ライセンスの概要
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- Salesforce のライセンスと管理パッケージのライセンスの違いを説明する。
- さまざまなライセンスオプションを識別する。
- カスタマーライフサイクルの各フェーズを挙げる。
ライセンス管理の開始
苦労もありましたが、あなたとチームはとても誇らしい気持ちです。ソリューションのビジネスを開始できる状態になったのです。さっそく販売しましょう。
Salesforce Platform でソリューションを販売するにはどうすればよいでしょうか? これはマーケティング戦略から営業まであらゆるものが関わる、かなり大きなトピックです。ビジネスに関する詳細は、「AppExchange アプリケーションセールス」モジュールを参照してください。
ここでは、ライセンスを見込み客に販売して有料のお客様に変えることで、利益の出るビジネスを作り出す方法に焦点を当てます。Salesforce では、ライセンス管理用とパッケージをインストールした見込み客の追跡用にそれぞれツールを提供しています。
このモジュールの後半では、有料のお客様にサポートを提供して満足度を維持し、優れた AppExchange パートナーとしての評判を築く方法を説明します。問題のトラブルシューティングを容易にし、お客様を迅速に正常な状態に戻すための有益なツールも提供されています。
各パートナーのライセンス
見込み客やお客様が管理パッケージをインストールすると、そのお客様の組織のユーザーはライセンス規約に従ってそのパッケージの内容を使用できるようになります。この規約によって、パッケージを使用できるユーザーと期間が決まります。
「AppExchange アプリケーション戦略」モジュールはもう修了しましたか? このモジュールでは、さまざまな AppExchange パートナーの種別について説明しています。
- AppExchange パートナーは、Salesforce Platform で実行される ISVforce ソリューションを開発し、Salesforce のお客様にのみ販売します。
- OEM パートナーは、独自の専門的なソリューションに Salesforce Platform を埋め込み、Salesforce 以外のお客様に販売しています。
Salesforce でライセンスに言及する場合、次の状況を指すことがあります。
- ISVforce および OEM ソリューションのどちらにも、それぞれの作成者が寄与した管理パッケージへのアクセス権を付与するユーザーライセンスが付属します。
- OEM ソリューションには、各管理パッケージライセンスと共に Salesforce Platform ライセンスも埋め込まれています。
- Salesforce パートナー契約を締結すると、自社のビジネスに Salesforce テクノロジーを使用するライセンスが供与されます。そのライセンス契約は、パートナーがお客様に製品のライセンスを供与する方法に影響を与えますが、それはパートナーと Salesforce の間の別の契約です。
このモジュールでは、最初の箇条書きのユーザーライセンス、つまりお客様にパッケージの使用を許可するためにパートナーがお客様に供与するライセンスについてのみ説明します。
より一般的なライセンスについての詳細は、Salesforce パートナーコミュニティにログインして、ISVforce や OEM のライセンスに関する説明を参照してください。
さまざまなライセンスオプション
ライセンススキームによって収益ストリームが決まります。ビジネスモデルはそれぞれ異なるため、Salesforce ではお客様に提案できるライセンスオプションをいくつか用意しています。
ライセンスアプローチを決定するときには、パッケージをどう提供するか、ユーザーは誰かについて考えます。シートライセンスは妥当ですか? 組織の全員がパッケージを使用しますか?
ユーザー単位ライセンス
お客様組織の特定数のユーザー (シート) にパッケージへのアクセス権を付与します。その組織のシステム管理者がシートを組織の特定のユーザーに割り当てます。アクセス権が必要なユーザーが増えたら、追加のシートを提供できます。
サイトライセンス
お客様の組織のすべてのユーザーがパッケージを使用できます。
パッケージをインストールしたお客様は、パッケージにデフォルトで付属するライセンスを取得します。デフォルトとして選択したライセンスの種類に関係なく、後でいつでも特定のお客様用にライセンスを調整できます。たとえば、お客様がパッケージを試す目的で 5 つのユーザーライセンスを購入したとします。このお客様はその後、パッケージのすばらしさを実感し、50 人の従業員すべてにロールアウトすることを決定しました。現在持っているライセンスは 5 つだけなので、他の 45 人のユーザーは追加のライセンスが供与されるまでパッケージを使用できません。
Salesforce では、お客様と協力してそのニーズを満たすために、妥当な場合はライセンス規約を調整できるツールを提供しています。その方法は次の単元で説明します。
無料トライアルと期間制限
Salesforce では、パートナーがお客様のライセンスを管理できるようにさまざまなオプションを提供しています。パッケージを使用するユーザーの制御とは別に、一定期間が経過したら失効するようにライセンスを設定できます。これにより、お客様にパッケージの無料トライアルを提供できるため、お客様は有料ライセンスが必要かどうかを判断できます。
ライセンスの種類と同様に、これらの期間制限は個々のお客様のニーズに合わせて調整できます。パッケージへのアクセス権をお客様組織内に制限する場合は、一時的にライセンスをサスペンドすることもできます。
無料ソリューション
無料ソリューションをリリースする場合も、ソリューションにはライセンスが付属します。ほとんどの無料ソリューションは、処理を簡略化するためにサイトライセンスで配布されます。
ただし、無料ソリューションが販売したソリューションの一部である場合、実際には無料ではありません。たとえば、すでにプラットフォーム以外のソリューションを販売し、Salesforce と有料ソリューションの間でデータを同期するためのアプリケーションを作成した場合、そのデータ同期アプリケーションのライセンスはソリューションに結び付けられているため、そのアプリケーションは無料ではありません。
無料ソリューションについての詳細は、Salesforce パートナーコミュニティで提供されている「Salesforce パートナープログラムポリシー」ドキュメントを参照してください。
新機能の管理
AppExchange パートナーには、Salesforce Platform の機能への特別アクセス権が正式リリース (GA) 前に付与されます。自社のお客様にも新機能のスニークプレビューを提供できるとしたらどうでしょうか?
幸いにもパートナーは機能パラメーターを使用してパッケージの最先端機能への独占アクセス権をパワーユーザーに提供できるようになりました。これを行うには 3 つの異なるオプションがあります。
- パイロット機能 — 機能が正式リリースされていない場合もありますが、積極的なお客様にとっては役に立ちます。パイロット機能では、特定のユーザーに機能を提供してその使用方法を確認できます。
- ダークローンチ — パッケージの新バージョンを出荷しようとしているものの、まだ一般にリリースするには準備不足の機能がある場合、その機能をコードから除外しないでください。ダークローンチでは、その機能を無効にしてパッケージを出荷し、準備ができたら有効にできます。このアプローチにより、継続性を高め、予期しない事象を減らすことができます。
- 2 ステップイネーブルメント — パッケージの新バージョンにお客様の使用方法が大幅に変わる機能が含まれている場合、いつその機能を有効にするかをお客様が選択できます。2 ステップイネーブルメントでは、お客様に新機能を提供し、お客様が使用開始を選択するまで無効にしておくことができます。
これらのオプションについては、モジュールの後半で詳しく説明します。
カスタマーサポートのライフサイクル
お客様との関係は、お客様がパッケージをインストールしたときに始まります。気に入れば、お客様はライセンスの料金を支払います。それに対して、パートナーはパッケージを提供し、お客様が手助けを必要としているときには満足のいくサポートで対応します。
お客様との関係は、次の Salesforce のカスタマーサポートライフサイクルに従います。
カスタマーサクセス計画
パッケージのインストールで始まるカスタマーエクスペリエンスを定義し、お客様の目標達成をサポートする方法を明確にします。
カスタマーサポート
Salesforce Platform についてサポートスタッフをトレーニングし、お客様と話ができるようにします。
トラブルシューティング
お客様と協力して、組織でパッケージに発生している問題を把握します。このモジュールでは、このプロセスを容易にするツールについて説明します。
リリース管理
更新をお客様にリリースする計画を策定します。転送アップグレードを使用するのか、お客様が手動でアップグレードするのか? お客様にどのようにアップグレードプロセスについて伝えるのか? 詳細は、「AppExchange のアプリケーションのアップグレード」モジュールを参照してください。
このサイクルを、新機能の計画と実装、新規スタッフの採用、マーケティング戦略の展開、ビジネスの成長に合わせて繰り返します。
状況を理解できたので、ツールについて説明しましょう。次の単元では、ライセンス管理アプリケーションを紹介します。その名のとおり、ライセンスを管理するアプリケーションです。