オーディエンスセグメンテーションの使用開始
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- セグメンテーションを定義する。
- 効果的なメールマーケティングキャンペーンにおけるセグメンテーションの重要性を説明する。
- 購読者をセグメント化する一般的な方法を挙げる。
適切に行う
「適切なメッセージを適切な相手に適切なタイミングで届ける」ことは、メールマーケティング担当者のモットーです。そして、オーディエンスをセグメント化すれば、適切なメッセージを適切な相手に確実に届けることができます。マーケティング担当者にはデータがあります。豊富なデータがある場合もあれば、少ししかない場合もありますが、その量に関係なく、オーディエンスのセグメント化はいつでも開始できます。
ところで、セグメンテーションとはいったい何なのでしょうか? いい質問です。セグメンテーションとは、購読者リストをさまざまな切り口で小分けして、各人に関連性の高い具体的かつタイムリーなメッセージ、つまり、受信トレイで顧客の目に留まるメッセージを届けることです。
購読者が共有した情報の活用
つながっている顧客に関する Salesforce のレポートで、ミレニアル世代の 63%、X 世代の 58%、団塊の世代の 46% が、パーソナライズされた特典や割引を受けられるのであれば、個人情報を共有してもよいと考えていることが示されています。データ収集は一方通行ではありません。提供者と収集者に持ちつ持たれつの関係があり、この関係でマーケティング担当者が重要な役割を果たします。
顧客は各自の具体的なニーズに応じたコンテンツが得られることを期待します。たとえば、メールコンテンツがパーソナライズされていなければどうなるでしょうか? まず何よりも、顧客の 52% がすぐ他に目を向けると答えています。この結果を聞いて、せっかく送っているのにとがっかりするかもしれませんが、マーケティングのあり方はもはやマーケティング担当者が決めるものではありません。マーケティング界はテクノロジーを使いこなす顧客やテクノロジーを使って自らのニーズにぴったりの企業を見つけ出す顧客で溢れ、こうした顧客の影響を受けています。
さらに驚くことに、顧客データを利用して関連性の高いエクスペリエンスを創出する自らの能力にとても満足していると答えたマーケティング担当者は 23% に過ぎません。もっと良いやり方が必要なことは明白です。
セグメント化の効果
セグメント化に取りかかる前に、本当に効果があるのかと疑問に思うかもしれません。
効果は現れます。実際のところ、市場調査によると、メールオーディエンスのセグメンテーションによって、適切なメッセージを適切な相手に適切なタイミングで届けられるだけでなく、次のような効果がもたらされます。
- クリックスルー率を上昇させるため
- コンバージョン率の上昇
- メールの配信到達性の改善
- 購読取り消し率の低下
- メール分析の質の向上
それなのに、多くの企業がセグメンテーションを実践していません。あなたの会社がまだ採用していない場合、今すぐ実践する理由は山ほどあります。
オーディエンスをセグメント化する一般的な方法
Marketing Cloud Engagement があれば、オーディエンスのセグメント化に使用できる条件はほぼ無限です。以下は、企業がデータをセグメント化する一般的な方法の数例です。
- 趣味・関心: 購読者がプロファイルでどのような趣味や関心事を挙げているか?
- 行動: 購読者はどのような内容を参照またはクリックしているか?
- 購入履歴: 最近何を購入したか? ショッピングカートに放置されたものは何か?
- 販売時点: 顧客は店舗とオンラインのどちらで購入しているか、両方で購入しているか?
- コミュニケーション設定: 顧客はメール、ソーシャルメディア、モバイルメッセージング、広告のどれか、あるいは数種類の組み合わせを希望しているか?
- 購読者のステータス: 新規の購読者か? 常日頃から参照して購入しているか? 非アクティブになったのは最近か、それともしばらく非アクティブのままか?
- 以前のメールへの対応: あなたからのメールを開いたか? メールのリンクをクリックしたか? その操作を行ったのは 1 日のどの時間帯か?
- 性別
- 年齢
- 地理的な場所
予測インテリジェンス (機械学習ともいう) に基づくオーディエンスのセグメント化を検討するのもよいでしょう。これは、購読者の過去の行動だけに焦点を当てるのではなく、データのパターンから購読者がどのような行動をする可能性があるかを予測して、それを基に購読者をセグメント化するという概念です。
この方法でのセグメント化には独自のメリットがあります。たとえば、高度なセグメンテーションを実現できます。データアナリストを雇わなくてもインサイトフルなデータ分析を活用できるほか、事前テストなしに効率的なメッセージングを予測できるため、無駄を最小限に抑えて、投資収益率を高めることができます。
ここで重要な点は、データを収集しなければ、オーディエンスセグメンテーションを行うことも、パターンを特定することもできないということです。ですから、データを集めまくりましょう! 収集する情報が多ければ多いほど、メッセージが適切なものに調節される可能性が高まります。
けれども、十分なデータがないからと言って、思い留まることはありません。地理情報のような単純なデータポイントでも、手始めにはちょうどよいでしょう。
オーディエンスセグメンテーションについて深く知る中で、自問する適切な質問を以下に示します。
- 各セグメントに独自のニーズはあるか? (なければ、セグメントではありません!)
- マーケティング活動を通してセグメントに接触できるか?
- セグメントの人々が応答する可能性は高いか?
- 投資に対する利益を考えた場合、投資する価値があると思われるか?
- セグメンテーションが会社や商品の価値と合致しているか?
最後にすべきことは、開封率、クリック率、コンバージョン率、購読取り消し、オプトアウトといったエンゲージメントメトリクスを使用して、選択したセグメントの有効性を継続的に測定することです。
これで、オーディエンスセグメンテーションの基本を理解することができました。では、データ組織に進みましょう。