MobilePush 入門
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- MobilePush を操作する。
- MobilePush をアプリケーションと統合する。
- アプリケーション設定を管理する。
MobilePush ついて知る
モバイルアプリケーションとプッシュ通知によって、迅速かつパーソナライズされた方法で顧客と直接つながる魅力的なチャネルが提供されることは明らかです。構成から最初の送信まで、モバイル化の機会を最大限に活用できるようになるには、このモジュールが役立ちます。このモジュールでは、受講者が Marketing Cloud Engagement 管理者であると想定しています。ただし、システム管理者でなくても問題ありません。このまま読み進み、本番組織でどのように手順を実行するのかを学習しましょう。Trailhead Playground で次の手順を実行しないでください。Trailhead Playground では Marketing Cloud Engagement を使用できません。まずは、Mobile Studio の下にある MobilePush の [概要] ページから見ていきましょう。
[概要] ページでは、メッセージとレポートの作成やモバイル連絡先の追加を行えます。また、他にも、特定の日のパフォーマンスを表示できる [送信] (1) と、ロケーションベースのメッセージを作成できる [ロケーション] (2) という 2 つのタブに移動することもできます。
構成を完了してメッセージを送信するまでは、[概要] ページはかなり殺風景に見えます。では、早速設定していきましょう。
最初にすべきこと
アプリケーション開発者の協力を得て、MobilePush SDK (ソフトウェア開発キット) を設定することから始めます。これは、SDK には会社のアプリケーションを MobilePush に接続するための必須要素が用意されているためです。
開発者の手順 |
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アプリケーション開発者は、開発者ドキュメントページ「Marketing Cloud Engagement SDKs」にある必要な手順に従って、Android と iOS でアプリケーションをプロビジョニングする必要があります。接続の問題が発生しないように、MobilePush SDK の最新バージョンを実装してください。次の情報に留意して、必要な手順を完了します。 Android デバイス: Firebase (Google のモバイルプラットフォーム) コンソールのサーバーキー iOS デバイス: .p8 認証キー |
MobilePush アプリケーションを管理する
Scott's Restaurant and Bar がどのように MobilePush を使用して、ロイヤルティプログラムの管理と上位顧客へのクーポン提供を計画するのかを見てみましょう。まず、Scott's のデジタルマーケターである Simone Wright が同社のアプリケーション開発者である Eduardo と打ち合わせを行って設定を確認します。Eduardo は開発者の手順に従い、Android と iOS デバイス用のアプリケーションをプロビジョニングして、Simone にサーバーキー、本番証明書、パスワードを送信します。この情報により、Simone は Marketing Cloud Engagement でアプリケーションを構成する準備ができました。では、一緒に見てみましょう。
- まず、Simone はユーザー名ドロップダウンの下にある [セットアップ] に移動します。
- [セットアップ] で、MobilePush を検索します ([機能設定] の下に表示されます)。
- 次に、[Create New App (新しいアプリの作成)] をクリックします。
- アプリケーションの名前と説明を追加します。(この名前は Marketing Cloud Engagement 用であるため、App Store での名前と一致させる必要はありません。)
- [保存] をクリックします。
- 次に、アクセストークン、アプリ ID、アプリエンドポイントを見つけます。これらは自動的に生成され、アプリケーション開発者が SDK 構成を最終決定するために使用します。
- この 3 つをアプリケーション開発者の Eduardo 宛てのメールにコピーします。
アプリケーションと Marketing Cloud Engagement を接続する
次に、Simone は、Scott's Restaurant and Bar アプリケーションがプロビジョニングされたときに Eduardo から受け取った情報を入力する必要があります。これは重要な手順です。Scott's アプリケーションと Marketing Cloud Engagement を接続し、アプリケーションのメッセージを顧客に送信できるようにする手順であるためです。MobilePush の [セットアップ] ページにあるプラットフォーム (iOS と Android) に応じた要件と手順は次のとおりです。
送信サービス
iOS 送信
まず、APNS .p8 認証キーまたは APNS .p12 証明書のいずれかを選択します。
APNs .p8 認証キー (1)
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iOS プロビジョニングポータルから次の ID を取得します。
- 認証キー: 変更されていない .p8 ファイル
- キー ID: .p8 ファイルに関連付けられた 10 文字のキー ID
- チーム ID: Apple 開発者アカウントに関連付けられた 10 文字のチーム ID
- アプリバンドル ID: MobilePush で使用しているアプリケーションの ID
- MobilePush の [管理] の [APNs .p8 認証キー] というセクションで、4 つの資格情報をすべてアップロードします。
APNs .p12 証明書
- 証明書を選択してアップロードします。
- 証明書のパスワードを入力します (省略可能)。
- バンドル ID を入力します。
Android 送信
- [Android クライアント] フィールドに、Google の Firebase コンソールの [API キー] フィールドにあるサーバーキー (2) を入力します。
この重要な手順を完了したところで、Simone はこれらの設定 (省略可能) を確認し、[カスタムサウンド]、[カスタムキー]、[OpenDirect]、[インタラクティブ通知] を無効のままにすることにします。
最後に、Simone は入力したすべての情報を確認し、[保存] をクリックします。
構成をテストする
すべてが適切に構成されると、モバイルアプリケーションが自動的に MobilePush に表示されます。先に進む前に、構成が適切に設定されていることを確認してください。これを行うには、テスト通知を使用します。Simone がテスト通知を送信するために行う手順を確認しましょう。
ステップ 1: テスト用のフィルター済みリストを作成します。
フィルター済みリストは、特定の統計やデータ (ロイヤルティレベルや状態など) に基づいて絞り込まれた連絡先のリストです。MobilePush テストでは、テストに使用するモバイルデバイスに関連付けられている連絡先キーを使用する必要があります。Simone が MobilePush でテストリストを作成する手順を次に示します。
- MobilePush の [概要] ページで、[管理] をクリックします。
- 次に、[リストの作成]、[フィルター済みリスト] の順にクリックします。
- [システムデータ] で、[連絡先] を選択します。
- [Contact Key (連絡先キー)] をフィルターにドラッグし、Eduardo もテストに使用する同じテストモバイルデバイスの連絡先キーを入力します。
- [完了]、[フィルターとして保存] の順にクリックします。
- テストリストの名前を入力し、[保存] をクリックします。
リストが作成されてから、アプリケーションによって作成された連絡先がフィルター済みリストに表示されるまで、最大 5 分かかることがあります。次の手順に進む前に、新しい連絡先が返されるまでリストを更新してください。
ステップ 2: テストプッシュ通知を作成し、[送信] を押します。
この通知は工夫を凝らす必要はないため、Simone は構成が適切であることを確認するためのシンプルなアウトバウンドメッセージを作成します。次に、作成したテストリストを選択し、[送信] を押します。メッセージの作成と送信については、次の単元でこのステップを詳しく説明します。
ステップ 3: メッセージのアクティビティを確認し、成功を確かめる。
Simone がテストモバイルデバイスを確認すると、成功を示すテストメッセージが表示されました。メッセージが届かなくても、心配は不要です。アプリケーションの設定を確認し、アプリケーション開発者に連絡してトラブルシューティングを依頼してください。
追加の設定
Simone のテストが成功したので、[セットアップ] に戻って Scott’s の新しいアプリケーションの設定を確認して調整します。この画面で [編集] をクリックすると、[リッチメディア] と [送信ブロックアウト] 期間を有効にできます (1)。この画面では、[Add Headers (ヘッダーの追加)] と [Add Footers (フッターの追加)] も使用できます (2)。
なぜこのようなオプションを使用するのでしょうか?
- リッチメディアを有効にすると、通知に画像や動画を追加できるようになり、顧客がメッセージを開く可能性が高まります。これを望まない人はいないでしょう。
- 送信ブロックアウト期間は、特定の期間 (通常は夜遅くから早朝) に Marketing Cloud Engagement からプッシュメッセージがスケジュールされないように制限するために使用します。これは、顧客をイライラさせず、顧客の満足度を維持するためです。月替わりのハンバーガーについて夜中に起こされたい人はいません。特に、深夜に食べたい欲求を満たすために店が開いてさえいない場合はなおさらです。
- 標準のヘッダーとフッターは、今後のプッシュ通知すべてにブランドの一貫性を持たせるための素晴らしい方法です。標準のヘッダーとフッターを作成することで、Simone は MobilePush から送信されるすべてのメッセージについて、チームの誰が送信したかにかかわらず、Scott's Restaurant and Bar として明確にブランド設定され、正しいリンクが記載されているという安心感を得ることができます。
これで、アプリケーションと MobilePush の接続に成功し (やりましたね!)、MobilePush をプロのように使いこなす方法を学ぶ準備ができました。次の単元に進みましょう。
リソース
- Salesforce ヘルプ: Marketing Cloud MobilePush の使用開始
- Salesforce 開発者: MobilePush and Journey Builder for Apps SDKs (MobilePush SDK と Journey Builder for Apps SDK)
- Salesforce ヘルプ: アプリケーションへのプロビジョニング情報の追加
- Salesforce ヘルプ: Apple から必要なアイテムを入手して iOS プッシュ通知を送信
- Salesforce ヘルプ: プッシュ通知の作成と送信
- Salesforce ヘルプ: リッチ通知の使用開始
- Salesforce ヘルプ: MobilePush の省略可能な設定
- 外部: Apple Developer