データセットの粒度およびルックアップを使用する状況を理解する
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- データセット粒度の定義を保持して検証する。
- ルックアップや結合が作業に必要な状況を判断する。
前の単元で学習したように、ベースデータセットを用意して、クエリ、グラフ、基準 (行数など)、その他を含むデータセット分析のための粒度を保持することが重要です。重複する行や、誤解を招くような評価指標がないようにする必要があります。ダッシュボードウィジェットやスタンドアロンのレンズに入力するクエリの作成はシンプルにして、「グループ化」または繰り返し行の平均などの追加の集計が不要になるようにしてください。
粒度の保持が重要である理由
商談と取引先間のルックアップを試していく中で、複雑なクエリを使用しなくても、Jose と Candace がビジネスに必要な評価指標を自身で簡単に取得できることを確認できました。また、Jose と Candace は、取引先別の金額合計を含むダッシュボードウィジェットを表示しながら、その基準とディメンションを理解し、必要に応じて変更することもできます。Jose と Candace は、図 6 に示されているように、金額合計の評価指標が正しく表示されているように見えるため、この評価指標を信頼しています。
では、図 7 に示すように、商談とケースを使用して作成された左結合のデータセットを Candace に試してもらいましょう。
このデータセットにはすべての商談行が含まれていますが、ケースデータセットの行と複数一致するため、いくつかの行が繰り返されています。営業がこのデータセットをプライマリの商談データセットとして使用すると、繰り返しの行があるため、取引先別の基本的な金額合計はそれほど単純には取得できません。繰り返しの行があるのは、ケースデータセットとの複数一致があるためです。たとえば、Candace がクエリを実行する場合、図 8 に示すように、平均金額を基準として使用し、商談名を使用した「グループ化」で、繰り返しの行の問題を克服するなどの調整を組み込む必要があります。
Candace のクエリに対する別のオプションは、比較テーブル式を作成することです。まず、AccountId でレコードをグループ化し、図 9 に示すように、金額合計基準を [商談] 名前に固有基準で割る計算を作成します。この計算が必要な理由を知るには、データセットを深く理解する必要があります。
ビジネスニーズに最適なソリューションを実行する
データセット作成者としての目的は、データを使用してビジネス ユーザーとダッシュボードデザイナーが作業できるようにすることです。すべての関係者に推奨されるアプローチは、ルックアップを使用してベースデータセットを作成し、データソースの接続とリンクされたダッシュボードを実装してダッシュボード上に複数のデータセットを配置することです。
たとえば、複数のデータセットおよび関連するダッシュボードが含まれているアプリケーションには、新しいダッシュボードのソースコンテンツが用意されています。ダッシュボードデザイナーは、アプリケーションのデータセットを新しいダッシュボードに結合するようにデータソースの接続を設定し、既存のダッシュボードコンテンツを新しいダッシュボードにリンクして活用することができます。また、データのブレンドや、SAQL クエリなどのより高度な機能を使用することもできます。ルックアップを使用して Einstein Discovery ストーリーで使用されるデータセットを作成する場合、データセットの粒度は一意で、繰り返しのないレベルにする必要があります。データセットの粒度レベルは重要であり、検証される必要があります。
次のシナリオに対応できるように、結合されたデータセットの作成を検討してください。
- 特定のビジネスクエリに対応するために、さまざまな結合シナリオを使用する。たとえば、すべての商談とケースが同じダッシュボードに表示されるように完全外部結合を設定します。ビジネスケースによって結合シナリオを決定し、その結果が正確であるか、設定どおりであるかを検証する必要があります。
- エンドユーザーがダッシュボードレンズの探索を禁止されている場合、ベースデータセットを新しいデータセットに結合し、ユーザーが特定の探索やインタラクションを作成するための独自のデータを使用できるようにする。
- 複数の大規模なデータセットが含まれているダッシュボードのパフォーマンスが低下している場合は、1 つの結合されたデータセットを活用する。ユーザーにとって、ダッシュボードに関連付けられている複数のデータセットではなく、1 つのデータセットにクエリを実行できるというメリットがあります。
まとめ
CRM Analytics を使用すると、ルックアップタスクと結合タスクを設定して、データセットを作成してマージすることができます。ビジネスケースや各アプローチは特定のユースケースで使用されるため、ビジネスケースを理解し、それぞれのアプローチの長所と短所を比較検討することが重要です。ルックアップベースのデータセットは、一意の行が維持されるため、簡単に探索できるという信頼性があります。結合には、特定の要件に合わせてデータセットを作成するための柔軟なオプションが用意されています。ルックアップと結合を集計や複数値ルックアップなど他のデータタスクで拡張することで、強力で充実したデータセットを実現できます。