ストアフロントの検索リダイレクトを設定する
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- ガイド付き検索で買い物客に表示する内容を制御する方法を説明する。
- バックグラウンドで検索リダイレクトが機能するしくみを説明する。
- 検索リダイレクトの一致のしくみを説明する。
- 検索リダイレクトの地域情報フォールバックのメカニズムを説明する。
検索リダイレクトとは?
検索リダイレクトを使用することで、Cloud Kicks のマーチャンダイザーである Brandon Wilson は、買い物客に表示する内容をガイド付き検索で制御できます。買い物客が検索用語を入力すると、買い物客を特定のページや URL に誘導できるため、購入体験を強化し、購入意欲を高めることができます。たとえば、スニーカー
を検索すると、リダイレクトによって「Special High-End Jazzy Sneaker」ページが返され、そのスニーカーを履いてロードレースに出場しているアスリートの姿が表示されます。とてもすばらしいですね。何よりも、それがまさに買い物客が探していたものだということです。
さらに優れているのは、それぞれの検索リダイレクトをカンマで区切られた複数のキーワードでトリガーできるという点です。コントロール機能満載ですね。
検索リダイレクトのしくみ
Salesforce B2C Commerce では、バックグラウンドで SearchRedirectURL
パイプレットが使用され、リダイレクト評価がストアフロント検索フローに統合されます。パイプレットとは、特定のビジネス機能を実行する B2C Commerce のコードスニペットであり、この場合は URL リダイレクトです。
B2C Commerce のストアフロントアプリケーション内では、デベロッパーは Search パイプレットの前に SearchRedirectURL パイプレットを配置することで、買い物客がリダイレクトキーワードを入力した場合、標準の検索機能をバイパスして処理が実行されるようにしています。
買い物客が入力した用語が検索リダイレクトに一致した場合、設定されている SearchRedirectURL パイプレットによって、ダイレクトアクションに基づき、完全修飾されたリダイレクト先 URL が計算されます。ISML テンプレート (ブラウザーに表示される内容を処理するソフトウェアコンポーネント) では、この計算された URL を使用して、実際の HTTP リダイレクトがクライアントブラウザーに発行されます。
一致を作成する
前の単元で、Brandon は検索リダイレクトの環境設定を指定しました。検索リダイレクトの環境設定を無効にすると、B2C Commerce で完全一致タイプを使用してキーワードが処理されます。この設定を有効にすると、B2C Commerce で完全一致、フレーズ一致、広義一致、ネガティブ一致の各タイプを使用してキーワードが処理されます。Brandon はすべて使用したいと考えています。それでは、それぞれのしくみを詳しく見てみましょう。
完全一致
[mens shoes]
のように括弧で囲まれたキーワードフレーズの場合、買い物客が mens shoes のような特定のフレーズを入力するとリダイレクトルールがトリガーされます。このフレーズは、他の単語も変化形もなく、この順序である必要があります。たとえば、mens shoe
では、ルールはトリガーされません。
次に、その他の例をいくつか示します。
検索キーワード |
B2C Commerce で検索される |
検索されない |
[red shoes] |
red shoes |
red kids shoes Red kid’s shoes |
[sandal] |
sandal |
red sandal kids sandal sandals |
フレーズ一致
キーワードフレーズが “mens shoes”
のように引用符で囲まれている場合、買い物客がこの単語をこの特定の順序で mens shoes
と入力するとリダイレクトルールがトリガーされます。また、買い物客が他のテキストを入力した場合でも、指定されているものと同じフレーズが入力内容に含まれていれば、リダイレクトルールがトリガーされます。
次に、いくつか例を示します。
検索キーワード |
B2C Commerce で検索される |
検索されない |
“red shoes” |
womens red shoes red kids shoes mens large red shoes |
shoes womens kids shoes men's shoes |
“sandals” |
sandals red sandals mens sandals |
sandal sandale |
広義一致
キーワードフレーズに mens shoes
が引用符なしで含まれている場合、買い物客が mens
と shoes
という単語を任意の順序で含むテキストを入力すると、ルールがトリガーされます。また、ルールは、関係する特定の言語のステミングに基づいて、単数形または複数形の両方でトリガーされます。同義語やその他の変化形は考慮されません。
次に、いくつか例を示します。
検索キーワード |
B2C Commerce で検索される |
検索されない |
red shoes |
mens red large shoes cheap red kids shoes buy red shoes |
mens shoes cheap shoes |
sandal |
sandals red sandals sandales |
red mens |
ネガティブ一致
キーワードフレーズの前にハイフンのプレフィックスが付けると、ルールはその用語を含む検索ではトリガーされません。ネガティブキーワードは、少なくとも 1 つの除外されないキーワードと併用する必要があります。ネガティブキーワードしか含まれていない検索リダイレクトは、どのキーワードに対してもトリガーされません。たとえば、mens shoes, -used
というキーワードでは、mens shoes
と cheap shoes for men
に対して検索リダイレクトがトリガーされますが、used shoes
に対してはトリガーされません。
次に、いくつか例を示します。
検索キーワード |
B2C Commerce で検索される |
検索されない |
mens shoes, -used, -“running shoes” -basketball shoes |
mens shoes shoes running buy mens shoes |
mens used shoes running shoes men mens basketball shoes |
-shoes |
none |
any |
検索リダイレクトを設定する
これで、Brandon は検索リダイレクトを設定する準備ができました。この手順は次のとおりです。
- Business Manager を開きます。
-
[サイト] > [マーチャントツール] > [検索] > [検索駆動型リダイレクト] の順に選択します。
-
[新規] をクリックします。
- [デフォルト] 言語がすでに選択されています。(別の言語で作業する場合は、その言語を選択して、[適用] をクリックします。)
- 買い物客が検索で入力すると予想される 1 つ以上の単語をカンマで区切って入力します:
womens shoes, -used
- B2C Commerce のストアフロントアプリケーションで使用するリダイレクトには、[オンライン] を選択します。
- [セキュア] を選択して、リダイレクト先プロトコルに https を使用します。それ以外の場合、このアプリケーションでは http が使用されます。(サイトで [HTTPS を強制する] が有効になっている場合は、いずれにしても HTTPS が使用されます。)
- 買い物客が検索フィールドにキーワードを入力したときにリダイレクトで実行するアクションを選択します: カテゴリページの表示
- [カテゴリ ID] を選択します: womens-shoes
- [適用] をクリックします。
ローカライズ
Brandon は、各検索リダイレクトに特定のキーワードを地域情報別ごとに指定したいと考えています。キーワードが含まれていない地域情報では、フォールバックのメカニズムで提供されるキーワードが使用されます。つまり、検索リダイレクトに特定の地域情報のキーワードが定義されていない場合は、地域情報フォールバックのメカニズムが適用されるということです。ただし、Search Dictionaries モジュールの地域情報フォールバックは、en_GB
から en
のように、国の地域情報から言語の地域情報の方向でのみ機能します。Search Dictionaries では、言語からデフォルトの地域情報へのフォールバックはサポートされていません。
次の表の例を参考にしてください。
地域情報 |
キーワード |
de_DE |
Männerschuhe, Damenschuhe, -gebraucht |
de_AT |
|
de |
schuh |
es_ES |
“Zapatos de los hombres”, “Zapatos de mujer:”, -utilizado |
es |
zapatos |
買い物客が de_AT 地域情報を使用して検索すると、B2C Commerce で de 地域情報キーワードが使用されます。これは、de_AT のデフォルトが de であるためです。
フォールバックメカニズムは次のようになります。
地域情報 > 国の地域情報
de_AT > de
de_DE > de
買い物客が es_ES 地域情報で検索した場合、B2C Commerce で es_ES キーワードが使用され、フォールバックは実行されません。es_ES 地域情報では、デフォルトのキーワードである “Zapatos de los hombres”
, “Zapatos de mujer”
, -utilizado
が使用されます。
フォールバックメカニズムは次のようになります。
地域情報 > 国の地域情報
es_ES > es
次のステップ
この単元では、ガイド付き検索で買い物客に表示する内容を制御する方法、検索リダイレクトの一致のしくみ、検索リダイレクトの地域情報フォールバックのしくみについて学びました。次は、検索可能な商品属性について学習します。