Recommender を構成する
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- 3 つの Recommender タイプを挙げる。
- 各 Recommender タイプの使用方法を説明する。
- 商品情報ページで使用できる 3 つの戦略を挙げる。
- ルールのアクションを挙げる。
はじめに
Cloud Kicks のマーチャンダイザー、Brandon Wilson が商品の推奨を作成できるようになるまであと少しです。まず、Recommender タイプ、戦略、ルールについて知る必要があります。
Recommender は Configurator ツールで作成する構成です。Recommender では次のことができます。
- 買い物客が見ている商品を推奨する商品と関連付ける。
- 推奨する商品の決定に使用するアルゴリズムを指定する。
- 推奨項目をいつ、どのような場合に表示するかを指定する。
Recommender タイプ
次の Recommender タイプを使用できます。
-
商品から商品: 類似性または関連性のあるアフィニティ商品を推奨します。
-
すべてのカテゴリ内の商品: すべてのカテゴリから商品を推奨します。
-
カテゴリ内の商品: 同じカテゴリの商品を推奨します。
-
最近見た商品: 顧客が最近見た商品を推奨します。
-
セットを完成: アパレルのセットの補完商品を推奨します。
Brandon は各 Recommender タイプのしくみと、最適なページタイプを確認します。
商品から商品
商品と他の商品との類似性を分析するか、他の顧客の閲覧行動や購入行動を分析して推奨商品を生成します。推奨項目は次のページで表示されます。
- 商品詳細
- 買い物カゴ
- ミニカート
- ほしい物リスト
- 注文手続き
たとえば、商品情報ページの場合、Brandon は買い物客がすでに見ているフットウェアに類似するフットウェアを推奨したいと考えています。
カテゴリ内の商品
同じカテゴリ内の商品の推奨項目を生成します。この Recommender は通常カテゴリページに配置されます。たとえば、Cloud Kicks にはラグジュアリー、アスレチック、アウトドア、ファッションの 4 つのカテゴリがあります。買い物客が頻繁にラグジュアリーのフットウェアを見ている場合、サイトの別の領域 (衣料、アクセサリなど) から同じカテゴリ (ラグジュアリー) の商品が推奨される可能性があります。
すべてのカテゴリ内の商品
すべてのカテゴリから推奨項目を生成するために、Brandon はこの Recommender タイプを次のページに配置します。
- ホーム
- マイアカウント
- 推奨項目
最近見た商品
買い物客が最近見た商品を含めて推奨項目を生成します。Brandon はこの Recommender タイプを任意のページに配置できます。たとえば、検索結果ページに配置して、放棄率の低下に役立てることができます。
セットを完成
買い物客のストアフロント活動をレビューして、最もよく同時購入された商品のタイプを把握し、商品カテゴリに関するインテリジェンスを適用してセットやスタイルを作成します。Brandon は推奨項目をプレビューし、カテゴリでそれらを有効化または無効化することを選択します。追加のフィードや統合なしで商品のセットが自動的に作成されます。
戦略
戦略は、推奨項目リストを生成するためのさまざまなアプローチ (アルゴリズム) を表します。Recommender ごとに 3 つまで戦略を構成できます。次の表は、各戦略で Einstein で何が分析されるかを説明しています。
戦略 |
Einstein で分析されるのは... |
---|---|
顧客が最近見た商品 |
買い物客が最近見た品目。 |
この商品を購入した顧客が他に購入した商品 |
同じ商品を購入した他の買い物客の購入行動。 |
この商品を見た顧客が他に見た商品 |
同じ商品を見た他の買い物客の閲覧行動。 |
この商品を見た顧客が最終的に購入した商品 |
同じ商品を見た他の顧客の購入行動。 |
商品アフィニティアルゴリズム |
この商品と他の商品との類似性。 |
リアルタイムのパーソナル化推奨項目 |
買い物客の現在および過去の閲覧行動と購入行動。 |
最近もっともよく閲覧されている商品 |
他の買い物客が最近見た商品。 |
最近の売れ筋商品 |
他の買い物客が最近購入した商品で、売れ筋でもある商品。 |
セットを完成 |
買い物客の過去と現在の商品の選択と、それらの商品と最もよく同時購入された他の商品との組み合わせ。 |
次の表では、Brandon が使用可能な戦略を検討するときに、どのようにストアフロントページのタイプと Recommender タイプを適合させるかを説明します。
配置するページ |
使用する Recommender タイプ |
一緒に使用する戦略 |
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フッターも (実際にはページではないとはいえ) よい配置場所です。 |
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戦略の順序は重要です。Einstein ではリストの先頭にある戦略から 2 番目、3 番目と順に使用されていきます。ベストプラクティスとして、主要戦略と二次戦略を構成します。二次戦略は、主要戦略で返された結果が不十分な場合のバックアップとして使用されます。
主要戦略と二次戦略では、すべての買い物客に適用される戦略と、個人の履歴に基づくもう 1 つの戦略を使用することをお勧めします。これにより、既存の買い物客と新規の買い物客の両方にパーソナル化した体験が提供されます。
次のように適した戦略を選択します。
使用する Recommender タイプ |
使用する主要戦略 |
使用する二次戦略 |
---|---|---|
商品から商品 |
この商品を見た顧客が他に見た商品 |
商品アフィニティアルゴリズム |
カテゴリ内の商品 |
リアルタイムのパーソナル化推奨項目 |
最近の売れ筋商品 |
すべてのカテゴリ内の商品 |
リアルタイムのパーソナル化推奨項目 |
最近の売れ筋商品 |
最近見た商品 |
顧客が最近見た商品 |
|
セットを完成 |
セットを完成 |
ルール
Recommender ルールではアクション、フィールド、1 つ以上のフィールド値を指定します。Einstein でルールが適用されるとき、戦略から返された ID のリストに含まれる各商品がチェックされ、その商品のフィールド値がルールで指定された値と比較されます。商品のフィールド値がルールのフィールド値と一致すると、アクションが適用されます。ルールがない場合は、リストのすべての商品 ID が戦略から返された順にストアフロントに送信されます。
ルールのアクション
Brandon は次のルールのアクションを使用できます。
ルールのアクション |
B2C Commerce の動作 |
---|---|
表示 |
指定したフィールド値と一致する品目のみを表示し、指定したフィールド値と一致しない品目を非表示にします。 |
非表示 |
指定したフィールド値と一致しない品目を非表示にします。 |
上位に表示 |
一致する品目を商品リストの先頭に移動します。 |
下位に表示 |
一致する品目を商品 ID リストの最後に移動します (商品 ID が多すぎる場合はリストから品目が削除されます)。 |
Brandon はルールを構成するとき、競合が起きないようにします。たとえば、Recommender で同じ商品の表示と非表示や上位に表示と下位に表示が同時に行われないように構成します。競合がある場合は、ルールを見直して調整します。
ルールフィールドと値
Einstein ではルールフィールドとその値が、Recommender の戦略で返された各推奨商品と比較されます。推奨商品のフィールドが選択されたフィールド値と一致すると、関連付けられたアクションが実行されます。
たとえば、Brandon は、買い物客が見た商品と同じブランドの商品を推奨リストの上位に置くように Einstein に指示するルールを作成できます。リストにそのブランドの商品がない場合、他のブランドの商品が表示されます。
Recommender を構成する
Brandon が Recommender を構成する準備ができました。Configurator サイトにアクセスするための認証情報はすでに手元にあります。
このモジュールでは、受講者が B2C Commerce のマーチャンダイザーで、これらのタスクを実行する適切な権限を有しているものと想定しています。ただし、B2C Commerce のマーチャンダイザーでなくても大丈夫です。このまま読み進み、マーチャンダイザーがこれらの手順をどのように実行するのかを見てみましょう。Trailhead Playground で以下の手順を実行しないでください。この機能は Trailhead Playground では使用できません。
Brandon は次の手順に従って、同じブランドの他の商品を推奨する Recommender を構成します。
- Web ブラウザーで https://configurator.cquotient.com に移動します。
- 管理者から提供された認証情報を使用して、Configurator ツールにログインします。
-
[サイトの推奨項目] タブをクリックします。
-
[新規 Recommender] をクリックします。
- サイトを選択します。
- Recommender タイプとして [商品から商品] を選択します。
- [Recommender 名] に「related-product-brand-x」と入力し、[OK] をクリックします。名前はサイトで一意にし、長さは 100 文字未満にする必要があります。名前には文字、ハイフン、アンダースコアを使用できます (空白は使用できません)。
- 左ペインで [全般] タブをクリックし、次の値を入力します。
- 説明として「Related products with the same brand」 (同じブランドの関連商品) と入力します。
- [推奨項目の最大数] で 4 を選択します。(このフィールドを使用できない場合もあります。)
- リストの先頭に表示する商品を 2 つ選択します。
-
[戦略] タブ (1) をクリックします。 テーブルの各行に 1 つの戦略が優先度の高い順に表示されます。(このタブを使用できない場合もあります。)
-
[戦略の追加] をクリックします。テーブルの最下部に新しい行が作成されます。
- 戦略として [商品アフィニティアルゴリズム] を選択し、[Save (保存)] をクリックします。
-
[ルール] タブをクリックします。 最大 2 列の空のテーブルが表示されます。
-
If the shopper sees this (買い物客がこれを見たら): この列は [商品から商品] タイプのルールを作成するときに表示されます。アンカーフィールドとアンカーフィールド値を選択します。アンカーによって特定の商品またカタログに絞り込むことができます。アンカーについては次の単元で詳しく取り上げます。
-
Recommend products according to the following criteria (次の条件に従って商品を推奨): この列はすべての Recommender タイプで表示されます。アクション、フィールド、フィールド値を指定します。
-
[ルールの追加] をクリックします。
- [If the Shopper sees this (買い物客がこれを見たら)] のアンカーフィールド (ブランド) とアンカー値 (Brand-X) を選択します。
- アクションとして [表示] を選択します。
- 推奨商品条件のフィールド (ブランド) と値 (Brand-Y) を選択します。
Recommender 名は変更できませんが、別の名前で Recommender を作成して以前の Recommender を削除することはできます。
Recommender をプレビューする
Brandon は、戦略やルールを追加、削除、順序変更した後、プレビューして変更がどう推奨項目に影響するかを確認できます。
この手順は次のとおりです。
- Configurator を開きます。
- Recommender を選択します。
-
[プレビュー] タブをクリックします。
- 「カテゴリ内の商品」 Recommender の場合は、カテゴリアンカー (カテゴリ ID) を指定します。
- 「商品から商品」 Recommender の場合、商品アンカー (商品 ID) を指定します。
- 他の Recommender タイプではプレビュー時にアンカーは必要ありません。
-
[実行] をクリックします。Recommender で返された商品のリストが表示されます。
次のステップ
Brandon は順調に進んでいます。ここでは Configurator で Recommender を設定する方法を学びました。次は、デベロッパーと一緒に ISML テンプレートに取り組み、買い物客にパーソナル化した商品の推奨が表示されるようにします。
リソース