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顧客の支持者

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • 1 つのチームで作業していても、組織全体を考慮することが重要な理由を説明する。
  • 何の疑問も抱かずに指示に従うことの危険性を認識する。
  • ソリューションを徹底的にテストすることの利点を説明する。

見張り役として

プロジェクトに携わるビジネスアナリストは、おそらく組織のほとんどの人よりも顧客のプロセスに精通していくことになります。そのため、顧客が何を実現したいのかを誰よりもよく理解できます。同時に、プロジェクトでソリューションを提供する担当者とも緊密に連絡を取り合うことになります。こうして、ビジネスアナリストは顧客の支持者として最適な存在になるのです。また、ベストソリューションに向けて双方を導きながら、顧客の利益にならないようなことが起きたときには介入することができます。時には、顧客が最大の敵になることもあります。この単元では、顧客の成功を脅かす脅威から顧客を守ることができる方法をいくつか詳しく見ていきます。

組織全体の考慮

顧客にとって、ビジネスのある分野に焦点を絞ってプロジェクトを開始することはごく一般的なことです。これは、最大の利益を得られる場所に投資できるように行われるものです。同時に、顧客は新しい商品やパートナーを試験的に導入して、見通しを立てることもあります。厄介なのは、1 つのビジネスユニットをあたかも唯一の存在であるかのように扱ってしまいがちなことです。ですが、実際には、最初のチームの 1 つのプロジェクトで行われたことは、他のチームに大きく影響することがあります。また、最初のプロジェクトによって、2 番目のチームがそのチームのプロジェクトで実行できることが制限されることにもなりかねません。

顧客の支持者として、あなたは常に組織全体のことを考慮する必要があります。他のチームが最初のプロジェクトの影響を受けそうなときは、そのチームを議論に参加させる機会を設けるように配慮してください。他のチームにも共通のビジネスニーズがあることがわかれば、それに基づいて計画を立てることができます。そうしないと、後続の各プロジェクトで多くの作業をやり直すことになるかもしれません。また、元のプロジェクトで行ったことさえもやり直す必要があるかもしれません。

ソリューションを構築する際、参加者が増えると管理がより困難になることは間違いありません。チーム間で要件や優先順位が相反することがあるかもしれません。そのような場合、両方が成り立つことは不可能であることを忘れないでください。顧客の組織の誰かが選択しなければなりません。先に進む前に、選択してもらいます。そうでないと、自分たちを優先してくれなかったと失望する人が出てくる可能性があります。

Salesforce がソリューションの一部である場合、組織全体を考慮することが特に重要です。というのも、Salesforce にビジネスの他の部分と適切に連携する製品がある可能性が高いためです。これは、Einstein 1 の背景にある全体的な考え方であり、Salesforce がいかに顧客に関連するあらゆるものの共通プラットフォームとなり得るかということです。

詳細の確認

昔々あるところに、大家族の集まりのためにお父さんがロースト肉を料理するのを見ている男の子がいました。お父さんはロースト肉の両端を切り落としてから鍋に入れました。「どうして端を切るの?」と男の子は尋ねました。「おばあちゃんからそう教わったんだよ。なぜそうするのかは、おばあちゃんに聞いてごらん」。男の子はおばあちゃんを見つけて、「どうしてローストの両端を切ってから鍋に入れるの?」と尋ねました。おばあちゃんは、「あなたのひいおばあちゃんがそうしていたからよ。ひいおばあちゃんに聞いてみて」と言いました。そこで男の子はひいおばあちゃんを見つけ、なぜ鍋に入れる前にローストの両端を切り落とすのかと尋ねると、ひいおばあちゃんは「鍋が小さすぎたからよ」と答えました。

この男の子は単に好奇心から尋ねていただけですが、実はビジネスアナリストのたまごです。このたわいもない話は、「なぜ?」と問うことの重要性を示しています。ある日突然、顧客がやってきて、ビジネスプロセスの一環として、ロースト肉の端を切り落す必要があるとあなたに指示するということになるからです。このとき、何の疑問も持たずにその指示に従ってしまうのは間違いです。あなたはプロセスの各ステップがなぜ重要なのかを説明できなければなりません。ただ指示を受け入れることは、後で誰かに発見されるような小さな罠を仕掛けるようなものです。その誰かとは、顧客かもしれないし、プロジェクトの次のフェーズにいるあなたかもしれません。そのため、たとえ顧客がどうしてもこの方法でやりたいと譲らなくても、きちんと説明してもらってください。「なぜ」なのかを知り、またその要求の背後に危険が潜んでいないことを確認する必要があります。

ビジネス要件を満たすソリューションの構築に着手する際には、与えられた問題を解決するためのさまざまな方法を調査するように努めてください。多くの場合、実行可能なソリューションは複数あり、それぞれに長所と短所があります。コミュニティフォーラムに質問を投稿したり、ローカルユーザーグループに問いかけてみたりすることも必要かもしれません。いずれにせよ、孤立した状態でソリューションを構築しないようにしましょう。どのソリューションが顧客のニーズに最も適しているかを議論できるように、顧客に選択肢を提示します。何が機能するのかを超えて、何がベストであるかを追求することが、支持者としての真の証なのです。

徹底的なテストの実施

顧客のために防衛策を講じるもう 1 つの方法は、一般にリリースする前にソリューションを徹底的な実地テストを行うことです。優れたテスターであるためには、創造力を発揮する必要があります。完璧な世界で誰もが辿るであろう、理想的で期待される道筋をテストするだけではいけません。ソリューションを分解して、小さな亀裂を見つけ、普通のユーザーがつまずくような例外的な状況を見つけてください。

多くの場合、新しいユーザーのように考えるのは難しいものです。ソリューションが構築された時点で、あなたはそのソリューションについてすべてを把握しているからです。そこで、何も説明せずに、ソリューションを試してみたいというボランティアを見つけ、行動をただ観察します。ボランティアが苦労している様子を目にしたら、それはすべてソリューションを改善するチャンスであるか、少なくともトレーニング中にその対応策を計画するチャンスになります。

新しい機能をテストすると同時に、変更されていないはずの既存の関連機能も必ずテストします。システム同士が相互に接続されている場合、1 本の糸を引っ張ると、他のものも所定の場所からずれてしまうことがあります。関連するものが何も壊れていないことを確認するために時間をかけることは、責任ある行動です。このような徹底的なテストを行うことにより、顧客は確かなソリューションが提供されると確信することができます。

顧客の一番の味方として、不可解なプロセスを疑い、プロジェクトの最初からチームが協力し合うようにすることで、顧客をバグから守るだけでなく、顧客を顧客自身から守ることもできます。

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