在宅勤務の準備を整える
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- 自分、スペース、予算に合わせて自宅にワークスペースを作る。
- バーチャルワーク用の機器を最適に利用する。
在宅勤務
新型コロナウイルス (COVID-19) によって、世界中の人々の日常は劇的に変化しました。この危機が訪れる前、ほとんどの従業員はオフィスや別の専用作業施設に行って仕事をしていました。在宅勤務者の数は少なく、クラウドベースのツールとコミュニケーションテクノロジーを使用して同僚や顧客と協力していました。在宅勤務者を説明するのに、リモートや分散といった言葉が使用されていました。
突然、はるかに多くの従業員が自宅で働くことを余儀なくされています。世界では、全従業員が在宅勤務に転じた地域や会社があります。「リモート」や「分散」従業員はもう別のグループではありません。全従業員がリモートなのです。
カスタマーサポート担当者、不動産エージェント、営業担当者など、職務を問わず、初めて在宅勤務を試みている方もいるでしょう。
このモジュールの目的は、経験したことがないこの「ニューノーマル」(新しい常態) に対応するための実用的なヒントとガイダンスを提供することです。私たちの体験には共通点もありますが、このパンデミックによる影響は各個人で異なります。実際には、ここで説明する方法が誰にでも当てはまるわけではありません。どのガイダンスにも言えることですが、自分に該当するもほは取り入れ、そうでないものは無視していただいて構いません。
具体的には、次のことを学習します。
- 自宅にワークスペースを用意する方法
- リモート勤務のベストプラクティス
- 同僚とのつながりを保つ方法
では、ワークスペースの用意から始めましょう。
専用のワークスペースを見つける
在宅勤務をする場合、まずやるべきことの 1 つは作業環境を作ることです。人によって自宅の状況は異なります。専用の部屋を使用できる人も、リビングルームや寝室の一角に適当な場所を見つけなければならない人もいるでしょう。
自宅内でワークスペースの候補となる場所を見つけるときには、次のように自分に問いかけてください。
- ドアで遮断できる部屋が必要か?
- この場所で仕事をすると、Web カメラに何が映るか?
- 自宅のこの部分で十分なインターネットアクセスが可能か?
- 近くにコンセントはあるか?
- 直射日光によるスクリーンの映り込みで眼が疲れないか?
- このスペースに仕事を妨げるものはあるか?
理想的とはいえない状況で、どうにか仕事ができるようにする場合もあるでしょう。選んだ場所が共有スペースの場合、プライバシーを確保して邪魔されずに仕事ができる時間をどうスケジュールするか、他の部屋使用者との交渉が必要になるかもしれません。
在宅勤務環境を最適化する
ワークスペースができたら、次にすることは、以下の推奨される機器のセットアップです。
- マイク付きヘッドフォン
- スマートフォンまたはオンライン電話サービス
- インターネット接続 (オンラインミーティングには通常 25 Mbps 以上を推奨、50 Mbps であればさらに安定します)
- 人間工学を考慮した必需品
ラップトップのマイクで間に合わせることもできますが、音質が悪く、背景雑音を拾ってしまうため、バーチャルミーティングがしづらくなる可能性があります。ミーティングの相手側では反響音が聞こえることもあります。マイク付きヘッドセットを使用することを強くお勧めします。
最も避けたいタイミング (ミーティング中など) でインターネットが停止した場合、スマートフォンは優れたバックアップになります。このような場合は通常、スマートフォンを使用してミーティングに再接続できます。
人間工学に注意を払う
痛みを避けるには、次の簡単な人間工学的ヒントに従ってください。まず、適切な高さのしっかりしたデスクやテーブルを用意します。次に、よい姿勢を保てる調整可能な椅子に投資します。最後に、予算が許せば、外部モニター、キーボード、マウスなどの重要な周辺機器を揃えます。快適かつ安全に仕事ができるようにするためのワークスペースの準備と調整についての詳細なヒントは、「リソース」セクションを参照してください。
理想とはいえない状況に対処する
ときには、頑張ってすべてを慎重に準備しても、思いどおりにいかないことがあります。Wi-Fi 接続が切れて、重要なミーティングから脱落する。電話中に同居する誰か (おそらく子供やペット) がワークスペースに入ってくる。他の部屋から聞こえる雑音で集中できない。Web カメラに映る共有スペースが少し散らかっている。1 日中、同居人と何をどちらがやるかを交渉しつつ、担当する仕事もやりくりしなければならない、などの状況が考えられます。
これは新しい状況であり、最善を尽くして対応しなければならないと自分に言い聞かせましょう。他の人も同じような状況にあるのです。この新しい現実を利用して、自分自身と他者に思いやりを示しましょう。私たちみんなが適応中なので、同僚や顧客との共通点が見つかったり、面白いことが起きて一緒に笑ったりすることがあるかもしれません。
低品質のインターネット接続をトラブルシューティングする
在宅勤務者が直面する最もよくある問題の 1 つは、インターネット接続の品質低下です。ミーティング中に帯域幅が不足した場合、次の操作を行ってください。
- Web カメラをオフにする。
- ブラウザーで不要なウィンドウを閉じる。
- 使用していないソフトウェアアプリケーションを一時的にオフにする。
- 大きなファイルのダウンロードなど、処理負荷の高いアクティビティをキャンセルする。
- ルーターの近くに移動する。
上記のいずれでも解決しない場合は、スマートフォンを使用して再接続し、ミーティングに復帰します。
在宅勤務に適応する
ワークスペースが用意できたので、仕事を開始できます。よいスタートを切るには、いくつかのベストプラクティスが役立ちます。
習慣 1: 服装を整える
在宅勤務が初めての場合は、パジャマで過ごしたいという衝動を抑えてください。オフィスに向かうように、朝の日課を行います。朝食を作り、よい気分になるものを身に付け、朝の儀式に従います。いつもの日課を守ると落ち着いた状態を保ちやすくなるため、その日の仕事を始めるころには、いつもの自分になることができます。
習慣 2: 適切なリモートミーティングエチケットを守る
バーチャルミーティングに慣れていない場合は、次のヒントに従いましょう。
- Web カメラをオンにする: Web カメラをオンにして他の参加者から自分が見えるようにします。これにより、向かい合ってコミュニケーションし、つながりを維持できます。ただし、インターネット接続が遅い場合は、Web カメラをオフにして帯域幅を解放します。その場合は、同僚に接続を改善するためにカメラをオフにしていると説明してください。
- マイクをオフにする: 自分が話していないときは自分自身をミュートします。背景雑音があると、聞きづらくなることがあります。
- 話を遮らない: 一般に、互いの話をしっかりと聞く必要があります。話を遮ってはいけません。バーチャルミーティングでは、これは特に重要です。2 人の人が話すと、どちらの声も聞こえなくなるからです。
- 雑談を制限する: 上記と同様に、バーチャルミーティングで複数の人が話すと、誰の声も聞こえなくなります。話すのは一度に 1 人にします。
習慣 3: 忘れずに休憩を取る
在宅勤務をしていると、つい椅子に座ったきりになりがちです。気が付かないかもしれませんが、オフィスにいれば自然に発生する休憩や中断がほとんどなくなります。集中するにはよいことですが、他のこと、たとえば、精神状態、エネルギー、長期的な集中力、身体的健康などにとってはよくありません。
そこで、精神的、身体的にリフレッシュできるようなことをしましょう。定期的に小休止を促すアプリケーションを使用しても、ストレッチをするだけでもよいでしょう。もっとよいのは、休憩を 1 日の予定に組み込むことです。
たとえば、カレンダーで毎日正午に自分のランチの時間を確保してスケジュールします。1 日の終わりには、散歩をして、自分自身に勤務時間が終わり個人の時間が始まる合図をします。
仕事の準備はできましたか?
オフィスの準備ができ、身だしなみと成功する態勢を整え、休憩を設定しました。次は、全員が在宅勤務だとしても、強力なバーチャルプレゼンスを築き、チームと効果的に連携する方法について説明します。