Salesforce データモデルの詳細を知る
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- ストアオブジェクトに含まれるオブジェクトを挙げる。
- Salesforce でのストアの機能を説明する。
- 商品がデータモデルにどう適合するのかを説明する。
- カタログをストアに関連付ける。
- カテゴリをカタログに関連付ける。
B2B Commerce と B2B2C Commerce のデータモデル
Ursa Major Solar の管理者である Maria Jimenez は、Salesforce Commerce 製品の詳細を調べてみることにします。彼女は、そこに含まれる B2B Commerce 製品と B2B2C Commerce 製品で共通のデータモデルが使用されることを知って喜んでいます。ただし、いくつかの例外があります。それについては適宜説明していきます。
データモデルの世界をさらに深く掘り下げる前に、どのようなデータを使用する必要があるのかを見てみましょう。B2B Commerce または B2B2C Commerce の使用を開始する時点で、組織内には次のような一連の標準オブジェクトがあります。
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カタログ: 商品とナビゲーション
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カテゴリ: 商品のグループ
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エンタイトルメントポリシー: B2B のお客様のルール
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商品: お客様が入手可能な商品
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価格表: 交渉済み価格設定 (B2B) または使用可能な価格設定 (B2B2C)
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価格表エントリ: 商品単位あたりの価格
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バイヤーアカウント:* お客様のデータ
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バイヤーグループ:* バイヤーのグループ
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バイヤーグループメンバー:* グループ内のインスタンス
* これらのオブジェクトは特定のライセンスに限定されています。多くは CPQ などの他のライセンスでも使用されます (商品、価格表、価格表エントリ)。
ストアオブジェクト
ストアオブジェクトはハブだと考えることができます。さまざまな要素をスポークのように周りに追加できます。このフレームワークには最大限の柔軟性があり、ビジネス要件を満たすために必要なものを追加できます。ストアオブジェクトにはデフォルトで次のデータが関連付けられており、その他のオブジェクトは後で関連付けることができます。
- ストアエクスペリエンス
- デフォルトの言語とサポートされる言語
- デフォルトの通貨とサポートされる通貨
Maria がストアを設定すると、このストアがカタログ、カテゴリ、価格表、商品といったコマースデータのコンテナになります。B2B Commerce の場合と同様、B2B2C Commerce ストアもフロントエンドの購入手続きに Experience Cloud サイトを使用します。
Ursa Major Solar のマーチャンダイザーである Taylor Givens は Experience Cloud を使用して、商品を紹介し、買い物客向けの情報を配置し、ストアでの注文処理方法を決定できます。Maria は複数のストアを作成して、異なる事業分野や地域に対応させることができます。
B2B2C Commerce では、カタログ、エンタイトルメントポリシー、バイヤーグループのデフォルトとしてストアの概念を使用します。
Maria がデータインポーター機能を使用してデータを組織にインポートすると、デフォルトのカタログ、エンタイトルメントポリシー、バイヤーグループが自動的に作成されます。
商品オブジェクト
ソーラーパネルなど Ursa Major Solar の各商品は Product2 オブジェクトのレコードとしてリストされ、商品ごとに固有の SKU (在庫管理単位) 番号が指定されます。商品はさまざまな方法で組織に追加できます。データローダーなどのツールを使用して外部システムからインポートすることによって、商品を一括アップロードできます。または、必要に応じて 1 つずつ追加することもできます。
商品レコードには、商品説明、仕様、商品メディアへのリンクなどのデータが含まれていて、お客様は情報に基づいて判断できます。
B2B Commerce と B2B2C Commerce では使用する価格表が異なります。
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B2B Commerce: 各商品はリスト価格を記録する価格表レコードに結び付けられます。価格表オブジェクトには、価格表エントリを介して商品の価格に関する情報が保存されます。
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B2B2C Commerce: 価格表は Web ストア価格表オブジェクトに割り当てられます。商品はさまざまな方法で組織に追加できます。
B2B Commerce での仕組みは次のとおりです。
カタログをストアに関連付ける
Maria は最初のストアを作成することにワクワクしています。商品をストアに表示するにはカタログが必要です。カタログはカテゴリとサブカテゴリで構成されます。
では、カタログの説明から始めましょう。カタログは商品をストアで販売できるようにする基本的な分類方式で、カテゴリは商品のグルーピングです。次のルールが存在します。
- 1 つのカタログに、最大 5 レベルのカテゴリとサブカテゴリを設定できる。
- ストアにカタログを 1 つのみ関連付けることができる。
ストアを設定したら、カタログを関連付けることができます。インポートツールを実行する場合は、インポート先のストアにデフォルトのカタログが自動的に作成されます。組織に複数のストアが設定されている場合、同じカタログを複数のストアに関連付けることができます。
Taylor は 2 つのストアが必要だと言っています。1 つはアメリカのストアでもう 1 つはヨーロッパのストアです。どちらのストアでもお客様に表示される商品は同じですが、デフォルトの言語と通貨が異なります。
この図ではバイヤーグループ価格表 (B2B で一般的) ではなくストア価格表 (B2C で一般的) が使用されています。
これに対応する B2B 設定は次のようになります。
ストアごとにエクスペリエンスや価格設定が異なるだけでなく、それぞれが独自の商品カタログを使用します。Commerce データモデルの長所はその柔軟性で、ビジネスニーズを満たすために自由に設定することができます。
カタログのしくみ
Commerce アプリケーションでは、カタログとカテゴリに関する次のルールが商品に適用されます。
- 商品は 1 つ以上のカタログに属する。
- 商品をカタログ内のカテゴリの任意の組み合わせに含めることができる。
- 属するカタログで商品を編集すると、その編集内容は次の場所に自動的に反映される。
- その商品を含むカテゴリ
- そのカタログを共有する他のストアサイト
Maria がカタログを割り当てると、[カタログ] タイルが [カテゴリ] に切り替わります。カテゴリがカタログインポートに含まれていない場合は、[カタログ] ワークスペースで簡単にカテゴリを追加、修正できます。
Commerce アプリケーションデータモデルでは、カテゴリとサブカテゴリは同じ ProductCategory オブジェクトによって表されます。このオブジェクトによってお客様が商品をどのように検索するかを制御します。このオブジェクトには ParentCategory 属性を使用した固有の自己参照関係があります。ParentCategory は階層関係 (カテゴリからサブカテゴリへ、さらにそのサブカテゴリへの最大 5 レベル) を示します。
Maria はこの特別な関係を強調するためにスキーマビルダーで ProductCatalog オブジェクトと ProductCategory オブジェクトを表示できます。これについては次の単元で詳しく説明します。
B2C ストアで、Maria は Commerce アプリケーションの [カテゴリ] ワークスペースまでクリックして移動し、Ursa Major Solar のカタログを表示できます。彼女はお客様が各自のソーラーパネルニーズに合わせて最も互換性の高いサードパーティの構造物やベンダーを見つけられるようにしたいと考えています。そのために、[Components and Structures (コンポーネントと構造物)] カテゴリで、[カテゴリ] タブをクリックしていくつかのサブカテゴリを作成します。手始めに作成するのはモジュールクランプ、ワイヤーハーネス、インバーターです。
クリックによって対応する商品をサブカテゴリにリンクした後に、各カテゴリダイアログ設定の [プライマリカテゴリ] は未選択のままにします。こうすることで、買い物客はカテゴリ → サブカテゴリのブレッドクラムを辿ることができます。テスト組織で、ソーラーパネルのコンポーネントと構造物を検索し、任意のサブカテゴリにすばやく移動できるようになりました。
次のステップ
この単元では、Commerce データモデルの概要と、ストアオブジェクトが価格設定、商品、カタログにどのように関係しているかについて学習しました。次は、お客様のストアへのアクセス方法を整理する方法を学習します。
リソース