並べ替えルール戦略を探る
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- セール、新着、および売れ筋の並べ替えルールに使用できる一般的な並べ替えルール戦略について説明する。
- 動的属性のしくみを説明する。
- 手動並べ替えルールを使用してカタログおよび検索結果ページの並べ替え順序を最適化する方法を説明する。
- 商品属性が検索結果のカスタマイズにどう役立つかを説明する。
- Storefront Toolkit が動的並べ替えにどう役立つかを説明する。
計画の作成
Brandon Wilson は前の単元で並べ替えルールのしくみを学習しました。次は、買い物客と買いたい商品をつなぐと共に、会社の投資収益を最大化する戦略を立てる必要があります。そこで次の結果タイプに焦点を合わせます。
- New Arrivals (新着): ワクワクする新商品を販売する
- Top Sellers (売れ筋): 他の買い物客に最も人気のある商品を強調する
- Search (検索): 買い物客が見たいものを表示する
- Items On Sale (セール中の品目): 買い物客に季節商品のセールを検討するように促す
Brandon の目標と並べ替えルールの計画は次のようになります。
結果タイプ |
目標 |
並べ替えルール計画 (属性順) |
新着 |
結果グリッドの先頭 1 ~ 2 行を制御し、その後に新着を続ける |
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売れ筋 |
売れ筋をページの最上部に配置する。 |
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検索 |
買い物客の検索用語との関連性が最も高い商品を押し上げる |
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セール中の品目 |
SKU カバレッジ、販売速度、ベストセラーでセールカテゴリの商品を並べ替える |
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これらの要件を満たすために、Brandon は以下を検討します。
- 手動並べ替えルール
- 並べ替えルールの商品属性
- 動的属性
このモジュールでは、受講者が Salesforce B2C Commerce のマーチャンダイザーで、これらのタスクを実行する適切な許可を得ているものと想定しています。B2C Commerce のマーチャンダイザーでなくても大丈夫です。このまま読み進み、ステージングインスタンスでマーチャンダイザーがこれらの手順をどのように実行するのかを確認します。B2C Commerce は Trailhead Playground で使用できないため、記載の手順を Trailhead Playground で実行しないでください。
B2C Commerce の開発インスタンスがある場合は、これらの手順をそのインスタンスで実行できます。開発インスタンスがない場合は、使用可能なインスタンスがないかマネージャーにお問い合わせください。
手動並べ替えルール
手動属性として、カテゴリ位置、検索配置、検索ランクがあります。これらを並べ替えルールで使用するには、Business Manager で事前に手動でアクティブ化する必要があります。
カテゴリ位置
Brandon は、特定のカテゴリ内の商品が希望どおりに正確に並べ替えられるように、並べ替えルールでこの属性を使用します。この並べ替えルールを作成するには、2 つのことを行う必要があります。
- カテゴリ位置をカテゴリ内の商品に割り当てる。
- そのカテゴリ位置属性を使用する並べ替えルールを作成する。
たとえば、Brandon が B2C Commerce でメンズショートパンツを特定の順序で並べ替えるとします。Business Manager でこれらの商品に手動で順序の位置を割り当てます。次に、カテゴリ位置属性を並べ替えルールに追加します。次の手順で、並べ替え順序の位置を割り当てます。
- Business Manager を開きます。
- サイト > [マーチャントツール] > [商品とカタログ] > [カタログ] の順に選択します。
- カタログとカテゴリ
mens
(メンズ) を選択します。 - サブカテゴリ
mens-clothing and mens-clothing-shorts
(メンズ衣料とメンズ衣料ショートパンツ) を選択します。 - 商品を並べるための数値 (整数) を位置列に入力します。
Brandon はカテゴリ位置属性を、キーワード検索結果に対応するための他の属性と一緒に並べ替えルールに追加します。(並べ替えルールは次の単元で作成します)。
検索配置
商品によっては、カテゴリ位置の割り当ては限定的すぎます。カテゴリ位置はカテゴリでのみ機能します。検索配置を使用すると、Brandon は次のことができます。
- 特定の商品をまとめてグループ化する。
- 特定の商品の表示順を上げる/下げる。
- 特定の商品を互いに並べて表示する。
- メインカテゴリ内でサブカテゴリを特定の順序で並べ替える。
検索配置コードを商品に割り当て、その値の高い順に商品をランク付けできます。検索配置コードには Business Manager の値を使用するか、独自の値を作成します。Business Manager では次の値を使用できます。
- なし — これがデフォルト値です。
- 8 (おすすめのトップ商品)
- 7 (おすすめの商品)
- 6 (商品)
- 5 (二次商品)
- 4 (おすすめのアクセサリ)
- 3 (アクセサリ)
- 2 (スペアパーツ)
- 1 (入手不可商品)
Brandon はカテゴリ内の特定の商品の関連性に検索配置を使用します。たとえば、レディースカテゴリ内では検索結果の最初にシューズ、最後にタイツを表示したいと考えています。そのためには、検索配置コードをレディースカテゴリ内の各サブカテゴリに割り当てる必要があります。そうしないと、シューズとタイツの間に表示する商品には null 値が設定され、タイツより下に表示されます。
次の手順で 1 つのサブカテゴリの検索配置を選択します。
- Business Manager を開きます。
- サイト > [マーチャントツール] > [商品とカタログ] > [カタログ] の順に選択します。
- カタログと womens (レディース) カテゴリを選択します。
- シューズカテゴリの右にある [編集] をクリックします。
- [カテゴリ属性] タブをクリックします。
- 検索配置で配置の値
8 (おすすめのトップ商品)
を選択します。
サブカテゴリまたは商品自体に異なる値が選択されていない限り、このカテゴリのすべての商品にこの値が割り当てられます。
Brandon は新しい商品属性を含めるために並べ替えルールを作成します。(並べ替えルールは次の単元で作成します)。検索配置値を個々の商品に割り当てることもできます。
検索ランク
商品のグループの表示位置を上げるために、Brandon は明示的に商品のグループに次の検索ランクを設定できます。
- 3 (High) (高)
- 2 (Medium) (中)
- 1 (Low) (低)
Brandon は今シーズンのレディースのトップスを売り切りたいと考えています。次の手順に従って検索ランクの高
を割り当てて該当する商品を最上位に移動します。
- Business Manager を開きます。
- サイト > [マーチャントツール] > [商品とカタログ] > [カタログ] の順に選択します。
- メインカタログ ID をクリックします。
- レディースのトップスカテゴリの右にある [編集] をクリックします。
-
[カテゴリ属性] タブをクリックします。
サブカテゴリまたは商品自体に異なる値が割り当てられていない限り、このカテゴリのすべての商品にこの値が割り当てられます。
(商品に設定するには、サイト > [マーチャントツール] > [商品とカタログ] > [商品] > 商品の順にクリックします。) - 検索ランクのセクションまで下にスクロールします。
- [検索ランク] で [3 (High) (高)] を選択します。
- [適用] をクリックします。
並べ替えルールに検索ランクの商品属性を含めます。検索ランクを動的属性に追加することは可能ですが、値がゼロに解決されるため、追加しないでください。
商品属性
Brandon は B2C Commerce 商品システムオブジェクト属性を並べ替えルールで使用するか、カスタム属性を作成できます。商品属性には、商品 ID、タイトル、短い説明、サイズなど、商品の詳細を定義します。
Brandon は isSale というカスタム商品属性を作成して、セール品目を検索結果の最後に移動します。次の手順で属性を作成します。
- Business Manager を開きます。
- [管理] > [サイトの開発] > [システムオブジェクトタイプ] の順にクリックします。
- システムオブジェクトタイプリストページで、編集するオブジェクトの名前である
Product
をクリックします。 - [属性定義] タブをクリックします。
- ID または名前フィールドに
isSale
と入力し、[Find (検索)] をクリックします。- 見つかったら、準備はできています。並べ替えルールの作成までスキップできます。
- 見つからなかったら、[新規] をクリックします。
- 次の情報を入力します。
- 属性の一意の ID
isSale
を入力します。 - 表示名
On sale?
(セール中?) を入力します。 - 値の型は
Boolean
にします。
- 属性の一意の ID
- [適用] をクリックします。これで、この属性を並べ替えルールで使用できます。(次の単元では、Brandon はこの属性を使用して並べ替えルールを作成します。)
商品オブジェクトに新しい属性が追加されましたが、データベースには入力されていません。Brandon は新規属性を手動で、または一括更新か商品フィードを使用して入力できます。次の手順に従って、Business Manager の商品ページの [全般] タブで新規属性をフィールドとして追加できます。
- Business Manager を開きます。
- [管理] > [サイトの開発] > [システムオブジェクトタイプ] の順にクリックします。
- システムオブジェクトタイプリストページで、[商品] をクリックします。
- [Attribute Grouping (属性グルーピング)] タブをクリックします。
- Business Manager の表示グループ
Search Refinements
(検索の絞り込み) の [編集] をクリックします。 - グレーの省略記号をクリックし、isSale を見つけて選択します。これで isSale データを Business Manager で入力できます。
動的属性
動的属性には複数のアクティブデータ属性が含まれ、それぞれが割合またはウエイト付けされた値を示します。B2C Commerce では動的属性を使用し、カテゴリとキーワード検索の両方について、サイトのアクティビティや売上に基づいてニアリアルタイムの並べ替え調整を行います。たとえば、Brandon は収益、ユニット数、購買率、入手可能性の組み合わせ (それぞれに 25% のウエイトを設定) で検索結果を並べ替えたいと考えています。必要なときにいつでもウエイト付けを変更でき、B2C Commerce の A/B テストでシナリオを他のシナリオと比較してテストできます。
null 値
null 値は B2C Commerce で計算された商品の値が null であることを示します。標準属性と単一アクティブデータ属性の場合、null 値を持つ商品は構成された方向に関係なく結果セットの最後に表示されます。動的属性の場合、null 値の処理のデフォルトを次のように設定できます。
デフォルト |
null 値の並べ替え方法 |
目標 |
最小値 |
結果セットの最後。 |
|
平均 |
結果セットの中間。 |
|
最大値 |
結果セットの先頭。 |
|
次のステップ
この単元では、一般的な並べ替えルール戦略を確認し、手動並べ替えルールの構成方法、動的属性の作成方法、商品システムオブジェクト属性の使用方法を学習しました。次は、並べ替えルールの構成方法を学習します。