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翻訳とローカライズについて知る

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • 翻訳とローカライズの違いを説明する。
  • Salesforce B2C Commerce ストアフロントをローカライズするのに必要な一般的手順を挙げる。
  • 国コードを使用する理由を挙げる。
  • ローカライズフォールバックのしくみを説明する。

翻訳とローカライズ

高級なスニーカーとアパレルを製造する Cloud Kicks Corporation は、商品を海外にも販売したいと考えています。B2C Commerce 上に構築されたこの会社のストアフロントは英語です。そこで、Cloud Kicks のマーチャンダイザーである Brandon Wilson は、これをローカライズする方法を調べます。

Cloud kicks のマーチャンダイザー、Brandon Wilson

それはつまり、異なる言語、通貨、タイムゾーン、課税などに対するサポートを追加するということです。ストアフロントのテキストを翻訳する以外に、Brandon は何を考慮する必要があるでしょうか? また、翻訳とローカライズとは正確にはどういう意味でしょうか? 

翻訳はコンテンツを 1 つの言語から別の言語に変更するプロセスです。一方、ローカライズにはもっと多くのことが含まれます。地理的な場所の文化について考慮し、言語や文化が異なるユーザーを持つサイトをサポートする視覚的および技術的側面についても考慮します。つまり、翻訳はローカライズプロセスの一部にすぎません。

B2C Commerce では、ローカライズとはさまざまな場所に対応するようにストアフロントとそのデータを構成し、さらにストアフロントを構成するユーザーが希望する言語で構成を行えるように Business Manager を構成することです。

Business Manager の地域情報

Business Manager は、ユーザーインターフェースと、その内部で Brandon が作成、編集、表示できる基盤データの両方で複数の言語をサポートしています。Brandon はアプリケーションの表示とデータの管理に別々の地域情報を構成できます。たとえば、ユーザーが日本語バージョンの Business Manager を使用して、英語の商品やコンテンツを表示するように構成できます。

2 種類のログイン ID で Business Manager ユーザーインターフェース地域情報を選択できます。

  • システム管理者: システム管理者は Business Manager 表示言語について、使用可能な言語のリストから希望する地域情報を選択できます。また、ユーザーのプロファイルを作成または編集するときに、ユーザーの優先地域情報を割り当てることができます。
  • ユーザー: Business Manager ユーザーは自分のユーザープロファイルを編集して、異なる Business Manager 表示言語を選択できます。新しい地域情報は、別の言語を選択するまで表示されます。

システム管理者がユーザーの優先地域情報を構成すると、Business Manager では、次のような Business Manager ページとそれに対応するデータでデフォルトがその地域情報になります。

  • 商品
  • カタログ
  • コンテンツ
  • 検索
  • プロモーションルール
  • 顧客
  • カスタムオブジェクト
  • 注文
  • 組織
  • サイトの開発

このモジュールでは、受講者が B2C Commerce のマーチャンダイザーで、次のタスクを実行する適切な許可を有していることを想定しています。ただし、B2C Commerce のマーチャンダイザーでなくても大丈夫です。このまま読み進み、Staging (ステージング) インスタンスでマーチャンダイザーが手順をどのように実行するのか学習してください。Trailhead Playground で次の手順を実行しないでください。Trailhead Playground では B2C Commerce を使用できません。

サイトで B2C Commerce を使用しているが、自分にアクセス権がない場合には、システム管理者にログイン情報の付与を依頼してください。B2C Commerce Sandbox (サンドボックス) インスタンスがある場合は、手順をそのインスタンスで試すことができます。Sandbox (サンドボックス) がないお客様またはパートナーデベロッパーは、使用可能な Sandbox (サンドボックス) がないかマネージャーにお問い合わせください。

ここでは、システム管理者がユーザーの優先地域情報を構成します。手順は、次のとおりです。

  1. [Administration (管理)] > [Organization (組織)] > [Users (ユーザー)] を選択します。
  2. ユーザーレコードを検索して開きます。
  3. 優先 UI 地域情報に [Organization Default (English (Default)) (組織のデフォルト (英語 (デフォルト)))] を選択します。
  4. 優先データ地域情報に [Organization Default (Default) (組織のデフォルト (デフォルト))] を選択します。
  5. [適用] をクリックします。
メモ

B2C Commerce では、右から左へ記述される特定の Unicode Transformation Format (UTF) 文字は使用できません。たとえば、アラブ首長国連邦ディルハム (AED) 通貨でギフト券を購入すると、その金額はリストビューの下に表示されません。AED 通貨を使用する場合、省略形の通貨をプレフィックスとして付けた金額の値を「(AED) 250」のように表示することをお勧めします。これは [マーチャントツール] > オンラインマーケティング > [ギフト券] で実行します。

B2C Commerce のローカライズ

B2C Commerce は内部のストアフロントデータからストアフロントに表示されるテキストやグラフィックに至るまで、何もかもローカライズできることが分かり、嬉しくなった Brandon は

まず次のような計画を立てます。

  1. ストアフロントのどのコンポーネント (コンテンツアセット、商品、商品属性、通貨など) にローカライズが必要かを特定する。
  2. ビジネスのローカライズをどのように設計するかを決定する。プロセスでは、手法に応じてローカライズされたテンプレートまたはプロパティファイルを使用します。
  3. どの言語をサポートし、言語が相互にどのように関係するかを特定する。

たとえば、USA/英語と中南米/スペイン語のストアフロントで同じ基盤ビジネスオブジェクトを使用することが考えられます。買い物客はストアフロントで場所を選択することができ、それによって B2C Commerce で使用されるファイルセットが決まります。

ヨーロッパで販売する場合は、国ごとに商品を提供することにするかもしれません。その場合は、各地域情報に対して固有のカタログデータが必要です。

メモ

B2C Commerce はアジア言語をサポートしています。

国コード

B2C Commerce は ISO 3166-1-alpha-2 標準に従う 2 文字の国コードをサポートしています。3 文字コードなどのその他の標準はサポートしていません。そのようなコードを使用すると、一部の機能が正しく動作しない可能性があります。たとえば、3 文字の国コードを注文住所に保存することにすると、そのファイルは B2C Commerce の order.xsd スキーマに準拠しないため、注文のエクスポートが失敗します。

B2C Commerce では次のことに国コードが使用されます。

  • お客様住所と注文住所
  • 税金の管轄
  • 店舗検索
  • 動的顧客グループのルール評価
  • 配送先住所の除外
  • 商品リスト
  • 位置情報

ローカライズフォールバック

B2C Commerce では、ビジネスオブジェクトデータ、画像、テンプレート、メッセージなどのローカライズされたリソースや Search Dictionaries について、フォールバック処理が実行されます。 

辞書フォールバック

Business Manager 内で複数の地域情報に対応したサイトで言語検索ルール (ストップワード、カテゴリ名の除外、同義語、上位語、複合語、一般的なフレーズ、検索の提案、ステミング例外) がどのように適用されるかを定義できます。

目的の地域情報を構成したら、地域情報固有の検索インデックスを再作成する必要があります。買い物客がストアフロントで地域情報 (言語) を選択すると、それがデフォルトの地域情報で自動でなければ、その後ストアフロントで買い物客が検索したときに地域情報固有の検索インデックスが使用されます。

地域情報フォールバック

地域情報フォールバックメカニズムによって、ストアフロントに表示される内容が決まります。たとえば、メッセージをどの言語で表示するかや、商品にどの画像を表示するかの選択などです。または、一般的な画像ではなく、地域固有の商品の画像を使用して、その地域の独自色を演出することもできます。

B2C Commerce の地域情報フォールバックメカニズムは次のようになっています。

  1. 指定された (en_us など) 用のデータまたは画像があるか?
  2. ない場合は、指定された言語 (en など) 用のデータまたは画像があるか?
  3. ない場合は、デフォルト地域情報に使用できるデータや画像を使用する。

ロケール固有のデータまたはファイルに対して自動的に国、言語、デフォルトの順にチェックが行われる B2C Commerce フォールバックメカニズム。

B2C Commerce では、フォールバックチェーンの中で地域情報をスキップするか、フォールバックをまったく使用しないように構成することができます。たとえば、en_US が直接 default にフォールバックするように構成することも、en_US がフォールバックを持たないように構成することもできます。

ただし、1 つの地域情報を別の地域情報のフォールバックとして構成すると、最初の地域情報を削除することはできず、エラーメッセージが表示されます。たとえば、en_US > en > default と構成すると、en_US のフォールバックである en を削除することはできません。削除モードで en をインポートしようとすると、インポートログにエラーメッセージが表示されます。

各地域情報のフォールバック動作を無効にすることができます。たとえば、Brandon が (誤って) ある商品の説明の en 地域情報のフォールバックを無効にすると、ストアフロントでその商品の説明が表示されなくなります。

例: 複数サイトでの複数言語

複数のサイトで複数言語をサポートしている場合、デフォルトの言語として第 2 言語を使用したいことがあります。たとえばフランス語の言語コードは次のようになります。

言語 (地域情報) コード

フランス語 (ベルギー)

fr-BE

フランス語 (カナダ)

fr-CA

フランス語 (スイス)

fr-CH

フランス語 (フランス)

fr-FR

フランス語 (ルクセンブルグ)

fr-LU

フランス語 (モナコ)

fr-MC

フランス、スイス、ルクセンブルグのデフォルト言語にはフランス語 fr-FR を使用しますが、一部のデータについては国固有のリソースを使用します。こうすることで、複数のサイトで共有リソースを使用できます。地域ではなく、その 1 つの言語に基づいて大部分のデータをローカライズできます。地域や国に固有のリソースも一部使用されていますが、ほとんどのリソースは同じです。

メモ

地域情報固有のテンプレートのディレクトリ名は必ず標準の ISO 639 (言語) と ISO 3166 (国) で指定された言語コードと国コードで構成するようにしてください。

例: 3 つのサイト

B2C Commerce ではテンプレートによって Web ページの表示方法が定義されます。異なる地域情報には、言語が同じであっても異なるテンプレートを使用できます。また、同じ言語の異なる地域情報間でテンプレートを共有することもできます。たとえば、Brandon は 3 つのサイトを持つマルチサイト環境を構成したいとします。

国コード 地域

米国

US

en_US

英国

GB

en_GB

アイルランド

IE

en_IE

すべてのメインテンプレートは上記の地域情報間で共有されます。Brandon は各サイトに国固有の変更を加えます。たとえば、[Welcome (ようこそ)] ページの左上隅に異なる国のアイコンを表示するとします。この場合、Cloud Kicks のデベロッパーである Vijay Lahiri は 3 つの [Welcome (ようこそ)] テンプレートを作成します。各テンプレートは言語固有の画像またはロゴを含み、地域情報固有のフォルダーに保存されます。

.../cartridge/templates/en_GB/welcome.isml
.../cartridge/templates/en_IE/welcome.isml
.../cartridge/templates/en_US/welcome.isml

次のステップ

この単元では、翻訳とローカライズの違い、Business Manager の地域情報、ローカライズフォールバックのしくみについて学習しました。次は、地域情報の構成方法を学習します。

リソース

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