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車両資産排出源の炭素排出量を追跡する

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • 車両資産レコードの主要な項目を挙げる。
  • 車両によるエネルギー使用量レコードの主要な項目を挙げる。
  • 車両資産からの排出量を計算する方法を説明する。

NTO の車両資産

NTO には説明すべき主要な車両排出源が 2 つあります。NTO が運営するプライベートジェット機と従業員の通勤に使用されるシャトルバスです。Sam は会社の CEO が使用するプライベートジェット機の会社所有資産を作成し、マイアミ地域で従業員の通勤のために現地のレンタカー会社からリースしている社用シャトルのレコードを作成します。 

車両排出源ではほとんどの項目が類似していますが、Sam は排出量の計算に影響する主要な項目を確認します。

  • 車種: システム管理者が設定したレコードタイプに基づいて、排出量を計算する車種を選択できます。NTO は [法人車両] または [プライベートジェット機] を選択できます。

  • その他の排出係数: さまざまな燃料源からの排出量の参照データを保持するオブジェクトを参照します。親であるその他の排出係数セットレコードに関連付けられたその他の排出係数項目レコードには、ジェット燃料、ガソリン、ディーゼル、CNG などのさまざまな燃料種別の排出係数が保持されます。

車両資産排出源レコードでは、Sam は主要項目以外にもスコープ割り当て、リース ID、リースの有効期限、車両 ID、ビジネス地域などの追加情報を指定できます。

[NTO Miami Company Shuttle (NTO マイアミ社用シャトル)] の詳細が表示されている車両の排出源レコード。

車両資産のエネルギー使用量レコード

次にエネルギー使用量に目を向けてみましょう。Sam は車両資産を記録したため、サプライヤー提供の燃料消費データを指定できます。エネルギー使用量レコードで Sam が指定できる情報は次のとおりです。

  • 燃料消費量の詳細: 資産の種別に応じて、燃料種別はプライベートジェット機のジェット燃料または法人車両用のその他の燃料 (バイオディーゼル、圧縮天然ガス (CNG)、ディーゼル、またはガソリン) です。燃料消費量はガソリンスタンドの請求書や燃料補充の領収書からリットルまたはガロンで指定できます。

  • 距離: これは社用車またはプライベートジェット機が報告期間中に移動した距離です。距離はキロメートルまたはマイルで指定できます。

  • 航空機の詳細: Sam は航空機の種別を指定できます。これは、燃料効率や消費パターンに影響します。Sam はフライトの領収書からフライトの時間や日付も指定できます。

次の属性は、指定した値およびリンクされている排出係数レコードのデータに基づいて自動的に計算されます。

  • 燃費
  • CH₄、CO₂、N₂O 排出量 (kg)
  • スコープ基準の排出量 (tCO₂e)
  • 合計燃料消費量 (US ガロンまたはリットル)
  • 航空機の燃費 (ガロン/時)

車両によるエネルギー使用量レコードのユーザーが指定した項目と自動計算された項目。

車両のカーボンフットプリント

次に Sam は、車両からの総炭素排出量 (二酸化炭素換算メートルトン (tCO₂e) で表されます) を計算するために、前に指定した各車両資産のカーボンフットプリントレコードを作成します。関連付けられたその他の排出係数と、関連付けられたその他の排出係数項目が排出量を計算するために使用されます。

車両資産カーボンフットプリントレコードには次のような主要データポイントがあります。

  • 合計燃料使用量: 車両の合計燃料使用量がガロンとリットルで表示されます。値は車両に関連付けられたエネルギー使用量レコードを積み上げ集計したものです。

  • 追加排出量: Sam は各スコープの追加排出量を指定することで、必要に応じて排出量を手動で調整できます。これは合計排出量の計算に追加されます。

  • 温室効果ガス排出量: 関連する排出源のスコープ 1 合計排出量、スコープ 2 マーケット基準の合計排出量、スコープ 2 ロケーション基準の合計排出量、スコープ 3 (上流) の合計排出量、スコープ 3 (下流) の合計排出量 (tCO₂e) の自動計算された値が表示されます。

法人車両の燃料消費量、追加排出量、温室効果ガス排出量の情報が表示されている車両のカーボンフットプリントレコード。

車両排出量の計算

NTO の社用シャトルのような法人車両資産排出源の車両によるエネルギー使用量レコードには次のような情報があります。

項目

名前

Miami Shuttle Fueling Receipt 2/3/21 (マイアミシャトル燃料領収書 2021 年 2 月 3 日)

報告期間

2021 年 2 月 3 日~ 2021 年 2 月 3 日

距離

100 miles (100 マイル)

燃料種別

ディーゼル

燃料消費量

100 liters (100 リットル)

車両によるエネルギー使用量レコードのデータ入力。

まず燃料消費量がガロンに換算されます。100 リットルは 26.42 ガロンになります。

次に、その他の排出係数セットレコードの情報を見ていきましょう。[Fuel Conversion Factors - DEFRA EPA 2018 (燃料換算係数 - DEFRA EPA 2018)] レコードには、ディーゼルの排出係数を保持するその他の排出係数項目レコードが関連付けられています。値は次のとおりです。

項目

 値

CO₂ 排出係数

9.75 g/US ガロン

N₂O 排出係数

0.3 g/US ガロン

CH₄ 排出係数

0.12 g/US ガロン

26.4 ガロンのディーゼルによって生成される CO₂、N₂O、CH₄ の量は次のように排出係数を適用することで計算されます。

  • CO2: 26.42 × 9.75 × 0.001 = 0.257568 kg
  • N20: 26.4 × 0.3 × 0.001 = 0.007925 kg
  • CH4: 26.4 × 0.12 × 0.001 = 0.003170 kg

二酸化炭素換算での N₂O と CH₄ の排出量の影響は 1:1 ではないことに注意してください。この換算値はその他の排出係数レコードで参照される地球温暖化係数 (GWP) から取得されます。

  • N₂O GWP = 265
  • CH₄ GWP = 28

スコープ 1 排出量 (tCO₂e) = {CO₂ 排出量 (Kg) ÷ 1000} + {N₂O 排出量 (Kg) ÷ 1000 × N₂O GWP} + {CH₄ 排出量 (Kg) ÷ 1000 × CH₄ GWP}

                                             = {0.257568 ÷ 1000} + {0.007925 ÷ 1000 × 265} + {0.003170 ÷ 1000 × 28} = 0.0024

ディーゼルを使用する車両の計算されたスコープ 1 排出量が表示されている車両によるエネルギー使用量レコード。

プライベートジェット機に対しても、ジェット燃料やその他の値 (航空機の燃費など) を参照することで同様の計算が実行されます。

次のステップ

ここで一度止まって、Sam がこれまでに行ったことを確認しましょう。彼は、NTO のカーボンアカウンティングプロセスのために固定資産と車両資産の排出源をリストアップし、資産の tCO₂e 排出量の推定に使用されるさまざまな排出係数を解読しました。さらに、固定資産と車両資産のエネルギー使用量レコードを作成し、データを集計するために必要なカーボンフットプリントレコードも作成しました。Sam はバックグラウンドで実行される計算も確認しました。次の単元では、Sam はカーボンアカウンティングプロセスのその他の詳細について学習します。

リソース

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