Integration Trailblazer のマインドセットを組織に取り入れる
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- Integration Trailblazer のマインドセットを説明する。
- API 主導の連携とパートナーシップを通じて、エンドツーエンドのカスタマーサービスを再考する。
スマートアシスタントに「買い物リストにオレンジジュースを追加」というコマンドを出したときにバックグラウンドで起こるすべてのことを考えてみましょう。
- あなたが言ったことを認識するデバイスの能力は、あなたや他のユーザーがスマートアシスタントサービスに発した何百万もの音声コマンドに基づいています。
- データセンターでホストされているマシンは、人工知能 (AI) と機械学習 (ML) を通じて常に学習し、人間の話し言葉のニュアンスに適応しています。
- AI と ML がサービスに通知してオレンジジュースが買い物リストに追加され、このリストは携帯電話とクラウドの間で同期されます。
データの価値がどこにあるかを知る
AI は、ユーザー、モノ、アプリケーション、データのより大きなエコシステムにコンテキスト内で接続されて初めて、第 4 次産業革命のテクノロジーになります。調査会社の IDC は、AI の市場は 2023 年までに収益が約 984 億ドルに達すると想定しています。
AI を特定のコンテキストにリアルタイムで接続する (スマートアシスタントのような) 機能がなければ、それほどの価値はありません。IoT やブロックチェーンなど、第 4 次産業革命テクノロジーと分類されている他のテクノロジーについても、まったく同じことが言えます。モノのインターネットというフレーズは、モノが何らかの方法で相互接続されていることを示唆しています。
もう 1 つ言えることは、アプリケーションプログラミングインターフェース (API) という、最も重要なテクノロジーがなければ、コンテキスト内の接続は不可能です。API は、Trailblazer が成功するための鍵です。デジタル経済を牽引する活気に満ちた現代のエコシステムを形成する上で API が果たせる役割を理解したら、この新しい時代をリードする会社の役に立つことができます。
Integration Trailblazer のマインドセットを取り入れる
API、AI、IoT、ブロックチェーンなどのテクノロジーによって、新しいデジタル経済での成功が定義されます。歴史はほぼ同じように繰り返されます。デジタル革命から生まれたリーダーは、新しいテクノロジーの可能性を発見し、それに取り組んだ人でした。
これには、今まで誰も可能だと思いもしなかったコネクテッドエクスペリエンスを考えつく想像力と検討する意欲が必要です。それを実現するには、まったく異なるタイプの運用モデルが必要になります。商品やサービスをより効率的かつパーソナライズされた方法で提供するために、組織はお客様へのサービスに対するアプローチを完全に再考する必要があります。
このマインドセットを会社に導入するために何ができるでしょうか?
エンドツーエンドのカスタマーエクスペリエンスを再考する
前の単元で説明した健康情報を追跡するカスタマーエクスペリエンスの従来の「エンド」は、ユーザーが睡眠や活動の追跡を開始することで始まり、パターンを把握することで終わっていました。API 主導の接続性により、これらの「エンド」が変化しています。エンドツーエンドのカスタマーエクスペリエンスが拡張され、以前は簡単に含まれなかったパートナー提供の機能が含まれるようになりました。
100 年以上存続する企業を考察すると、その耐久力の鍵の 1 つは時代と共に変わることができる能力でした。こうした企業は、エンドツーエンドのカスタマーエクスペリエンスのあらゆる部分を所有して構築することから、優れたアウトソーサーとインテグレーターになることに移行しました。この変革のマインドセットを持つことが重要です。
MuleSoft の最高技術責任者である Uri Sarid は次のように述べています。
「1920 年、歴史上最も称賛された企業の 1 つは、発電所を所有し、機械工場と鋳造所を持ち、ブラジルにゴム農園を持っていました。ケンタッキー州に炭鉱、ミシガン州とミネソタ州に何エーカーもの森林地帯と鉄鉱石鉱山を持っていました。多数の船と鉄道全体も持っていました。フォードは、自動車を製造する過程ですべての原材料をまとめていました。今日、フォードの自動車に使用される部品の 99% は実際には外部委託されています。エンジンブロックも他社で製造されています。」
フォードのような企業は、顧客を獲得する車の設計に限られたリソースの多くを費やし、ブレーキパッドの製造といった差別化要素のない活動に費やすリソースを減らすことができます。自動車業界のジャーニーのどこかで、アウトソーシングをビジネスチャンスと捉え、業界を永遠に変えた一握りの Integration Trailblazer がいました。もはや自動車メーカーが非統合的なアプローチを取ることは考えられません。
お客様に喜んでいただく連携
API を使用することで、第 4 次産業革命の Integration Trailblazer は、物理的部分と仮想的部分の巨大なパレットから革新的なカスタマーエクスペリエンスを設計して組み立てることができます。その機能の一部は、お客様が必要とするまさにその瞬間にインターネットから動的に供給されます。
たとえば、お菓子が欲しくなったときに家にポップコーンがないことに気付いた瞬間について考えてみましょう。電子レンジから直接 [ポップコーンを注文] ボタンを押せることを想像してみてください。今の電子レンジにはこの機能がないかもしれません。ですが、近い将来実現されることは想像に難くありません。その電子レンジは、IoT 上でコンテキスト内接続された多くのモノの 1 つとなるでしょう。
ただし、Trailblazer がそのカスタマーエクスペリエンスを創出するには、このような特定の目的のためにパーソナライズされた豊かなエクスペリエンスを実現したり、カスタマーエクスペリエンスの一部を自動車メーカーが大部分の自動車部品を外注するのと同じようにアウトソースしたりできる、API の力について知っておく必要があります。また、MuleSoft Composer のようなシチズンインテグレーションツールを活用することで、多くの Trailblazer はクリックするだけで独自の連携とカスタマーエクスペリエンスを創出できます。
このモジュールは、あなたが接続性と API を理解して使用し、ビジネスを変革するジャーニーの始まりとなるかもしれません。または、優れたソリューションの構築に進む準備ができている場合は、復習として参照してください。このジャーニーのどの時点にいても、連携のマインドセットを会社に持ち帰って真のデジタルトランスフォーメーションに向けて取り組み、第 4 次産業革命の道を切り開いてください。