に

このモジュールを始める前に、次の推奨コンテンツを完了することを検討してください。

Nonprofit Success Pack を使用した関係者データの管理

名前の由来

Nonprofit Success Pack (NPSP) レコードの世帯取引先には、家族など、同じ住所に住む取引先責任者がまとめられています。このレコードは関係者間のリレーションを追跡する強力なツールとなり、ダイレクトマーケティングにも利用できます。

この単元では、このレコードに目を向け、命名と公式/非公式の挨拶の生成を自動化する方法について説明します。名前は何よりも個人的なものですから、正しい名前を使用しなければ支援者や支持者の気分を害することになりかねません。

では始めましょう。

NPSP での世帯取引先の命名方法

新しい取引先責任者を作成し、取引先名を空白のままにすると、NPSP によって関連する世帯取引先レコードが作成されます。

デフォルトでは、その後次のことが自動的に行われます。

新しい取引先責任者の姓が世帯名に使用される。
公式の挨拶 (敬称と氏名を含む) が作成される。
非公式の挨拶 (名のみ) が作成される。
ユーザーが取引先責任者情報を更新するか、世帯メンバーを追加または削除すると、世帯名と挨拶が更新される。

たとえば、「Roberto Alvarez」という取引先責任者の世帯の [取引先名] は「Alvarez Household」となります。[公式の挨拶] は「Mr. Roberto Alvarez」となり、[非公式の挨拶] は「Roberto」となります。彼の妻の Lucy を世帯に追加すると、[公式の挨拶] には「and Mrs. Lucy Alvarez」が追加され、[非公式の挨拶] には「and Lucy」が追加されます。

[取引先名] 項目、[公式の挨拶] 項目、[非公式の挨拶] 項目が強調表示された取引先の [詳細]。

この命名規則が組織に合っていない場合には、必要に応じてカスタマイズできます。まず、どのような設定にするかを決める必要があります。

できるだけ早い段階、たとえば NPSP 実装中などに、命名規則についてスタッフからの合意を得るように努めましょう。命名規則はいつでも変更してすべての世帯取引先に適用することができますが (詳細は後述)、最初に基準を設定してそれを維持するのが最善です。

架空の非営利団体 No More Homelessness (NMH) の Salesforce システム管理者である Gorav Patel は、開発、マーケティング、プログラムの各チームから形式についての合意を得て、NMH の世帯命名設定を定義しています。それでは見てみましょう。

次のプロジェクトについて話し合う Gorav と No More Homelessness の開発チーム。

世帯命名のカスタマイズ

NPSP には、「{LastName} Household」というデフォルト以外にも自動的に世帯取引先の名前を付けるさまざまなオプションが用意されています。

自動的にすべての新しい世帯取引先に適用される標準を設定できますが、1 つの標準が全員にとって適切だとは限りません。そのため、ユーザーは個々のレコードをカスタム形式に更新できます。

Gorav がデフォルトの命名規則を更新する手順を見ていきましょう。

アプリケーションランチャー () で [NPSP 設定] を見つけて選択します。読み込みには時間がかかることがあります。
[人]、[世帯] の順にします。
ページ上部の [編集] ボタンをクリックします。

ここで、世帯の命名設定を変更できます。必要に応じて自動命名を無効にすることもできます。基本オプションをいくつか見てみましょう。

[世帯名設定] ページの要素。

[世帯名形式] (1) では、いくつかの既存のオプションから選択するか、独自の形式を作成できます。NMH のスタッフの間で [{!LastName} Family] をデフォルトにすることで意見が一致したため、Gorav はそれを選択して [世帯名形式の例] (2) のプレビューで確認します。(ページのこの領域は、変更した設定の例を表示するように更新されます。)

[公式の挨拶文形式] (3) では、支援を依頼するダイレクトメールの封筒など、敬称を追加する必要がある状況での形式を選択できます。既存のオプションから選択するか独自の形式を作成できます。Gorav はデフォルトの [{!{Salutation} {!FirstName}} {!LastName}] を使用します。

[非公式の挨拶文形式] (4) では、メールやレターの冒頭で「Dear」の後に続ける場合など、より砕けた状況での形式を選択できます。Gorav はカジュアルな [{!{!FirstName}}] を選択します。ただし、ニックネームを使うほどカジュアルにはしません。ニックネームを使用するのが適した組織であれば、カスタム作業を行うことで使用できます。フォーマルな組織の場合は、敬称を追加することもできます。

世帯名、公式の挨拶、非公式の挨拶の規則は、世帯を構成する取引先責任者の数、そのうち挨拶に記載する取引先責任者の数、取引先責任者の順序にも左右されます。これらの要素に固有の設定があります。

その 1 つは [名前コネクタ] で、世帯名、公式名、非公式名などの項目で、複数の取引先責任者の名前をつなげます。デフォルト値は and で、Gorav はこれを使用しますが、& や y などの別の値で上書きすることもできます。この値に文字制限はありません。

[超過時の名前] (6) は、[世帯名]、[公式の挨拶]、[非公式の挨拶] で取引先責任者のリストが長い場合に後の方の名前を置換するテキスト値です。デフォルトは Friends で、「Roberto, Lucy, and Friends」のようになりますが、Family など他の値を使用することもできます。

[取引先責任者超過数] (7) では、超過時の名前を使用する前に表示する名前の最大数を設定します。世帯の中には家族が 9 人いるところもありますが、世帯名や挨拶に全員の名前を列挙するのはおそらく望ましくありません。(そのダイレクトメールの封筒の改行を想像してみてください!)この設定のデフォルトは 2.0 です。これは NMH にとって適切です。

世帯名形式を編集し終えたら、[Save (保存)] をクリックします。

そのクリックによって、Gorav は今後 NMH 組織で作成されるすべての世帯の名前設定を更新したことになります。ユーザーは個々のレコードの世帯名、公式および非公式の挨拶をカスタマイズすることもできますが、デフォルトを設定することでほとんどの場合に時間を節約できます。

自動世帯命名

既存の世帯取引先に対するいくつかのアクションによって、世帯名、公式の挨拶、非公式の挨拶の自動更新がトリガーされます。たとえば、世帯命名数式に含まれる取引先責任者項目の値を更新すると、NPSP が自動的に世帯名が更新されます。

NPSP での世帯名の更新をトリガーする一般的なアクションには次のものが挙げられます。

命名数式に含まれる取引先責任者項目 (取引先責任者の姓や名など) を更新する。
世帯に取引先責任者を追加または削除する。
[主取引先責任者] 項目を空白のままにする。
世帯の最後の取引先責任者を削除する。

すべての世帯名の手動更新

世帯名のデフォルトを変更した場合に、その設定をすべての既存の世帯に適用するには、ボタンをクリックするだけですべて更新できます。

ただし、ちょっと待ってください。これは重大な決定です。ユーザーが更新したカスタム世帯名はすべて削除され、[NPSP 設定] からこれを元に戻す方法はありません。そのため、このオプションは慎重に検討し、実行前にユーザーと相談してください。

安全を期するため、実行する前にデータのバックアップを作成するために、[ID]、[名前]、[公式の挨拶]、[非公式の挨拶] の 4 つの項目があるすべての世帯取引先を記載した完全レポートをエクスポートしてください。そうすれば、必要が生じた場合に世帯名と挨拶を復元できます。

バックアップを作成し、これを実行する必要があると確信できる場合は、次の手順を実行します。

[NPSP 設定] に移動します。
[一括データ処理]、[Refresh Household Data (世帯データを更新)] の順にクリックします。
世帯名を更新する前に、[警告] セクションをよく読みます。大げさなことを言っているのではありません。そのボタンをクリックしたら、元に戻すことはできません。
[すべての世帯名を更新] をクリックして、プロセスを開始します。

これだけで、すべての世帯取引先名が組織のデフォルトと一致するようになります。

名前の順序のカスタマイズ

ちょっとしたことですが、ユーザーは世帯名、公式の挨拶、非公式の挨拶の中の取引先責任者名を並び替える必要がある場合があります。これは、システム管理者による一括設定ではなく、各世帯取引先レコードで変更されます。

たとえば、NMH の世帯取引先レコードで Roberto Alvarez が最初の取引先責任者になっていますが、NMH にとっては妻の Lucy の方が重要な取引先責任者です。彼女は重要な支持者かつ支援者であり、NMH のいくつかのボランティア委員会にも参加しています。郵便物や受領確認で Lucy の名前より前に Roberto の名前を表示することは、少なくとも不正確ですし、最悪の場合は不快と思われてしまいますが、Roberto のレコードが最初に作成されたために、取引先内で Roberto が最初になっています。

これは必ずしもシステム管理者の作業とは限りませんが、特にユーザーが NPSP に不慣れである場合には、よく尋ねられる質問です。NMH のスタッフが彼女の名前を最初にする方法を見てみましょう。

並び替える世帯取引先レコードに移動します。
[世帯の管理] をクリックします。
[世帯の管理] ページで、取引先責任者カードを左から右にドラッグして並べ替えます。
必要に応じて、[次から除外:] の [世帯名]、[公式の挨拶]、[非公式の挨拶] の横にあるボックスをオンにすると、その項目から取引先責任者を除外できます。これは、未成年の子供や亡くなった世帯メンバーなど、世帯メンバーを取引先責任者として記録しておくが、コミュニケーションには表示しないようにする必要がある場合に使用します。
NMH はさらに Lucy を世帯取引先の主取引先責任者にしたいため、ページをスクロールダウンして [主取引先責任者] 項目で Lucy の取引先責任者レコードを検索して選択します。
[Save (保存)] をクリックします。