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マルチ通貨サイトを実装する

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • マルチ通貨サイトを実装する理由を説明する。
  • Salesforce B2C Commerce でマルチ通貨サイトにセッション通貨が使用されるしくみを説明する。
  • マルチ通貨サイト機能をサポートするレポートとアナリティクスを挙げる。
  • 商品詳細ページで複数の通貨で価格を表示する方法を説明する。

マルチ通貨サイトを使用する理由

Salesforce B2C Commerce のマルチ通貨サイト機能はサイトのローカライズを大幅に拡張したものです。最大 150 種類の通貨を使用して 1 つのサイトで複数の国や地域に商品を販売することができます。これはスイッチを切り替えるようなものです。買い物客は通貨を選択してから、その通貨を使用して商品を閲覧し、注文手続きを行います。

マルチ通貨サイトの実装では、買い物客がスイッチを使用して 1 つの通貨から別の通貨に切り替えられる。

Cloud Kicks のマーチャンダイザーである Brandon Wilson はこの機能を使用する理由について考えています。

  • 複数のストアフロントで商品価格、配送方法、配送料、支払方法、プロモーションが通貨によってのみ異なる。
  • サイトのストアフロントは次の要素が同じである。
    • ロジックとデザイン
    • カタログとコンテンツ
    • 検索とマーチャンダイジングのルール
    • 顧客
    • 在庫
    • サードパーティ統合
    • Order Management
メモ

マルチ通貨サイトのサポートは B2C Commerce の特定の領域に限られています。

セッション通貨

B2C Commerce ではこの機能をサポートするためにブラウザーのセッション通貨が使用されます。セッション通貨は Business Manager やさまざまなレポートおよびアナリティクスツールで自動的にサポートされます。買い物客が最初にストアフロントにアクセスしたときに、セッション通貨はサイトのデフォルト通貨に初期化されます。B2C Commerce では、買い物客が別の好みの通貨を選択するまで、この通貨がセッション通貨として使用されます。

この機能はアクティブ化されると B2C Commerce で自動的にサポートされますが、この機能を提供するにはデベロッパーがストアフロントにカスタムビジネスロジックを追加する必要があります。

買い物客のセッション通貨は記憶され、買い物客がストアフロントに戻ってくると復元されます。セッション通貨は無効になる場合があります。たとえば、管理者が使用可能通貨からその通貨を削除した場合などです。セッション通貨が無効になると、買い物客が次にストアフロントにアクセスしたときには、セッション通貨がデフォルトのサイト通貨にリセットされます。

セッション通貨はサイトに構成されている使用可能な通貨である必要があります。買い物客は無効な通貨を使用して注文手続きを行ったり注文を作成したりできません。

レポートとアナリティクス

この機能を使用するサイトでは、次の機能で収益金額を報告できます。

レポート 説明

A/B テスト

A/B テスト統計には、A/B テスト中に行われた注文の換算された金額が反映されます。

アクティブデータ

注文を確定するお客様の顧客アクティブデータと注文された商品の商品アクティブデータは、換算された金額を反映して変更されます。

Reports & Dashboards

レルムの通貨設定を変更して、すべてのサイトの集計レルムデータを、選択した通貨で表示できます。

上記の機能では、ストアフロントの購入データを使用して収益メトリクスが提供され、Brandon はそれを表示したり、検索の並べ替えや顧客の区分けなどの他の機能に使用したりできます。B2C Commerce で収益イベントが記録される場合、すべての金額はサイトのデフォルト通貨に換算されます。この換算では、その日に適用される為替レートが使用されます。

たとえば、サイトのデフォルト通貨が米ドル (USD) で、サイトが USD とユーロ (EUR) の両方をサポートしているとします。お客様が注文を行い、支払いにユーロを選択すると、注文金額はその日の為替レートを使用して EUR から USD に換算されます。

B2C Commerce では、各通貨の個別のレポートは提供されません。為替レートサービスは B2C Commerce 内部にあるため、Business Manager には表示されず、B2C Commerce API でも利用できません。金額は定期的に更新される為替レートサービスに基づいているため、サブシステムによって提供されるメトリクスはマルチ通貨のシナリオにも適しています。

マルチ通貨を実装する

Brandon はこの機能を実装するための作業の一部を実行できますが、管理者の Linda Rosenberg とデベロッパーの Vijay Lahiri の協力も必要です。実行する必要がある手順は次のとおりです。

ステップ 作業 説明 役割

1

サイトで使用できる通貨を構成する。

サイトが作成されたときに、1 つのデフォルト通貨を指定します。サイトが作成された後に、使用できる通貨を追加します。

システム管理者

2

各通貨の価格表を作成する。

B2C Commerce ではセッション通貨を使用して価格が参照されます。各価格表は 1 つの通貨に固有です。3 つの通貨をサポートするには、各通貨に 1 つずつ、3 つ以上の価格表を作成します。

マーチャンダイザー

3

通貨に適用されるプロモーションを構成する。

プロモーションを構成するときには、必要に応じて通貨を指定できます。プロモーション (10% オフなど) がすべての通貨に適用される場合、特定の通貨 (EURO など) を選択するか、[すべて] を選択できます。

特定の通貨用にプロモーションを作成することもできます。ただし、そのプロモーションは、お客様がその特定の通貨をセッション通貨として選択した場合にのみ適用されます。

マーチャンダイザー

4

通貨を指定して支払方法を構成する。

支払方法を構成するときには、必要に応じて 1 つ以上の使用可能な通貨を指定できます。通貨を指定しない場合、支払方法を作成するときには、すべての使用可能な通貨がデフォルトで使用可能となります。

支払方法は 1 つ以上の通貨に限定できます。ただし、その支払方法は、お客様がその特定の通貨のいずれかをセッション通貨として選択した場合にのみ適用されます。

使用できる通貨それぞれに対して、最低と最高の支払額の範囲を指定できます。

マーチャンダイザー

5

通貨を指定して配送方法を構成する。

配送方法を構成するときには、必要に応じて使用可能な通貨を指定できます。通貨を指定しない場合、サイトのデフォルト通貨が使用されます。

配送方法は、買い物客がその特定の通貨をセッション通貨として選択した場合にのみ適用されます。

マーチャンダイザー

6

買い物客が好みの通貨を選択できるようにストアフロントをカスタマイズする。

ストアフロントでは、買い物客が使用可能な通貨の中から好みの通貨を選択できるようにする必要があります。

セッション通貨を設定するには、B2C Commerce Script API の dw.system.Session オブジェクトを使用します。

デベロッパー

7

マルチ通貨サイトに関する変更に対応するようにインポートプロセスを変更する。

こちらのドキュメントを参照してください。

デベロッパー

複数の通貨で価格を表示する

B2C Commerce のマルチ通貨機能で、Brandon が特に役立つと感じた機能があります。それは、API を使用して、商品詳細ページでサイト通貨での実際の販売価格と共に異なる通貨での商品の価格を表示できることです。この機能を使用できるのは商品詳細ページのみですが、彼のサイト要件の 1 つに合っています。 

この機能は、この単元で取り上げたマルチ通貨注文手続き機能の一部ではないことに注意してください。また、検索結果の並べ替え、検索の絞り込み、価格範囲などの価格に関する機能はサイト通貨のみに限定されています。

この機能にはコードのカスタマイズが必要であるため、Vijay に協力を求めます。Vijay はストアフロントアプリケーションで次の B2C Commerce API メソッドを使用します。

  • ProductPriceModel.getPriceBookPrice(String priceBookID)
  • ProductPriceModel.getPriceBookPrice(String priceBookID, Quantity quantity)

これは単純な機能です。価格表の通貨がサイト通貨と異なる場合、上記のメソッドは商品価格を返します。

まとめ

このモジュールでは、B2C Commerce でマルチ通貨を実装するいくつかの方法について学習しました。では、最後のテストを受けて、輝かしいバッジを獲得してください。

リソース

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