Winter '25 の認定 B2C ソリューションアーキテクト資格を更新する
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- UI フローを使用して履行済み品目を交換する。
- Data Cloud の暗号化鍵を管理する。
- プライバシーセンターを使用してデータを保持する。
- Salesforce 組織間で共有するビジネスをエクスポートして統合する。
- Einstein Personalization を使用してパーソナライズされたエクスペリエンスを実現する。
認定資格を更新する
認定 B2C ソリューションアーキテクト資格を保有している場合、その認定資格を維持するためには期日までにこのモジュールを修了する必要があります。資格を維持するためのもう 1 つ重要な点は、Trailhead アカウントと Webassessor アカウントをリンクさせておくことです。
この資格の取得を検討している方は、B2C ソリューションアーキテクト資格を参照してください。
認定資格の機密を守る
Salesforce は、質の高い認定試験と価値ある資格を提供することを最優先事項としています。業界随一と広く認められている認定資格制度を維持するためには、試験のセキュリティを確保し、その機密を保持することが不可欠です。
Salesforce 認定資格プログラムに参加する場合は、「Salesforce 認定資格プログラム同意書」に同意いただく必要があります。詳細は、Trailhead ヘルプ記事「Salesforce 認定資格プログラム同意書および行動規範」に記載の Salesforce 認定資格試験の受験ポリシーを確認してください。
B2C ソリューションアーキテクトの概要
Salesforce 認定 B2C ソリューションアーキテクト資格は、お客様に戦略的なビジネス価値をもたらすマルチクラウドソリューションを設計して推進できる方を対象とします。この資格は、B2C ソリューションアーキテクトがエンタープライズアーキテクチャのさまざまな視点のガイダンスをとりまとめたソリューションを作成できることを実証します。
この 1 年間に B2C アーキテクチャソリューションに影響を及ぼす機能が強化されています。ここでは、特に重要なものについて説明します。
UI フローを使用して履行済み品目を交換する
Salesforce の新機能で注文管理が強化され、履行後の等価でない交換を直接ユーザーインターフェイス内で実行できるようになったため、追加の API フローが不要になりました。
履行後の等価でない交換で交換機能を強化します。API を使用して新しいフローを作成する必要はありません。注文後のサービスを充実させ、注文管理エクスペリエンスの柔軟性を高めます。UI で交換フローを使用する場合は、フローをコピーして [Actions and Recommendations (アクションおよびおすすめ)] セクションに追加します。
お客様が履行済み商品を交換しなければならないときに、新しい商品の価格が元の商品と異なることがあります。その際、返金または追加の支払が発生する可能性があります。等価でない交換を処理する手順は、次のとおりです。
- ナビゲーションバーから、[Order Summaries (注文概要)] リストビューページを開きます。
- 交換する品目の注文概要を開きます。
- [Actions & Recommendations (アクション & おすすめ)] リストから、等価でない交換フローを選択します。
フローをコピーしたときに名前を変更していなければ、[Exchanges with RMA (Return Merchandise Authorization) Returns (RMA (返品商品承認) 返品による交換)] という名前です。 - お客様が交換したい商品を選択して、[Next (次へ)] をクリックします。
- 選択した品目ごとに、交換する数量とその理由を選択します。
- ユーザーが元の品目と交換することを希望する品目がある店舗を選択して、[Next (次へ)] をクリックします。
- [Add a Product (商品を追加)] をクリックし、お客様が希望する品目を選択します。
- 数量を選択して、[Add (追加)] をクリックします。
- [Next (次へ)] をクリックします。
- お客様の納入先住所と配送オプションを入力します。
- 注文プレビューページで注文の詳細を確認し、[Next (次へ)] をクリックします。
- 注文を送信します。
- 等価交換の場合や返金が必要な場合は、[Next (次へ)] をクリックします。返金額は、お客様が元の注文で支払った方法で返金されます。
- 追加の支払が必要な場合は、お客様の支払情報の入力を促すメッセージが表示されます。
- 等価交換の場合や返金が必要な場合は、[Next (次へ)] をクリックします。返金額は、お客様が元の注文で支払った方法で返金されます。
この変更は、Order Management Growth ライセンスがある Unlimited Edition、Developer Edition、Enterprise Edition の注文管理に適用されます。
Data Cloud の暗号化鍵を管理する
大規模なデータの処理は、厳格なコンプライアンスや規制要件を伴うことが多い大変な任務です。Data Cloud に保存中のデータを暗号化する鍵を 1 つのルート鍵で管理できるようになりました。Data Cloud のプラットフォームの暗号化を使用すると、Data Cloud の鍵管理をオンにするだけでルート鍵が生成されます。ルート鍵は、暗号化や復号化の操作に使用するデータ暗号化鍵をセキュリティ保護します。ルート鍵を循環させたり、監査の目的でルート鍵の詳細を表示したりすることができます。このため、鍵の循環や追跡が容易になり、監査時にコンプライアンスを実証できます。
2024 年 9 月に Data Cloud のプラットフォームの暗号化が使用可能になりました。この変更は、Shield Platform Encryption と Data Cloud のプラットフォームの暗号化のアドオンサブスクリプションを購入したお客様が使用できます。Government Cloud は Data Cloud のプラットフォームの暗号化でサポートされていません。
Data Cloud のプラットフォームの暗号化をプロビジョニングする場合は、アカウントエグゼクティブにお問い合わせください。この機能を取得したら、[Setup (設定)] の [Encryption Settings (暗号化設定)] で [Manage Data Cloud Keys (Data Cloud の鍵を管理)] をオンにできます。Salesforce でルート鍵が生成され、[Data Cloud] タブの [Key Management (鍵の管理)] ページに表示されます。
プライバシーセンターを使用してデータを保持する
機密データの取り扱いに関するお客様の要望を尊重して、Salesforce プラットフォームのプライバシーセンターを使用したデータ保持機能をコンプライアンス対策に追加できるようになりました。
データプライバシー保護法に準拠するために、顧客データの削除や難読化、あるいは一定期間の保持を求められることがあります。プライバシーセンターの管理パッケージバージョンを使用しなくても、データ保持機能をコンプライアンス対策に追加できるようになりました。プライバシーセンターの新しいプラットフォームネイティブバージョンでデータ保持を使用できます。データ保持を使用すると、レコードをマスクまたは削除すると同時に外部データストアにコピーできます。また、保持ストアに Salesforce Connect を設定すれば、外部で保持されているレコードを表示できます。
データ保持は、2024 年 8 月からローリング方式で各地域にリリースされます。この機能を使用する前に、各自の地域でサポートされているかどうか確認してください。この変更は、Enterprise Edition、Performance Edition、Unlimited Edition、Developer Edition の Lightning Experience に適用されます。Government Cloud ではデータ保持を使用できません。
プライバシーセンターのプラットフォームネイティブバージョンは、強化された最新バージョンで、すべてのお客様に推奨されます。以下に、検討材料となるメリットを示します。
- Privacy Center ライセンスには、標準機能としてのデータ保持とともに、一定容量の空きストレージが付属します。
- テストの目的で、保持ストアを Sandbox にプロビジョニングできます。
- プライバシーポリシーを Sandbox から本番環境に直接インポートでき、その逆も可能です。この機能があれば、データ保持の実装をシームレスにテストしてリリースできます。
- 新しいプライバシーセンターはユーザーインターフェースが更新され、プライバシーセンターの管理パッケージパージョンよりも向上しています。
ビジネスはデータプライバシー保護法に準拠するために、プライバシーセンターのデータ管理ポリシー機能を使用するほか、プライバシーセンターアプリケーションを使用して、独自のポリシーを作成し、依頼に対処し、スケジュール済みジョブの状況や結果を監視します。
パートナー接続を使用して Salesforce 組織間で共有するビジネスをエクスポートして統合する
パートナー接続を使用して、信頼できるパートナーと共有するビジネスでのコラボレーションを効率化します。これまでベンダーやパートナーは、Salesforce 組織間で共有するビジネスの調整に苦心していました。販売業者やチャネルマネージャーが、パートナーシップ間で共有されているデータを手作業で調整する必要がありました。今後は、ベンダーやパートナーのシステム管理者が組織を接続して、ベンダーとパートナー間で自動的に共有される情報を細かく調整できます。この結果、両社が相互の利益にまつわる透明性は維持しながら、必要に応じてデータのプライバシーを確保できます。
パートナー接続を使用すると、リードや商談に協力して取り組むベンダーやパートナーが、独自の Salesforce 組織でいつもどおり作業しながら、進捗状況を表示して追跡できます。パートナー接続によって 2 つの Salesforce 組織が安全に接続されるため、パートナーがベンダーの Experience Cloud サイトで選択したレコードをパートナー自身の組織にエクスポートできます。エクスポートされたレコード全体の接続が維持されるため、ベンダーとパートナーのユーザーが自在に各社のレコードの進捗状況を「参照のみ」アクセス権で確認できます。
この変更は、Enterprise Edition および Unlimited Edition (Sales Cloud および Service Cloud 付属) の Lightning Experience でアクセスする Aura サイトに適用されます。ベンダーは、パートナーシステム管理者ユーザーと、レコードのエクスポートを許可するパートナーユーザーごとに、Partnership Relations Management (PRM) アドオンライセンスが必要です。
Einstein Personalization を使用してパーソナライズされたエクスペリエンスを実現する
Einstein Personalization を使用して、AI ベースのおすすめとパーソナライズされたコンテンツをお客様にリアルタイムで届けます。Einstein Personalization で、リアルタイムのデータ取り込み、ID 解決、計算済みインサイト、データグラフといった Data Cloud の基本的な要素を使用すれば、関連性が高く、的を絞った個別のコンテンツをお客様に提示できます。また、Einstein Personalization では、パーソナライズされた決定の使用状況や有効性に関するインサイトを示すためのメトリクスが収集され表示されます。
Einstein Personalization は、Data Cloud と連携して、Salesforce クラウド全体でパーソナライズされたエクスペリエンスを実現する Customer 360 アプリケーションです。このアプリケーションを使って Data Cloud に Einstein Personalization 機能を設定します。このパッケージで、必要なデータストリームバンドルと DMO マッピングがインストールされます。商品のおすすめと目標ベースやルールベースのコンテンツターゲティングを使用して、パーソナライズされたおすすめやカスタムコンテンツをユーザーに届けます。
Einstein Personalization のしくみ
Einstein Personalization は Data Cloud を使用して、データを分離して整理し、パーソナライズされたコンテンツとして使用できるように準備します。Data Cloud のデータスペースは、プロファイルの一元化、インサイトの計算、マーケティングのためにデータを整理する論理パーティションです。
データスペースには、データモデルオブジェクト (DMO) を使用してデータの事前計算されたビューを構築するデータグラフが用意されています。Personalization では、このデータグラフを使用してパーソナライズされたコンテンツを取得し、ユーザーやサイト訪問者に提示します。また、どの個人がパーソナライズの対象になるか判断するときや、パーソナライズされたどのコンテンツを提示するか判断するときに、独自の DMO を使用します。
この機能は、Data Cloud が使用可能な Enterprise Edition、Unlimited Edition、Performance Edition、および Developer Edition の Lightning Experience で使用できます。
まとめ
過去 1 年間に Salesforce B2C アーキテクト向けにリリースされた Salesforce の機能の中で特に重要なものを学習しました。ここで、上記のトピックの理解度を確認し、認定 B2C ソリューションアーキテクト資格を更新するために試験を受けていただきます。
リソース
- Salesforce ヘルプ: UI フローを使用した履行済み品目の交換
- Salesforce ヘルプ: Manage Encryption Keys for Data Cloud (Data Cloud の暗号化鍵の管理)
- Salesforce ヘルプ: プライバシーセンターでのデータ保持
- Salesforce ヘルプ: Partner Connect を使用した Salesforce 組織間での共有ビジネスのエクスポートと統合
- Salesforce ヘルプ: 信頼できるパートナーと共有された商談でのコラボレーションの合理化
- Salesforce ヘルプ: パートナーリレーション管理のユーザーライセンスと Experience Cloud テンプレートサポート
- Salesforce ヘルプ: Einstein Personalization によるパーソナライズされたエクスペリエンスの提供
- Salesforce ヘルプ: Einstein 分岐
- AppExchange: Salesforce Einstein Personalization Data Kit