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要件の収集

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。  

  • プロジェクトの範囲を定義する。
  • ニーズ、ウォンツ、期待の違いを説明する。
  • スコープクリープを認識して回避する。
  • 範囲定義が時間とコストにどのように影響するかを説明する。
メモ

このモジュールは Walden University の協力の下で作成されています。

始める前に

このモジュールを受講する前に、「プロジェクト管理の基本」を修了している必要があります。ここでの学習は、そのバッジで学ぶ概念に基づいて行います。 

Walden University について

プロジェクト管理に関するこの Trailhead トレイルは、Walden University の協力の下で作成されています。Walden University は、働くプロフェッショナルの学業ニーズを支援する目的で 1970 年に設立された認可大学です。早くからオンラインプログラムの提供を開始し、現在も教育の形を進化させながら、柔軟性、支援、トップレベルの教育を学生に提供する新たな方法を見出しています。  

このトレイルでは、プロジェクトマネージャーが歩む道を共に辿りながら、プロジェクトマネージャーの役割の理解を深め、実践的なプロジェクト管理ツールを学び、実際の例にアプローチを適用していきます。各自の業務にすぐに応用できるスキルや知識も紹介します。

それでは始めましょう。

プロジェクトジャーニーを計画する

チェックボックス、目的地、目標を含む道のりで表されたプロジェクトジャーニー

Walden University は、プロジェクトは旅のようなものだと言います。  

目的地は、スポンサーや主要なステークホルダーによって定義されたとおりに、期待される成果 (プロジェクトの結果) をもたらすことです。目的地をどのようにして決めますか? 目的地にはどのようにして到達しますか? 目的地に到達したかどうかをどのように判断しますか? プロジェクト管理という観点からジャーニーを計画する必要があります。それはプロジェクトの範囲の計画から始まります。 

作業を定義する

プロジェクトの範囲では、期待される成果 (プロジェクトの結果) をもたらすために行う必要があるすべての作業を定義します。スポンサーや主要なステークホルダーから提供されるプロジェクト要件に基づき、プロジェクトに含まれる内容と含まれない内容を詳細に記述します。 

従来のプロジェクト管理では、プロジェクトの開始前にプロジェクトの範囲全体が定義されます。アジャイル方式では、要件と範囲の定義と改善が継続的に行われる反復型アプローチが使用されます。使用する方式に関係なく、プロジェクトチームはステークホルダーの要件とその要件がプロジェクトの全範囲にどのように適用されるかを理解することが重要です。

範囲計画は、プロジェクトチームと主要なステークホルダーによって行われる共同作業です。ミーティングを行い、プロジェクトの要件を定義、討議、文書化します。最終的に、要件について全員の意見が一致する必要があります。また、要件は、プロジェクトの成果物について誤解がないように、しっかりと詳細に定義されている必要があります。

範囲はプロジェクトマネージャーの主要な情報源となるため、範囲計画は極めて重要な作業で、スケジュールとコストの見積を作成するのに役立ちます。範囲計画は、プロジェクトパフォーマンス測定の重要な要素でもあります。

何が必要ですか?

ステークホルダーの要件収集は簡単にいかないことがあります。ステークホルダー自身が、何が必要なのか、何が欲しいのか、何を期待しているのかをはっきりとわかっていない場合や、要件をうまく説明できない場合があります。プロジェクトチームは、ニーズ、ウォンツ、期待にカテゴリ分けすることで、要件を明確化して優先順位を付ける手助けをします。

ニーズは必須の要件です。これは含める必要がある成果物の機能です。この必須要件に基づいてプロジェクト範囲の初期定義が行われ、最優先事項となります。

ウォンツは望ましい要件です。ウォンツは、絶対必要ではないにしても、ステークホルダーが含めてほしいと望む特定の機能です。プロジェクトの範囲に欲しい機能をすべてを含めることにステークホルダーが固執する場合がありますが、範囲が大きくなりすぎると、このような要件の一部は交渉によって削られたり、先延ばしされることがあります。

期待はステークホルダーのビジョンを表します。期待には、ステークホルダーが期待する成果物の機能やビジネス価値の実現方法と時期が含まれます。ステークホルダーの期待を把握することが難しい場合もありますが、プロジェクトチームはこれを行うことが重要です。ステークホルダーの期待に関連する要件を収集することにより、必須または望ましい要件が増える場合があります。

枠の中で考える

箱の中に「Browser compatibility (ブラウザーの互換性)」と「Payment processing (支払処理)」、箱の外に「Mobile App (モバイルアプリ)」と「Customer service chat app (カスタマーサービスチャットアプリ)」というアイコンがあるプロジェクト範囲。

ドライブ旅行で何度も迂回していると普通はどうなりますか? 時間がかかり、出費が増え、途中で道に迷ってしまうことさえあるかもしれません。プロジェクトマネージャーにも同様の結末が待ち受けています。プロジェクトでの迂回はスコープクリープにつながります。

スコープクリープはプロジェクトが失敗する主な原因です。これは承認を得ずに許可されていない変更が含まれた場合に発生します。従来のプロジェクト管理方法では範囲設定後に変更することを避けます。変更を行うには、レビューと承認を行う正式な変更管理プロセスが必要です。アジャイル方式では要件は変更されるものとして管理します。ただし、無制限に変更を許すとコストが高くなり、タイムラインが長くなります。

プロジェクトマネージャーがスコープクリープを回避するにはどうしたらよいでしょうか? 旅行者と同様に、コースから逸れないことです。

プロジェクトチームは、プロジェクトの範囲に含まれているものと含まれていないものをステークホルダーが理解していることを確認する必要があります。プロジェクトマネージャーが使用する手法の 1 つでは、ホワイトボードに 1 つの枠を描きます。ステークホルダーによる要件の説明を聞きながら、範囲に含める要件をこの枠の中に書き込んでいきます。範囲に含めない要件は枠の外側に書き込みます。この視覚的手法は、プロジェクトの範囲を確認し、プロジェクトの実行時にステークホルダーの期待を管理するために非常に効果的です。

枠の中にないものは範囲に含まれていません。

範囲とパフォーマンス: プロジェクトジャーニー上のランドマーク

範囲、スケジュール、コストは、しばしばトリプル制約と呼ばれます。プロジェクトを納期どおりに予算内で完了し、顧客の要件を満たすには、この制約を管理することが重要です。範囲の変更は、プロジェクトスケジュールとコストに影響します。同じように、スケジュールや予算の変更は範囲に影響します。このバランスが大切です。

次の例を見てみましょう。

ある組織が新しいアプリケーションを実装しています。計画フェーズで重大な要件の見落としがあり、プロジェクトの範囲に追加する必要があるとスポンサーが発表したとき、実行はかなり進行していました。

計画されたスケジュールとコストにどう影響するでしょうか? どちらかを変更しなければなりません。スケジュールが固定されている場合はリソースを追加するしかありませんが、そうするとプロジェクトのコストが増加します。コストが固定されている場合は見落とされた要件を先送りするしかありません。

プロジェクトの範囲を適切に管理することで、プロジェクトマネージャーは予算超過または遅延の危険を回避しながら、プロジェクトジャーニーがどこに向かっているかを全員が正確に把握できるようにします。次の単元では、Walden University が範囲とスケジュールについてさらに詳しく説明します。

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