地域情報を構成する
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- Salesforce B2C Commerce 実装をローカライズするために構成する必要がある設定を挙げる。
- タイムゾーンを構成する方法を説明する。
- 地域の通貨書式を構成する方法を説明する。
- 位置情報データにアクセスする方法を説明する。
設定
地域情報は特定の地理的、政治的、文化的な地域を表します。B2C Commerce の Business Manager ユーザーインターフェースとストアフロントデータでは国固有の地域情報と言語固有の地域情報の両方がサポートされます。
B2C Commerce は 1 つ以上のサイト (ストアフロント) を含む組織として構成されます。Cloud Kicks のマーチャンダイザーである Brandon Wilson は Business Manager を使用して組織レベルとサイトレベルの両方で地域情報設定を定義します。
設定できるものは次のとおりです。
組織 (グローバル) | サイト (ストアフロント) |
---|---|
|
|
次のものも構成できます。
- 次のような基盤 B2C Commerce データの優先地域情報。
- 商品
- コンテンツ
- 注文
- 顧客
- 税金の管轄と税率
- システムオブジェクト
- 地域情報固有の URL
- Business Manager ユーザーインターフェースでユーザーが優先する地域情報
組織設定を構成する
Brandon はまず組織とサイトのローカライズ設定を定義します。別の方法として、システム管理者の Linda Rosenberg に依頼して新しいデータ地域情報を追加してもらい、サイトのインポートおよびエクスポート機能を使用して地域設定を移行、追加、削除、更新することもできます。この単元では、手動で地域情報を構成します。
最初に組織 (グローバル) 設定を構成します。これは、デフォルトの地域情報を構成し、さらにサイトの地域情報をアクティブ化してサイトに表示されるようにすることです。
デフォルトの地域情報を構成する
デフォルト
の地域情報は組織レベルで設定され、B2C Commerce の地域情報処理の基盤となります。デフォルトの設定は必須であり、非アクティブ化できません。Brandon が組織のデフォルト言語を構成する手順は次のとおりです。
- Business Manager を開きます。
- サイト > [管理] > [組織] > [組織プロフィール] を選択します。
- デフォルトの UI 言語に [英語] を選択します。
- デフォルトのデータ言語に [英語] を選択します。
- [適用] をクリックします。
新しい地域情報を追加する
サイトに新しい地域情報を追加する手順は次のとおりです。
- [管理] > [グローバル環境設定] > [地域情報] を選択します。
-
[新規] をクリックします。
- ISO 639 alpha-2 言語コードに
zh
を入力します。 - ISO 3166 alpha-2 国コードに
CN
を入力します。 - [適用] をクリックします。
- ISO 639 alpha-2 言語コードに
- [地域情報] ページで地域情報 ID [zh_CN] をクリックします。
- フォールバック地域情報に [中国語 (zh)] を選択します。
これは割り当てられた国地域情報が使用できない場合に使用される言語地域情報です。 - この地域情報について Common Locale Data Repository Project (CLDR) データで定義された記数法を上書きする記数法に [デフォルト (デフォルト)] を選択します。
- フォールバック地域情報に [中国語 (zh)] を選択します。
サイト設定を構成する
Brandon は組織設定を構成した後に、サイト地域情報を構成します。組織レベルとサイトレベルで地域情報がアクティブになると、B2C Commerce のストアフロントと Business Manager 内の言語選択ボックスでその言語を使用できるようになります。
サイト地域情報を構成する手順は次のとおりです。
- サイトに通貨を追加します。
- [マーチャントツール] > [サイト環境設定] > [通貨] を選択します。
- [追加] をクリックして新しい通貨を追加します。
- このサイトの地域情報を構成します。
- [マーチャントツール] > [サイト環境設定] > [地域情報] を選択します。
- サイトでどのアクティブな地域情報が許可されるかを選択します。
- 1 つの地域情報をデフォルトとしてマークします。
- [追加] をクリックして新しい地域情報を追加します。
- カスタムサイト設定を追加します。
- [マーチャントツール] > [サイト環境設定] > [カスタム環境設定] を選択します。
- デフォルトの国コードを構成します。
- 店舗の検索の単位 (キロメートル [km] またはマイル [mi]) を構成します。
タイムゾーンを構成する
Brandon は Business Manager を使用してサイトごとにユーザーとのインタラクションを行うタイムゾーンを設定します。この設定は、たとえばプロモーションや A/B テストなどの期間が定義されている機能に影響します。また、スケジュールされたジョブや自動ジョブなど、サイト固有でないタスクのタイムゾーンをインスタンスごとに設定します。
サイトごと
サイトタイムゾーンはサイトを作成するときの必須設定です。タイムゾーンを指定せずにサイトのインポート/エクスポート機能でサイトを作成すると、自動的に UTC
に設定されます。
サイトごとのタイムゾーンを設定する手順は次のとおりです。
- [管理] > [サイト] > [サイトの管理] > サイトを選択します。
- サイトのタイムゾーンに [Etc/UTC] を選択します。
- [適用] をクリックします。
インスタンスごと
インスタンスごとのタイムゾーンを設定する手順は次のとおりです。
- [管理] > [グローバル環境設定] > [インスタンスのタイムゾーン] を選択します。
- 地域エリアの大陸または海洋に [US] を選択します (使用可能なインスタンスのタイムゾーンが表示されます)。
- タイムゾーンに [US/東部] を選択します。
- [適用] をクリックします。
通貨を構成する
B2C Commerce には現在の世界の通貨データが含まれています。Brandon が Business Manager で通貨を追加、編集、削除する必要はありません。ただし、地域情報で許可する通貨を構成し、その表示方法を定義することはできます。たとえば、B2C Commerce ではデフォルトの地域情報の正の小数パターンが #,##0.00 と定義されています。
ストアフロントでは選択された地域情報に基づいて適切な通貨が自動的に選択されます。デフォルトの
地域情報に割り当てられている通貨がプライマリ B2C Commerce 地域情報です。
B2C Commerce では米国ドル (USD) には $ が使用されます。その他の通貨では、$ 記号の前に一般的な命名規則に基づく文字が付けられます。たとえば、A$ はオーストラリアドルを示します。
サイトで許可される通貨を構成する手順は次のとおりです。
- Business Manager を開きます。
-
サイト > [マーチャントツール] > [サイト環境設定] > [通貨] を選択します。
許可された通貨がリストに表示されます。デフォルトの通貨は削除できません。 - 1 つ以上の通貨を選択し、右側の矢印を使用して並べ替えます。
- [許可されている通貨] ページで [追加] をクリックします。
- 追加する通貨を選択します。
- [追加] をクリックします。
通貨の詳細を指定する
Brandon は各地域情報についてストアフロントでの通貨の表示方法を構成するために、地域情報の地域設定を編集します。この設定はサイト固有ではなくグローバルに定義されます。地域設定によって、地域情報に応じた次のような操作の形式パターンが決まります。
- 日付/時間
- 数値書式
- 通貨書式
B2C Commerce では、一部の地域情報でデフォルトの地域設定が事前定義されています。Brandon は各地域情報の地域設定を変更できます。書式は次の表記法に従います。
操作 | 形式 | 参照 |
---|---|---|
数値 |
Java DecimalFormat |
https://docs.oracle.com/javase/8/docs/api/java/text/DecimalFormat.html |
日時 |
Java SimpleDateFormat |
https://docs.oracle.com/javase/8/docs/api/java/text/SimpleDateFormat.html |
次のヒントを参考にしてください。
- 通貨の数字、区切り文字、通貨記号の配置を定義するには # , . * の文字を使用します。
- * 記号は通貨記号 ($、₤、または €) を配置する位置を指定するために使用します。たとえば、en_US の [通貨正のパターン (長)] フィールドを見てみましょう。* の文字がドル記号が配置される場所を示しています。
- グループ化文字にスペースを使用したい場合には、_ 文字を使用すると、ストアフロントではスペースとして表示されます。
-
フォールバック地域情報
は地域設定に影響しません。地域設定を定義しなかった場合、B2C Commerce ではシステムで定義されたデフォルトが使用されます。
インスタンスで使用できる地域情報をアクティブ化または非アクティブ化する手順は次のとおりです。
- [管理] > [グローバル環境設定] > [地域情報] を選択します。
- 地域情報 ID をクリックします。
- [地域設定] タブをクリックします。
地域設定を 1 つの地域情報から別の地域情報にコピーして時間を節約することもできます。
- 地域情報を選択します。
- [Prefill (事前入力)] をクリックします。
- [適用] をクリックします。
地域の通貨書式を構成する
Brandon は特定の地域情報でストアフロントでの通貨の表示方法を定義したいと考えています。これは地域設定で行います。地域設定はサイト固有ではなくグローバルに定義されます。地域設定によって、地域情報に応じた次のような操作の形式パターンが決まります。
- 日付/時間
- 数値書式
- 通貨書式
数値には DecimalFormat を使用し、日時には SimpleDateFormat を使用し、通貨の数字、区切り文字、通貨記号の配置を定義するには # , . * の文字を使用します。
* 記号は通貨記号 ($、₤、または €) を配置する位置を指定するために使用します。たとえば、en_US
の [通貨正のパターン (長)] フィールド内で、* の文字は正の数値でドル記号が配置される場所を示しています。
通貨を指定する手順は次のとおりです。
- [管理] > [グローバル環境設定] > [地域情報] を選択します。
- 地域情報 ID をクリックします。
- [地域設定] タブをクリックします。
- 通貨書式を指定します。
フィールドを事前入力し、地域情報の要件に応じて変更することもできます。たとえば、ユーロについてカンマとピリオドを逆にできます: #.##0,00
位置情報データにアクセスする
B2C Commerce ではデータベースレベルで米国とドイツの位置情報データが用意されています。このデータはテスト専用です。Brandon は実装用に独自のデータベースを購入してアップロードする必要があります。
また、デベロッパーに依頼してストアフロントアプリケーションを拡張し、外部郵便番号データベースへのアクセスを通じて基本的なストアフロントユーザーアカウント検証を追加することもできます。位置情報は時間が経つにつれて精度が低下するため、最新の位置情報データを定期的にインポートすることをお勧めします。
位置情報レコードを検索してインポートする手順は次のとおりです。
- [管理] > [グローバル環境設定] > [店舗検索データ] を選択します。
- 国の選択として [米国] (42,049 店舗) を入力します。
- 郵便番号に
02134
を入力します。
結果は、市区町村、州/都道府県、郵便番号、緯度、経度となります。
次のステップ
この単元では、B2C Commerce のローカライズフォールバック処理のしくみと、地域情報をサポートするための Business Manager の構成方法について学習しました。次は、ローカライズできるストアフロントデータの種類についてと、ストアフロント地域情報の選択に対してローカライズされたデータを構成する方法について学習します。