チームのペルソナと権限の定義
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- B2B/D2C Commerce の実装に関与するロールを挙げる。
- それぞれのペルソナが望むことを説明する。
- Commerce 管理者の責務について説明する。
- 各ペルソナが B2B/D2C Commerce を使用するために必要な権限を挙げる。
- バイヤー権限とバイヤーマネージャー権限の重要性について説明する。
実装チーム
Ursa Major Solar のサードパーティソリューションアーキテクトである Lakita Scott はプロジェクトを計画して実行します。
Lakita が任務を遂行するためには、Ursa Major Solar の従業員からなる実装チームの協力が欠かせません。チームメンバーは B2B/D2C Commerce がどのようなものかに強い関心を抱いており、各人がこのプロジェクトの特定の要素について詳しく調べています。では、それぞれが着目している要素を見てみましょう。
Maria Jimenez は Ursa Major Solar で Salesforce 組織を担当しているシステム管理者です。Ursa Major Solar では Sales Cloud、Service Cloud、Experience Cloud も使用しています。
Maria は、担当する他の運用システムと同様に、ストアもスムーズに立ち上げて稼働させたいと思っています。製品の設定と管理に関して Maria が望むことは次のとおりです。
- コマースアプリケーション (B2B と D2C) の統合
- .csv ファイルを使用したカタログのインポート
- 基本的な注文管理
- 基本的なレポート
Taylor Givens は上級マーチャンダイザーです。
Taylor はインターフェースが使いやすいことを高く評価し、ストアフロントの管理機能に強い関心を抱いています。
機能種別 |
機能 |
---|---|
エクスペリエンス管理 |
|
商品検索 |
|
カタログとマーチャンダイジング |
|
Taylor は次のストア機能に期待を寄せています。
機能種別 |
機能 |
---|---|
ストアフロントページ |
|
カートとチェックアウト |
|
ストア管理 |
|
開発者の Wei Leung はコーディングに興味津々です。
カスタマイズに着手したときに、次の機能を活用できることに気が付きました。
- AppExchange パッケージの検索
- 支払、税金、配送用の AppExchange パッケージ
- B2C の拡張性とパフォーマンスに対応する、付属のコンテンツ配信ネットワーク (CDN)
- サードパーティインテグレーションを使用した PCI 準拠の支払処理
- 参照データとドキュメント
誰に何が必要か?
こうした優れた機能にチームがアクセスするには Maria の助けが必要です。B2B/D2C Commerce の実装を成功させるためには、各人が実装プロセスだけでなく、日常業務においても必要とする情報にアクセスできるように管理者が適切な権限を付与しなければなりません。
Maria はすでに極めて強力な「アプリケーションのカスタマイズ」権限を含む Salesforce システム管理者プロファイルを有しています。そのため、コマース管理者としてのすべてのタスクを自在に実行できます。Maria は他のチームメンバーにどの権限が必要かを見極めます。
Taylor は一日の大半を B2B Commerce アプリケーションか B2C ストアアプリケーションでの作業に費やしますが、この 2 つのアプリケーションには本人のユーザー ID に割り当てられている B2B/D2C Commerce ライセンスでアクセスできます。
Maria は Taylor に日常業務の遂行に必要な次の権限を付与する権限セットを作成します。
- 「エクスペリエンスの作成および設定」
- 「設定・定義を参照する」
Maria と同様 Wei にも、Salesforce で実行する必要があるさまざまな業務の遂行に「アプリケーションのカスタマイズ」権限が必要です。さらに、業務の遂行上 Apex コードを記述する必要が生じた場合のために「Apex 開発」権限も付与されています。
プロファイルと権限
他にも大勢の人々が B2B/D2C Commerce にアクセスする必要があります。Maria はユーザーを書き出し、各自の具体的な業務と必要なアクセス権を付与する方法を一覧にします。
ロール |
主な業務 |
ライセンス |
システム権限 |
権限の追加 |
アクセス権の付与に使用するもの |
---|---|---|---|---|---|
開発者 |
商品データを外部システムから Salesforce にアップロードし、チェックアウトを設定する |
Salesforce のフルライセンス |
|
なし |
プロファイルまたは権限セット |
フロントエンド作成者 |
ユーザーインターフェースを設計する |
Salesforce のフルライセンス |
|
なし |
プロファイルまたは権限セット |
マーチャンダイザー |
商品の発売を管理する |
B2B/D2C Commerce |
ライセンスに含まれる |
ライセンスに含まれる |
プロファイルまたは権限セット |
バイヤー |
Ursa Major Solar ストアから商品を購入したり、他のユーザーの代わりに購入する |
カスタマーコミュニティプラス |
|
なし |
権限セット |
バイヤーマネージャー |
購入を承認し、バイヤーを管理する |
カスタマーコミュニティプラス |
|
「外部ユーザーの代理管理」 |
権限セット |
バイヤー権限とバイヤーマネージャー権限
バイヤーは組織の商品やサービスを使用または再販の目的で購入します。バイヤーはストアに登録された外部の Salesforce ユーザーで、商品を表示して購入することができます。バイヤーマネージャーは、バイヤーアカウント内の数人のバイヤーや、複数のバイヤーアカウントを管理します。B2B Commerce の実装ではこうしたロールが極めて重要になります。B2B Commerce は、契約や価格交渉を伴うバイヤーとの関係に基づきます。
Maria はこの 2 つのユーザーの権限セットにシステムやアプリケーションの権限のほか、次のオブジェクトや項目の権限も追加します。バイヤーとバイヤーマネージャーの両方に次のオブジェクトに対する「参照」アクセス権を付与します。
- 取引先
- バイヤーアカウント
- カート
- カタログ
- カテゴリ
- 電子メディアグループ
- 画像
- 場所
- 注文概要
- 価格表
- 商品
- 商品カテゴリ商品
- 製品項目
- 商品メディア
- ストア
- ストアカタログ
さらに、バイヤーとバイヤーマネージャーに、次のオブジェクトに対する「参照」「編集」「作成」アクセス権も付与します。
- 連絡先住所
- カート
- 注文
個々の連絡先の郵送先住所である [連絡先住所] で、バイヤーにはすべての住所項目に対する「参照」アクセス権が付与される一方で、バイヤーマネージャーには住所項目に対する「参照」と「編集」アクセス権が付与されます。
Maria がさまざまなプロファイルと権限セットを作成して割り当てたら、Ursa Major Solar のオンラインコマースという夢の実現まであと少しです。
次のステップ
ペルソナと権限について学習しました。次は、B2B/D2C Commerce ストアの構築に何が必要かをペルソナ別に説明します。
リソース