Channel Order App の使用開始
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- Channel Order App (COA) とその日常業務での使用方法について説明する。
- ライセンス管理アプリケーション (LMA) について、また COA との関係について説明する。
- 契約条件、製品カタログ、注文の関係を明確に示す。
COA の概要
AppExchange パートナーとして、アプリケーションを作成し、リリースして、マーケティング戦略を改善しました。いよいよ見込み客が気付き始めます。注文が入ってきました。こうした注文すべてを効率よく管理するためのツールが必要になります。Salesforce への売上報告を容易にしてくれるツールです。どのようなものでしょう? ヒント: 大量の付箋ではありません。
この目的専用に作成されたのが Channel Order App (COA) です。COA を使用してすべての AppExchange 注文を作成、送信、追跡できます。これをウィンドウだと考えてください。COA を通して Salesforce はパートナーの注文を確認でき、パートナーは何に対して Salesforce から請求されたかを確認できます。
COA での注文管理は簡単ですが、少し準備が必要です。お客様、お客様に販売する製品、価格設定、およびパートナー契約のその他の条件に関する COA からの質問に答えられるようにしましょう。
実際ところ、おそらくすべての答えはもうわかっています。AppExchange パートナーになるための手続きとして以前に、開発する製品やお客様への提供方法を決定して決定しています。それらの詳細は Salesforce とのパートナー契約で明文化されています。(心当たりがなくても、このまま続けてください。単元 2 では、COA でその情報を見つける方法を取り上げます)。
なぜこのような準備が必要なのでしょう? それは、正確さと効率のためです。正確な注文を送信すれば、Salesforce での注文処理やお客様への導入が迅速化され、正確に請求されます。そのため、必要な情報をすべて共有できるように準備をします。注文管理のスーパースターになるまであと少しです。
チャネル注文の基本
業務アナリストであるあなたには、お客様の注文を Salesforce の Partner Operations (Partner Ops) チームに送信する作業が任されています。お客様が製品を購入した場合や変更を要求した場合 (ユーザーの追加や削減など) は必ず、注文を Salesforce に送信します。これにより、収益分配契約に準拠した状態が常に保たれます。COA はそのためのツールです。Salesforce はパートナーの COA 注文を調べ、合意済みの収益分配方法に従って計算を行い、請求書を作成します。
COA で注文が正常に送信された後の処理は、パートナー種別、つまり ISVforce か OEM (Original Equipment Manufacturer) かに応じて異なります。
ISVforce パートナーは、Sales Cloud や Service Cloud などの既存の Salesforce 製品と連動し、そのクラウドの機能を拡張するアプリケーションを販売します。ISVforce パートナーの販売先は、既存の Salesforce のお客様のみです。
OEM パートナーは、Salesforce の各種クラウドと連動しない完全なカスタムアプリケーションエクスペリエンスを販売します。OEM パートナーは既存と新規の両方の Salesforce のお客様に販売する資格を持っています。既存の Salesforce のお客様は、ISVforce アプリケーションの場合と同様に、OEM (組み込み) アプリケーションをインストールします。新規のお客様には、パートナーがアプリケーションをインストールした組織を提供します。
ISVforce パートナーの場合、注文送信によって請求と収益分配が開始します。OEM パートナーの場合、注文送信によってさらにプロビジョニングも開始します。新規のお客様に販売する OEM パートナーは、Force.com Embedded Edition ライセンスをアプリケーションの全ユーザーにプロビジョニングする必要があります。そうすることで、アプリケーションが組み込まれている Salesforce Platform へのアクセス権がお客様に付与されます。
Salesforce コミュニティとパートナーコミュニティの一員として、皆さんは Salesforce インフラストラクチャのリソースを使用してアプリケーションを作成し、Salesforce はそのすべてのステップで皆さんを応援しています。パートナーとして、皆さんはその収益を Salesforce と分配することに同意しました。少し時間を取って注文を見てください。満足がいくはずです。そこには、パートナーとしての成功、そして Salesforce とのパートナーシップの成功が反映されています。
ライセンス管理アプリケーション
パッケージライセンスはアプリケーションへのアクセスを制御する番人です。アプリケーションを管理パッケージで配布する場合、お客様のライセンスを管理するための強力なツールが必要です。それがライセンス管理アプリケーション (LMA) です。
LMA は、お客様のライセンスに関する信頼できる情報源です。お客様が組織にパッケージをインストールすると、アプリケーションにアクセスするためのライセンスの作成がトリガーされます。パートナーは LMA を使用してアクセス権を追加または削除できます。LMA で変更を加えると、お客様の組織のライセンスレコードが変更されます。LMA の使用に関する詳細は、Trailhead の「AppExchange アプリケーションのライセンス供与とカスタマーサポート」モジュールを参照してください。
契約条件と製品カタログ
注文管理のスーパースターへの道には、契約条件と製品カタログが待ち構えています。これらには、販売できる製品と、製品をいつどのようにお客様に販売できるかが規定されます。契約条件は、あなたの会社のすべての販売に適用されます。製品カタログには、契約の下で販売できる製品のリスト、関連する収益分配の詳細、および (ある場合は) 特記事項が含まれます。製品カタログの条件は、カタログ内の製品のみに適用されます。パートナー契約にはこれらの条件が明文化されており、COA で参照できます。
それではまず、契約条件を見てみましょう。
名前 | 説明 | 追加情報 |
---|---|---|
Program Type (プログラムタイプ) |
ISVforce または OEM |
ISVforce パートナー兼 OEM パートナーである場合、それぞれ別個に契約条件と製品カタログがあります。 |
デフォルトの通貨 |
取引の通貨 |
マルチ通貨で取引する場合、それぞれ別個に契約条件と製品カタログがあります。 |
Default Contract Length (months) (デフォルトの契約期間 (月)) |
契約が有効な月数 |
これはパートナーとお客様の間の契約の期間です。 |
Default Contract Auto Renew (デフォルトの契約の自動更新) |
デフォルトの契約期間終了時の契約更新のポリシー |
これを「yes」(はい) に設定すると、解約注文を送信しない限り、最初の期間の終了時に契約は自動的に更新されます。 「no」(いいえ) に設定すると、契約の自動更新は行われません。サービスを続行するには、更新注文を送信します。 |
Default Renewal Length (months) (デフォルトの更新期間 (月)) |
更新時の契約が有効な月数 |
これは更新時のパートナーとお客様の間の契約の期間です。 |
Default Cancellation Terms (days) (デフォルトの解約期間 (日)) |
契約更新日の何日前に解約を通知する必要があるか |
解約は更新日に有効になります。契約の解除、削減、または契約金額の減少を行う場合、更新日の 7 日前までに Salesforce に通知する必要があります。* |
Allow Auto Renew Override? (自動更新の上書きを許可) |
パートナーが契約のデフォルトの更新期間を上書きできるかどうかを示します。 |
これが「yes」(はい) に設定されている場合、パートナーは特定のお客様に対して契約のデフォルト期間を変更できます。これは、パートナー契約条件の一部として協議されます。 |
Default Billing Frequency (months) (デフォルトの請求サイクル(月)) |
Salesforce による請求の頻度 |
これは Salesforce がパートナーに請求する頻度です。 |
*OEM パートナーの場合: 契約により、解約注文は契約更新の 30 日以上前に送信する必要があります。
ISVforce パートナーの場合: 解約注文は契約更新の 7 日以上前に送信する必要があります。
パートナー契約条件によって販売契約、契約更新、請求が決まることを確認できました。ISVForce のエンドユーザーが基盤となる Salesforce サブスクリプションをキャンセルした場合でも、既存の契約レコードを終了するには、COA 内で解約注文を送信する必要があります。このアクションが完了するまでは、該当するサービスに関するパートナーへの請求は継続されます。
よいスタートが切れましたね。次は、Salesforce が請求の計算に使用する製品カタログの条件を見ていきましょう。
名前 | 説明 | 追加情報 |
---|---|---|
Pricing Type (価格設定種別) |
製品について合意した収益分配: Fixed (固定) または PNR (純収益 (%)) |
固定価格は定額料金です。PNR はお客様に課金した価格の一定割合です。 |
Fixed Price (固定価格) |
毎月の定額料金 |
これは固定価格製品にのみ適用されます。 |
PNR |
Salesforce に支払う、お客様価格の PNR |
これは PNR 製品にのみ適用されます。 |
Pricing Unit (価格設定単位) |
製品の販売方法: 組織単位またはユーザー単位 |
組織製品は、組織単位で価格が設定され販売されます。ユーザー製品は、ユーザー単位で価格が設定され販売されます。これは注文数量入力時に重要な区別です。 |
Product Special Terms (製品の特記事項) |
製品の販売方法またはお客様の使用方法を定めたパートナー契約からの特記事項。 |
製品の特記事項には、たとえば製品の有効期間、数量の制限、製品のプロビジョニングなどがあります。 |
注文管理の道で問題を避けるには、契約条件と製品条件を理解する必要があります。これらは、COA を操作し、注文を正確に保つための地図となります。
これらの条件を注文に適用する方法を理解するには、魔法の解読器が必要になりそうですね。大丈夫です。単元 2 からすべてを解読していきます。
リソース
- ISVforce ガイド: 注文の管理
- Trailhead: AppExchange アプリケーションのライセンス供与とカスタマーサポート
- Salesforce パートナーコミュニティ: Channel Order App Guide (Channel Order App ガイド) (ログインが必要)
- Salesforce AppExchange Guide (Salesforce AppExchange ガイド): Channel Order Application: Salesforce Pricing Guidelines (Channel Order Application: Salesforce 価格設定ガイドライン)
- Partner Field Guide (パートナーフィールドガイド): Become a COA Champion (COA チャンピオンになる)