D2C Commerce ストアを設定する
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- Salesforce D2C Commerce ストアの設定で実行する必要がある一般的な手順を挙げる。
- D2C Commerce の組織の設定で実行する必要があるタスクを挙げる。
- D2C Commerce で使用できる Salesforce ユーザーアカウントについて説明する。
- 権限セットのしくみを説明する。
- ユーザーレコードの作成で実行する手順を挙げる。
一般的なチェックリストを作成する
Ursa Major Solar のシステム管理者である Maria Jimenez のところに新しい D2C Commerce 組織と適切なライセンスや権限が届きました、これですぐに作業に取り掛かることができます。
以下は、適切な設定を行う場合に従う一般的なチェックリストです。
ステップ |
|
1 |
組織を設定する。 |
2 |
内部ユーザーを作成する。 |
3 |
ストアを作成する。 |
4 |
ストアフロントデータを追加する。 |
5 |
ナビゲーションを設定する。 |
6 |
コマースレポートをインストールする。 |
7 |
セルフ登録とゲスト閲覧を設定する。 |
8 |
チェックアウトを設定する。 |
9 |
エクスペリエンスを公開して、ストアを有効にする。 |
Maria は Taylor と Wei に、この実装のマーチャンダイジングとカスタマイズの部分が完了しているか確認します。
組織を設定する
Maria は大量の設定を行う必要があります。けれども、Salesforce 組織には信頼のおける設定ツールがあるため心配していません。チェックリストを作成して 1 つずつ処理していくことも得意とするところです。以下は、最初のステップのチェックリストです。
タスク |
|
1 |
Experience Cloud を有効にする。 |
2 |
注文設定を有効にする。 |
3 |
コマースを有効にする。 |
4 |
共有設定を定義する。 |
5 |
[HttpOnly 属性が必要] を設定する。 |
6 |
Product2 レイアウト設定を定義する。 |
7 |
個人取引先レイアウトを設定する。 |
8 |
注文レイアウトを設定する。 |
9 |
(省略可能) 組織のマルチ通貨を有効にする。 |
10 |
カスタムドメインと CDN を設定する。 |
Experience Cloud を有効にする
Experience Cloud を有効にする手順は次のとおりです。
- 組織を開きます。
- [設定] | [機能設定] | [デジタルエクスペリエンス] | [設定] に移動します。
- [デジタルエクスペリエンスを有効化] を選択します。
- [ドメイン名] に
ursamajorsolar
と入力します。 - [Save (保存)] をクリックします。
注文設定を有効にする
注文設定を有効にする手順は次のとおりです。
- [設定] | [機能設定] | [セールス] | [注文の設定] をクリックします。
- 次のオプションを有効にします。
- 拡張コマース注文を有効化 (一度有効にしたら無効にできません)
- 注文の価格表 (省略可能)
- [Save (保存)] をクリックします。
コマースを有効にする
Maria が注文設定を有効にしたら、ログアウトしてコマース設定にログインし直す必要があります。再度ログインしたら、次の手順に従ってコマースアプリケーションを有効にします。
- [設定] | [機能設定] | [コマース] | [設定] をクリックします。
- [コマースを有効化] をクリックします。
- [Save (保存)] をクリックします。
共有設定を定義する
データオブジェクトへの外部アクセスを可能にする共有設定を定義する手順は次のとおりです。ここでは、カタログに対するアクセス権が「参照のみ」であるとします。
- [設定] | [セキュリティ] | [共有設定] に移動します。
- 次の設定を定義して、[Save (保存)] をクリックします。
オブジェクト |
内部 |
外部 |
バイヤーグループ |
公開/参照・更新可能 |
デフォルトのまま (非公開) |
バイヤーグループメンバー |
公開/参照・更新可能 |
デフォルトのまま (非公開) |
カタログ |
公開/参照・更新可能 |
公開/参照のみ |
電子メディアグループ |
公開/参照・更新可能 |
公開/参照のみ |
エンタイトルメントポリシー |
公開/参照・更新可能 |
デフォルトのまま (非公開) |
画像 |
公開/参照・更新可能 |
公開/参照のみ |
注文配送方法 |
公開/参照・更新可能 |
公開/参照のみ |
処理の完了を知らせるメールが届きます。
[HttpOnly 属性が必要] を設定する
[HttpOnly 属性が必要] を設定する手順は次のとおりです。
- [設定] | [セキュリティ] | [セッションの設定] に移動します。
- [セッションの設定] セクションで、[HttpOnly 属性が必要] を有効にします。
- [Save (保存)] をクリックします。
Product2 レイアウト設定を定義する
Maria は数種のオブジェクトのレイアウトをカスタマイズして、すべて想定どおり機能することを確認します。Product2 レイアウト設定は省略可能ですが、このレイアウトを使用すると Maria が商品関連のデータを見つけやすくなります。この設定手順は次のとおりです。
- [設定] | [オブジェクトマネージャー] に移動します。
- [商品] を選択します。
- [ページレイアウト] に移動します。既存のレイアウトを更新するのではなく、新しいレイアウトを作成することも可能です。
- [商品] レイアウトをクリックします。
- [項目] セクションから、[商品 SKU] を [商品詳細] セクションにドラッグします。他にも役立ちそうな項目があればドラッグします。
- [関連リスト] セクションから、[カテゴリ]、[コマースエンタイトルメントポリシー] をレイアウトの [関連リスト] セクションにドラッグします。[価格表] と [標準価格] はすでに選択されているはずです。
- [Save (保存)] をクリックします。
個人取引先レイアウトを設定する
この手順は省略可能ですが、買い物客の住所を見つけやすくなります。この設定手順は次のとおりです。
- [設定] | [オブジェクトマネージャー] に移動します。
- [個人取引先] を選択します。
- [ページレイアウト] をクリックします。既存のレイアウトを更新するのではなく、新しいレイアウトを作成することも可能です。
- [個人取引先] レイアウトをクリックします。
- 一番上のセクションの左ペインで [関連リスト] をクリックします。
- [連絡先住所] をレイアウトの [関連リスト] セクション (下部) にドラッグします。
- [Save (保存)] をクリックします。
注文レイアウトを設定する
注文レイアウトの設定は省略可能ですが、配送情報を見つけやすくなるため、この手順を実行することを強くお勧めします。この手順は次のとおりです。
- [設定] | [オブジェクトおよび項目] | [オブジェクトマネージャー] に移動します。
- [注文] を選択します。
- [ページレイアウト] をクリックします。既存のレイアウトを更新するのではなく、新しいレイアウトを作成することも可能です。
- [注文レイアウト] をクリックします。
- 一番上のセクションの左ペインで [関連リスト] をクリックします。
- [注文配送グループ] をレイアウトの [関連リスト] セクションにドラッグします。
- [Save (保存)] をクリックします。
カスタムドメインと CDN を設定する
Maria がこのタスクを実行する手順は次のとおりです。
- ドメインを準備するには、Salesforce CDN の前提条件を含むカスタムドメインの前提条件を完了します。
-
[設定] をクリックして、[クイック検索] ボックスに
Domains
(ドメイン) と入力し、[ドメイン] を選択します。 - [ドメインを追加] をクリックします。
- [ドメイン名] 項目にカスタムドメインの名前として
https://www.example.com
と入力します。 - [Serve the domain with the Salesforce Content Delivery Network (CDN) (Salesforce コンテンツ配信ネットワーク (CDN) を使用してドメインを提供します。)] を選択します。
- [Allow HSTS preloading registration (HSTS 事前読み込み登録を許可)] を選択します。
-
[Save (保存)] をクリックします。
この設定を有効にした後に https://hstspreload.org でドメインを登録します。詳細は「カスタムドメインでの HSTS 事前読み込みの有効化」を参照してください。
変更を適用するために、プロビジョニング状況が [有効化の待機中] になったら Maria はドメインを有効にします。
CDN への登録が必要という通知を受け取ったら、ドメインを有効にします。HTTPS の設定やドメイン名の変更を行っても、ドメインが有効になるまでは、ドメインのライブトラフィックでプロビジョニングされた HTTPS オプションや新しいドメイン名が使用されません。有効になるまでは、ドメインのライブトラフィックで以前にプロビジョニングされた HTTPS オプションやドメイン名が使用されます。
内部ユーザーを作成する
D2C Commerce には 2 種類の Salesforce ユーザーアカウントが付属します。1 つは Maria や Taylor など内部ユーザーが使用するビジネスアカウントで、もう 1 つは買い物客が使用する個人アカウントです。ビジネスアカウントはアカウントオブジェクトで作成され、個人アカウントは Person Account
オブジェクトで作成されます。
ビジネスアカウントには、次の基本的な権限セットが付属します。
- コマース管理者: ビジネスユーザーに許可される最大限のアクセス権です。
- コマースビジネスユーザー: ストアの日常的な管理を処理する機能のサブセットです。
Maria が権限セットをコピーして新しい権限を作成すれば、社内の各種のユーザーのアクセスをさらに細かく制限できます。ただし、「コマース管理者」権限セットで許可される内容を上回るアクセス権を付与することはできません。
Maria が組織を受け取った時点で個人アカウントはすでに有効で、システム管理者プロファイルに割り当てられていました。
以下は、このステップの Maria のチェックリストです。
タスク |
|
1 |
ユーザープロファイルをコピーする。 |
2 |
ユーザーレコードを作成する。 |
新しいビジネスアカウントレコードタイプを追加する
Maria はチームメンバー用のユーザーレコードを作成して、各自が業務を遂行できるようにしたいと考えています。既存のプロファイルをコピーして、デフォルトのアプリケーションなど、メンバーがアクセス可能なアプリケーションを設定します。プロファイルをコピーする手順は次のとおりです。
- [設定] | [ユーザー] | [プロファイル] に移動します。
- Identity ユーザープロファイルをコピーします。
- プロファイル名に
Commerce App
(コマースアプリケーション) と入力します。 -
[Save (保存)] をクリックします。
- 先ほどコピーしたプロファイルで、[編集] をクリックします。
- [カスタムアプリケーション設定] で、次のアプリケーションの [参照可能] を選択します。
- コマース: デフォルトに設定して、コマースを内部ユーザーのデフォルトアプリケーションにします。
- Salesforce CMS
- [タブの設定] で、必要に応じて次の項目を [デフォルトで表示] に更新します。
- アカウント
- バイヤーグループ価格表
- バイヤーグループ
- カタログ
- カテゴリ
- CMS チャネル
- CMS エクスペリエンス
- CMS ホーム
- CMS ワークスペース
- コマース設定
- エンタイトルメントポリシー
- ゲストバイヤープロファイル
- 注文配送方法
- 注文
- 注文概要
- 価格調整スケジュール
- 価格表
- 価格設定ワークスペース
- 商品
- 商品ワークスペース
- ストア価格表
- ストア
- [Save (保存)] をクリックします。
システム管理者である Maria は、次の手順に従って Wei のユーザーレコードを作成します。
- [設定] | [ユーザー] | [ユーザー] に移動します。
- [新規ユーザー] をクリックします。
- ユーザーの詳細を入力します。
- 姓名
- メールアドレス:
wleung@ursamajorsolar.com
- ユーザー名:
wleung
- ユーザーライセンス:
Identity
- プロファイル:
Commerce App
(コマースアプリケーション)
- [Save (保存)] をクリックします。
- [権限セットの割り当て] セクションで、[割り当ての編集] をクリックします。
- [利用可能な権限セット] で、[コマース管理者] を選択します。
- [Save (保存)] をクリックします。
Taylor のユーザーレコードを作成する手順は次のとおりです。
- [設定] | [ユーザー] に移動します。
- [新規ユーザーの作成] をクリックします。
- 次の詳細を入力します。
- メールアドレス:
tgivensz@ursamajorsolar.com
- ユーザー名:
tgivens
- ユーザーライセンス:
Identity
- プロファイル:
Commerce App
(コマースアプリケーション)
- メールアドレス:
- [Save (保存)] をクリックします。
- ユーザーの名前またはユーザー名の
tgivens
をクリックします。 - [編集] をクリックします。
- [権限セットの割り当て] セクションで、[割り当ての編集] をクリックします。
- [利用可能な権限セット] で、[マーチャンダイザー] を選択します。
- [Save (保存)] をクリックします。
内部ユーザーにロールを割り当てる
内部ユーザーが新しいストアを作成すると、そのユーザーが自動的にセルフ登録した新規ユーザーの所有者になります。セルフ登録を機能させるためには、所有者がロールに割り当てられている必要があります。Maria は [設定] | [ユーザー] | [ロール] に移動し、ロールを作成して割り当てます。
次のステップ
このモジュールでは、Salesforce 組織で D2C Commerce ストアを設定するために必要な一般的な手順を学習します。まずは、組織を設定し、内部ユーザーを作成しました。この後も、D2C Commerce の設定を続けます。