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プロジェクトのパフォーマンスの管理

学習の目的

 この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • プロジェクトのパフォーマンスを評価する。
  • プロジェクトのパフォーマンスをスポンサーとステークホルダーに報告する。

私たちは成功しているのか? どのくらいの時間が残されているのか?

「Project Status (プロジェクトの状況)」というラベルと疑問符が表示されているスコアボード。

チームスポーツで面白いことの 1 つは、予測のつかない展開にハラハラドキドキすることです。アスリートはトレーニングに励み、コーチはゲームプランを考えます。それでも、スコアボードを見ているファンが大喜びすることに、試合の日にはどんなことでも起こり得ます。

プロジェクトマネージャーはハラハラと気を揉むことを嫌います。その代わり、プロジェクトのスコアボードを監視して、プロジェクト計画がどの程度適切に実行されているか、どのような修正アクションが必要かを判断することを好みます。

まず、プロジェクトマネージャーは、どの情報を誰にいつどのように配布する必要があるかを明確に定義するために、プロジェクトの開始時にステークホルダーからパフォーマンスレポートの要件を収集して文書化します。

次に、プロジェクトマネージャーは通常、プロジェクト状況ミーティングと報告書の配布を通じてパフォーマンスを報告します。Walden University が説明するように、プロジェクトのパフォーマンスレポートは包括的で、以下を含める必要があります。

  • プロジェクトタスクの状況
  • 報告期間における成果
  • 次の報告期間の計画
  • アーンドバリュー分析データ
  • 管理情報
  • 最新の問題、アクション項目、リスク

早い段階で厳しい話し合いをする

ほとんどのプロジェクトではどこかで少なからずパフォーマンスの問題が発生するものですが、プロジェクトが本当に困った状況に陥っているときには、主要なステークホルダーに早急に知らせる必要があります。それと同時に重要なのは、ステークホルダーがプロジェクトの方向性について情報に基づいた判断を下せるように、関連する事実を収集して分析することです。悪いニュースを伝えるのは決して楽しいことではありませんが、事実を提示し、可能な代替案や解決策を提案することが重要です。 

あなたは、どのようにして価値を伝え、プロジェクトが順調に進んでいるかどうかの核心に踏み込んでいますか?

何を測定するのか?

アーンドバリュー分析について説明します。ざっくりと言えば、プロジェクトコストに対して特定の時点で完了した作業の計算です。プロジェクトによっては、特にかなりのレベルの精度を必要とする建設やエンジニアリング業界では、分析が複雑になることがあります。最も一般的に使用される指標を定義しましょう。

  • 計画値 (PV): 特定の報告期間中にスケジュールされたプロジェクト作業に使用するために計画されたプロジェクト予算の金額。
  • 出来高 (EV): 特定の報告期間中に承認されたプロジェクト作業に実際に使用したプロジェクト予算の金額。
  • 実コスト (AC): 特定の報告期間中に完了したプロジェクト作業の合計コスト。
  • コスト差異 (CV): 特定の報告期間中に完了した作業の予想コストと実コストの差。
  • スケジュール差異 (SV): 特定の報告期間中にスケジュールされたプロジェクト作業と実際に完了したプロジェクト作業の差。
  • コスト効率指数 (CPI): 特定の報告期間中にプロジェクトがコストの期待を満たしている割合。
  • スケジュール効率指数 (SPI): 特定の報告期間中にプロジェクトがスケジュールの期待を満たしている割合。

どのように測定するのか?

アーンドバリュー計算は単純です。複雑なのは、指標の名前と頭字語、それぞれの意味、分析と結果を解釈する方法を学ぶことです。  

指標

計算

コスト差異 (CV) 

CV = EV-AC 

スケジュール差異 (SV) 

SV = EV-PV 

コスト効率指数 (CPI) 

CPI = EV/AC 

スケジュール効率指数 (SPI) 

SPI = EV/PV 

例を使って概念を説明していきましょう。

あなたの組織は、運動器具を収容するための小さな倉庫を建てるために業者を雇いました。このプロジェクトは 3 か月半かかると予想され、予算は $13,000 です。最初の 1 か月が経過し、順調に進んでいるようです。あなたはステークホルダーに報告できるように、コストとスケジュールに対するプロジェクトのパフォーマンスを知りたいと考えます。

最初にしなければならないのは、特定のデータポイント (計画値、出来高、実コスト) を収集することです。データをどこから入手するかは組織によって異なります。たとえば、会社にプロジェクト管理オフィス (PMO) がある場合、PMO がプロジェクトに関する情報をすべて管理している可能性があります。より可能性が高いのは、プロジェクトマネージャーがプロジェクト計画を管理していることです。  

収集したプロジェクトデータは次のとおりです。 

計画値 (PV)

出来高 (EV)

実コスト (AC)

$1,000  

$500  

$700  

$2,000  

$1,500  

$1,500  

$3,000  

$2,000  

$2,500  

$1,000  

$1,200  

$1,300  

合計 

$7,000

$5,200

$6,000 

何を意味するのか?

プロジェクトのステークホルダーが常に知りたいことは、プロジェクトが予定どおりに進んでいるかどうかと、予算内に収まっているかどうかの 2 つです。そこで次の数式が使用されます。 

  • コスト差異 (CV) = 出来高 (EV) – 実コスト (AC)
    • 倉庫プロジェクトの場合: CV = $5,200 – $6,000 = ($800)

  • スケジュール差異 (SV) = 出来高 (EV) – 計画値 (PV)
    • 倉庫プロジェクトの場合: SV = $5,200 – $7,000 = ($1,800)

 どちらの計算でもマイナスの差異が生じため、ステークホルダーはその理由を知りたがるでしょう。コスト効率指数とスケジュール効率指数からその答えがわかる場合があります。 

  • コスト効率指数 (CPI) = 出来高 (EV)/実コスト (AC)
    • 倉庫プロジェクトの場合: CPI = $5,200/$6,000 = 0.87

  • スケジュール効率指数 (SPI) = 出来高 (EV)/計画値 (PV)
    • 倉庫プロジェクトの場合: SPI = $5,200/$7,000 = 0.74

データを収集して計算をしました。プロジェクトのパフォーマンスについて何がわかるでしょうか?  

  • コスト差異はマイナスであるため、プロジェクトは予算を超過しています。
  • スケジュール差異はマイナスであるため、プロジェクトはスケジュールより遅れています。
  • スケジュール効率指数が 1.0 未満ということは、実行された作業が計画よりも少ないことを意味します。
  • コスト効率指数が 1.0 未満ということは、プロジェクトに予算超過があることを意味します。

見たところ、このプロジェクトは困った状況にあります。この場合、プロジェクトのスポンサーと主要なステークホルダーにプロジェクトの方向性について判断を仰ぐ必要があります。先ほども言いましたが、ステークホルダーに悪いニュースを伝えるのは決して容易なことではありません。それでも、ステークホルダーと協力してすべての活動を特定し、スケジュールとコストを計算し、リスクに対する計画を立てた後、チーム全体で認識が統一され、全員がプロジェクトを軌道に戻すことに集中しています。

業者と簡単なブレインストーミングセッションを行ってレベルを設定した後、プロジェクトは軌道に戻り、最後の数か月はスムーズに進行します。

重要なポイント

 このモジュールでは、プロジェクト管理についてたくさんのことを説明しました。次に重要なポイントをまとめました。 

  • プロジェクトマネージャーからチーム、ステークホルダーまで、プロジェクトに関わる全員が、範囲、スケジュール、コストを作成して合意する責任があります。プロジェクトはチームの活動です。
  • 範囲、スケジュール、コストはすべて相互に影響します。プロジェクトマネージャーは、スコープクリープを回避し、プロセスのスケジュールとコストを守るために、明確に定義された計画を使用できます。
  • リスクは、リスクレジスターで早い段階で特定し、プロジェクトを進行しながら継続的に見直して更新する必要があります。
  • プロジェクトのパフォーマンスレポートで提示されたアーンドバリュー指標から、ステークホルダーはプロジェクトが予定どおりに予算内で進んでいるかどうかを把握できます。

リスクと問題は、プロジェクトのライフサイクルにつきものです。全員がプロジェクト計画で認識を統一し、制約とリスクを明確に把握し、定期的にパフォーマンスに関する最新情報を提供することで、難しい話し合いの生産性を高めることができます。次のプロジェクトがスムーズに進むことをお祈りしています。

もっと詳しく知りたい

このトレイルのモジュールは、プロジェクト管理の基本を紹介するために Walden University との提携の下に制作されています。さらに知識を深めたい方は、Walden University の MBA Project Management 専攻コースや同大学の School of Lifelong Learning の各種コースをご検討ください。

リソース

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