ロールアウト戦略の作成

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。
  • 組織の Chatter で最も優先度の高い使用事例を識別する。
  • Chatter の導入計画をまとめる。
  • 会社の全ユーザに対して Chatter を有効にするのか、プロファイルベースで Chatter をロールアウトするのかを判断する。

Chatter のロールアウト戦略を策定する

Chatter のロールアウト戦略を策定することは、非常に重要です。Chatter の機能は直観的であるため、ユーザトレーニングのために必要な作業はさほど多くありません。

ただし、ソーシャルコラボレーションツールが組織でまだ使用されていない場合は、新しいコミュニケーション方法に対して会社の準備が整うまでに時間が必要でしょう。多くの企業にとって、Chatter は文化面での大きな変化ですから、成功に導くためには組織のすべてのレベルで支援者 (チャンピオン) が必要です。

ロールアウト計画の作成と実施は、導入の鍵です。何をするにしても、このステップは省略できません。

支援者を識別する

この最初のステップは、社内で Chatter の支援者となる人を識別することです。

支援者の識別
  • 担当役員: どの会社でも、支援者として少なくとも 1 人の役員が必要です。この人物はソーシャルコラボレーションと Chatter の威力を確信している必要があります。そして、Chatter コラボレーションを成功させるために時間を費やすことに前向きであることが求められます。担当役員が積極的に Chatter に投稿すれば、他のユーザも後に続きます。一般に役員は多忙であるため、担当役員に適したガイドラインは「1 日 1 投稿」です。これなら実行可能で、他のユーザの良い手本になります。
  • エバンジェリスト: システム管理者が一度にあらゆることをやることはできません。Chatter なら、その必要もありません。今現在、かなりの知識を持ち、すでにソーシャルコラボレーションに熱心なユーザが社内にいるはずです。そのユーザ達を巻き込みましょう! 正式に Chatter エバンジェリストとして認定し、Chatter を成功させるために関わってもらうのです。エバンジェリストは、質問に答えたり、他のユーザが投稿、グループの作成、管理、コンテンツの選定に不安を感じているときに励ましたりできます。
  • コミュニティマネージャ: Chatter が成功するには、優れたコンテンツとコミュニティの意識が必要です。良質なコンテンツを選定し、ユーザの関与を促すコミュニティマネージャが欠かせません。良質なコンテンツとは、たとえば、役に立つファイル、業界ニュース記事や動画へのリンク、会社のイベントや画期的な発表についての投稿などです。コミュニティマネージャは、戦略的なレベルで全体のエンゲージメントを高めます。マネージャは、Chatter がロールアウト後も長く活用されるように、結果を測定し、エバンジェリストと連携して、導入プログラムを実施します。
会社の規模によっては、1 人のユーザが複数の役割を担うこともあります。

チームの存在を社内に公表することが重要です。公表することで担当者の立場が正式に認識され、その役割が確立されます。認知度を高めるためのアイデアの 1 つが、ソーシャルコラボレーションのブランドが設定された、またはアイコンが付いた特別なプロファイル写真を作成することです。担当役員、コミュニティマネージャ、エバンジェリストの写真を作成します。こうすることで、誰もが Chatter 導入チームのメンバーを知ることになります。

Chatter エバンジェリスト

使用事例を明らかにする

ビジネスユーザと協力して、Chatter の適切な使用事例を明らかにします。最善の使用事例が判明すれば、健全な導入が促進されます。ロールアウトプロジェクトの開始時に、関係者を集めて、どのプロセスを Chatter に移行できるかについて意見を出し合います。

まずは次のことを行いましょう。
  • 『50 Ways to Become a Social Enterprise (ソーシャルエンタープライズになる 50 の方法)』 eBook をダウンロードして関係者と共有します。Chatter の適切な使用事例を収集するよう奨励します。
  • 各部署と協力して、ソーシャルコラボレーションが役に立つ使用事例のリストを作成します。そして、これらの使用事例に優先順位を付け、影響が大きく実装が簡単なものを見つけます。
  • 担当役員と協力して会社全体の Chatter 使用事例を見つけます。
以下に、サンプルの使用事例を示します。
  • 全員参加 Chatter グループ。四半期または年に一度の会社の意思決定の際、全社規模のコラボレーションに使用できます。チームが地理的に分散している場合や、リモート従業員がいる場合は、全員参加グループが特に重要です。
  • 会社目標 Chatter トピック。主要な会社目標を強調して共有します。会社が当年を還元の年と決めた場合は、「還元」というトピックを作成します。そして従業員に、どのような還元を行ったかを述べる Chatter 投稿に「#givingback」を付けて共有するよう奨励します。トピックを使用すれば、全社規模のコラボレーションや認知が促進されます。
  • 一連の簡単なアンケート。計画されている商品の機能強化への従業員の反応を測定します。市場に公開する前の反復開発中に、すばやいフィードバックが必要な場合は、Chatter で略式のアンケートを行うことを検討します。Chatter アンケートを使用して従業員のインサイトを収集します。グループやユーザを @メンションしてアンケートに注意を引きます。
  • 競争戦略 Chatter グループ。競合他社に関するインサイトの共有や、ファイルやヒントシートへのアクセスが可能で、専門家の意見をすぐさま得ることができます。
  • イベント計画 Chatter グループ。部署のイベントを計画する際にコラボレーションできます。イベント用のスライドについてコラボレーションしたり、講演者のスケジュールを設定したり、予定を共有したりします。食べ物や飲み物、機器を供給する外部の業者も Chatter に招待して、すべての詳細を調整することもできます。
適切な使用事例を見つけて、計画に社内の部署が関与すれば、チームは Chatter を導入して活用しやすくなります。

コミュニケーション計画

Chatter ロールアウトを成功させるには、しっかりしたコミュニケーション計画が必要です。ユーザに Chatter を宣伝して説明し、ユーザが期待でわくわくするような計画を作成します。

  • マーケティングコンテンツの作成: ドリップメールや動画を送信して、Chatter が間もなく導入されることを宣伝します。楽しいグッズを配布したり、ケーキやバルーンを用意してリリース記念パーティーを開くための予算の割り当てを検討します。Chatter の稼働開始を会社のイベントにすれば、盛り上がり、導入に弾みをつけことができます。
  • スケジュールの作成: リリース日は慎重に選択しましょう。会社の繁忙期 (月度の最終日など) や休日を避けます。一般に、Chatter を営業時間後に有効にすることをお勧めします。リリース日が決定したら、リリース前コミュニケーションのスケジュールを作成します。コミュニケーションのスケジュールのサンプルを次に示します。
    12 週間前 プロジェクトの発表、担当役員からのメール
    8 週間前 メールドリップ 1
    6 週間前 エバンジェリストとコミュニティマネージャの特定と発表
    4 週間前 メールドリップ 2
    2 週間前 メールドリップ 3
    1 週間前 社長からのメール、ユーザトレーニングセッションと動画
    1 日前 最終的な手順とサポート窓口を記載したチラシの配布
    稼働開始日 CEO からの最初の Chatter 投稿、リリース記念パーティー

チャチケット

Chatter は直観的で、通常はユーザトレーニングをさほど要しません。ただし、エンゲージメントのルール、つまり「チャチケット」を明確にしておくことをお勧めします。チャチケットを示すことで、ユーザがトピックから逸れることなく、Chatter を最大限活用できます。

ユーザの行動について、シンプルなガイドラインのリストを作成しましょう。そのリストを公開し、ユーザと共有します。「All Company」Chatter グループなどの公の場に投稿します。

担当役員や会社のリーダーに良い手本を示すように勧め、コミュニティマネージャに、指導が必要なユーザがいないかを尋ねます。

結果を測定する

稼働し始めたら、結果を追跡できます。AppExchange から Chatter Usage Dashboards をダウンロードできます。Chatter Challenge dashboards をダウンロードして、Chatter 上でグループを監視したり活動をフォローしたりすることもできます。

コミュニティマネージャは、これらの両方のダッシュボードを使用して、導入した Chatter の全体的な稼働状況を監視できます。さらに、コミュニティマネージャは、Chatter アンケートやフォーカスグループによって調査を実施することで Chatter への反応を測定し、今後の作業の優先度を設定できます。

Chatter の設定

ロールアウト戦略が策定され、Chatter の作業を開始する準備ができました。

2010 年 6 月 22 日より後に作成された Salesforce 組織では、Chatter がデフォルトですべてのユーザに対して有効になっています。ただし、Chatter を組織のすべてのユーザに同時にロールアウトするか、プロファイルに基づいてロールアウトするかを選択できます。全員に同時にロールアウトすることをお勧めします。ただし、組織が大規模である場合や、Chatter へのアクセスを制限したい場合は、プロファイルベースのロールアウトを検討します。

Chatter のプロファイルベースのロールアウトでは、部門単位の制御されたロールアウトが可能なため、大企業に向いています。また、従業員のロールとプロファイルに基づいて Chatter へのフルアクセス権を付与するか、まったく付与しないかを選択できるため、規制による制約がある企業や政府機関でも役立ちます。プロファイルベースのロールアウトでは、必要なユーザプロファイルまたは権限セットのあるユーザのみが Chatter にアクセスできます。

Chatter のプロファイルベースのロールアウトが必要なければ、作業はこれで終了です。

プロファイルベースのロールアウトの概要

Chatter のプロファイルベースのロールアウトは、大きく分けて次の手順で構成されています。

  • Salesforce に連絡し、Chatter のプロファイルベースのロールアウトを組織で有効にするように依頼します。
  • Chatter にアクセスできるユーザを決定します。
  • 既存のカスタムユーザプロファイルおよび権限セットを確認して変更します。たとえば、カスタムユーザプロファイルまたは権限セットの権限が適切な設定になっていることを確認します。
  • 組織で Chatter を有効にします。