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AppExchange ソリューションについて

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • AppExchange を定義する。
  • AppExchange のソリューションタイプを挙げる。
  • プロジェクトで AppExchange ソリューションを使用するメリットについて説明する。

AppExchange とは?

Salesforce では、お客様や開発者が Salesforce プラットフォーム上で実行されるアプリケーションを構築できるよう取り組んでおり、新しいアプリケーションが次々と誕生しています。

2006 年、Salesforce は AppExchange を立ち上げました。AppExchange とは、お客様がクラウドで事業を運営するために必要なものをすべて見つけられるようにする業界初のマーケットプレイスです。

システム管理者や開発者をはじめとする Salesforce ユーザーが、AppExchange ソリューションを利用してビジネスプロセスの効率性やチームの生産性を高めています。 

AppExchange はアプリケーションだけではない

今やアプリケーションは巷に溢れています。Salesforce の 88% を超えるお客様がアプリケーションを 1 つ以上インストールしています。その一方で、AppExchange はアプリケーション以外にも拡大され、現在では次のタイプのソリューションを扱っています。

  • アプリケーション
  • コンポーネント
  • Bolt ソリューション
  • フローソリューション
  • コンサルタント

お客様がどの業界、部門、事業でも、AppExchange の数多のソリューションの中から各自に適したものを見つけることができます。 

AppExchange ソリューションには、次のような共通点があります。

  • Salesforce 機能を拡張する。
  • 他のユーザーに配布できる。
  • Salesforce プラットフォームで実行される。
  • ソリューションの開発を促進する。

スピードに対するニーズ

Salesforce のお客様が何よりも求めるのがスピードです。ページの読み込み時間といった意味でのスピードではなく、ソリューションを迅速に構築してデプロイできるかどうかという意味でのスピードです。AppExchange のソリューションを使用すれば、ゼロから構築する必要がなくなるため、商品化に要する時間が短縮します。

お客様はまた、適切な AppExchange ソリューションをすばやく見つけることを望んでいます。そもそもソリューションが見つからなければインストールできないため、これは重要なポイントです。このモジュールでは、それぞれのソリューションタイプについて説明し、各タイプを使用する状況を明確にして、必要なソリューションをすばやく見つける方法をご紹介します。 

では始めましょう。

一緒にトレイルを進みましょう

エキスパートの説明を見ながらこのステップを実行したい場合は、次の動画をご覧ください。これは「Trail Together」(一緒にトレイル) シリーズの一部です。

アプリケーション: 特化型アプリケーション

最適なアプリケーションを目指してトレイルを前進する

アプリケーションとは、連動して特定の機能を果たす要素の集まりで、すぐインストールできる状態になっています。スマートフォンを所有している方は、すでにアプリケーションを操作しています。アプリケーションを使用して、やることリストを管理したり、音楽をストリーミングしているのではないでしょうか。 

アプリケーションを使用すると、スマートフォン自体では実行できないことが可能になります。Salesforce の場合も同じです。アプリケーションを使用することで、顧客への請求の自動化や契約の生成など、Salesforce に標準装備されていない機能を実行できるようになります。 

アプリケーションを作成する場合は、開発者がカスタムのオブジェクト、アプリケーション、タブ、コンポーネントなどを 1 つのアプリケーションパッケージにまとめます。AppExchange ではアプリケーションごとにその内容がリストされています。パッケージの中には、たくさんの要素が詰め込まれているものもあります。

カスタムのオブジェクト、アプリケーション、タブで構成されているアプリケーションパッケージの AppExchange リスティングの例

逆に、極めてシンプルなものもあります。

1 つのカスタムタブで構成されているアプリケーションの AppExchange リスティングの例

コンポーネント: ビルディングブロック

アプリケーションを構築して、唯一無二のページにカスタマイズ

アプリケーションとしてまとめられていると便利ですが、アプリケーションの全部は必要ないことがあります。アプリケーションや Web ページを使いやすくするちょっとした機能が必要な場合などです。こうした際に役立つのがコンポーネントです。 

コンポーネントとは、アプリケーションのような大きなものを構築するために組み合わせるビルディングブロックです。コンポーネントを使用して Web ページをカスタマイズすることも可能です。アプリケーションを構築することと、Web ページをカスタマイズすることは大きく異なります。そのため Salesforce では、コンポーネントと Web コンポーネントという 2 種類のコンポーネントを用意しています。 

コンポーネントは、モジュール式のビルディングブロックです。コンポーネントを使用すれば、アプリケーションや Bolt ソリューションといった他のソリューションをコーディングなしで構築できます。コンポーネントにより、機能を独自に開発することなく追加できます。 

Web コンポーネントは、ユーザーインターフェース要素です。Web コンポーネントを理解する早道は、Lightning Experience ユーザーインターフェースを理解することです。Lightning Experience では、ボタンやタブなどページ上のすべての要素が Lightning Web コンポーネントです。ページを補強またはカスタマイズする場合は、ページに Web コンポーネントを追加します。

Salesforce 開発者が作成したコンポーネントもありますが、AppExchange にリストされているコンポーネントの大半はパートナーが作成したものです。

お客様によるコンポーネントの使用例として、次のものが挙げられます。

  • Salesforce のログインや機能の使用状況を追跡する。
  • メール送信除外を自動的に管理する。
  • プロセスを開始する。
  • Salesforce オブジェクト全体から重複レコードを検出してマージする。
  • カレンダーをページに追加する。

Bolt ソリューション: 業種ソリューション

Lightning Bolt ですばやく起動。

業種固有のソリューションを市場にいち早く投入することが求められる場合があります。そのソリューションは Sales Cloud や Service Cloud などの Salesforce 製品と連携し、ビジネスロジックや自動化が組み込まれている必要があります。そのうえ、カスタマイズ可能で、人目を引くユーザーインターフェースを備えていなければなりません。このすべてを満たすには、Bolt ソリューションが必要です。

Bolt ソリューションは、Salesforce プラットフォーム上で実行され、Salesforce クラウド製品、Lightning アプリケーションやコンポーネント、業種テンプレート、パートナーの専門知識が含まれています。

Bolt ソリューションは、Salesforce にすぐデプロイできるようにすべてを備えた業種ソリューションです。 

Bolt ソリューションを使用して、次のようなことを実行できます。

  • 顧客のオンボーディング時にスムーズなカスタマーエクスペリエンスを実現する。
  • Salesforce CRM とシームレスに統合するコミュニティや Web サイトの作成にすぐ着手する。
  • フランチャイズ加盟店がロゴなどのブランドアセットの最新バージョンにアクセスできるポータルを作成する。

すぐインストールできるアプリケーションやコンポーネントとは異なり、Bolt ソリューションをデプロイする場合は、その Bolt を作成したパートナーのサポートを必要とします。パートナーがソリューションのインストールや、お客様のニーズに合わせたカスタマイズをお手伝いします。

Lightning Data: CRM データの強化

適切なデータでビジネスを推進。

あなたに必要なのは、さらなる機能ではなく、顧客の周囲でどのようなことが起きているのかを把握できるようになる高品質なデータであることがあります。こうした場合に必要なのが Lightning Data です。 

Lightning Data は、Salesforce 組織をデータフィードに接続して、CRM データを自動的に強化するもので、特殊なアプリケーションと考えることができます。 

Lightning Data Engine により、組織とサードパーティのデータフィードがバックグラウンドで自動的かつ永続的につながることになります。このため、すべてのデータが常に最新の状態に維持されます。

AppExchange には業種や事業に特化した多様なデータが揃っており、その 1 つを選んだり、複数を組み合わせたりすることができます。 

Salesforce のお客様は Lightning Data を使用して、次のような重要なビジネスプロセスを強化しています。

  • 市場分析と市場開拓計画。
  • リードのスコアリングとルーティング。
  • 特に取引先ベースのマーケティング (ABM) におけるマーケティングセグメンテーション。
  • 人工知能 (AI) と Einstein 機能。

フローソリューション: プロセスの自動化

フローソリューションで自動化を加速。

ビジネスプロセスを自動化する必要があるが、インテグレーションやコーディングの手間は省きたいと思うことがあります。こうした場合に欠かせないのがフローソリューションです。フローソリューションでは、データの更新、メールの送信、外部システムとのやり取りといったタスクがユーザーに代わって自動的に実行されます。

「フローソリューション」は包括的な用語で、フローアクションとフローテンプレートという 2 種類のソリューションを包含します。

フローアクションは事前構築されたスタンドアロン型の機能要素で、フローのコンテキスト内でアクションを実行します。たとえば、クレジットカードの検証がこれに該当します。この検証は、複数のステップで構成される支払処理フローの 1 つのアクティビティです。

フローアクションの例として、他にも次のようなものがあります。

  • SMS メッセージを送信する。
  • 信用調査を実施する。
  • 取引先情報を更新する。

フローアクションはフロー全体の 1 つの要素です。この全体を表すのがフローテンプレートです。上記の支払処理の場合、フローテンプレートは顧客のクレジットカードを検証するだけでなく、支払情報を保存し、料金を回収します。 

フローテンプレートは事前構築されたエンドツーエンドの設定可能なビジネスプロセスで、特定の業種のユースケースに合わせて作られています。この一文には重要な情報が詰まっているため、一語ずつ見ていきましょう。

事前構築

フローアクションやテンプレートは経験豊富な Salesforce パートナーが Salesforce フローを使用して宣言的に作成したものであるため、お客様がプロセス自動化ソリューションをゼロから実装する必要がありません。 

Salesforce フローの中核をなすのは、コードを記述しなくてもビジネスロジックを簡単にモデル化できるポイント & クリック式のビルダーです。Flow Builder を使用すると、ユーザー入力、ガイド付きユーザーインタラクション、豊富な分岐ロジックを設定して、一度に複数のレコードで操作可能なフローを作成できます。

パートナーはこのツールを使用して、次のような機能を装備した自動化を作成しています。 

  • 複雑なビジネスロジックを設定する。
  • 異種システムにプロセスを接続し、接続先のシステムでアクションを実行する。
  • エンドユーザーのインタラクションを誘導する、整然としたビジュアルワークフローを表示する。
  • Salesforce のすべてのアプリケーション、エクスペリエンス、ポータルと連動する。

Flow Builder に表示されたフローの例。

Salesforce フローとフローの構築に使用するツールについての詳細は、「フローの基本」モジュールを参照してください。

エンドツーエンド

テンプレートには、ビジネスプロセスフローの始点から終点までが図示されます。具体的な成果を達成するために必要なステップも含まれます。

設定可能

テンプレートはある意味、エンドツーエンドのエクスペリエンスを実現するアプリケーションと似ています。アプリケーションとの違いは、テンプレートの場合、そのまま使用することを意図していない点です。フローテンプレートは通常、各自のビジネスニーズに合わせて設定する必要があります。フローテンプレートは、設定可能なビジネスプロセスと考えることができます。 

テンプレートをカスタムのプロセスフローの出発点として使用します。まず、テンプレートを独自のフローとして保存します。続いて、各自のビジネスニーズに応じてカスタマイズします。たとえば、ロジックを変更したり、フローアクションを追加したりします。

業種のユースケースに合わせて調整

フローテンプレートを作成する Salesforce パートナーは、その業種のエキスパートです。各自の業種のインテリジェンスをテンプレートに取り入れて、お客様の成功をサポートします。

フローテンプレートの例:

  • ブランド設定されたモバイル対応のアンケートをフローに追加する。
  • 見積から注文を作成する。
  • 顧客の支払方法を検証、取得、保存する。

カスタムのプロセス自動化ソリューションを迅速に起動する場合は、フローソリューションを活用します。 

コンサルタント

AppExchange ではもう 1 つ、お客様の役に立つリソースを見つけることができます。コンサルタントです。コンサルタントとは、その業種の深い知識を備え、Salesforce の専門知識が実証されているスペシャリストで、Salesforce のお客様のチームと協力してその目標達成に取り組みます。コンサルタントの利用者の多くは、社内のリソースやソリューションに関する知識が不足しているお客様です。

AppExchange のコンサルティングパートナー検索機能ウィザード

コンサルタントは、Salesforce の認定資格を定期的に更新し、成果を挙げたプロジェクトをポートフォリオにまとめるといった方法で、各自の専門知識を実証しています。次に例を示します。

  • ヘルスケアのトップ企業でケース管理ソリューションを立ち上げ、経費を 20% 削減した。
  • 大手の多国籍企業に統合型カスタマーコミュニティを構築し、顧客満足度を大幅に向上させた。

大半のケースでは、各コンサルタントの指針、専門知識、サポートによってお客様の成功が促進されます。お客様とコンサルタントの協力により、多くの成果を迅速に達成することができます。

Salesforce の機能を拡張する

AppExchange ソリューションは、Salesforce のコア機能を迅速かつ簡単に拡張する手段です。ビジネス課題がどのようなものでも、役に立つソリューションが見つかります。 

タイプ
説明
アプリケーション
すべてを備えた特化型アプリケーション
コンポーネント
ページ、アプリケーション、Bolt ソリューションに機能を追加するために使用するビルディングブロック
Bolt ソリューション
パートナーによるサービスと一体化した業界ソリューション
Lightning Data
CRM データを拡充するサードパーティデータ
フローソリューション
フローアクション: プロセスフローに機能を追加するスタンドアロン型の要素
フローテンプレート: 事前構築されたエンドツーエンドの設定可能なビジネスプロセスで、特定の業種のユースケースに合わせて調整する
コンサルタント
業界の深い知識を備え、Salesforce スキルが実証されているエキスパート

AppExchange のどのソリューションも共通して、次の重要な特長を備えています。

  • 簡単にインストール: 数千種のソリューションのいずれも数回のクリック操作でインストールできます。
  • シームレスな設定: コードではなく、クリック操作でソリューションを統合して設定できます。
  • ピアレビューを実施: AppExchange ソリューションに対して 8 万件を超えるピアレビューが実施されています。
  • セキュリティテスト済み: 厳格なセキュリティレビューに合格した AppExchange ソリューションのみが掲載されています。

まだ確信が持てない方は、無料トライアルをご利用ください。パートナーの多くは、お客様が購入前にトライアルできるようにしています。トライアルは、関心あるソリューションが各自のニーズを満たすかどうかを確認する優れた方法です。 

活躍している Trailblazer の皆さんは、AppExchange を利用して Salesforce や各自のビジネスで大きな成果を挙げています。 

リソース

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