稼働開始活動と稼働開始後活動の管理
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- 立ち上げ計画の重要性を説明する。
- 移行ガバナンスに何が含まれるのかを説明する。
- 振り返りの重要性を説明する。
立ち上げ計画の作成
ストアフロントに厳格なテストを実施しました。チームがバグを見つけ、優先順位の高いものはすべて修正しました。トンネルの先の光、つまり Go-Live まであと少しです! 気持ちがはやるかもしれませんが、旅のこの行程もご想像のとおり計画が必要です。立ち上げ計画には、ストアフロントのロールアウトとロールバック、立ち上げと立ち上げ後の連絡先リストなど、極めて重要なプロセスを指定します。
ロールアウト手順とロールバック手順の定義
ファンクショナルアーキテクトの Mindy は、ロールアウト手順とロールバック手順でもリーダーシップを発揮し、サイトをライブする手順とロールバックする手順を詳述します。ロールバックは、立ち上げ当日に何らかの不具合が生じた場合の非常ブレーキです。Mindy はこの手順をテクニカルソリューションデザイナーの Alex と共有します。2 人は立ち上げの手順やタイミングを確認するために予行演習を行います。さらに、ロールバックプロセスもテストします。どちらも問題なく実施されました。
メンバー同士の認識
立ち上げが近づくにつれ、各人が連絡を取り合うことがますます重要になってきます。そこで、サポートを得るためには誰に、どの順番で連絡すべきかを記載したコミュニケーション計画を作成します。名前、ロール、連絡先情報、連絡可能な時間帯などを追記します。さらに、適切なロールアウトをサインオフできる人や、Go-Live プロセスをロールバックする必要があることを決定できる人を特定します。NTO の立ち上げに携わる全員に、完成したコミュニケーション計画のコピーが必要です。このコピーをあなたのチーム、NTO、他のすべてのパートナー、そしてすべてのサードパーティチームに配布します。
立ち上げチェックリストの作成
立ち上げ計画は、立ち上げに関連する何十種ものタスクで構成されています。そして、このタスクをすべて正常に完遂するために協力すべきさまざまな個人やグループが存在します。可変要素が極めて多いため、1 つ、2 つ簡単に見逃してしまいます。そうしたことが起こらないように、Mindy は立ち上げチェックリストを作成します。B2C Commerce のチェックリストテンプレートを基に独自のバージョンを考案します。Mindy のリストは広範のトピックを網羅しています。不要になったこのプロジェクトの Sandbox (サンドボックス) の廃止処理など、一部はシステムの準備タスクです。NTO のチームがライブの B2C Commerce 実装をサポートできるように準備するタスクもあります。例:
- NTO の管理者が全インスタンスの管理者パスワードを認識していることを確認する。
- 商品が見つからないなど、よくある問題のトラブルシューティングのヒントを NTO のチームが心得ていることを確認する。
- 立ち上げの 1 週間以上前に NTO のプロジェクトマネージャーに各自の SSL 証明書を確認してもらう。
あなたと Mindy と NTO が一緒にチェックリストを確認し、各項目に所有者を割り当てます。次に、立ち上げ計画全体を NTO やすべてのサードパーティと一緒に見直し、全員が計画と各自の割り当てを把握しているようにします。
立ち上げ準備
プロジェクトの一環である SRA を完了する中で、立ち上げ準備のすべてのレビューも完了していることを確認します。つまり、コード、ビジネスの準備状況、立ち上げ準備などのレビューです。立ち上げ準備の一環として、NTO は Salesforce サクセスマネージャーが指導する「Welcome to Support (サポートへようこそ)」セッションを受講します。このセッションでは NTO が B2C Commerce のサポートプロセスについて学習します。
ストアフロントの立ち上げ
立ち上げが 2 週間後に迫っています。Go-Live チケットを送信して、NTO のサイト立ち上げ準備が整ったことを Salesforce B2C Commerce サポートチームに連絡します。このサポートチームがチケットを確認して、立ち上げ準備を開始します。
立ち上げ日になりました。全員がラウンジカーに集まり、ロールアウト計画の手順を進めるあなたに声援を送ります。3...2...1... サイトがライブになりました! 記念すべき瞬間です。あなたは全員の真摯な取り組みを称えて風船を飛ばし、列車の鐘を鳴らします。
立ち上げ後のアクティビティの実施
NTO の B2C Commerce のライブサイトがすでに収益を生み出しています。満足感で一杯ですが、新たな B2C Commerce の特急列車の旅に狙いをつける前に、最後にもう 1 つ停車駅があります。「立ち上げ後」です。ここからは今後のことを考え、これからサイトのメンテナンスを担当するチームに目を向けます。移行ガバナンスとは、サイトの引き継ぎプロセスの正式名称です。この準備として、すべてのドキュメントが完全であることと、サポートチームのメンバーが必要な全環境にアクセスできることを念入りにチェックします。次に、構築チームが NTO のサポートチームと一緒にサイトをレビューする、正式な情報移転 (TOI) に立ち合います。
これはプロジェクトを見直して、その目的が達成されたこと、そして何よりも NTO が喜んでいることを確認するときでもあります。あなたと顧客の最後のミーティングは、NTO と Salesforce カスタマーサクセスマネージャーと一緒に行うフィードバックセッションです。このミーティングでは、未来をよくするために過去を振り返ります。うまくいった点と改善の余地のある点を記録します。時間をかけて問題の原因を突き止めますが、ソリューションの特定はしないようにします。ソリューションばかりに気が行ってしまうためです。ミーティングの後に、反応を評価し、将来の取り組みを向上させるにはどうすればよいかを考える時間を取ります。すべてうまくいったこのプロジェクトでも、おそらく改善点は存在します。
次に、このプロジェクトを人々に広めます。チームで何を構築したのかを Salesforce に伝えます。プロジェクトとカスタマーストーリーをパートナーコミュニティに送信します。この送信がトリガーとなって、NTO に Salesforce 顧客満足度アンケートが送信されます。このアンケートは NTO からフィードバックを得るもう 1 つの手段です。また、Salesforce の Storyforce チームに連絡して、あなたの取り組みを Salesforce のアカウントエグゼクティブやマーケティングチーム、顧客の見込み客に紹介します。
お祝いしましょう!
プロジェクト全体を通して、あなたとそのチームはトンネルの先の光を目指して一心に取り組んできました。そして、途中で力尽きることなく、全員が最後までたどり着きました。ラウンジカーにいる皆と一緒に、最後にもう一度祝いましょう。
立ち上げの成果物
- 立ち上げ計画
- コミュニケーション計画
- 記入済みの立ち上げチェックリスト
- 立ち上げ準備の承認