コンテンツ管理戦略の確認

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

• スキル評価が重要な理由を説明する。
• リソースプランニングのアプローチを 3 つ挙げる。
• カスタムコンテンツ管理ドキュメントに記載される事項を挙げる。
• コンテンツの最も重要な考慮事項について説明する。
• ストアフロントの 3 種類のコンテンツを挙げる。

ディスカバリーフェーズで考慮すべきもう 1 つの分野がコンテンツ管理で、特にマーチャントの技術的能力に着目します。誰がコンテンツを作成して保守するのかが重要なポイントです。

コンテンツの量や種類はサイトごとに異なります。シンプルなテキストを表示するサイトもあれば、数々の複雑なアセットタイプを表示するサイトもあります。通常サイトには、商品の使用法、商品をまとった顧客の紹介、商品に関連する手法の詳しい説明 (ガーデニングサイトの堆肥の作り方や腐葉土の使い方など) に関するコンテンツが表示されます。

Salesforce B2C Commerce では、HTML テキスト、グラフィック、音声などのコンテンツがサポートされています。コンテンツアセットはライブラリやフォルダーに保存され、簡単に取り出せます。コンテンツアセットは新規作成することも、既存のものをインポートすることも可能です。また、コンテンツ配信ネットワーク (CDN) も使用できます。

B2C Commerce では 2 種類のコンテンツアセットを管理します。データベースに保存されるコンテンツアセットと、ファイルシステムに保存されるファイルアセットです。コンテンツセットは、HTML ブロックやテキストブロックなどのオブジェクトで、データベースに保存されます。画像、音声、動画などのファイルアセットは、HTML やテキストコンテンツと同様にデータベース内のエントリで表されますが、ファイルシステム上のファイルへのパスのプロパティが指定されます。ファイル自体は、ディスク上の、パスで指定されたフォルダー内に保存されます。

B2C Commerce では、Flash、Windows Media、QuickTime などの動画のダウンロードと再生がサポートされています。トラフィックの多いストアフロントページでは、初めてページを表示するときにアプリケーションでコンテナをダウンロードし、ユーザーが [再生] ボタンのクリックなどの操作を行ったときに動画をダウンロードすることをお勧めします。リアルタイムのストリーミングメディアを多用する場合、動画のダウンロードや再生量が多い場合、ファイルが 20 MB を超える場合などは、マーチャントがサードパーティのプロバイダーを使用することをお勧めします。

B2C Commerce で最も一般的なコンテンツは HTML で、実装前にこの領域のマーチャントのスキルを評価しておく必要があります。「HTML コンテンツを作成して保守するために必要なスキルをマーチャントは備えているか?」「サイトを立ち上げた後にこうしたスキルを利用できるか?」を検討します。

マーチャントは次のいずれかに該当します。

• 標準的な機能を使用するための HTML や CSS のスキルを社内に備えている。
• HTML や CSS のスキルを備えたリソースを利用できる。
• HTML や CSS のスキルを備えたリソースを雇用する予定である。
• HTML や CSS のスキルを社内に 備えていないが、人員を増やすことはなく、外部のリソースを利用する予定もない。

あなたの任務は、マーチャントが各自のサイトの要件を確実に理解できるようにすることです。

マーチャントのリソースプランは、コンテンツをどの程度カスタマイズするかに直結します。リソースのスキルが高いほど、コンテンツがより詳細で適切なものになり、そのコンテンツを利用して売上を増大させることができます。

次のようなアプローチがあります。

• マーチャントが HTML のスキルを備えている場合またはスキルを習得する予定の場合は、ストアフロントリファレンスアーキテクチャ (SFRA) 設定を使用します。こうしたスキルがあれば、コンテンツの追加や更新を簡単に実行できます。
• マーチャントが HTML を記述しなくても済むような方法でコンテンツをカスタマイズする。この場合は通常、設計に対応する大量のカスタム属性を要します。この方法は管理しやすい一方で、制限が生じます。マーチャントは定義済みのテンプレートを使用する必要があり、レイアウトのオプションが限られます。
• ストアフロントのコンテンツの変更に対応するために、HTML でのテンプレートアプローチを考案し、HTML の変更方法を綿密に記録します。このアプローチが機能するのは、マーチャントに HTML を読み取って設定をコピーできるチームメンバーがいる場合のみです。

コンテンツの性質上大量のカスタマイズを必要とする場合は、ストアフロントを適切に表示するために必要なあらゆる詳細を説明するドキュメントを作成すると役立ちます。このドキュメントをカスタムコンテンツ管理ドキュメントといい、機能仕様やデータモデルから情報を取得します。

このドキュメントには次の事項が記載されます。

• 表示テンプレート: ページ表示
• 参照先アセット ID: コンテンツアセット
• 必須のコンテンツフォルダー: フォルダーパス構造
• その他の必須属性
• コンテンツスロット種別: 商品、カテゴリ、コンテンツアセット、静的 HTML など
• スロットレンダリングテンプレート
• スロットカスタム属性
• アセットのサイズ設定要件

次のようなスプレッドシート形式のドキュメントを作成します。

この単元では、ストアフロントのコンテンツアセットの継続的な作成と保守において、HTML スキルの評価が重要な理由を説明しました。リソースプランニングのアプローチと、カスタムコンテンツ管理ドキュメントにコンテンツの詳細を記載する方法を詳しく見てきました。

このモジュールの以前の単元では、クライアントとデータモデルを分析する方法を学習し、データモデルの一般的なシナリオを確認しました。それではバッジを獲得して栄光を手に入れましょう。

Trailhead: Salesforce B2C Commerce (マーチャンダイザー向け)