Commerce Cloud の使用開始
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- Commerce Cloud とは何かを説明する。
- Commerce Cloud のコア機能を説明する。
- Salesforce B2B Commerce と Salesforce B2C Commerce の違いを説明する。
- Salesforce B2B2C Commerce が B2B マーチャントにどのようにして追加の価値を付与するかを説明する。
- 顧客が Commerce Cloud をどのように使用するかを説明する。
Commerce Cloud とは何か?
Commerce Cloud は、Salesforce カスタマーサクセスプラットフォームの重要な部分であり、B2C (企業消費者間取引) および B2B (企業間取引) 企業に E コマースソリューションを提供します。つまり、企業は Commerce Cloud を購入して、最新のファッションを買う消費者か、大規模な仕入れを行う企業かに関係なく、オンラインで購入する顧客に最適な E コマース Web サイトを提供できます。
Commerce Cloud は、2016 年 7 月に、買い物客向けに設計された E コマースサイトおよびソリューションで業界をリードする Demandware を Salesforce が買収したことで誕生しました。Demandware のテクノロジーは拡大、進化して Salesforce B2C Commerce 製品になりました。
2018 年、法人顧客に販売する企業向けに設計された E コマースをリードする CloudCraze の買収により、Commerce Cloud は B2C E コマース以外に拡張されました。CloudCraze の製品は Salesforce B2B Commerce 製品になりました。
Commerce Cloud は対象が B2C と B2B に広がって、直販 (D2C) 商品のオプションが含まれるようになり、製品やサービスのオンライン販売を検討しているあらゆる種類の企業に最新鋭の E コマースを提供できるようになりました。
Commerce Cloud 製品の概要と機能
Commerce Cloud には、B2B Commerce、B2B2C Commerce、B2C Commerce という 3 つのコア機能があります。
これらの連携により、固有のニーズに合わせて独自のペースでコマース戦略を設計および実装できます。
B2B Commerce
オンラインで購入するのは消費者だけではありません。企業も購入する必要があります。たとえば、卸売業なら、複数店舗がシーズン中の在庫を確保できるように商品を発注し、工場なら、特定の種類の機械の交換部品を購入することがあります。B2B Commerce は、製造、消費財、テクノロジー、ヘルスケアなど、多岐にわたる業種の世界中の大企業のサイトで利用されています。
これらのサイトは、数百、数千もの品目が含まれる、きわめて大規模なカートと購入を想定して設計されています。また、次のような B2B 固有の機能が含まれています。
- 訪問者ごとのログインなど、認証サイト
- 1 注文につき数百もの品目を追加できるショッピングカート
- 大規模で頻繁な注文をすばやく簡単に行うための 2 クリック再注文
- 取引先ごとにデザインを固有にするためのカスタムストアフロントテーマ
- 選択した一部の商品の取引先別の特定の商品カタログ
- 取引先別または顧客セグメント別の交渉済み/契約価格
- 複数の配送日と配送先に対応した複雑な出荷機能
- クレジットカード、購入注文、ACH など複数の支払種別
B2B Commerce は Salesforce Lightning プラットフォーム上にネイティブに構築されています。つまり、Salesforce のお客様、その流通業者、最終的にその購入者は、シームレスに B2B Commerce と Salesforce CRM データを組み合わせて顧客または取引先の完全なビューを実現できます。たとえば、販売者の取引先マネージャーは、個々の顧客と全体の両方について注文、カート、ケース、商談など、B2B Commerce と CRM データを管理できます。E コマースサイトを使用する法人購入者は、Web ポータルから直接データにアクセスし、容易に取引先と注文を管理できます。
B2B2C Commerce
B2B2C Commerce も Einstein 1 プラットフォームに基づいて構築されており、たとえ初回であっても、B2B マーチャントがお客様に素早く簡単に販売できるようにサポートします。B2B2C Commerce により次の利点を得られ、その素晴らしい利点を通じて、B2B 取引の購入者に継続的に注力できます。
- 価値実現までの時間の短縮を実現: 信頼性と拡張性の高いプラットフォームで、使いやすいドラッグアンドドロップツールを使用した、非常にシンプルなコマースサイトを公開する。
- インテリジェントなエクスペリエンスの促進: ドラッグアンドドロップの Commerce Einstein レコメンデーションと Einstein Search により、パーソナライズされたショッピング体験を作り出す。
- 業務の統合: B2B、B2C、Order Management、パートナーエコシステム全体で 1 つの共有データモデルを用いて、一元化された情報源を作成する。
- 連続性のあるカスタマージャーニー: 完全なエコシステムによる、マーケティングから、営業、販売、サービス提供までの CRM を活用した連続性のあるカスタマージャーニーを用いて、デジタルトランスフォーメーションを可能なかぎり迅速に完了する。
B2C Commerce
B2C Commerce では、ブランドがあらゆるデジタルチャネルとデバイスでの買い物客のオンライン体験と取引を作り出して連動させることができます。Web サイトとモバイルサイトは、オンライン体験の大きな部分を占めます。ブランドは、リッチなオンラインストアフロント、ショッピングカート、注文手続き、完全なカスタマイズ機能を備えた、反応型 E コマースサイトを Web およびモバイル用に開設して管理できます。
多くのリテーラーにとって、サイトは 1 つだけでは十分ではありません。リテーラーに複数のブランドがある場合、または複数の国で販売している場合、通常はブランドや場所ごとに異なるサイトが必要です。Commerce Cloud では、リテーラーが複数のブランドや複数の場所のサイトを開設し、そのすべてを 1 か所で管理できます。
ただし、買い物客は Web サイトとモバイルサイトを訪れるだけではありません。メールやソーシャルメディアを介して、または実店舗でもブランドとやりとりします。E コマースサイトをマーケティングおよびサービスソリューションと統合することで、ブランドはすべてのメールとソーシャルメディアのやりとりをさらにパーソナライズし、買い物客にとって関連性の高い内容にすることができます。また、キオスクや店舗に関連するアプリケーションを通じて E コマースを実店舗に導入することで、実店舗では提供が難しいサービスや、実店舗にはない在庫へのアクセスを買い物客に提供できるようになり、これは「客離れの抑止」につながります。
B2C Commerce は、全世界で大きな役割を担っています。50 か国以上 3,000 以上の Web サイトが、Commerce Cloud を使用して販売を強化しています。2017 年は、5 億 4,000 万人の買い物客が Commerce Cloud で動作する Web サイトを使用してオンラインで何かを購入し、Commerce Cloud を介したオンライン売上は 210 億米ドル相当に達しました。これは非常に大きな規模です。
Salesforce の B2C Commerce ソリューションには、人工知能 (AI) を使用してよりスマートで迅速な購入へのパスの作成を支援する Einstein for B2C Commerce が埋め込まれています。また、Salesforce Order Management に注文管理のアドオンも用意されています。
Einstein for B2C Commerce
Einstein for B2C Commerce 機能は、B2C Commerce に直接埋め込まれており、マーケティング担当者やマーチャンダイザーはデータサイエンティストを雇うことなく AI を使用できます。そのため、豊富なコマースデータを使用して、意思決定をスマート化し、コマースジャーニー全体を通してパーソナライズを大幅に促進できるようになりました。
Einstein インテリジェンスは、Einstein Product Recommendations、Einstein Predictive Sort、Einstein Commerce Insights、Einstein Search Dictionaries、Einstein Search Recommendations の 5 つの主要な B2C Commerce 機能を強化します。
Salesforce 注文管理
Salesforce 注文管理は、注文ライフサイクルの各フェーズの人、システム、プロセスを一元化されたシステムにまとめたものです。注文ライフサイクル全体のプロセスを合理化または自動化するためのツールも提供されます。Trailhead の「Salesforce Order Management (Salesforce 注文管理)」モジュールを参照してください。Salesforce Order Management では、コマース、注文、サービスを連携させることによって、ユーザーやチームが次のことを実行できます。
- 複数の販売チャネルでの注文ライフサイクルの全体像を把握する。
- 注文の捕捉、履行、配送をすべて 1 か所で管理する。
- すべての注文情報のメインリポジトリにアクセスする。
- 履行前、履行中、履行後の注文に関するサービスを提供する。
Commerce Cloud に B2B Commerce、B2B2C Commerce 、B2C Commerce で別の製品が必要な理由
B2B の購入者と B2C の買い物客は、どちらも優れた E コマース体験を求めていますが、E コマースサイトの使用方法と必要な機能は大きく異なります。
法人ユーザー向けに構築されたコマースサイト (B2B) は、大量または頻繁な購入を行う、比較的少数の特定顧客向けに設計されています。たとえば、化学薬品メーカーが毎月再注文する 1,000 の工場に販売する場合などが考えられます。B2B サイトは、顧客が簡単に大量注文をし、適切な商品をすばやく再注文できるようにする必要があります。
直販用のコマースサイトには素早い立ち上げと運営が望まれており、B2B マーチャントが新しい市場を試したり、自らのクライアントベースからの差し迫った要望に応えたりする目的で利用することもあります。
消費者向けに構築されたコマースサイト (B2C)、つまり私たちすべてが通常オンラインショッピングに使用する種類のサイトは、多くのゲスト買い物客をサイトに引き付けるように設計されています。買い物客がサイトにアクセスしたら、企業は最も関連性の高い商品を表示し、買い物客がすぐにいくつかの商品をカートに追加し、支払をして、すばやく取引を完了できるようにします。B2C サイトにとって重要なのは、大規模なセールやクリスマス商戦など、数百万もの買い物客が同時にサイトにアクセスする場合に拡張できることです。
このように、B2C と B2B のコマースサイトは、見た目は似ていても、サイトの種類ことに固有の機能が必要になります。
顧客は Commerce Cloud をどのように使用するのか?
何百もの世界有数のブランドとリテーラーが Commerce Cloud を使用しています。PetSmart がこの良い例です。この会社は、B2C Commerce を使用してオンラインコマースを実店舗のタッチポイントと統合しています。これにより、顧客とより密接につながり、オンラインと実店舗でシームレスなカスタマーエクスペリエンスを提供しています。次の動画で全容をご覧ください。
その他の例やユースケースについては、Commerce Cloud Web サイトにある多くのカスタマーストーリーを参照してください。Commerce Cloud は、リテールおよびコマース技術の改革を主導しています。これは企業が買い物客や顧客と実際につながる手助けをし、B2C および B2B2Cの買い物客と B2B の購入者に、期待どおりの統合されたシームレスな体験を提供します。
リソース
- 外部リンク: Commerce Cloud
- 外部リンク: Salesforce B2C Commerce
- 外部リンク: Salesforce B2B Commerce
- Trailhead: Salesforce Order Management
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