カーボンクレジットを割り当てる
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- カーボンクレジット割り当てレコードを作成する。
- 排出を相殺するためにカーボンクレジットを割り当てる。
- Carbon Credit Allocation ダッシュボードを使用してみる。
- Net Zero Cloud でのカーボンクレジットの管理と割り当てのデータフローについて説明する。
現在の状況
前の単元では、Sam は NTO の要件を収集し、カーボンクレジットのデータを設定しました。今は、クレジットを割り当てる準備ができています。
カーボンクレジット割り当てレコードを作成する
Net Zero Cloud でカーボンクレジット割り当てを始めるために、Sam はカーボンクレジット割り当てレコードを作成します。
- Net Zero Cloud アプリケーションの Lightning コンソールドロップダウンリストから、[カーボンクレジット割り当て] を選択します。
- [カーボンクレジット割り当て] ページで、[New (新規)] をクリックします。
- レコードの名前を入力します。
- 相殺する排出が含まれている年間排出インベントリを選択します。
年間排出インベントリに対して作成できるカーボンクレジット割り当てレコードは 1 つだけです。
-
[Save (保存)] をクリックします。
レコードの保存時にいくつかの操作が行われます。
- カーボンクレジット割り当てレコードの [Scope 1 Allocation (スコープ 1 割り当て)]、[Scope 2 Allocation (スコープ 2 割り当て)]、[Scope 3 Allocation (スコープ 3 割り当て)] セクションで各スコープのクレジットの割り当てが自動的に計算され、更新されます。
このカーボンクレジット割り当てレコードは新規で、Sam はまだクレジットを割り当てていないため、合計排出量と正味排出量が等しく、クレジット割り当ての合計がゼロになっています。Sam はカーボンクレジット割り当てレコードの値を確認します。
- 年間排出インベントリレコードの各排出活動にカーボンクレジット割り当て項目レコードが自動的に作成されます。インベントリへの変更はすぐに割り当て項目レコードに反映されます。たとえば、インベントリ内の活動に排出が追加されると、関連する割り当て項目レコードで変更された排出量が自動的に更新されます。
Sam は [Related (関連)] タブに移動してカーボンクレジット割り当て項目レコードを表示します。
クレジットを割り当てるには、カーボンクレジット割り当てレコードに少なくとも 1 つの割り当て項目レコードが必要です。
割り当てましょう
Net Zero Cloud ではシンプルな 3 つのステップのウィザードで使用可能なクレジットを割り当てることができます。
Sustainability クレジットレコードで重要な項目が状況です。これによって、クレジットが無効化されたかどうかを追跡できます。残余排出を相殺するために割り当てることができるのは無効化されたクレジットのみです。
Sam がクレジットを割り当てる手順は次のとおりです。
- [カーボンクレジット割り当て] ページのコンテキストメニューから、[割り当て] をクリックします。
- ウィザードの最初のページで相殺の対象となる排出の排出活動を選択し、[Next (次へ)] をクリックします。
- Sustainability クレジットと関連プロジェクトのリストから割り当てるクレジットを選択し、[Next (次へ)] をクリックします。
[無効化] 状況のクレジットのみが表示されるため、Sustainability クレジットレコードを作成するときに正しい状況が指定されていることを確認してください。
- 割り当てられたクレジットの合計と割り当て前後の正味排出量を確認し、[完了] をクリックします。確認ダイアログで [割り当て] をクリックして、完了です。
Sam はカーボンクレジット割り当てレコードを確認します。各スコープの合計排出量、カーボンクレジット割り当て、正味排出量に関する項目に更新された値が表示されています。
Sam が [関連] タブを確認すると、[カーボンクレジット割り当て項目] セクションと [カーボンクレジット分配] セクションにそれぞれ更新されたレコードと新しいレコードが表示されています。カーボンクレジット割り当て項目レコードには、排出活動ごとに割り当てられたカーボンクレジットが表示されています。カーボンクレジット分配レコードは Sustainability クレジットレコードとカーボンクレジット割り当てレコードの交差を表します。
Sam はカーボンクレジット分配レコードを開き、割り当て済みカーボンクレジット合計、関連するコスト、関連する排出活動レコードとカーボンクレジット割り当てレコードへの参照を確認します。分配レコードは、カーボンクレジットがカーボンクレジット割り当てレコードにどのように割り当てられたかを監査、追跡するのに役立ちます。
素晴らしい! Sam は最初のクレジット割り当てを完了しました。同じようにして、彼は残りのクレジットの割り当ても完了します。
視覚的なインサイトを得る
Sam は、事前定義された CRM Analytics ダッシュボードである Carbon Credit Allocation ダッシュボードを使用して、クレジット割り当てデータに関する視覚的インサイトを得ることができます。
Sam は Net Zero Cloud ホームページから Carbon Credit Allocation ダッシュボードを開きます。
[概要] タブのグラフはクレジット割り当てが正味排出量に及ぼす影響、年ごとのクレジット割り当て、スコープごとの割り当て分配を示しています。グラフデータから導出された重要事項がページに表示されます。
[Project and Cost Analysis (プロジェクトとコスト分析)] タブには、選択したプロジェクトの場所別のプロジェクト分配、クレジットの現在の利用可能状況、追加の利点の視覚的比較が表示されます。
Carbon Credit Allocation ダッシュボードを使用することで、Sam や他のサステナビリティマネージャーは次のようなビジネス上の疑問に答えることができます。
- 今年の割り当て済みまたは無効化済みのカーボンクレジットの全体像はどのようになっているか?
- カーボンクレジットはスコープ 1、スコープ 2、スコープ 3 にどのように分割されているか?
- スコープ内の各活動にカーボンクレジットがどのように割り当てられているか?
- 今年投資しているカーボンクレジットプロジェクトはどのような種類のものか?
- 各プロジェクト種別に割り当てられているカーボンクレジットは何か?
- プロジェクト全体でのコスト効率、つまり費やされた 1 ドルあたりのクレジットはどれだけか?
カーボンクレジット割り当てのデータフロー
Net Zero Cloud でのカーボンクレジット割り当て中のさまざまなレコード間のデータフローを見てみましょう。
カーボンクレジットプロジェクトレコードには会社が投資しているプロジェクトの詳細が保存されています。各 Sustainability 購入レコードには購入されたクレジットの詳細が保存されています。この情報は、Sustainability クレジットレコードで参照されます。このレコードには購入されたクレジット合計とそのコストに関する詳細が保存されています。
年間排出インベントリレコードと Sustainability クレジットレコードからの実際の排出量データはカーボンクレジット割り当てレコードで使用されます。カーボンクレジット割り当てレコードを作成するときに、年間排出インベントリレコードの各排出活動にカーボンクレジット割り当て項目レコードが自動的に作成されます。
実際の排出量に対してクレジットを割り当てると、カーボンクレジット割り当て項目レコードが更新されて排出活動ごとに割り当てられたカーボンクレジットが表示され、排出活動と Sustainability クレジットレコードの組み合わせごとにカーボンクレジット分配レコードが作成されます。
まとめ
Sam は Net Zero Cloud の優れたカーボンクレジット関連機能に喜んでいます。Sam と同じ手順を実行することで、あなたも簡単にカーボンクレジットを管理、追跡し、避けられない排出を相殺できます。
リソース