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気候戦略に集中する

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • ネットゼロの概念を説明する。
  • ネットゼロ排出達成への戦略の概要を説明する。
  • 今すぐアクションが必要な緊急事態であることを説明する。
  • この単元で紹介するフレームワークを使用して会社の気候変動アクションプランを作成する。

気候変動に対する義務

世界は気候変動という緊急事態にあります。大気中の人間由来の温室効果ガスは増え続けており、人類は現在、きわめて喫緊の問題に直面しています。気候変動はあらゆる個人、企業、都市、国に影響を与えます。その影響は弱い立場にある人々ほど深刻であるため、世界中で格差が一層広がっています。

地球の気温上昇が 1.5°C を超えると壊滅的な影響があります。致命的な熱波、深刻な干ばつ、回復不能な生態系の破壊、世界中の国内総生産 (GDP) の著しい損失が起きることが予想されます。 

気候危機は悲惨な結末を招く一方で、それに向き合って対処する組織には大きなチャンスももたらします。チャンスはあらゆる場所、つまり世界中、あらゆる経済セクター、あらゆる国にあります。実際、気候変動がきっかけのイノベーションにより、今後 10 年間に 3 ~ 5 兆ドルの市場が生まれる可能性があります。 

その反対に、企業がアクションを取らなければリスクは高まります。新たな標準に準拠していないための規制リスクから、気候変動への対応が遅いとみられるブランドリスクまでさまざまなリスクに直面することになります。ハーバードビジネススクールの調査によると、強力な持続可能性戦略を持つ企業は競合他社よりもよい業績を出しています。

ネットゼロとは?

ネットゼロの世界とは、バランスのとれた世界です。グローバルレベルでネットゼロを実現するためには、自然の力やテクノロジーソリューションを利用して、除去可能な量を超える温室効果ガスの排出を止める必要があります。現時点では、そのバランスが取れていません。 

時間が重要です。350.org の創設者で世界的に認められている環境保護のオピニオンリーダーである Bill McKibben 氏はこう言っています。「気候に関しては、緩慢な勝利は敗北と同じだ。」 

組織でネットゼロを実現するには?

あらゆる組織がネットゼロに向けて加速できます。方法 

  1. 1.5°C 目標の達成に向け、ネットゼロへの公正かつ公平な移行を実現するという世界共通の取り組みに公にコミットする。
  2. 可能な限り早く排出量を削減することを優先事項とし、自社のバリューチェーン全体 (スコープ 1、2、3) で排出量を 2030 年までに 50% 削減、2040 年までにほぼゼロにするという世界的な目標に合わせる。Salesforce では、特に Work From Anyware (場所を選ばない働き方)、インフラストラクチャ、出張、サプライチェーンの各カテゴリに重点を置き、脱炭素をバリューチェーン全体で進めています。
  3. 再生可能エネルギーや信頼性、影響、コベネフィットの高いカーボンクレジットを購入して、削減が困難な排出量を相殺する。短期的には回避クレジットと除去クレジットを組み合わせ、長期的には除去クレジットのみを利用します。

バリューチェーン全体での脱炭素化については、この単元の最後にある「リソース」を参照してください。

バリューチェーン全体で協力して取り組む

今日、組織の評判や影響をそのサプライヤーや顧客、つまりバリューチェーンと切り離すことはできません。気候変動アクションプランを作成するときには、組織の枠を越えて考える必要があります。 

各組織にはサプライヤーや顧客との信頼できるパートナーシップを活かしてバリューチェーン全体で脱炭素化に取り組み、回避や削減ができない排出量をすべて相殺することが求められます。

今、行動する

国連が言うようにこれは「人類にとっての非常事態」です。すべてのイノベーション力を結集し、悲惨な道をチャンスと改革への道に変える必要があります。 

最優先事項は排出削減です。では、どこから始めればよいのでしょうか? 各組織で気候変動アクションプランを作成して実行できます。そこで大幅な排出削減につながる持続可能な変革のロードマップを示します。 

気候変動アクションプランをネットゼロへのジャーニーのガイドにする

気候変動アクションプランは、ネットゼロ目標に向けた企業の戦略を定義して伝える重要なツールです。企業が気候変動アクションプランを策定するときには、次の 3 つの根本的な質問に答える必要があります。1) 何を、なぜ行うのか? 2) どのように行うか? 3) 誰に関係するか? 企業が作っているものがソフトウェアでもソフトドリンクでも、この 3 つの質問への答えることで、自社独自の気候変動アクションの優先事項が明らかになります。 

3 つの質問: 1) 何を、なぜ行うのか? 2) どのように行うか? 3) 誰に関係するか?

組織によって気候変動アクションプランの優先事項にわずかな違いはあるにしても、テーマは似ています。Salesforce の場合、この質問に答えて、気候変動に対処するための取り組みを定義する 6 つの優先事項を定めました。それは、排出削減、炭素除去、1 兆本の森林保全・生態系の回復、教育・動員、イノベーション、規制・政策です。さらに、Salesforce 全体の基本的価値に 5 つ目の「持続可能性」を追加し、総力を挙げて世界のネットゼロへのジャーニーを加速させることの重要性を強調しています。 

Salesforce の気候変動アクションの 6 つの優先事項: 排出削減、炭素除去、1 兆本の森林保全・生態系の回復、教育・動員、イノベーション、規制・政策

詳細は、「リソース」にある「Salesforce 気候変動アクションプラン」の概要を参照してください。

Salesforce Net Zero Cloud

気候変動アクションプランを実行するには努力が必要です。企業は Net Zero Cloud を使用して炭素排出量の追跡や削減ができます。これはネットゼロへの道の重要な第 1 歩です。投資家向けレベルの信頼性の高いデータで、環境フットプリントを迅速に追跡、分析、報告できます。このデータは、第三者監査、財務報告、企業の評判、すべての関係者との信頼関係の構築に不可欠です。

次のステップ

私たちはすぐに進むべき道を持続可能性とチャンスの道にシフトする必要があります。そのためには声を上げ、質問をする。同僚を呼び集めてください。一丸となってグローバルネットゼロ目標に取り組む際に自分たちがすべきことは何かを明らかにしてください。  

企業にはメリットがあります。顧客は、気候変動に対して積極的に行動する企業に協力したいと考え、従業員はこの問題を優先する企業で働きたいと考えます。 

グローバルコミュニティのこの冒険はすでに始まっています。深呼吸してください。あなたの準備はできています。あなたのスキルが必要です。あなたの会社とコミュニティには、果たすべき重要な役割があります。 

気候変動への対処は、人類が直面する史上最大の課題であり、最大のチャンスでもあります。私たち全員に力を合わせて行動することが求められています。今すぐにです。

リソース

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