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カーボンアカウンティングの基礎を学ぶ

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。  

  • 温室効果ガス (GHG) 会計原則の基本を説明する。
  • カーボンアカウンティングフレームワークを形成するさまざまなオブジェクトについて説明する。

始める前に

「Net Zero Cloud の基本」モジュールを修了した方は、Northern Trail Outfitters が気候計画への対応と範囲設定を行うために Net Zero Cloud を使用していることをご存知だと思います。また、「Net Zero Cloud の管理の基本」モジュールでは、システム管理者がアプリケーションを設定する方法について説明しています。上記のモジュールをまだ受講していない場合は、カーボンアカウンティングの詳細を学習する前に受講して、その背景についての理解を深めておくことをお勧めします。

自社の行動についての説明責任を果たす

世界は気候の危機に瀕しており、炭素排出量の削減はかつてないほど急務となっています。規制当局、投資家、お客様は、企業に対して迅速にネットゼロを達成するよう、ますます強く求めています。企業は自社のバリューチェーンの排出量をあらゆる側面から追跡するという複雑で厄介なプロセスに取り組まざるを得なくなっています。このモジュールでは、Net Zero Cloud がこの課題への取り組みにどのように役立つかを見ていきます。 

Northern Trail Outfitters (NTO) は Salesforce の Net Zero Cloud を使用してエネルギー使用量データを収集、分析、報告し、自社のカーボンフットプリントを追跡しています。ネットゼロへの取り組みの一環として、NTO はカーボンフットプリントを追跡することを計画しており、長期目標として温室効果ガス排出の大幅な削減を目指しています。

Net Zero Cloud の効果

今日では企業は 3 つのスコープすべてで排出につながる活動に関するデータを収集し、大気への排出への影響を計算して報告し、排出量を削減することが一般に期待されています。こちらのヘルプトピックを参照して、排出がどのようにスコープ 1、2、3 に分類されるかの例を確認してください。Net Zero Cloud を使用すれば、NTO のような企業はこのカーボンアカウンティングプロセスを合理化し、簡単に実行できます。Net Zero Cloud には炭素排出量を定量化して測定するためのツールが備わっており、企業は情報に基づいてどの軽減方針が最も効果的かを判断できます。

Net Zero Cloud ではすべての排出量が二酸化炭素相当量に換算され、二酸化炭素換算メートルトン (tCO₂e) で報告されます。tCO₂e とは、温室効果ガス (GHG) 排出量を表す標準単位で、二酸化炭素によるものもその他のガス (メタン、亜酸化窒素、現在世界中で使用されているさまざまな冷媒など) によるものも対象となります。

企業は Net Zero Cloud を使用して年間排出インベントリを作成できます。GHG インベントリは排出削減の取り組みとそれが環境に及ぼす影響の基礎となります。自社の排出量がどれだけであるかを知ることで、排出の影響を減らすプロセスに取り組みやすくなります。正確な GHG インベントリを作成することは、今後の排出量の予測にも役立ちます。

また、NTO のような企業は GHG 排出量を算出することで、科学に基づく排出削減目標を設定できます。正確な GHG インベントリは、どのような目標を設定し、その目標をどのように定量化するかを決定するために必要な出発点です。

NTO の最高サステナビリティ責任者である Sam Rajan が Net Zero Cloud を使用してすべての固定資産排出源と車両資産排出源のカーボンアカウンティングを調べる手順を見ていきましょう。

NTO の最高サステナビリティ責任者 Sam Rajan。

カーボンアカウンティングのビルディングブロックを知る

Net Zero Cloud でユーザーがカーボンアカウンティングプロセスを管理するための主要なビルディングブロックが 4 つあります。

  • 排出源: 排出源は炭素を排出する企業の資産を表します。Net Zero Cloud には次の 3 種類の排出源があります。

    • 固定資産排出源: 建物、データセンター、倉庫など、本質的に固定された資産。

    • 車両の排出源: 企業の車両やプライベートジェット機など、本質的に可動な資産。

    • スコープ 3 排出源: 輸送、原材料の購入、ホテル滞在など、排出源となるスコープ 3 活動。この排出カテゴリは、会社の活動の結果として、自社が所有または管理していない排出源から排出されるものです。

  • エネルギー使用量レコード: エネルギー使用量レコードは特定の日付または日付範囲に対して作成され、排出源と関連付けられます。たとえば、固定資産の毎月の電力消費量や 1 回の商用飛行レコードなどです。ユーザーは特定期間に消費した電力、ディーゼル、天然ガスなどのエネルギー消費情報を活動や消費した燃料に固有のさまざまな測定単位で入力できます。Net Zero Cloud では、エネルギー使用量レコードで参照される排出係数に基づいて、入力された消費量が炭素排出量に換算されます。

  • 排出係数: 排出係数はエネルギー消費量を GHG 排出量に換算するために使用されます。Net Zero Cloud には標準的な官民の情報源から提供された参照データセットとして、いくつかの排出係数が事前設定されています。たとえば、米国の電力供給区域の排出量に関する eGRID データセットや、スコープ 3 の 8 つの上流カテゴリのほとんどで生産金額あたりの tCO2e を推定する EEIO などが含まれています。地域、ビジネスセクター、国に特有の排出係数も Net Zero Cloud に追加されています。

  • カーボンフットプリント: カーボンフットプリントとは商品または活動のライフサイクル中に環境に排出される CO2e の推定量です。カーボンフットプリントは主に複数のエネルギー使用量レコードからの値を集計するために存在します。Net Zero Cloud には 3 種類の排出源に対応する 3 種類のカーボンフットプリントがあります。

    • 固定資産のカーボンフットプリント: すべての燃料種別にわたる固定資産のエネルギー使用量を集計したスコープごとの全体的な排出量。Net Zero Cloud では、1 つの燃料種別について集計された排出情報を示す固定資産のカーボンフットプリント項目レコードが自動的に作成されます。

    • 車両のカーボンフットプリント: 車両資産のエネルギー使用量を集計したスコープごとの全体的な排出量。

    • スコープ 3 カーボンフットプリント: スコープ 3 活動のエネルギー使用量を集計した全体的な排出量。スコープ 3 排出源をカーボンフットプリントレコードに関連付けられますが、固定排出源も関連付けることができます。たとえば倉庫は、商品やサービスの購入、輸送や流通、廃棄物の発生といったスコープ 3 活動の中心となります。必要なエネルギー使用量レコードと調達集計レコードを関連付けることで、どの活動から排出量を計算するかを決定できます。

これで Sam はカーボンアカウンティングのビルディングブロックを理解できたため、次はオブジェクト間の接続を計画します。

排出源種別

エネルギー使用量種別

適用される排出係数

カーボンフットプリント種別

固定資産排出源

固定資産によるエネルギー使用量

その他の排出係数

電力排出係数

冷媒排出係数

固定資産のカーボンフットプリント

固定資産のカーボンフットプリント項目 (電力)

車両の排出源

車両によるエネルギー使用量

その他の排出係数

電力排出係数

冷媒排出係数

固定資産のカーボンフットプリント

固定資産のカーボンフットプリント項目 (ディーゼル)

車両の排出源

車両によるエネルギー使用量

その他の排出係数

車両のカーボンフットプリント

Net Zero Cloud のすべての資産関連レコードの関係を表すフローチャート。

メモ

スコープ 3 活動の排出源、エネルギー使用量、カーボンフットプリントの間の関係を理解するには、「Carbon Accounting for Scope 3 with Net Zero Cloud (Net Zero Cloud でのスコープ 3 のカーボンアカウンティング)」を参照してください。

次の単元では、固定資産排出源と固定資産によるエネルギー使用量について学習します。

リソース

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