実装の計画
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- Commerce Cloud Einstein の実装で行う一般的な手順を挙げる。
- データを有効にした後でテストできる機能を 3 つ挙げる。
- データを最大限に活用する方法を説明する。
はじめに
Cloud Kick の管理者である Linda Rosenberg はこれから、デベロッパー、マーチャンダイザーと協力して、Einstein をどのように有効にして実装するかの計画を立てます。
Einstein の機能を実装するために行う一般的な手順をリストします。
- Business Manager の Einstein ステータスダッシュボードで、データを有効にする (Linda)。
- テンプレートを変更する (デベロッパー)。
- Configurator でカスタム Recommender を作成する (マーチャンダイザー)。
- Go-Live を行う (全員)。
- サイト全体で A/B テストを実施し、Recommender を追加する (マーチャンダイザー)。
各ステップの具体的な内容を調べるためにチームが一定の調査を行います。その結果、次のことがわかりました。
データを有効化する
Linda は Business Manager の本番インスタンスにアクセスしてログイン情報を収集し、Einstein ステータスダッシュボードからカタログフィードと注文フィードをスケジュールします。
機能の有効化やテストを行う場合は、Einstein を必ずプライマリインスタンスグループ (Development (開発)、Staging (ステージング)、Development (開発)) で実行します。Einstein は、買い物客が表示して購入する Development (開発) インスタンスのデータのみを収集します。Sandbox (サンドボックス) インスタンスは関与しません。
Einstein はデータを収集し、その収集済みのデータを利用します。フィードには次のものがあります。
- 1 回限りの注文履歴フィード
- 毎日更新される注文フィード
- 毎日更新される商品フィード
Einstein は、リアルタイムのクリックストリームデータを取得し、そのデータを Einstein アルゴリズム内で使用します。Einstein がクリックストリームデータを使用できるように、Linda は Business Manager で追跡を有効にします ([Merchant Tools (マーチャントツール)] > [Site Preferences (サイト環境設定)] > [Privacy Settings (プライバシー設定)])。データを有効にすると、開発や品質保証の作業を必要とせずに次の機能をテストできます。
- Commerce Insights
- Einstein Search Dictionaries
テンプレートを作成する
デベロッパーの Vijay Lahiri は、ストアフロントページのテンプレートを作成または変更するために要件や構成設計を収集します。このステップを終了したら、Product Recommendations をテストできます。
Predictive Sort に関して、Vijay は Predictive Sort が有効になっている場合にカテゴリグリッドページと検索グリッドページでキャッシュが無効になっていることを確認します。(詳細は、Infocenter の「iscache」ページの「If Attribute Example (if 属性の例)」セクションを参照してください。)
Einstein Search Recommendations に関しては、人気の検索、最近の検索、Einstein Search Recommendations (入力中に表示されるパーソナライズされた検索) といった利用可能なオプションを買い物客に提示し、検索フライアウトによってエクスペリエンスがどのように表示されるのがブランドにとって望ましいかを明確にします。詳細は、「Search Recommendations の設定」モジュールの「機能と作業量」を参照してください。
Recommender を構成する
Cloud Kicks のマーチャンダイザーである Brandon Wilson は、Configurator を使用して Recommender (Product Recommendations で使用する一連のルールや戦略) を作成する必要があることを知ります。Recommender は、Einstein データに基づいて推奨項目を表示するようストアフロントに指示します。
Brandon は Commerce Cloud Recommendation Validator (Chrome 拡張機能) を使用して、ストアフロントの推奨アクティビティを検証します。
これらのステップを完了したら、Product Recommendations をテストできます。
Go Live
Brandon は、Commerce Cloud のレポートとダッシュボードソフトウェアで Einstein ダッシュボードを監視して、サイト全体の収益に対して Einstein が寄与した収益を比較し、その情報をマネージャーと共有する予定です。
データを活用する
Einstein レコメンデーションが本番稼働し始めたら、Brandon は「試して学ぶ」アプローチを考案します。この場合は、Business Manager の A/B テストツールや、サードパーティプラットフォームのツールを使用することが考えられます。また、Commerce Cloud カスタマーサクセスマネージャー (CSM) と一緒に A/B テスト結果のレビューを行い、Salesforce のサクセススペシャリストから細かなアドバイスを得る機会もあります。
サイトが B2C Commerce で稼働を開始するための Einstein 実装タイムラインの例
チームは、Einstein を有効にしてストアフロントに実装するためのステップを以下のとおりまとめました。
ステップ |
種別 |
説明 |
役割 |
---|---|---|---|
1 |
計画 |
サイト準備度評価 (SRA) を確認する。機能の範囲を定義し、開発のステップについて合意する。 |
パートナー/デベロッパー、ビジネスユーザー |
2 |
計画 |
Product Recommendations コンテンツスロットとアセットを定義する。 |
パートナー/デベロッパー、ビジネスユーザー |
3 |
計画 |
推奨事項のスタイル設定や検索機能に関する技術的な疑問点を明確にするためのミーティングを行う。 |
ファンクショナルアーキテクト、ビジネスユーザー |
4 |
開発 |
検索フライアウト、ストアフロントのテンプレートコード、スロットレンダリングを更新または作成する。Einstein Product Recommendations のベストプラクティスに従っていることを確認する。 |
パートナー/デベロッパー、ビジネスユーザー |
5 |
リリース |
サイトが Business Manager の本番インスタンスに置かれ、在庫情報のある商品が含まれたカタログが割り当てられたら、Einstein の有効化を開始する。 |
システム管理者 |
6 |
リリース |
B2C Commerce アカウントマネージャーでマーチャンダイザーのメールアドレスが設定されていることを確認する。 |
システム管理者 |
7 |
リリース |
自分の Configurator アクセス権と (必要に応じて) SFTP 外部/ストアの注文フィードのログイン情報をサポートに申請する。 |
システム管理者 |
9 |
リリース |
マーチャンダイザーのメールアドレスと Configurator へのユーザーアクセス権を追加する。 |
システム管理者 |
10 |
リリース |
(省略可能) Einstein で考慮に入れる外部ストアデータがある場合は、SFTP を使用して外部注文データを送信する。外部データが正常に処理されたことを確認するサポート要請を送信する。 |
デベロッパー/サポート |
17 |
テスト |
ステージング環境で検証する。
|
パートナー/デベロッパー |
19 |
実行 |
Commerce Cloud Einstein の Go Live を行う。 |
チーム |
20 |
実行 |
マーチャンダイジングチームとベストプラクティスを確認する。 |
マーチャント |
21 |
実行 |
成功を測定する A/B テストを作成する。 |
マーチャント |
こうした詳細な計画を立てた Cloud Kicks は、買い物客の満足度の向上において一歩前進したことになります!
次のステップ
この単元で Linda Rosenberg は、Commerce Cloud で稼働を開始するサイトのための Einstein の有効化と実装に誰が関与するかを学習しました。次は、個々の機能の実装に必要な作業を検討します。
リソース
- Trailhead: 第 4 次産業革命について
- Trailhead: Commerce Cloud の機能
- ヘルプ: iscache Element (iscache 要素)
- Trailhead: Commerce Cloud Einstein を使用したスマートな検索