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昨年の教訓から学ぶ

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • ホリデー商戦を振り返るメリットを説明する。
  • ホリデーの変化する主要な原動力を 3 つ挙げる。
  • 買い物客とのエンゲージメントのトレンドについて説明する。
  • 実店舗からオンラインへの移行について説明する。

はじめに

今年のホリデーショッピングシーズンは、インフレによって買い物客の行動に不透明感が漂っています。最良の結果を得られるように、事前に計画を立ててください。最初のステップは、前年を振り返ることです。振り返ることによって、次のことができます。

  • 成功メトリクスを決める
  • 新しいまたは継続的な行動パターンを確認する
  • 改善の機会を見極める

数値

まず、昨年のショッピングトレンドを数値で見てみましょう。Salesforce では、10 億人以上の買い物客のショッピングデータを使用できます。30 か国のサイトに 10 億件を超えるアクセスがありました。このデータから、ショッピングのトレンドを独自の視点で把握できます。

2024 年のホリデーシーズンは、価格上昇によって買い物の方法が変わりました。Salesforce の調査によると、世界の買い物客の 37% でクレジットカードの使用頻度が増えました。また、買い物客の最大 32% が代替のクレジットサービス (「後払い」オプションなど) を使用しました。さらに、全所得水準の買い物客の 43% が昨年までと比較してより多くの負債を抱えました

以下は、調査で判明した上位 5 つのトレンドです。

  • AI によるおすすめ: AI が買い物客のギフト選びを助けている。
  • 中国のショッピングアプリケーション: 買い物客は中国のショッピングアプリケーションをより多く使用する予定である。
  • ミドルマイル配送: 上昇するコンテナ料金によって配送コストが増加している。
  • ブラックフライデーがサイバーフライデーに: 買い物客の購入場所が実店舗からオンラインに移り続けている。
  • ロイヤルティ: 高いマーケティングコストを回避するために、小売業者はロイヤルカスタマーへのエンゲージメントを強めている。

AI が最適なギフトを探す手助けをしている

AI を活用した商品推奨やチャットボットによって、商品の発見方法や問題解決の方法が大きく変化しました。昨年のホリデーシーズンでは、予測 AI と生成 AI がオンライン購入の 17% に影響を与え、オンライン売上が全世界で総額 1,990 億ドルに上りました。今年、この数は増えると予想されています。生成 AI を使用して最適なギフトを見つけることに買い物客の 53% が興味があると回答しています。

今年のホリデーシーズンは、AI 検索によって、買い物客の期待やエクスペリエンスに次のような変化がもたらされる可能性があります。

  • 小売業者は、より自然な会話形式のプロンプトに応答して売上を伸ばすキーワードベースの検索を使用できるように Web サイトを調整する。
  • 店員は検索を使用して、よりパーソナライズされたおすすめ商品を店舗内の買い物客に提示する。
  • サービス担当者は AI 検索を使用して、商品、注文、割引探しでストレスがたまっている買い物客にタイムリーに対応する。
  • 買い物客は Agentforce Agent for Guided Shopping を使用して、パーソナライズされたショッピング体験と商品サポート、リアルタイムの注文サポート、商品発見、安全な注文手続きを得ることができる。

小売業者が検索環境に AI を組み込み続けているため、検索によるコンバージョン率が約 3 倍に向上すると予測されています。

教訓: 信頼できる安全なアクセスを確保できるように顧客データを準備し、データのサイロ化を解消し、アプリケーション間でデータをハーモナイズし、Agentforce Agent for Guided Shopping を設定して、AI を使用する準備を整えます。

中国のショッピングアプリケーションが市場シェアを獲得する

価格の上昇によって、ショッピング行動が変わりました。世界の買い物客の 3 分の 2 が買い物の主な決め手となるものは価格であると回答し、品質であると答えた人は 3 分の 1 未満でした。こうした価格に敏感な環境によって、中国のショッピングアプリケーションに好機が訪れています。過去 6 か月の間に、欧米市場の買い物客の 3 分の 2 が Aliexpress、Cider、Shein、Temu、TikTok のようなプラットフォームで商品を購入しました。今年のホリデーシーズンには、中国のショッピングアプリケーションが中国以外の世界の e コマース市場で 1,600 億ドルのシェアを獲得すると予想されています。

小売業者は、欧米の買い物客の 63% が上記のようなアプリケーションから購入するつもりであることに注目する必要があります。ミレニアル世代の 3 分の 2 がこうしたアプリケーションを使用してホリデーギフトを購入する予定です。子供のいる家庭では、この傾向がより顕著に現れています。

教訓: Agentforce Skills for Merchandising のようなデータと AI を活用すれば、11 月に向けて魅力的なプロモーション戦略や割引戦略を策定できます。ブラックフライデーまでにセールを開始しない場合、買い物客 (特にロイヤルティプログラムのメンバー) に早めに告知して、割引を待ってもらえるように促します。

ミドルマイル配送によって小売業者のコストが上昇している

物流の問題は、サプライチェーンのミドルマイルとラストマイルに影響を与えています。政情不安と石油価格の高騰は、輸送用コンテナのコスト増加をもたらしました。上半期、ミドルマイルのインフラストラクチャ価格は跳ね上がりました。ラストマイルの課題も山積みで、コストの上昇と配送時間の遅延につながっています。今年のホリデーシーズンは、ブランドと小売業者はミドルマイルとラストマイルの経費として 1,970 億ドルを追加で負担することになる (前年比 97% 増) と予想されています。

可能な限り、配送料を買い物客に転嫁しないようにしてください。送料無料は、買い物客が特定のブランドやストアから購入する理由の上位 3 位に入っています。今年はコストが最大の関心事となっているため、競争力を維持するには送料の割引や無料化を行うことが極めて重要です。

教訓: 送料の割引や無料化を標準戦略に組み入れつつ、買い物客には商品をオンラインで購入して店舗で受け取るように促します。店舗受け取りにすれば送料が安くなるため、買い物客が店舗にやってきたときにほかの商品を追加購入することがよくあります。また、返品は郵送ではなく店舗で行ってもらえるようにお客様にインセンティブを提示します。郵送での返品に手数料を課すことを検討している場合、お客様 (特に最も重要なロイヤルカスタマー) との信頼関係に影響を与える可能性があることに注意してください。

サイバーウィークの台頭

お買い得品を手に入れるために、買い物客はサイバーウィークに購入を行います。昨年のブラックフライデーでは、オンラインホリデーセールが 4 % 上昇し、年間最大のオンラインショッピングデーとなりました。今年のホリデーシーズンも同様の傾向が予想されています。調査対象となった買い物客の 3 分の 2 がサイバーウィークまで購入を遅らせる予定であり、65% の買い物客がブラックフライデーが 1 年で最も割引率が高い日であると述べています。当然ながら、ブラックホリデーが 1 年で最大のデジタルショッピングデーとなる予想です。

ブラックフライデーの舞台は実店舗からオンラインへと変わりました。調査対象となった買い物客の 72% がオンラインショッピングを好むと回答し、店舗に出向くのを好むと答えた人はわずか 31% でした。その理由の上位は、「便利である」、「送料がかからない」、「価格を比較できる」です。今年のブラックフライデーでは、オンライン販売が店頭販売の 7% を奪うと予測されています。

教訓: ブラックフライデーの買い物客を捉えるために、Web サイトとソーシャルチャネルを準備します。データと AI を活用してパーソナライズされたエクスペリエンスを創出し、ロイヤルカスタマーに報奨を提供し、ホリデーシーズンの閲覧者を購入者に変換します。

ブランドロイヤルティが結果をもたらす

顧客獲得は、小売業者にとって多大なコストを伴います。デジタルマーケティングコストは高騰を続け、適切なデジタルオーディエンスにリーチする機会はますます少なくなっています。デジタルマーケティングコストが増加し、適切なオーディエンスを獲得する競争が激化するなかで、ブランドと小売業者は既存のお客様に焦点を絞る必要があります。

そこで役立つのが顧客ロイヤルティプログラムです。Salesforce の Shopping Index (消費指標) によると、第 1 四半期のリピーター購入者の割合は、過去 2 年間で 8% 増加しました。また買い物客は、ロイヤルティプログラムを提供するブランドや小売業者を優先しています。ロイヤルティポイントの獲得と利用は、価格の次に大きな要因として、買い物客の 46% の購入先に影響を与えています。ロイヤルティポイントによって、買い物客の 63% はポイントの獲得と利用ができるストアからの購入を増やしています。今年のホリデーシーズンは、ホリデー購入の 5 件のうち 2 件がロイヤルカスタマーのリピーターによって行われると予測されます。

教訓: 買い物客のプロファイル、好み、購入履歴などのロイヤルティデータを、必要な人全員が利用できるようにします。その対象者には、店員、コールセンターエージェント、Agentforce エージェント、買い物客自身を含めます。ロイヤルカスタマーには、無料のお急ぎ便、セールへの早期アクセス、ギフト包装、限定商品などの特典を提供します。

チームによる振り返りの計画

次のホリデーショッピングシーズンはこれまでとは異なるものになることは間違いありませんが、昨年のトレンドの多くが残る可能性が高いため、このトレンドを理解しておくことが引き続き重要です。Salesforce のデータとインサイトを確認して、ホリデーシーズンに備えてください。独自のストアフロント環境を評価することも忘れないでください。チームでミーティングを行い、次の質問を確認し、昨年のパフォーマンスについてさまざまな視点を得ると共に、新しいアイデアにも目を向けましょう。 

  • ホリデーシーズン中にうまくいかなかったことは何か?
  • どのキャンペーンおよびプロモーション戦術が成功したか?
  • オンライン体験をオフラインまたは店内体験とどのように合致させることができるか?
  • マーチャンダイジング、マーケティング、機能性、またはリテール業務のやり方をどのように変えることができるか?
  • ホリデーマーチャンダイジングの改善点を判断するために使用できる指標はどれか?

次のステップ

ホリデーショッピングとタイミングの原動力は常に変化しています。過去を振り返ることで、たくさんのことがわかりました。オンラインショッピングがかつてないほどに広まり、買い物客がますます価格に敏感になっていることがわかりました。 

また、AI が小売業者とブランドを買い物客につなげるのを助けていることも学びました。ミドルマイルコストと中国のアプリケーションの台頭によって課題が突きつけられています。最後に、ブランドロイヤルティを築くことが重要であることを学びました。最適な実現方法の 1 つは、必要なときにすべての人にデータを提供し、特典や特別オファーを提示することです。 

これらのインサイトと会社独自の視点を考慮しながら、ホリデーシーズンのプロモーション戦略の練り方について学習しましょう。

リソース

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