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Search Dictionaries の設定

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • Salesforce B2C Commerce の標準の検索機能を 3 つ挙げる。
  • 標準の検索辞書を 5 つ挙げる。
  • B2C Commerce で検索結果を並べ替える 3 通りの方法を説明する。
  • Search Dictionaries の構成で管理者が行う必要のある一般的な手順を 3 つ挙げる。

はじめに

Brandon Wilson は、高級なカスタムスニーカーを扱う Cloud Kicks 社のマーチャンダイザーです。Cloud Kicks の B2C Commerce ストアフロントは注目度が高く、売上も堅調です。ただし、 Brandon は、検索機能を強化して買い物客の体験を向上させ、売上をさらに伸ばしたいと考えています。Commerce Cloud Einstein があればそれが可能です。

Cloud Kicks のマーチャンダイザー、Brandon Wilson

この単元では Brandon が、現在 Cloud Kicks が使用している B2C Commerce の優れた検索機能を確認します。その後、Commerce Cloud Einstein を使用してこうした機能を最大限に発揮する方法を検証します。

B2C Commerce には次の検索機能が標準搭載されています。

  • キーワード検索: 買い物客が検索語を入力し、ストアフロントに結果が表示されます (1)。
  • 検索の提案: 買い物客が入力しているときに、ストアフロントに可能性のある結果のリストが表示されます。同時に、ソフトウェアが検索用語を補完しようと試み、自動的に誤字を訂正します (2)。
  • 検索結果の並び替え: 買い物客が結果を並び替える方法を選択します (3)。

キーワード検索、検索の提案、検索結果の並び替え

検索辞書とは

B2C Commerce では検索辞書を使用して検索結果を提示します。Brandon の検索辞書が充実していれば、買い物客が求めているものが検索結果に示される可能性が高まります。辞書には次の用語が収録されています。

  • 同義語: 同じことを意味する用語。
  • 上位語: 商品のグループを示す用語。たとえば、top (トップス) という用語は上位語で、その下位語に tunic (チュニック)、shirt (シャツ)、blouse (ブラウス) などがあります。買い物客が「top」を検索すると、B2C Commerce は top、tunic、shirt、blouse が含まれる商品を返します。
  • 下位語: 上位語が説明する商品のグループに含まれる品目を示す用語。たとえば、blouse (ブラウス) は上位語である top (トップス) の下位語です。買い物客が「blouse」を検索すると、B2C Commerce は blouse が含まれる商品のみを返します。
  • 一般的なフレーズ: B2C Commerce がまとめて検索する必要のある用語の組み合わせ。
  • 複合語: 定義した設定ルールに基づいて、B2C Commerce が個々の用語に分割する用語。たとえば、foot-* と定義した場合は、「footstool」 (足載せ台) の検索で foot (足) と stool (台) の結果が返されます。
  • ストップワード: B2C Commerce で無視される用語 (an や the など)。ストップワードを使用するとインデックスが簡潔になるため、結果が迅速に表示されます。

B2C Commerce は辞書をチェックした時点で、ストアフロントの結果を並べ替えます。B2C Commerce では、管理者が Business Manager で構成した、マーチャント向けまたは買い物客向けの並べ替えルールに基づいて結果を並べ替えます。

Einstein で価値を高める方法

Brandon は Commerce Cloud Einstein で次の各検索機能の結果を向上させる方法を調査します。

機能

標準の B2C Commerce

Commerce Cloud Einstein

Einstein の機能

キーワード検索

独自の特定のデータに基づいて手動で作成する辞書です。

ライブ検索や、多数のマーチャントの検索結果から Einstein が取り込んで、既存の辞書に追加するデータです。

Search Dictionaries

検索の提案

入力と同時に検索を開始する基本的な検索に、スペル修正や検索用語補完などの高度な機能が付いています。

次の用語を追加するアルゴリズムです。

  • ユーザーが最近検索したフレーズ
  • よく使用される検索フレーズや使用が増加している検索フレーズ
  • パーソナル化された自動修正や用語補完

Search Recommendations

検索結果

次の検索結果を設定します。

  • キーワード検索
  • カテゴリナビゲーション
  • 買い物客が選択したストアフロント並び替えオプション
  • 動的属性または設定済みのキーワードグループに基づくバックグラウンド処理

Commerce Cloud Einstein がデータを収集中に、Predictive Sort が各買い物客について学習し、その買い物客に合わせて並べ替えをパーソナル化して体験を向上させます。この機能によって検索結果や提案も向上します。

Predictive Sort

買い物客は求めているものをすぐに見つけたいと思っています。見つからなければ、別のサイトに探しに行きます。Brandon は B2C Commerce の標準のキーワード検索を使用して、自身の検索辞書を手動で作成しています。たとえば、複合語のリストに「high-top sneaker」 (ハイトップスニーカー) という用語を追加します。こうした方法で辞書を手動で作成する場合は、販売する商品や地域について熟知している必要があります。

Einstein Search Dictionaries は、ライブ検索や、多数のマーチャントの検索結果からデータを自動的に取り込みます。検索用語間のリレーションを自動的に検出し、このデータを既存の辞書に追加します。手作業は一切ありません!

Search Recommendations

買い物客が検索項目に入力し始めた時点で、検索のおすすめが表示されます。B2C Commerce には、入力と同時に検索を開始する基本的な機能が搭載されています。Brandon は Business Manager の設定で、自動のスペル修正と検索用語補完を追加できます。

Einstein Search Recommendations は、買い物客がテキストを入力し終える以前に、各買い物客との関連性が最も高い検索結果を特定するアルゴリズムを B2C Commerce データに適用します。Einstein は各種のデータポイントを使用して、ユーザーの最近の検索フレーズ、よく使用される検索フレーズ、使用が増加している検索フレーズを特定し、パーソナル化された自動修正や用語補完を実行します。

Brandon の買い物客は、サイトを参照しながら、最短距離でコンバージョンにたどり着くことができます。

検索結果の並び替え

Brandon は Business Manager を使用して、B2C Commerce で検索結果をどのように並び替えるか設定しています。ドロップダウンを表示して、買い物客が自身で結果を並び替えられるようにすることも、次の操作時に特定のタイプの商品を勧めるようにバックグラウンドで並び替えを実行することもできます。

  • キーワード検索
  • カテゴリナビゲーション
  • 動的属性 (入手可能性など) または設定済みのキーワードグループ

Einstein Predictive Sort を使用すれば、Brandon が次の複数のデータポイントを取り入れて、各人に関連性の高い検索結果を表示できます。

  • カタログや商品
  • 注文履歴

Einstein は、買い物客の行動や商品へのアフィニティに基づいて、特定の商品に対する買い物客の選好などの Cookie を買い物客のデバイスに保存します。こうした選好は登録済みの買い物客にも未知の買い物客にも機能し、セッション中に変化することがあります。Einstein がデータを収集中に、Predictive Sort が各買い物客について学習し、検索結果の並べ替えをパーソナル化します。Predictive Sort は、あらゆる種類のバックグラウンド並び替え処理で機能します。

Einstein でストアフロントの検索をさらにスマートにできることがわかり、Brandon はこの機能をリリースしたくてうずうずしています。まずは、Einstein Search Dictionaries に取り掛かります。

Search Dictionaries

まず初めに、B2C Commerce でデフォルトで有効の Einstein Search Dictionaries は、サイトのデータのみを使用します。Brandon が Einstein データプライバシー同意書に同意すると、コミュニティデータにアクセスできるようになり、自身の検索辞書が、データを提供する B2C Commerce の他のマーチャントのデータと融合されます。

Einstein Search Dictionaries が有効になっている場合、あらゆるサイト検索や検索関連設定を使用して、買い物客が検索した用語で辞書に収録されていないものを特定します。そして、人工知能 (AI) を駆使して検索用語間のリレーションを検出し、用語を割り当てる同義語リストを推奨して、新しい推奨項目を作成します。

Brandon は Einstein Search Dictionaries を使用して次のことができます。

  • Einstein Search Dictionaries の新しい推奨項目を表示する。
  • 提案を承認または却下する。
  • 特定の用語をブラックリストに登録する。
  • ステミング例外のオプションを使用して辞書の新しい語幹を作成する。

Search Dictionaries の設定

Einstein Search Dictionaries を最大限に活用するために、Cloud Kicks はデータを他のマーチャントと共有する必要があります。ここで必要となるのが、Einstein データプライバシー同意書です。Cloud Kicks の管理者である Linda Rosenberg は Staging (ステージング) インスタンスの Einstein データプライバシー同意書に同意して、Brandon がこの機能を使用できるようにする必要があります。

このモジュールでは、受講者が B2C Commerce のマーチャンダイザーで、これらのタスクを実行する適切な権限を有しているものと想定しています。ただし、B2C Commerce のマーチャンダイザーでなくても大丈夫です。このまま読み進み、ステージングインスタンスでマーチャンダイザーがこれらの手順をどのように実行するのかを見てみましょう。Trailhead Playground で次の手順を実行しないでください。Trailhead Playground では B2C Commerce を使用できません。B2C Commerce のステージングインスタンスがある場合は、そのインスタンスで手順を実行できます。ステージングインスタンスがない場合は、使用可能なインスタンスがないかマネージャーにお問い合わせください。

Linda がプライバシー同意書に同意すると、会社がその検索辞書データを共有データベースに提供することを許諾することになります。つまり、この共有データベースへのデータ提供を許諾した他のマーチャントに推奨項目が表示されます。Salesforce では、マーチャントの検索辞書データが提供元を識別可能な形で他のお客様に公開されないことを表明し保証しています。

Linda はさらに、Salesforce がトレーニングの目的または Einstein Search Dictionaries やその他の現行または将来の同様あるいは関連する機能、商品、サービスを向上させる目的で、B2C Commerce に送信した自社の検索辞書データにアクセスする可能性があることにも同意します。

では、Linda がわずか数回のクリックで許諾する方法を見てみましょう。

Business Manager にアクセスするには、B2C Commerce の実装が必要です。このモジュールでは、受講者が B2C Commerce 管理者またはマーチャンダイザーで、これらのタスクを実行する適切な権限を有しているものと想定しています。ただし、B2C Commerce の管理者やマーチャンダイザーでなくても大丈夫です。このまま読み進み、ステージングインスタンスで管理者がこれらの手順をどのように実行するのかを見てみましょう。Trailhead Playground で次の手順を実行しないでください。Trailhead Playground では B2C Commerce を使用できません。B2C Commerce のステージングインスタンスがある場合は、そのインスタンスで手順を実行できます。ステージングインスタンスがない場合は、使用可能なインスタンスがないかマネージャーにお問い合わせください。

検索辞書データを共有データベースに提供する手順は、以下のとおりです。

  1. Business Manager を開きます。
  2. サイト > [Administration (管理)] > [Global Preferences (グローバル環境設定)] > [Einstein Search Dictionaries Opt-In (Einstein Search Dictionaries のオプトイン)] を選択します。
  3. [I accept these terms and conditions (上記の利用規約に同意します)] を選択します。
  4. [Save (保存)] をクリックします。

Brandon が Search Dictionaries を構成する手順は、次のとおりです。

  1. Business Manager を開きます。
  2. 同義語を管理する予定のユーザーのメールアドレスを追加します。
    1. サイト > [Merchant Tools (マーチャントツール)] > [Site Preferences (サイト環境設定)] > [Search Preferences (検索の環境設定)] を選択します。このサイトは各自のサイト名で、最初に選択しておく必要があります。
    2. [検索辞書の通知設定] を選択します。
      Business Manager の [Search Preference (検索の環境設定)] - [Notification Settings for Search Dictionary (検索辞書の通知設定)]
    3. メールを追加します。
    4. [Apply (適用)] をクリックします。
  1. サイトに複数の地域情報がある場合
    1. サイト > [Merchant Tools (マーチャントツール)] > [Site Preferences (サイト環境設定)] > [Search Preferences (検索の環境設定)] を選択します。
    2. [Search Settings (検索の設定)] を選択します。
    3. [辞書地域情報フォールバック] を選択し、言語レベルの設定で地域を更新できるようにします。
      Business Manager の [Search Preferences (検索の環境設定)] - [Dictionary Locale Fallback (辞書地域情報フォールバック)]
  1. 検索インデックスを再作成します。
    1. Business Manager を開きます。
    2. サイト (Staging (ステージング) のみ) > [Merchant Tools (マーチャントツール)] > [Search (検索)] > [Search Indexes (検索インデックス)] を選択します。
    3. 関連するインデックスのチェックボックスをオンにします。
    4. [Rebuild (再作成)] をクリックします。
      Business Manager - [Rebuild Search Index (検索インデックスの再作成)] ページ

Search Dictionaries を使用する手順は次のとおりです。

  1. Business Manager を開きます。
  2. サイト > [Merchant Tools (マーチャントツール)] > [Search Dictionaries (検索辞書)] を選択します。
    Business Manager - Search Dictionaries ダッシュボード
  3. 辞書のタイプ ([Compound Word (複合語)] など) をクリックまたは選択します。
  4. [New (新規)] をクリックして、辞書の新しいエントリを作成します。
  5. 必須項目には赤いドットが付いています。タイプはすでに [Compound Word (複合語)] が選択されています。
    1. 地域情報を選択します。
    2. 辞書エントリの値に「high-top」 (ハイトップ) と入力します。
      Business Manager - 辞書の新しいエントリを作成
    3. [Save (保存)] をクリックします。
  1. エントリを編集する場合は、エントリを検索するか、絞り込んで見つけます。
    1. [辞書の検索] をクリックすると、全辞書を対象にエントリが検索されます。
      Business Manager - 全辞書から検索
    2. タイプや地域情報で検索を絞り込むことができます。フィルターが適用されていない場合は、すべての辞書が検索の対象になります。
    3. フィルターアイコンをクリックすると、新しいフィルターが追加されます。
      1. [検索条件を追加] をクリックします。
      2. フィールドと値を選択します。
      3. [Apply (適用)] をクリックします。
    1. 既存のフィルターを編集する場合は、[Edit List Filters (リストのフィルターを編集)] をクリックします。

ステミング例外

次は、ステミング例外を使用すれば新しい語幹を簡単に作成できることを見ていきましょう。

  1. Business Manager を開きます。
  2. サイト > [Merchant Tools (マーチャントツール)] > [Search (検索)] > [Search Dictionaries (検索辞書)] を選択します。
  3. [Stemming Exceptions (ステミング例外)] をクリックします。
  4. [New (新規)] をクリックします。
    Business Manager で、語幹処理の例外に「leggings」、語幹に「leg」と入力します。
  5. 例外に「leggings」、語幹に「leggings」と入力します。
  6. [Save (保存)] をクリックします。

Brandon はこの変更を Production (本番) インスタンスにプッシュするために、テストとしてまず Staging (ステージング) から Development (開発) インスタンスにレプリケートし、続いて Staging (ステージング) から Production (本番) にレプリケートするよう Linda に依頼します。

次のステップ

Brandon は、Commerce Cloud Einstein を使用すれば B2C Commerce ストアフロントでスマートな検索が可能になることを学習しました。Search Dictionaries を検証し、買い物客の検索結果を向上させるために Search Dictionaries をどのように設定して使用するのかを習得しました。次は、Commerce Cloud Einstein Search Recommendations を実装します。

リソース

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