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チャートが必要な理由を理解する

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • チャートを使用することの重要性について説明する。
  • チャートに質問を投げかけて回答を得る方法を知る。
  • チャートに良質のデータを使用することの重要性を理解する。

チャートを使用する理由: チャートの起源

人類ははるか昔からデータをチャートに描いて視覚化してきました。人々は何千年も前に都市や街の地図を作成しており、その一例が紀元前 1400 年頃に描かれたニップル市の地図です。また、2 世紀にプトレマイオスが編纂した写本などでも、天文学の原理が図示されています。

現在も、私たちはデータを表す手段としてチャートを活用し、データのストーリーを伝える能力を継続的に向上させています。

自動車のダッシュボードを例に考えてみましょう。運転中、速度やガソリンの残量がダッシュボードに表示されるほか、万が一システムに不具合があればすぐに警告灯が知らせてくれます。自動車のダッシュボードの設計者は、数字やラベル、ダイヤルの配置を決める際、特に重要なデータが必要となるその瞬間にダッシュボードに表示されるよう慎重に検討しています。

同様に、データビジュアライゼーションによって比較や傾向の確認、状況や進行状況の監視、結論の導出が容易になり、問題の解決や適切な判断が促進されます。

チャートの種類

ケンブリッジ辞典にチャートは「情報をシンプルな方法で図示するもので、直線や曲線を用いて数量を表すことが多い」と定義されています。チャートを使用すれば、生のデータポイントを検討するよりも迅速にデータの関係性やパターンを見出すことができます。多種多様なデータがあるのと同様に、データを視覚化するチャートにもグラフ、テーブル、ダイアグラム、マップなどさまざまな種類があります。

グラフ、テーブル、ダイアグラム、マップという 4 種類の一般的なチャートの具体例

メモ

このモジュールでダイアグラムは取り上げません。大半の分析ソフトウェアプラットフォームはグラフ、マップ、テーブルの作成に使用されているため、この 3 種類のチャートを中心に説明します。

チャートに質問を投げかけて回答を得る

的確な質問をする

「データリテラシーの基本」モジュールに、的確な質問をすることの重要性が概説されています。データを検証するときは、どのような質問をするかによって分析をどの方向に進め、どのような結論を導き出すかが決まります。データを活用して適切な判断を下したいのであれば、最適な質問をして、最適な答えが得られるようにする必要があります。

Salesforce の Tableau シニアテクニカルエバンジェリストである Andy Cotgreave が「データから新しいインサイトを引き出す:「なぜ」を繰り返す」というブログ記事で、チャートを操作し、データに対して次々と問いを立てていく方法で問題の根本原因を突き止めれば、最適なアクションを実行できると説明しています。

チャートに対して操作を繰り返すことを示す図

ビジュアル分析サイクル

チャートを使用して質問を重ねていくことは、ビジュアル分析サイクルの一環と考えられます。ちなみに、このサイクルは、分析のベストプラクティスの重要な要素です。

このサイクルの出発点は特定のタスクまたはビジネス上の質問です。続いて、答えを引き出すためのデータを取得し、データを視覚化してインサイトを得たら、そのインサイトを共有したり、インサイトに基づいてアクションを実行したりしながら、サイクルを進行して新たな質問を投げかけます。サイクルのある時点で、別の質問に答える必要があると気づくことがあります。適した質問をすれば、分析サイクルを適切に進行し、より良いインサイトを得ることができます。

こうしたことが重要なのはなぜでしょうか? 分析のベストプラクティスに従うビジネスは、データを活用して、ビジネスインパクトを最大限に高めることができるためです。

ビジュアル分析サイクル。インサイトの獲得、アクションの実行 (共有)、データの取得、ビジュアルマッピングの選択、データの表示というセクションが示されています。

メモ

ビジュアル分析サイクルについての詳細は、Trailhead の「詳細なデータ分析」モジュールまたはこちらのブログ投稿を参照してください。

比較を行ってデータを検証する

チャートに質問を投げかけて回答を得るときは、比較を行います。たとえば、「時間の経過とともに利益がどのように変化しているか?」「ある商品は別の商品より収益性が高いか?」「より効果的なマーケティングキャンペーンはどれか?」といった質問をするとします。こうした質問では、データを比較することになります。

効率的に比較するにはどうすればよいのでしょうか? もちろん、チャートを活用します! では、どのようなチャートを作成すればよいのでしょうか? 自動車のダッシュボードの設計者と同様に、チャートの設計者もデータの視覚化にどのチャートを使用するか慎重に検討します。ユーザーがビジュアライゼーションで比較を確認し、質問の答えを得ることができれば、迅速にインサイトを得て、より的確な質問をしながら分析サイクルを進行できます。

データビジュアライゼーションのエキスパートは、人間の脳の視覚を研究し、特定の種類のチャートを使えばデータビジュアライゼーションの理解が促進されることを明らかにしています。グラフを使用してデータを効果的に視覚化すれば、データのパターンや傾向を見て取り、テキストやテーブル形式では見落としていたであろう外れ値や異常に気づくことができます。

チャートでアート

ビジネス目標には効率性が求められますが、ビジュアライゼーションでは創造性を発揮できます! 美的センスを駆使したビジュアライゼーションを作成すれば、「データを使って伝える」以上のことが可能になります。ビジュアライゼーションはストーリーを伝え、分析に新たなオーディエンスを呼び込むことができます。Asha Daniels が作成した Tableau Public ビジュアライゼーションでは、ヒョウの個体数が黒いドットで示されています。1970 年代を表す左半分は、黒いドットが実際のヒョウの斑点のように配置されていますが、2020 年代を表す右半分は、黒いドットがまばらになっています。このビジュアライゼーションは、美的な表現で重要なメッセージを伝えています。

1970 年代から 2020 年代のヒョウの消滅を表すビジュアライゼーション

良質のビジュアライゼーションには良質のデータが必要

データビジュアライゼーションを検討する前に、使用されているデータの質が高いことを確認する必要があります。他の人が作成してくれたチャートを読み取る場合でも、他の人が使用するチャートを作成する場合でも、データの質が高く、検討する質問や比較に答えるのに適したデータであることを必ず調査します。

メモ

適切なデータを使用することの重要性についての詳細は、Trailhead の「データ品質」「誤解を招くグラフを見極めるためのガイドライン」を参照してください。

リソース

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