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チャネル戦略の作成

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • チャネル計画を立てることが重要な理由を理解する。
  • チャネル計画の主要な考慮事項を挙げる。
  • チャネル計画の基本を説明する。

はじめてのチャネルセールス

チャネルセールスは人によって意味が異なるため、まずはチャネルセールスとは何を意味するのかを定義することから始めましょう。このモジュールで使用されるチャネルセールスとは、付加価値再販業者 (VAR)、代理店、ディーラー/ブローカーを通じて商品やサービスを流通、販売することを意味します。販売組織は社外にあり、通常、このような企業は複数の企業に代わって販売と流通を行うことが可能です (実際、よく行われています)。つまり、1 社だけのためだけに販売するわけではないということです。だからこそ、こういったパートナーに自社の商品やサービスを販売するよう促す計画を適切に立てることが非常に重要になります。

世界の商取引の 80% がチャネルを通じて行われていることをご存知ですか? ですが、直接販売と比較すると、チャネルの開拓と管理について書かれたものはまだ比較的多くありません。この単元では、チャネル管理のベストプラクティスについて理解を深め、組織にとって何が最善であるかを検討する際の判断材料を得ることができます。

企業目標と連携させる

そもそも、なぜ企業はチャネルを通して販売することを決断するのだと思いますか? ほとんどの企業が、チャネルを通じた販売は、売上の増加、新市場への参入、新商品の導入に関係するかどうかを問わず、ビジネス全体の目標に直接響すると言うと思います。ですが、チャネル計画の成功に向けた最初のステップは、計画目標によって全社的な目標が確実にサポートされるようにすることです。Sales Cloud PRMを使用しているユーザーの中には、新市場への参入や新商品ラインの発売を検討されている方も多いと思います。このような場合、チャネル (新市場や新商品向け) を通じてのみ販売することは、非常に理にかなっていることが多いのです。 

そこで発揮されるのが「パートナーの力」です。パートナーは新市場への橋渡しを担ってくれたり、新商品を既存の顧客ベースに紹介するサポートをしてくれたりします。このような相乗効果こそが、チャネルプログラムの成功のカギとなります。 

「チャネル計画の作成は、複雑で困難な作業である」 — Axel Schultze、Channel Executive

チャネル計画を検討する際には、いくつかの重要な質問 (および回答) を行います。

  • なぜ間接的な販売チャネルを構築するのか、またそれは自社の企業計画にどのように合致するのか?
  • チャネルを構築するために何に投資する必要があるのか、またその投資を行う根拠は何か?
  • パートナーに競合他社の商品とサービスではなく、自社の商品とサービスを販売してもらうにはどうしたらよいか?
  • 計画し、レポートを取得し、間接的なビジネスを管理できるようするにはどうしたらよいか?
  • パートナーの需要喚起と需要履行をサポートするにはどうしたらよいか?

チャネル計画作成時の必須事項: ビジネスニーズに関する主要な質問とそれに対する回答。

チャネルの競合を管理する

ある会社の西海岸地区の営業部門責任者である Susan は、救急分野対応スタッフ向け診断キットの新商品を購入したいという大口の取引先から引き合いを受けています。新規ビジネスを成立させ、ノルマを達成できる商談に胸を躍らせる Susan でしたが、この商品はあるプラチナパートナーを通じて販売されていることにすぐに気付きました。どうしたらよいでしょうか? リーダーのところに行き、今回だけの例外の承認を依頼し、助けてもらうという手もあります。ですが、答えはノーです。Susan は戻って、顧客にパートナーを通して販売する必要があることを伝える必要があります。

残念ながら、この種の競合は常に発生しており、適切に管理する必要があります。多くの場合、顧客はベンダーと直接取引することで、割引やより良い条件で取引できると考え、ベンダーにアプローチします。ただし、長い目で見れば、パートナーとの取引によって、パートナーから販売プロセス全体における充実したサポート、販売後のサポート提供のコミットメント、顧客のニーズに合った適切な商品を把握するための深い専門知識が提供されるため、顧客にとって有益なものとなります。このシナリオでは、パートナーは何を (どれだけ) 購入するべきかを正確に助言でき、結果的に顧客に大きな利益をもたらしました。それだけでなく、パートナーは競合他社についてよく知っており、なぜ Susan の会社のこの商品が最善の選択であるかを説明することができました。

これは、チャネル競合でよく見られるほんの一例に過ぎません。そのため、パートナーと顧客の両方との関係を維持することが不可欠となります。両者との関係を大切にすることは、長い目で見れば必ず報われます。パートナーを「出し抜こう」とする誘惑に負けないでください。パートナーも成功するように、適切なインセンティブと価格設定を提示するようにしましょう。

商品とサービスを設定する

どの商品とサービスをチャネル経由で提供するのかを決めることは、軽々しくできる決定ではありません。これは、そもそも間接的チャネル経由で販売することを決定するのと同じくらい計画的に行う決断です。ここでもまた、計画上必須である適切なパートナーネットワークが重要な役割を果たすことになります。パートナーは、あなたの能力を超えた商品の専門知識を持っている場合があり、何を提供すべきかについて適切なフィードバックを行うことができます。実際、企業は、どの商品とサービスをチャネル経由で提供するのかという意思決定プロセスに、パートナーをどのように関与させることができるかを検討する必要があります。

留意すべき重要な考慮事項を次にいくつか紹介します。

  1. パートナーの専門知識 (どのような能力を発揮できるか?)
  2. 新商品の発売 (商品発売の一環として、チャネルを計画上利用する機会があるか?)
  3. 排他性 (この商品をパートナーネットワーク経由でのみ入手可能にするか?)
  4. このような決定はパートナーにどのような影響を与えるか? パートナーのさらなる成功につながるか?

成功に向けてパートナーを設定する

チャネルパートナーには、ベンダーに関して多くの選択肢があります。一般的なパートナーは、多くのベンダーと取引しているため、競合他社の商品を扱っていることさえあるかもしれません。ほとんどのパートナーは、常に 1 つのブランドのことばかり考えているわけではないため、企業はパートナーが自社と取引することを当然と考えることはできません。そのため、パートナーの成功は、あらゆるチャネル計画の中核となるコア要素です。念頭に置くべき要素を次にいくつか紹介します (このモジュールの後半でより詳しく説明します)。

  • 適切な相手を見つける。パートナーを吟味し、絞り込み、知るために時間をかける (量より質)。
  • イネーブルメント/トレーニングが常に最新である。包括的なトレーニングプログラムを開発することで、パートナーが完全な認定を受け、商品について理解していることを確認し、常にパートナーからの質問に答えられる体制を整えます。
  • 明確な (理解しやすい) ポリシーとガイドラインを作成する。あいまいさは問題が発生する原因となるため、パートナープログラムのすべての側面に対応できる適切にまとめられたガイドラインを必ず作成してください。
  • パートナーに成長の機会を与える。パートナーのビジネス目標を把握してください。パートナーは数社のベンダーに焦点を当てようとしていますか? パートナーのビジネス目標をどのようにサポートしていきますか?
  • パートナーとの関係は単なる取引を超えたものである必要がある。パートナーは、あなたのビジネスの延長線上にあり、あなたのブランドを代表し、他社ではなくあなたの会社と提携することでリスクを負っています。パートナープログラムでは、関係構築を重視してください。

必要な投資を行う

企業がチャネル計画に取り組む方法の基本的な柱には次の 3 つがあります。

  • 担当役員からのサポートを受ける。役員は、このプログラムに継続的に関与し、サポートを行う必要があります。
  • 人材に投資する。チャネルを管理するための適切な人材 (営業、マーケティング、サポート) を確保する。
  • テクノロジーに投資する。パートナーネットワークを管理し、関係者全員に価値をもたらすための堅牢なポータル (Sales Cloud PRM など) を用意する。

これで、チャネル計画を成功させるための主な考慮事項を学習できました。それでは、次のトピック「ポータルの基盤の確立」に進みましょう。

リソース

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