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ユニバーサルプロセス表記 (UPN) を理解する

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • ユニバーサルプロセス表記 (UPN) について説明する。
  • UPN を使用して作成されるビジネスプロセスマップの構成要素を挙げる。

UPN の概要

ビジネスプロセスマッピングをさらに掘り下げてみましょう。 

ビジネス分析が Salesforce プロフェッショナルの業務の一環として重要であることはわかりました。当然のことながらビジネス分析の結果はドキュメント化する必要があります。そこで登場するのがビジネスプロセスマップです。ビジネスプロセスマップによって全員の認識を統一し、改善のためのベースラインを形成できます。百聞は一見にしかずというとおり、長い説明を聞くよりも適切なビジネスプロセスマップを見れば一目瞭然です。 

ビジネスプロセスをドキュメント化するにはいくつかの方法があります。フロー図、フローチャート、統一モデリング言語 (UML) 図、バリューストリームマップ、ビジネスプロセスモデリング表記法 (BPMN)、SIPOC (供給者、インプット、プロセス、アウトプット、顧客の略) といった言葉を聞いたことがあるかもしれません。非常にシンプルなものから非常に複雑なものまで幅広い手法があります。たとえば BPMN のユーザーマニュアルは 538 ページもあります。  

このモジュールでは、ユニバーサルプロセス表記 (UPN) を使用します。UPN はシンプルで魅力的な図表記法で、さまざまな業種、規模の会社でどのような複雑度のプロセスにも適用できます。フローチャートの作成に慣れている場合、新しい表記法を学習する意味がないと思われるかもしれませんが、UPN には多くのメリットがあります。 

UPN には次のような特長があります。 

  • 最上位レベルの概要から実行可能な詳細図まで、あらゆるレベルのプロセスをカプセル化できる。
  • オンラインで表示することができ、アプリケーション内に組み込むことができる。
  • 共同で作成できる。
  • 範囲を幅広くまたは狭く設定できる。
  • 規制やコンプライアンスに関する考慮事項に対応できる。
  • 総計値や管理上の意思決定に関するコンテキストを提供できる。

フローチャートとプロセスマップの比較

次のフローチャートは比較的シンプルなプロセスを表したものです。異なる色の記号、矢印、スイムレーンが使用されています。  

顧客のサポート要求またはエラー報告から始まり、要求を解決するプロセスを表した一般的なフローチャート

次に UPN を使用した図で同じプロセスを見てみましょう。よりコンパクトで (記号が少ない)、あいまいさが低く、左から右に読むことができます。 

左側の不満がある顧客 (入力) から始まり、右側の満足した顧客 (結果) で終わる同じプロセスを表した UPN マップ

UPN を使用してプロセスをマップに表すと、「誰が何を、いつ、なぜ、どのように行う必要があるか」という質問への答えが一目でわかります。 

UPN の詳細

上の図を詳しく見てみましょう。 

左側の不満がある顧客 (入力) から始まり、右側の満足した顧客 (結果) で終わる上と同じ UPN マップにコールアウトが付けられたもの

  1. 活動ボックス: 各活動ボックスには動詞フレーズの表示ラベルが付いています。
  2. リソース: 各活動ボックス内のリソースは「誰が」を指定します。リソースには RACI (responsible: 実行責任者、accountable: 説明責任者、consulted: 協業先、informed: 報告先) のタグが付けられます。チームによっては RASCI モデルを使用して「supporting: サポート」を行う人を示す場合もあります。
  3. テキスト付きの線: すべての活動ボックスはテキスト付きの線によって別の活動ボックスに接続されています。この線はステップ間の引継ぎを表します。
  4. 添付ファイル: 添付ファイルはプロセスのコンテキストでのドキュメント、メタデータ、総計値を提供するものです。
  5. 決定: 1 つの活動ボックスからフローを説明するテキストが付いた複数の線が出ている場合は、決定を表しています。これによって図が簡略化されます。
  6. ドリルダウン: 活動ボックスは下位レベルの図にドリルダウンできます。

図は活動ボックスで構成されています。各ボックスは、何かが行われる方法、タイミング、理由を示しています。ドリルダウンしたり、コンテキストのために添付ファイルを追加することもできます。 

どのように、いつ、何を、誰が、なぜを示す一般的な活動ボックス。

上のプロセスマップからの具体的な例を見ていきましょう。 

上の UPN マップの例からの活動ボックスにアノテーションが付いたもの

初めに目に入るのは「誰が」「何を」です。テクニカルサポートエージェント (1) がテクニカルサポート要求 (2) を解決しています。エージェントには R と A のタグ (3) が付けられています。これは、エージェントがこの活動の実行責任者であり説明責任者であることを示しています。クリップ (4) はこの活動に追加リソースがあることを示しています。この場合はサポートサイトとテクニカルサポートスクリプトです。反対側の隅の影 (5) はこの活動について次のレベルの詳細にドリルダウンできることを示しています。最後にこのボックスに入る矢印とこのボックスから出る矢印は、この活動につながる活動と、活動が実行された後に行われる活動を示しています。  

プロセスマップは階層型の図であるため、ドリルダウンして詳細を表示することができます。そのため、各図を 8 ~ 10 個のボックスに保ちつつ、広範囲なプロセスや複雑なプロセスを表すことができます。ドリルダウンできるレベル数に制限はありません。

UPN を使用してビジネスプロセスマップを作成するときには、次の原則を考慮します。 

  • 画面に表示される活動ボックスが 8 ~ 10 個を超えないようにする。
  • 活動ボックスから、より詳細なレベルにドリルダウンできる。
  • 活動ボックスに補助情報を添付できる。
  • アクセス権によって図を表示できるユーザーと編集できるユーザーが決まる。
  • 図レベルで変更履歴を参照できる。

優れたプロセス図を作成するのは難しいことではありません。表記法に従い、3 つの質問を自問してマップを作成するだけです。次の単元では、どのような質問が適切かについて説明します。 

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