フローオーケストレーションのビジネス用途を挙げる
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- フローオーケストレーションを使用してプロセスを自動化するメリットを挙げる。
- 2 種類のオーケストレーションを挙げる。
- オーケストレーションのビルディングブロックを挙げる。
- フローオーケストレーションのビジネス用途を特定する。
始める前に
このモジュールは、Salesforce の複雑なカスタマイズ機能に精通し、フローの使用経験がある中級の Salesforce システム管理者を対象としています。このバッジに取り組む前に、「フローの基本」バッジと「フローオーケストレーションの基本」バッジを修了することをお勧めします。
復習
フローオーケストレーションでは、複数の自動フローが 1 つのワークフローにまとめられ、フロー間の相互作用が可能になるような方法で配置され結合されます。オーケストラの指揮者の指示に従って演奏家が音楽を奏でるような感じです。コード不要のこのツールによって各フローがプロセスのステップになり、フェーズとしてまとめられます。
この結果、承認プロセスを柔軟に作成したり、Salesforce ユーザーに作業を効率的に割り当てたり、レコードライフサイクルを細かく管理することが可能になります。プロセス間の遅延が緩和され、さまざまなチームの業務が促進されます。フローオーケストレーションを使用すれば、次のことが可能になります。
- 段階的な活動を連携させる。
- ハンドオフの時点をチームメンバーに明示する。
- 作業ストリームを並列処理する。
- 自動アクションと手作業を組み合わせる。
- プロセスと関連付けられている作業項目を監視する。
オーケストレーションタイプ
フローオーケストレーションは「自動起動」と「レコードトリガー」の 2 つに大別されます。両者の違いは、どのようにトリガーされるかです。レコードトリガーオーケストレーションは、指定したレコードタイプが作成または更新されるたびに実行されます。自動起動オーケストレーションは、カスタム Apex クラス、REST API、カスタム URL を使用して呼び出します。
ビルディングブロック
オーケストレーションはフェーズ、ステップ、フローの 3 つのビルディングブロックを使用して構築します。
フェーズ
オーケストレーションにはフェーズが少なくとも 1 つ必要です。フェーズには、関連するアクションとステップがグループ化されます。ステップが対話型タスクであることもあれば、バックグラウンドタスクである場合もあります。実行できるフェーズは一度に 1 つのみです。各フェーズに終了条件を設定すると、その条件が満たされた場合にのみ完了と見なされます。フェーズが完了した時点を明確にするには、終了条件を選択します。
ステップ
フェーズ内でステップがグループ化され、順次または同時に実行されます。対話型ステップはユーザー操作を要しますが、バックグラウンドステップには必要ありません。
フロー
どのステップも実行するためにはフローが必要です。対話型ステップは画面フローで実行され、バックグラウンドステップは自動起動フローで実行されます。評価フローを使用して、ステップを開始したり、対話型ステップを完了とマークしたりすることができます。
作業項目
オーケストレーションの対話型ステップが実行されると、作業項目が作成され、ユーザー、グループ、キューに割り当てられます。続いて、割り当てられたユーザー全員に、指定されたレコードページへのリンクが記載されたメールが送信されます。作業項目は、オーケストレーション作業ガイドで処理します。
その他の要素とリソース
フローの場合と同様に、オーケストレーションにも決定要素とコネクタがあります。
決定要素は、条件を満たしているかどうかをチェックし、その結果に基づいてユーザーをオーケストレーションのパスに振り分けます。この要素は、開発者が if-then ステートメントと呼ぶ機能を実行します。(IF) 何かが true の場合は、(THEN) アクションを実行し、(ELSE) それ以外の場合は他の何かが true かどうかをチェックします。
コネクタは、実行時にオーケストレーションで選択可能なパスを定義します。決定要素の条件を満たしたかどうかによって、どのパスを進むかが決まります。
メリット
フローオーケストレーターとその潜在的な用途について説明しました。次は、この機能を実装した場合のメリットについて説明します。
- 効率性と生産性の向上: 作業ストリームが並行処理されるため、作業から通知までの時間が短縮されます。作業の割り当てを自動化すれば、作業依頼が適切なユーザーに割り当てられるため、ユーザーが各自に割り当てられたすべての作業を効率的に遂行して追跡できます。
- エラーの軽減と時間の節約: ユーザーがツールの切り替えに手間取ることなく割り当て済みの作業を完了できるため、不正確なデータや欠損データが生じる可能性が減少します。
- 顧客や従業員の満足度の向上: 監視ツールにより、チームが問題解決に積極的に取り組むようになります。さらに、迅速かつ効率的に行動するために必要な可視性が実現します。
一緒にトレイルを進みましょう
エキスパートの説明を見ながらこのステップを実行したい場合は、次の動画をご覧ください。これは「Trail Together」(一緒にトレイル) シリーズの一部です。
ユースケース
フローオーケストレーションは、業界のニーズやビジネス目標に応じて調整できます。この使用例を簡単にご紹介します。
ユースケース: フローオーケストレーションを使用したインシデント管理の自動化
サービスエージェントとオペレーションチームが、インシデントの発生に伴ってケースが急激に増加した場合の対応計画を作成しておきます。インシデントの発生時、オペレーションチームはエンジニアリングチームと協力して根本原因を調査し、マーケティングチームと連携してお客様に連絡し、コンプライアンスを維持するための対策を模索することができます。インシデントの原因調査を進めると同時に作業ストリームを並行処理できるため、解決までの時間が短縮されます。
ユースケース: フローオーケストレーションを使用した営業サイクルの体系化
リードから見込み客を経てお客様へと変化していく過程の複雑な作業ストリームを合理化します。こうした作業ストリームに、見込み調査、適格性審査、評価、提案、見積、クライアントの承認、商談成立、契約遂行などが盛り込まれていることが考えられます。販売、取引先管理、注文履行、請求、売掛金勘定などの業務を自動化するオーケストレーションを構築します。さらに、チーム間のハンドオフを自動化すれば、作業ストリームが適切な順序で進行するほか、タスク間の遅延が緩和します。
ユースケース: フローオーケストレーションを使用した住宅ローンの承認管理
住宅ローンの申し込み、処理、引受のプロセスを自動化します。権原会社から追加書類を取り寄せている間に担当者が査定を進めるといった並行処理が可能になります。
複数のロールや業務が関与するビジネスプロセスには、フローオーケストレーションが役立ちます!
あなたの会社のユーザーはどのような業務を並行処理していますか? そのプロセスを 1 つの効率的なワークフローにまとめて自動化したら、ユーザーがどれほど楽になるか考えてみてください。自動化するプロセスを見極めたら、次は計画を立てます。