Commerce Einstein をリリースして管理する
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- Commerce Einstein のツールについて説明する。
- Commerce Einstein のリリースと有効化で実行する必要がある操作を挙げる。
- Commerce Einstein で活動を追跡する方法を説明する。
- Einstein のおすすめを設定する方法を説明する。
- 買い物客が活動の追跡をオプトアウトするとどうなるか説明する。
Commerce Einstein とは?
Commerce Einstein は、買い物客の体験を向上させることを目的とする、人工知能を駆使した一連のマーチャンダイジングツールです。上級マーチャンダイザーの Taylor Givens は Commerce Einstein に大きな期待を寄せており、買い物客の体験を高めるためのこのツールセットを使用して、パーソナライズの一部のタスクを自動化しようと考えています。特に Salesforce D2C Commerce ストアで Commerce Einstein を使用することを楽しみにしています。
Commerce Einstein には、活動と追跡と Einstein のおすすめという 2 つの機能が搭載されています。
- 活動の追跡: Commerce Einstein では、ストアでの買い物客の活動を基に匿名のメトリクスを収集し、こうした値を Commerce Einstein 機能のリアルタイムデータとして使用できます。Taylor がオプトアウトすることも可能ですが、この機能を使わない手はありません。
- Einstein のおすすめ: Taylor がストアでの商品の検索を自動化して、ショッピング体験をパーソナライズできます。この機能はエクスペリエンスビルダーのコンポーネントです。
以下は、Taylor がこの 2 つのツールを設定してリリースする場合に役立つチェックリストです。
タスク |
|
1 |
商品データの準備ができていることを確認する。 |
2 |
Commerce Einstein をリリースする。 |
3 |
活動の追跡を有効にする。 |
4 |
Commerce Einstein インデックスを再構築する。 |
Commerce Einstein をリリースする
Taylor は前の単元で、商品データの準備ができていることを確認しました。ここで、Commerce Einstein をリリースするためには、この点が極めて重要なことがわかりました。Taylor は Commerce Einstein をリリースする前に、次の操作を実行します。
- カタログをストアに割り当てる。
- カテゴリを商品に割り当てる。
- すべての商品が有効であることを確認する。
Commerce Einstein のリリースでは、次の 3 つのフェーズを進行します。
フェーズ |
説明 |
|
1 |
開始済み |
Commerce Einstein にカタログが読み込まれる。 |
2 |
カタログと Einstein データの処理 |
Commerce Einstein で商品カタログデータが処理され、Commerce Einstein 自動化が実行される。 |
3 |
完了 |
Commerce Einstein が正常にリリースされる、またはカタログの最新の変更を取り込んで再リリースされる。 |
カタログと Einstein データの処理フェーズで、次のエラーが表示されることがあります。
エラーの種類 |
解決策 |
カタログエラー |
ストアカタログの割り当てと商品の有効化を確認して、[再インデックス付け] をクリックします。 問題が解決しない場合は、ケースを作成して Salesforce カスタマーサポートに送信してください。 |
内部エラー |
[再インデックス付け] をクリックして、データを再処理します。 問題が解決しない場合は、ケースを作成して Salesforce カスタマーサポートに送信してください。 |
コマース管理者の Taylor が Commerce Einstein を有効にします。この手順は次のとおりです。
- コマースアプリケーションを開きます。
- ストアのホームページに移動します。
- [管理] を選択します。
-
[Commerce Einstein] を選択します。
- [Commerce Einstein をリリース] セクションで、[Commerce Einstein を有効化] をクリックします。
状況バーに Commerce Einstein の[開始済み]
というリリース状況が強調表示されます。
活動の追跡
活動の追跡では、ストアにおける買い物客のブラウザーベースの活動がリアルタイムで捕捉されます。ただし、買い物客が追跡を拒否する設定に明示的に変更している場合を除きます。欧州の買い物客は一般データ保護規則 (GDPR) でプライバシーが保護されているため、この点が特に重要です。欧州連合 (EU) で事業を運営しているすべてのリテーラーにこの規制が適用されます。
Commerce Einstein では、特定のブラウザー Cookie とセッションストレージオブジェクトを使用して、ブラウザーベースの活動を保存して追跡し、買い物客の体験を調整します。一部は必須 Cookie で、他に機能 Cookie もあります。機能 Cookie と追跡した活動を使用して、買い物客のデータをパーソナライズします。ただし、買い物客がサイトの機能 Cookie を明示的に無効にしている場合を除きます。買い物客が Cookie を受け入れると、有効期限が切れるまで、または買い物客が削除するまで Cookie がブラウザー内に留まります。
買い物客が機能 Cookie を無効にした場合は、その買い物客についてはストアで Cookie や追跡した活動が使用されません。ただし、バックグラウンドで活動の追跡が続行され、Einstein ですべての買い物客のデータが匿名で使用されます。Cookie が無効になった後も買い物客のブラウザー内に留まることがありますが、マーチャントが、追跡したデータを機能 Cookie を無効にした買い物客に関連付けることはできません。
以下は、活動の追跡時に Commerce Einstein で使用される Cookie と活動です。
データオブジェクト |
有効期限 |
活動 |
Cookie の種類 |
説明 |
cqcui |
365 日 |
機能 |
未登録の買い物客に一意の値を指定します。 |
|
userId |
削除されるまで |
必須 |
登録済みの買い物客に一意の値を指定します。 |
|
viewProduct |
7 日 |
✓ |
買い物客が閲覧した商品の ID を Commerce Einstein でどのように追跡するか。 |
|
viewReco |
365 日 |
✓ |
ページにおすすめが表示されたときに Commerce Einstein でどのように追跡するか。 買い物客がスクロールしておすすめを表示したかどうかは追跡されません。 |
|
clickReco |
365 日 |
✓ |
買い物客が Einstein のおすすめをクリックしたときに Commerce Einstein でどのように追跡するか。 |
活動の追跡では、ストアフロントにおける買い物客のブラウザーベースの活動がリアルタイムに捕捉されます。ただし、買い物客が追跡を明示的に拒否している場合を除きます。Commerce Einstein を有効にする前に必ずリリースします。有効にする手順は次のとおりです。
- コマースアプリケーションを開きます。
- ストアのホームページに移動します。
- [管理] を選択します。
- [Commerce Einstein] をクリックします。
-
[ストアフロント活動の追跡] セクションをクリックして展開します。
- [有効] を選択します。
Einstein のおすすめ
Einstein のおすすめコンポーネントにより、ショッピング体験がパーソナライズされ、ストアフロントで商品を見つけるために必要な手作業が減少します。Taylor はエクスペリエンスビルダーでこのコンポーネントをストアページに追加します。この手順は次のとおりです。
- [Ursa Major Solar] ストアを開きます。
- [エクスペリエンスビルダー] タイルをクリックします。
- [ホーム] タイルをクリックして、[商品] ページを選択します。
-
[コンポーネント] をクリックして、[Einstein のおすすめ] コンポーネントを [商品情報] コンポーネントの下にドラッグアンドドロップします。
Taylor はレイアウトとコンテンツを定義できます。この手順は次のとおりです。
- エクスペリエンスビルダーの [商品] ページで、[Einstein のおすすめ] コンポーネントをクリックします。
-
[レイアウト] セクションを展開します。
- [ヘッダーテキスト] に
Product Recommendations
(商品のおすすめ) と入力します。 - [表示する最大商品数] に
4
と入力します。 - [次の数未満の場合はコンポーネントを非表示] の値には
2
と入力します。
- [ヘッダーテキスト] に
- [コンテンツ] セクションを展開し、[おすすめ種別] (ストラテジー) に
[最近見た商品]
を選択します。
Taylor が選択可能なおすすめ種別は次のとおりです。
- 最近見た商品
- 類似商品: 買い物客が商品を閲覧したときに、表示された商品と同じカテゴリの商品が推奨されます。たとえば、買い物客がソーラーパワー式電力バンクを閲覧した場合に、ソーラーハットチャージャーが表示されます。
- 補足商品: 買い物客が商品を閲覧したときに、表示された商品とは別のカテゴリの商品が推奨されます。たとえば、買い物客がソーラーパワー式電力バンクを閲覧した場合に、ソーラーパワー式 LED ガーデンランプが表示されます。
Commerce Einstein ではストラテジーを使用して推奨する商品が決定されます。Taylor は下表を参考に、使用するストラテジーを判断します。[ストラテジー] 列の番号は、Commerce Einstein でストラテジーを使用する順序を表します。
おすすめ種別 |
表示する最大商品数 |
ストラテジー |
最近見た商品 |
10 |
最後に閲覧した商品 |
類似商品 |
20 |
|
補足商品 |
20 |
|
たとえば、[類似商品] おすすめ種別の場合、Einstein のおすすめはまず、同じ商品を閲覧した他のお客様がどのようなものを見ているかをチェックして、おすすめを探します。この方法で何も見つからない場合は、商品と他の商品の類似性を分析しておすすめを生成します。それでも何も見つからない場合は、自然言語処理を使用しておすすめを割り出します。
Commerce Einstein インデックスを再構築する
Taylor がストアの商品カタログを変更したら、必ず Commerce Einstein インデックスを再構築します。
Taylor は Commerce Einstein をリリースした際、カタログを毎週自動的に更新するスケジュールを設定しました。カタログを手動で更新することも可能です。この手順は次のとおりです。
- コマースアプリケーションを開きます。
- ストアのホームページに移動します。
- [管理] を選択します。
- [Commerce Einstein] を選択します。
- [Commerce Einstein をリリース] セクションで、[再インデックス付け] をクリックします。
状況バーの下に、再インデックス付けプロセスが開始されたことを示すメッセージが示されます。
次のステップ
この単元では、Commerce Einstein をリリースして有効にし、Einstein のおすすめを設定して、Commerce Einstein インデックスを再構築する方法を学習しました。次は、ストアをカスタマイズする方法を説明します。