給付申請を処理する
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- 給付申請を審査して受給資格をチェックする。
- 給付を割り当てて支給する。
- 状況の変化の報告と審査について説明する。
給付申請の審査
ここまでは、住民が給付ポータルで給付を見つけて申請する方法を見てきました。次は、公的機関側の職員が給付管理を使用して、申請審査を加速する方法に目を向けます。
Connor Tan は、Cosville 社会福祉局のケースワーカーです。日々、福祉局が実施する給付の申請を審査して、住民に受給資格があるかどうか判断しています。受給資格がある場合は、申請者に給付を割り当てて支給します。
これまで Connor やその同僚の審査担当者は、申請書類の山に丹念に目を通し、住民データを手動で入力したスプレッドシートで情報を探し回らなければなりませんでした。続いて、あらゆる詳細を、申請された給付の要件と照合する必要がありました。情報の不備を確認するために、Connor が住民に何度も電話またはメールで連絡しなければならないことも多々あります。決定の遅延や透明性の欠如によって住民は苛立ち、Connor はやるせない気持ちになっていました。
給付管理があれば、Connor が各申請者とその世帯の全体像を把握して、追加情報が必要な場合には申請を返送し、受給資格の自動計算を実行して、決定と支給額に関する詳細を申請者と共有することができます。
では、Connor が Jo の LIHEAP 給付の申請を審査するところを見てみましょう。
まず、公的機関の組織にログインし、審査待ちの申請のリストを確認します。Jo の申請がキューの先頭にあったため、この申請レコードを開いてガイド付きフローを確認します。
このガイド付きフロー Flexcard から、Jo の申請を迅速かつ正確に審査するための情報やツールにすばやくアクセスできます。
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[Review Application (申し込みを確認)] ボタン (1) をクリックすると、住民が送信した情報が記載された申請フォームが表示されます。
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[Check Eligibility (対象資格を確認)] ボタン (2) をクリックすると、フォームの入力を定義済みのパラメーターと照合する自動計算が実行され、申請者が受給できる給付額が生成されます。
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[Other Applied Benefits (他の申請済み給付)] ボタン (3) をクリックすると、住民がこれまでに申請した給付のリストが表示されます。
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[Members (メンバー)] リンク (4) をクリックすると、住民の世帯メンバーの詳細が表示されます。
ケースワーカーは、受給できる給付額、世帯人数、収入と支出の総額など、申請の概要も確認できます。
Connor はまず世帯人数を選択して、Jo の世帯で暮らしている住民のスナップショットを表示します。
Connor は、Jo に子どもが 2 人いることを確認します。この点は、世帯が受給可能な給付額を計算するうえで重要な要素です。
[Review Application (申し込みを確認)] をクリックして、収入、家賃、暖房費の請求額の証明として提出された書類など、Jo が送信した書類をチェックします。この情報がフォームの項目の金額と一致していることを確認します。一致していない点や不足している情報が見つかった場合は、Jo に連絡するか、申請レコードの [Return Application (申請を返送)] を選択して Jo に戻し、修正してもらいます。また、[Other Applied Benefits (他の申請済み給付)] を選択すれば、Jo が他の給付を受け取っているかどうかも確認できます。
送信された情報に問題がなかったため、Connor は LIHEAP 給付の受給資格をチェックします。Jo が受給できるかどうかを自動的に検証し、対象となる場合の給付額を算定するために、[Check Eligibility (対象資格を確認)] をクリックします。式セットが表示され、評価の入力条件を確認できます。この条件は、Jo の世帯収入、世帯人数、その他の要素で構成されています。
Connor は [Simulate (シミュレーション)] をクリックして、自動計算を実行します。Jo の申請の入力内容によると、この世帯は毎月 210 ドル分の光熱費クレジットを受け取ることができます。素晴らしいですね!
さらに、Connor が実行した計算は Decision Explainer に保存されるため、後から参照できます。つまり、Jo から受給資格の決定について質問を受けたときに、その根拠をすぐに伝えることができます。
給付の割り当てと支払
Jo とその家族に光熱費クレジットを支給できることがわかって嬉しくなった Connor は、[Assign Benefit (給付を割り当て)] をクリックします。申請フォームからデータが自動的に抽出され、エンティティの情報が有効日とともに申請レコードに保存されます。続いて、Connor はエンタイトルメント金額や支払頻度などの必須項目に入力します。
Connor が [Save (保存)] をクリックすると、給付割り当てレコードが自動的に作成され、割り当ての詳細が保存されます。
次に、[Disbursement (支給)] をクリックして、支払額が示されている支給のフルスケジュールを確認します。
申請状況が変更されたときに申請者に自動的にアラートを表示するカスタム通知とレコードトリガーフローを設定できます。たとえば、Jo は公的機関が給付申請を承認したという確認メッセージを受け取り、ポータルにログインしてダッシュボードで支給スケジュールを確認します。近々支援が届くことがわかって安堵します。
状況の変化
しばらくして、Jo の母親が一緒に暮らすことになりました。母との同居が LIHEAP 給付の受給資格に影響する可能性があるため、公的機関に報告する必要があることを Jo は認識しています。給付ポータルにアクセスして [Change of Circumstances (状況の変化)] オプションを選択すると、フォームが表示されます。
Jo は新しい世帯メンバーを公的機関に通知するフォームに入力して送信します。
公的機関側では Connor が、Jo の状況の変化申請がキューに届いたことに気が付きます。Jo の母親が高齢者または障害者に該当するかどうかと、他の給付を申請しているかどうかを確認できます。情報を確認後、[Accept Application (申請を承認)] をクリックして世帯情報を更新します。
Connor が申請を承認すると、関連するオブジェクトが申請フォームの項目で更新され、割り当て済みの給付のうち、この変更の影響を受けるものにそれぞれ新しい給付割り当て調整申請が作成されます。この場合は、高齢者である Jo の母親用の公的申請関係者が新規作成されます。
Connor と他のケースワーカーが新しい申請を審査して、[Adjust Benefit (給付を調整)] を選択すれば、給付額を即座に変更できます。フローに給付の新しいエンタイトルメント金額と対応する調整金額が入力され、更新された金額の支給レコードが作成されます。
Jo に支援が届けられますが、Connor はそのためにスプレッドシートや (ぞっとするほどの) 書類の束を探し回る必要はありませんでした。Connor と Cosville のケースワーカーチームは給付管理を利用して、残りの申請審査もあっという間に処理します。仕事に夢中になるというのはこれまであまりなかった感覚ですが、なかなか良いものです。
このモジュールでは、給付を求める住民や、その申請を処理する公的機関が直面する日々の課題を克服するために、給付管理でどのようなツールを使えるかについて学習しました。顧客中心のオンラインポータル、受給資格の自動評価、ガイド付きフローを活用すれば、重要な支援を効率よく実施して、地域社会の安全とウェルビーイングを向上させることができます。
リソース
- Salesforce ヘルプ: Process Benefit Applications by Using a Guided Flow (ガイド付きフローを使用した給付申請の処理)
- Salesforce ヘルプ: Process Change of Circumstance Applications by Using a Guided Flow (ガイド付きフローを使用した状況の変化申請の処理)
- Salesforce ヘルプ: Alert Applicants When Their Benefit Application Status Changes (給付申請の状況変更時の申請者へのアラートの表示)